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オリンピックの身代金
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【この小説が収録されている参考書籍】
オリンピックの身代金の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.16pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全178件 21~40 2/9ページ
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あの東京オリンピックと2020東京オリンピックの国家権力の振る舞いは同じなのかと、小説ながらも予言とも読める 犯人が分かっていても最後まで盛り上がる構成も含め、星5つ | ||||
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ここまで犯人側に肩入れして読んだ小説は 初めてです。 戦後の高度経済成長期に置いてきぼりにされた人たちや地方経済、今の時代も レベルの差こそあれ 根本は変わらないのかもしれない と思いました。 彼らの最期が どうか 安らかでありますよう。 | ||||
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ノンフィクションなみのリアリティ! | ||||
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罪の轍がとても面白かったので続けて未読だったこれを読了。 とてもつらかった。 島崎は誰からも愛されて期待されていたのに、なぜテロリストの道を選んでしまったのか。 家族や周囲の人を気遣う気持ちがあるのに、彼らに迷惑がかかることを承知で行動していく様は理解はできなかった。 島崎を愛する人たちが哀れでならない。この先村田はどうなってしまうのか。 また、この作品を2020年オリンピック直前に読んだことに意味があった。 結局1964年から日本の構造は何も変わっていない。搾取する側とされる側は相変わらず差が開く一方だし、オリンピックでは人柱が立つ。 64年はまだ未来に希望があっただけましかもしれない。今は... この時にオリンピックを標的にしたことについて島崎は誰からも賛同されなかったが、今ならどうだろうか。 ひょっとして、奥田さんはもう一度この作品にスポットを当てるためにも罪の轍を書いたのではと思ってしまった。考えすぎか。 | ||||
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要求金額は八千万円。人質は東京オリンピックだ――五輪開催を妨害すると宣言していた連続爆破事件の犯人、東大生・島崎国男が動き出した。国家の名誉と警察の威信をかけ、島崎逮捕に死力を尽くす捜査陣。息詰まる攻防の末、開会式当日の国立競技場を舞台に、最後の闘いが始まった! 吉川英治文学賞受賞作。 | ||||
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1964年の東京オリンピックの頃は、日本が高度成長し始めた時期で、それは、都市と農村の格差が一気に増大した時期でもあった。東京オリンピックの会場作りや環境整備などの土木工事の多くが東北の出稼ぎ労働者に担われた。 この物語は、いわば、農村の都市に対する反抗という暗喩のもとに進行する。2020年のオリンピックを前にあの当時の世相や雰囲気をこの本から読みとることはノスタルジーだけでなく、沈滞する日本の今を考えるきっかけになるかもしれない。 | ||||
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場面描写や人物の葛藤など細部にわたるまで筆者の筆力に圧倒され作家の凄さを感じた。途中少し読んでいて退屈な箇所があったり緩慢に感じる場面もあったが総じて面白い。しかしラストの終わり方が個人的には極めて残念でならない。え?これで終わり?続きは?これはないでしょう!というのが正直な感想。素人意見だがもう少しなんとかならなかったのか。読後感があまりよくなく作品全体の印象にも影響を及ぼしてしまった。しかし著者の本はこれからも読みたいと思う。 | ||||
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おもしろすぎる。 時代の空気感、風刺、ユーモア、社会性、ストーリーテリングの妙。 エンターテイメント小説の枠を超えたエンターテイメント小説。 一人でも多くの人に読んでほしい。特に2020年が来る前に。 | ||||
