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オリンピックの身代金
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【この小説が収録されている参考書籍】
オリンピックの身代金の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.16pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全178件 61~80 4/9ページ
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読み応えありすぎる! 新幹線 こだまに 乗って車中で読まなければ たぶん 挫折してたと思います。 半分まで読んだ時 国男の応援してる自分に気づきました。最後 あとは捕まるしかない、、、と 思うと 残念でたまりませんでした。あっけなく逮捕されたのには 拍子抜けしました。 数年後に また 東京五輪を控えている今、テロとか 情報操作とか 本当に 大丈夫なのか? 本当に この時期に 東京五輪やっていいのか? と 個人的に 勝手に心配することになりました。 | ||||
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強い印象を与えた上巻のラストから一転,下巻に入るとまた落ち着いたというのか, これまでと同様に,少し進めては時間を戻し,それまでの側面や裏面を見せる展開や, 地方や労働者軽視の社会への憤りなどは,さすがに焦れったさを感じることがあります. それでも,細かい場面転換の連続は,『本番』が近づくに連れて緊張と興奮を覚え, 成功はないと思いながらも,犯人役の青年への期待,結末に想像が膨らんでいきます. このほか,相棒の男性との信頼関係や,その男が彼の中に見た『希望』には胸が打たれ, 男や同郷の仲間たちと同じく,彼にどこまで肩入れできるかで評価も分かれてきそうです. また,事件は終わるも,青年の『その後』にはまるで触れずに幕切れとなる様子は, 彼など初めから存在しなかったようで,そこには彼が立ち向かった社会が重なるよう. さらに,社会と自分たちの明るい未来を信じて疑わない,最後の若者たちのやり取りは, 確かにハッピエンドなのかもしれませんが,何ともやり切れない苦々しい思いが残ります. | ||||
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昭和39年,オリンピック開催に沸く東京を中心に,それを複数の視点から描くことで, 高度経済成長期を突き進む日本の発展の光と影が,うまく描かれている印象を受けます. また,その賑わいの中,東京との違いはもちろん,何気ない仕草にいたる部分まで, 活気から取り残された地方や,搾取される側との『格差』には何とも言えない気分に. 時間を前後させて描かれるこれらは,長い作品のため,いささかくどさもありますが, 事件を起こす青年の中で,少しずつ積もり,自身の変化に戸惑い,吹っ切れていく姿は, 世の移り変わりや人々,現代との比較,そして彼の変化を追い掛けるようで興味深いです. そして最後の章,文庫版は上下巻分冊のため,全体としては中盤あたりになりますが, 冒頭の場面を逆の視点から映す様子は,最後でありながら,始まったと言わんばかりで, 軽い興奮を覚えるとともに,下巻への期待が一気に膨らむ見事な区切りだったと思います. | ||||
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1964年(昭和39年)の夏。扇風機が回るクーラーのない職場。都電が縦横に路線を広げる街で、暑ければ大人も子供もやたらとラムネを飲む。警視庁の刑事らはその都電で現場に向かう。新婚旅行は東京駅から熱海方面行きの電車に乗り込み、ホームでは同じ引き出物を持った見送りの同僚らが新郎を胴上げして送り出す。東海道新幹線の開通は開会式の直前。立ち上がったばかりの民放テレビの記者たちは、新聞には負けられないと意気込んでいる。街中ではポマードを使っているやつが結構多いーー。 前回の東京五輪開催前の社会風物、高度成長期の人々の模様を背景に、1人の学生が人夫に身をやつし、やがてとてつもない行動にのめり込んでいく。物語自体は今の目からみると、心なし不自然というか作った気配がわずかに残る、と言えなくもない(とくに左翼思想絡みのところ)。しかし活気に満ちた「昭和」の情景を再現していく手際は鮮やかで、よく出来たサスペンスに仕上がっているように思う。 レビューの中には「裏Always」との評もあった。そんな、明るく前向きなだけではない、混沌としたあの時代に対する愛着、郷愁が作者の執筆動機なのかもしれない(といっても1964年当時、作者はまだ5歳だったようだが)。時間軸をずらして場面を前後させながらストーリーを進めていく手法にも感心した。 | ||||
