■スポンサードリンク


最悪



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
最悪
最悪 (講談社文庫)

最悪の評価: 3.97/5点 レビュー 187件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.97pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全187件 141~160 8/10ページ
No.47:
(4pt)

最悪も永遠には続かないという話。

真面目な中年工場主・若い銀行窓口担当のOL・天涯孤独の二十歳のチンピラ、それぞれの「最悪」を、直木賞作家・奥田英朗が淡々とした筆致で描いていく。
ほんの些細なズレや歪から、ドンドン深みにはまって、負のスパイラルに陥っていく過程が怖い。
単純な感情移入とは少し違う感じで、読者は、3人の主人公と「息苦しさ」を共有し始めるが、この辺りを飽かさず読ませ切る奥田英朗はさすがだ。
後半3人の人生が交錯し始めてからは一転ジェットコースター状態で目まぐるしく話が展開する。こちらでは読者は、主人公達と「開き直りと後悔の感情の波」を共有する。
これを「犯罪小説」と呼ぶ人が多いが、果たしてそうか?
確かに犯罪が描かれているが、追い込まれた先に偶々犯罪行為があったというストーリーであり、基本的に純然たる人間ドラマだ。
同じ作者の、「インザプール」や「空中ブランコ」とはテイストが随分違う。しかし人間を見る目に、シニカルさと暖かさが混ざる点は、この作者の特徴が出ている。
最悪Amazon書評・レビュー:最悪より
4062092980
No.46:
(3pt)

ついつい感情移入

小さな町工場社長の川谷、銀行員のみどり、無職のチンピラ和也。全く接点のない三人が、人生の階段をどんどん転がり落ち、次第に追い詰められていく。絶体絶命、「最悪」の窮地に立たされた三人の運命が交差したとき、意外な展開が待ち受けている。
・・・登場人物がどんどん精神的に追い詰められていく様が丁寧に描かれ、ついつい感情移入してしまう。チンピラ和也が堕ちていく様子はまだしも、まじめにコツコツ働いてきた工場長の川谷が少しずつ追い詰められていく過程は、あまりにリアルすぎて気分が重くなってしまった。思わぬ形で犯罪に加担した形になってしまった三人のその後も、なんとなくすっきりしたようなしないような。
作者の筆力といえばそうなのかもしれないが、なんだかやりきれない気分を残した読後感はいなめない。私としては、からりと明るい「空中ブランコ」の方が好きだったかな。
最悪Amazon書評・レビュー:最悪より
4062092980
No.45:
(5pt)

じわじわとねちっこく「最悪」が連鎖する

それまでの人生において、全く関わりがなかった3人の日常が順番に語られていく。タイトルがある種の暗示になってしまい、登場人物の前に選択肢が立ち塞がるたびに「それは避けろ」とハラハラしながら声をかけたくなる。心理描写がとても丹念に綴られるので、これでもかと迫り来る「最悪」に対する心情にリアリティがあり、ぐいぐいと感情移入してしまう。彼らという点が線としてつながったとき、予想だにしなかった最悪な事態が訪れる。許容範囲を軽く越える最悪は底なし沼のようだ。あまりのパニックぶりに吹き出してしまった。筆者にとって「どこまで行けば最悪なのか?」。さらに最悪は拍車をかけて彼らを襲う。読み出したらとまらないミステリの傑作だと思う。
最悪Amazon書評・レビュー:最悪より
4062092980
No.44:
(3pt)

悪循環

最寄りのブックオフにて三日間限定で文庫本全品200円のセールがあったので、この際だからできるだけ分厚い本を買ってやれと貧乏性を発揮して購入。(普段は基本的に定価の二分の一の価格なので厚い本ほど割安だったのです。京極夏彦は売り切れてた。w)先日サウスバウンドを読んだばかりだったけれど、その一冊だけで奥田英朗を評価していいのかとも思ったしね。
と言うわけで本書を買ったのだけど、まず作風が全然違って驚いた。サウスバウンドの文章は生き生きとしており、躍動感があった。対して、こちらはミステリー然としている。ただ、相変わらず文章は読みやすくて好感が持てる。
そしてまさに目を覆いたくなるくらいじわじわと最悪状態へと物語は進行。ああもう、なんでそんな対応を!!と登場人物の優柔不断な行動を責めながら読み続けた。このままじゃ夢見が悪いと結局朝の八時まで読み続ける破目に。(してやられてる?)
読後感は良くも無く悪くも無く。ただ、“人の人生というものはこれだけ酷くもなりえるのだ”と提示された気もする。(そういえば桐野夏生の「I'm Sorry, mama」でもそんな風に思ったかもしれない。)
ただ、ダメな人間を描くなら山本文緒の方が遥かに巧い。山本文緒の書くダメ人間には「あるある・・・」と共感が得られるのだけれど、奥田英朗の書く登場人物たち(ダメ人間でも普通の人間でも)にはいまいち共感が得られない。こうだからこう、と行動が論理的に意味付けられてはいるものの、リアリティが感じられないのだ。(僕だけかな。)
元コピーライターだけあって、作品作品の設定は良いだけにおしい!と思う。
最悪Amazon書評・レビュー:最悪より
4062092980
No.43:
(4pt)