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青森だか秋田だかの、爪に灯をともしながら極貧の生活をしている農家の奥さんが、たまたま町に村芝居でやって来た男と出来てしまって産まれた子供が、美男子で頭もよく、なんと東大に入学してしまう。 兄は肉体労働者。出稼ぎで東京オリンピックの会場となる施設で働いているが、事故死。その骨を引き取りに行った弟は、搾取する側と搾取される側の格差にあぜんとし、このままでは日本はだめになる…という事で、オリンピックを人質に社会を変えようとする。 さてどうするのか…。まずはダイナマイトで色々なところを爆発させて、「今度はオリンピックの開催の日に、国立競技場をぶっ飛ばします…」とやるわけだ。 成功しない事はわかっているのだが、マルクスに目覚めた東大生が社会に一泡吹かせようと色々頑張っているストーリーは爽快であった。 | ||||
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まさに今読むべき作品。 2020に控えた東京オリンピックを意識せざるを得ません。 リアリティから感じる緊迫感が実物。 ページをめくる手が止まりません。 | ||||
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奥田作品は沢山読んでおり、奥田ファンといっても過言じゃないと自負してますが、この作品のエンディングは最低最悪です。「なんだソリャ」とうなだれてしまいました。いまからでも遅くないので書き直して欲しいと思うほどです。 | ||||
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一人でも、テロリストになれるという意味で、よくできてる物語だ。 なぜ オリンピックに、はむかおうとするのか? というところが、『格差社会』ということを最大限緻密に描写している。 そしてその当時の昭和が刻銘に描かれている。 格差にたいして、純粋に怒りを感じる。 『いったいオリンピックの開催が決まってから、東京でどれだけの人夫が死んだのか。 ビルの建設現場で、橋や道路の工事で、次々と犠牲者を出していった。 新幹線の工事を入れれば数百人に上がるだろう。 それは東京を近代都市として取り繕うための、地方が差し出した生贄だ。』 高度経済成長の シンボルというべきオリンピック。 それを 誘拐しようとする試みが いいなぁ。 | ||||
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この作品をただ「非常に素晴らしい」などと表現したら、それは良さを言い表しているとは言えません。これは「凄い作品」です。 「奥田英朗の作品はどれも面白いけれど、5つ星をつける作品がない」と友人がよく言います。確かに彼の軽妙洒脱な彼の作品は、どれも面白く大変出来がよい。ただ、星5つ付けるような迫力が感じられない所があります。 けれども、その彼の作品群の中でもミステリー仕立ての作品群は、緊迫感と凄みがあります。「ナオミとカナコ」然り「沈黙の町」然り。敢えてミステリー「仕立て」と言ったのは、これらがただのミステリーではないからです。 では「オリンピックの身代金」はどんな作品でしょうか? ◇ この作品には昭和30年代の、開発が進む東京のエネルギーと、当時の学生気質と、東北の貧困とが同時に描かれています。東京と東北の格差に憧れと怒りを覚える青年の、ふつふつとした感情や怒りが伝わってきます。 「いったいオリンピックの開催が決まってから、東京でどれだけの人夫が死んだのか。《略》それは東京を近代都市として取り繕うための、地方が差し出した生贄(いけにえ)だ」 こんな言葉が、心に沁みます。 当時の時代のエネルギーを実体験したようで、底辺に生きる人たちと主人公との絆に涙が出てきます。この手の本でそんな感情や感覚が芽生えることは、そうそうありません。作者の筆力による所が大きいのではないでしょうか。 ◇ まだ他にも、この作品の魅力はあります。 ⑴ 刑事、学生と東北人、OL、自由気ままな青年、この4つの視点で書かれていて、同時並行で話が進みます。この手法は、多くの小説で見ることができますが、切り替え方と関わり方が絶妙です。 ⑵ 昭和39年8月22日(土)から始まり同年10月11日(日)で終わるまで、数日ずつ話が進行して行って、話の進行に実際あった出来事が織り込まれていきます。まるで時代を追体験しているかのように…。 ⑶ 上下2段の521ページ。読むのに約一月かかりましたが、それでも読まずにはいられないほど最初から最後までずっと惹きつけられました。 ⑷ 終盤の緊迫感と盛り上がり方。そして「この話をどう決着させるのだろうか?」と思わせておきながら、何とも心地よい終末。 ⑸ 「ディレクターの横で、丸顔に眼鏡の司会者が、『ズージャはノリだから。パイイチやってそれで本番だ』と言い、胸をそらし、ウッシッシと笑った」など、奥田英朗さん得意のユーモアが随所にちりばめられています。勿論これは大橋巨泉さんのことです。 ◇ 私は、平昌オリンピックと同時に読み進み、次の東京オリンピックに思いを馳せながら読みました。50歳以上の方は是非、オリンピックのニュースでも聞きながら読んでみてはいかがでしょうか。 | ||||