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刊行時に読まなかったが、今読むと2020年オリンピックが東日本大震災福島第一原発 事故からの十分な復興なしに進められる理不尽さと重なって時宜を得た問題提起小説 だと思わせられて興味深い。東北出身者として日本の繁栄が地方からの出稼ぎ労働の犠牲の上に成りたっている事実は今も変わっていない。 | ||||
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完全に犯罪者側に感情移入しました。最後まで成功しろ、って祈ってました。最後は悔しくて泣きました。オリンピックバカヤロウ!って叫びたくなりました。なんだか説明のつかない気持ちです。出てくる警察や平和そうな人々に反感を感じます。どうしてなんだろう。全くわかりません。奥田さん、彼らの最後を教えてください! | ||||
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社会派小説。戦後20年、復興の象徴として開催される東京オリンピックを背景にプロレタリアートの人びととの対比がせつない。日本人としての誇り発展、華やかさの陰で捨てられていったプロレタリアートの命たち。いつの時代も底辺に押しやられて苛烈な労働を強いられる人びとがいる。その人びとを代弁するような島崎国男の純粋な行動を、誰が非難できようか。ダイナマイトでのオリンピック妨害の成功を願った人間もたくさんいたのではないか。印象的だったのは、いつの世もその現場で働く者はどんなに理不尽なことにも、反逆したりしない。動くのは絞り出すように働いている人間ではなく、その上の知的上流の人びとだ。今の世の中を見ていてもそうだ。現場の人間はいっぱいいっぱいだし、やはり知的にも高くはないのだ。だから、数ある社会運動は常に視点が代理視点だ。本人たちのそのままの視点ではないので、違和感を抱く運動も多い。そして社会運動で名をあげて政治家などになる人間もいる。でも、その陰にあった労働者たちの本当の悲哀は常に一時救われてもすぐにもとにもどってしまう。ここに表されたプロレタリアートの世界が、現代にも連綿とつながってなんら変化していないのをみれば一目瞭然である。ということを、考えてしまうリアリティもあり、その当時の特に東京オリンピックに向かう日本の波が小説内にも充満していておもしろかった。 | ||||
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思ってたよりあっけなかった。 全体におもしろくはあったのですが、、、 | ||||
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読んでいる間は、高度成長の時代に自分が生きてきるような気分にさせられました。 | ||||
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1964年、前回の東京オリンピック当時の世相を理解するには絶好の書です。 | ||||
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今の40代の父親世代が青春時代の頃のお話。1960年代、オリンピック開催前のお話です。 当時の東北の寒村と活気あふれる東京とが対比されます。高度経済成長中の東京がいかに活気に溢れていたのか、 逆に東北の寒村が高度経済成長の恩恵から取り残され、時代の波に乗るためには集団就職という名の、首都圏への 移民が必要だった・・・。なるほどな、この時代こそ強烈な格差社会であったわけだな、田中角栄が出てきて、日本列島 改造が声高に叫ばれたのも、これが原因なのかと納得しましたね。 私たちは昭和をもう一度知る必要がありますね。良い本でした。 | ||||
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最高に面白い小説でした。秋田県の山間部の当時の生活振りの描写はやや極端と思いますが、そういうところもあったかもしれません。性風俗が極めて自由という点は今も変わりません。 | ||||
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離れて回つている幾つかの歯車が、話が進んでいくのに合わせて噛み合っていくような、今迄には余りなかった展開で新鮮だった。 | ||||
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後半の説明不足感はすごい。 読者に委ねるということかもしれないが、ものたりなく思う人もいるはず。 | ||||