長さを感じさせない巧さ

3人の小市民がはまっていくそれぞれの「最悪」。それが巡り合うとき、更なる
「最悪」に到達。どうしてこうなってしまったのか、避けようのない事故だった
のか、理不尽な人生から逃げ出すしかないところまで追い込まれます。
最悪の度合いでいけば、町工場経営者の川谷が一番でしょう。
一番リアリティがあり、身につまされようで、読んでいて辛い。あとの二人は
若干リアリティに欠けるかもしれませんが、こちらもかなりの最悪ぶり。
全体的に描写が丁寧、かつテンポも良いので感情移入が容易です。
長い話のわりには読了にさほどの時間を要しませんでした。
最悪Amazon書評・レビュー:最悪より
4062092980
No.42:
(4pt)

初めての奥田英郎作品

初めて奥田氏の作品を読みました。登場人物が、普通の人たちで身近な環境を思わせるところが,良かった.三人のもつ、小さなネジが、少しずつずれて段々と深いネジ孔にはまり自分一人では,元に戻せなくなっていくあたりが,丁寧に書かれて読みやすかった。
最悪Amazon書評・レビュー:最悪より
4062092980
No.41:
(3pt)

ストーリーは決して「最悪」ではないのだが

タイトル通り、何だか最悪な気分に染まる一冊だった。ストーリー自体は、凝ったものになっていて、書評で概ね好評だったのも頷ける作品ではあるのだけれど、個人的にはどうも好きになれない作品である。何しろ、出て来る登場人物達が、一様にしみったれていて、「こういう人って、必ず損するようにできてるんだよねー」と思ってしまう人ばかり。男も女も、老いも若きも、である。読んでいるだけで疲れてしまって、大して難しい話でもないのに、読了までにずいぶん時間を食ってしまった。
最悪Amazon書評・レビュー:最悪より
4062092980
No.40:
(3pt)

面白かったけど

文庫版の解説を読んで「ほめすぎだろう」と鼻白みました。『プール』『ブランコ』『邪魔』『サウス・バウンド』に続いて著者の5冊目の本。チンピラ和也に、リアリティーがほとんど感じられなくて。謹厳実直な叔父さんの名前と同じなのもよくなかったか。最後もなんか、バタバタした感じ。『サウス・バウンド』にいたく感心したのだけど、この作品にはただ「面白かった」という印象だけ。そういえば『邪魔』ってどんな話しだったのか、忘れてしまったなあ。この本もすぐに「どんな本だったのかなあ」ということになるのだろうなあ。『サウス・バウンド』は多分、ずっと記憶に残ると思うけど。
最悪Amazon書評・レビュー:最悪より
4062092980
No.39:
(5pt)

奥田作品では最高傑作かも

本書は、全650ページ中最初の500ページぐらいで、3人の主人公が別々に最悪の状況に転落していく様子を描いている。川谷鉄工所社長、川谷信次郎は、近隣との騒音トラブルや設備投資の融資トラブルや従業員松村との関係や不況などに悩む。かもめ銀行北川崎支店の行員、藤崎みどりは、妹のめぐみ(おいおい事件に関係することになる)の問題や支店長にセクハラを受けたことに悩む。チンピラの野村和也は、トルエンをめぐって、大金を稼ぐ必要に迫られた。この3人が、いつしか偶然に出会うことになる。本書を読んで、いつこの3人が出会って事件がおきるのだろうかと言う気にさせた。話が進むにつれて、それぞれの人物同士がシンクロする部分も出てくる。事件がおきるまで、長いなあと思いながら、それぞれの人物で最悪な状況に転落していく。真綿で首を絞めるようにゆっくりと話がすすんでいく。やがて、かもめ銀行北川崎支店で3人が出会うことになる。同支店で、野村和也が銀行強盗を起こし、融資を断られむしゃむしゃしていた川谷信次郎が銀行強盗に幇助し、藤崎みどりが自分から人質になる。それから、逃亡することになる。最初は、野村和也は何でこいつらがいるのかがわからない様子だった。逃亡シーンなんかはもっとページを割いてもいいかなと思います。登場人物の人物描写・心情描写は鮮やかで、『空中ブランコ』とは違った味わいを見せてくれる。こういう重々しいサスペンス小説も書くことができるんだなと思いました。奥田作品の中では、最高傑作に入るでしょうね。今度は、同じサスペンス小説の『邪魔』でも読んでみます。
最悪Amazon書評・レビュー:最悪より
4062092980
No.38:
(4pt)