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1964年10月10日に開会式が行われるまでの東京が舞台です。 東京オリンピックはまさに国家行事であり、敗戦国日本の復興のシンボルというべきものであった様がリアルに描かれています。 そんな中、兄の不遇の死を知った主人公が、浮かれた国家に嫌気がさして国を相手に事件を起こします。それまでの日本、特に地方は貧しかったんだなーっとか、国家権力ってやっぱり怖いんだなーっと痛感させられました。 キーワードは 東京オリンピック、東北出身、東大、社会主義、公安、ヒロポン をあげます。 主人公の誰からも愛される人となりが同情と共感を呼んで引き込まれていきます。フィクションだと思いますが、もしかしたら本当にあったことなんじゃないかと錯覚するかもしれません。2020の東京オリンピックで、こんなことがないようにとハラハラしながら読みました。 2009年の吉川英治文学賞受賞作品です。 奥田英朗は空中ブランコという直木賞受賞作品がありますが、こっちはいまいちです。これは本当にオススメです。 | ||||
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東京オリンピックを間近に控えた高度経済成長の日本で、不遇の死を遂げた低階層の兄の死の真相を知った主人公の東大生の狂気を著した作品です。時代背景が随所にみられて、没頭できました。本当に日本は貧しい国だったんですね。一気に読みました。 登場人物は少ないですが、後々うまく絡んできます。時間が前後して展開していきますが、よく考えられた構成になっています。 上巻下巻が全くページ数が異なりますが、内容的にここで切れ目が必要だったのですねと後で納得できます。 今はまさに2回目のオリンピックを控えた日本です。読むのにちょうどいい時期かもしれません。 奥田作品は初めてでしたが、奇を衒わない実直な作風で、別の作品もま読みたくなりました。 本郷周囲のことがちょこちょこと詳しく記されているので、奥田さんは東大出身かと思いましたが、高卒なんですね。ちょっとびっくりしました。 ベテラン作家が受賞することの多い吉川英治文学賞を受賞した作品でオススメです。 | ||||
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旬な題目に惹かれて読みましたが,長いです。 東京オリンピックを舞台に貧しい農村出身の若者が国を相手にして身代金を要求するという内容でした。 昭和30年代の東北の貧しさがリアルで,島崎がテロを実行するに至るまでの心の葛藤が細かく表現されています。 奥田英朗氏は「サウスバンド」以来でしたが,入りやすい文調で期待を超える面白さでした。 | ||||
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旬な題目に惹かれて読みましたが,長いです。 東京オリンピックを舞台に貧しい農村出身の若者が国を相手にして身代金を要求するという内容でした。 昭和30年代の東北の貧しさがリアルで,島崎がテロを実行するに至るまでの心の葛藤が細かく表現されています。 奥田英朗氏は「サウスバンド」以来でしたが,入りやすい文調で期待を超える面白さでした。 | ||||
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旬な題目に惹かれて読みましたが,長いです。 東京オリンピックを舞台に貧しい農村出身の若者が国を相手にして身代金を要求するという内容でした。 昭和30年代の東北の貧しさがリアルで,島崎がテロを実行するに至るまでの心の葛藤が細かく表現されています。 奥田英朗氏は「サウスバンド」以来でしたが,入りやすい文調で期待を超える面白さでした。 | ||||
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上巻を一気読みして流れるように下巻に。捜査のかなり初期から犯人が浮かび上がり、その裏付け捜査がストーリーの骨幹を為している作りは、ちょっとご都合的に過ぎる嫌いがあるが、でもこれは大河ドラマじゃないんだから気にしません。というか、とにかくスピード感があるので、そんなマイナス点が気にする余裕も無く、怒濤の追跡劇を堪能しましょう。ここで犯人に感情移入出来るのは、前半の飯場での肉体労働のシーンがあったからでしょう。このように後で効いてくる構成はさすがです。 | ||||
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主人公は、島崎国男。 秋田出身の東京大学大学院の学生。 時は、東京オリンピックが開催された昭和39年。 国男は、兄の死をきっかけとして、 兄が働いていた土木工事現場で働くこととなる。 現場で働く中で、彼は徐々にオリンピックを開催しようと している国家に対し敵意を抱く。 そして、オリンピックの開催を妨害すべく ダイナマイトを使ってのテロリストとなる。 500ページを超えるボリューム中で、 国男の心境の変化や、警察の捜査内容が描かれる。 国男は、オリンピックの身代金を手に入れることが出来るのか・・。 オリンピックは、無事に開催されるのか・・。 読んでいて、当時の時代背景や人々の興奮が伝わってきた。 警察の国男逮捕へ掛ける意気込みは称賛に値するし、 捜査場面においては興奮を覚えた。 国男のテロリストとなる心境変化は、 あまりにも唐突であったように感じる。 元々、強い思想のない彼が、 1か月弱でテロリストになるのは無理があると思う。 | ||||
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