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著者は、『オリンピックの身代金』で吉川英治賞を受賞した奥田秀朗。 (H23/9/25 初版発行) 急死した兄の背中を追って人夫になり、肉体労働に従事した島崎国男。 そこには高度経済成長を錦のお旗に、貧困に取り残された世界があった。 国男は知力の限りを振り絞って、オリンピック当日までこぎつけた。 オリンピックの身代金はとれるのか?下流社会の鉄槌を下せるのか? 上巻から下巻が楽しみだったが、期待通りの上質な内容だった。 初めは凡庸な青年だった国男が、みるみる熱いものを心の中に溜めていき、邁進する姿をどんどん応援したくなる自分が不思議だった。 人夫が言う、国男が邁進する理由は兄の弔いである、というのは、間違いであるという複雑な(ある意味真っ直ぐな)感情が伝わってきた。 本書は伏線もしっかり、プロットもしっかり組まれているように思えるが、何より心を惹かれたのが登場人物の“気持ち”だった。 物事よりも、その“気持ち”が先行して物語を紡いでゆくというのかな。 普段読んできた小説よりも、刻一刻と流れるように変化する登場人物の“気持ち”が、沸々と、キラキラと感じられる素敵な作品でした。 ───人柱という言葉に、国男は打ちのめされた。以前マルクスを引き合いに出し、苛烈な搾取構造の中で屈託のない飯場の労働者について、不思議でならないとの感想を自分は抱いた。しかしそれは過ちだった。彼らはちゃんと現状を認識している。戦う術を知らないだけなのだ。(p.306) | ||||
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身代金を要求するに至る背景が、都市部と田舎の貧富の差というのが、なんとも泣けてくる。 東京オリンピック開催当時と今は違うが、それでも似たような環境はあるように思えてならない。 今の時代の幸福とは何かを考えながら読ませてもらった。 | ||||
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高度成長期の都市部と農村部が描かれており、確かにこんなんだったんだろうなあ、と思わせる。 自分自身当時は小さかったので記憶が薄いけれど、皆が必至に高度成長に向かって頑張ってた その当時の様子がなんとなく味わえる。 | ||||
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著者は、2002年『邪魔』で大藪春彦賞を受賞した奥田秀朗。 (H23/9/25 初版発行) 時は昭和39年夏、東京はアジア初のオリンピック開催で熱狂していた。 そんな中に、警察幹部宅と警察学校を狙った爆破事件が発生する。 その前後して、オリンピックを妨害すると言う脅迫文が警察に届く。 敗戦国から一等国に駆け上がろうとする日本の名誉、警察の威信にかけた大捜査が行われた末に見えた容疑者は、一人の秋田人夫だった。 本書の醍醐味は、容疑者・島崎国男の心境の変化に尽きる。 国男は、初めは国家反逆に全くの興味はなく、マルクス主義を研究していた為にプロレタリアートの一端を経験しておこうと思った。 そこで生活していくほどに、現代で言う格社社会を、身を持って感じる。 ほとんど何も興味がない凪のような人間が、徐々に“個”をもって行動に移してゆく「行動」が、「心境の変化」が、非常に瑞々しい。 『海辺のカフカ』(2005、新潮社、村上春樹)の田村カフカのようだ。 秋田と東京、まるで180度違う世界、下流社会と上流社会。 発注元会社と孫請会社、反乱は起きず、争いは地べたで起こる。 国男は、そのガラスの天井にダイナマイトで鉄槌を下してゆく。 構成もとてもドラマチック組まれており、登場人物、時系列はバラバラに展開され、上巻の頭と締は同時刻を他の登場人物から写している。 国男はオリンピックを人質に身代金をとれるのか、下巻が楽しみだ…! | ||||
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高度成長に向かう日本とその土台になった貧しい地方,子ども時代の社会状況が思い出されてきた。その中で進むストーリーに次第にひきこまれてきた。 | ||||
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テレビのドラマを見て、50年前の日本の様子、車・服装・話し方・町の様子などうまく見せているなと思いました。これが文書ではどうなっているのかと興味が湧き購入しました。 奥田英朗は初めて読みますが、テレビとは違って犯人視点からのストーリー展開が中心になっており、警察側視点の展開よりさかのぼっての展開で、読む側がストーリーの全体像を構成させながら読むように仕向けています。うまい手法だなと思いました。 テレビを見たから感じる部分もありましたが、非常に気に入った本の一つになりました。 | ||||
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