最悪というタイトルだが最高におもしろい

まさにPAGE TURNERでした。分厚いのに1日で一気読みしました。特に小さな鉄工所のまじめな経営者が転落していく姿と銀行内部の描写は本当に怖い。あとのヤクザはあんまり現実感ないですが。それとこの本にでてくる女性の描き方はちょっと納得できなかったです。映画向きなストーリーです。
最悪Amazon書評・レビュー:最悪より
4062092980
No.37:
(3pt)

普通に面白いです

★は3.5ってとこですかね。バラバラの3人の話が延々と続き、展開からしてどっかで出会うのは最初から分かるんだけどもそれまでが長いから、出会った時点で物語として完結している感じがした。ちょってネタバレになっちまうけど、あまり計画性のない銀行強盗と共犯関係になってしまうたまたま居合わせた客と銀行員ってどっかの映画とそっくりですな。あと鉄工所経営者の話は危機感迫るものがあり、読んでるこっちまで辛くブルーになってしまいます。
最悪Amazon書評・レビュー:最悪より
4062092980
No.36:
(3pt)

それなりに

楽しめました。登場人物のなんてことない日常がじわじわと崩されていく様は自分にも降りかかりそうな出来事ばかりでかなり怖かったです。内容もあまり難しいことを言っているわけでもないので600ページ以上ある大作なのにさらっと読めました。ですが話の進み方が少しぎこちないようにも感じました。3人の登場人物の話を頻繁に入れ替えるにもかかわらず、あまりストーリーが絡んでこないのでラストの展開が唐突な印象を受けます。シリアスなシーンなのにギャグっぽいところがあったりと、わざと演出しているのか、ひっかかる文章もありました。しかし、それを差し引いてもこの人の作品は面白いものが多いです。ですがエッセイのほうが面白いと思います。
最悪Amazon書評・レビュー:最悪より
4062092980
No.35:
(4pt)

偶然が遭遇せしもの、最悪なり

零細企業の社長、女子銀行員、若いチンピラ。接点のない彼らが窮状へ堕ちていくエピソードが交互に丹念に書かれて行き、読者の予想通りにこの三者が出会った時・・・・・・!伏線の張り方、緻密なディテールの積み重ねで、膨大なページを飽きさせない技量には驚嘆!こんな骨太でこんな仕込まれた小説ってないぜ。デートのない週末に、一気に読んでほしい。次に恋人へ会う時に、どんな顔をしていけばいいのか、そこまでの責任はしらないが。
最悪Amazon書評・レビュー:最悪より
4062092980
No.34:
(3pt)

あっという間に読める600ページ

 テンポのよい展開でどんどん読める。3人の日常が並行して描かれている。 『最悪』という題名どおり、登場人物がどんどん窮地に追い詰められていくのには、気が滅入ってくる。じりじりと、真綿で締められていくという表現がふさわしい。 『ウランバーナの森』の後で読んだということで、★★★☆☆。(あくまでも主観的評価)
最悪Amazon書評・レビュー:最悪より
4062092980
No.33:
(4pt)

面白いです

噂通りのpage turnerです。関係ない3人がそれぞれどんどんと困った状況になっていきます。私は、この3人のそれぞれの立場にかなり「味方」として感情移入できました。が、「私だったらこうアドバイスしてあげるのに」「私だったら、きっとこうするのに」と思いながらはがゆい思いもしました。特に町工場のおじさんと銀行員さんの立場なら、私ならここまで悩む様な状況にはならないように対処出来るな~~と思い、最悪ではないよね、と思いましたけど、本を読んでいるのだから没頭しようと思い、楽しみました。で、楽しめました。最後の方はページ数あまり気にせずもっと書けば良かったのに、とも思いましたけど、でもとにかく楽しかったです。ほんと、みんな、自分のことしか考えてない人に、人情というものがある性格の人は悩まされますよね。わかるわかる。おもしろいです!
最悪Amazon書評・レビュー:最悪より
4062092980
No.32:
(5pt)

平成を代表する作家

自分のことではないのに、登場人物に感情移入。一緒に追い込まれていきながら、馬鹿だと罵りつつ、助けてあげて、と懇願しつつ、最後まで。呆気ない結末に、ほっとしたりもして、読後の軽い疲労感が心地よい。最悪の状況を陰惨一歩手前で書ききるその筆力に安定感あり。次に新刊が出たら真っ先に読みたい作家
最悪Amazon書評・レビュー:最悪より
4062092980
No.31:
(4pt)

これが序章だ

読む順番を間違えるとせっかくの上質のミステリーの味わいが半減します。まずは「最悪」から読みましょう。デティールで読ませてくれるので、苦にはなりません。急展開の終盤も楽しめるでしょう。そして読み終えてから「邪魔」を読みましょう。さらに凄い奥田ワールドが待っていますよ。個人的には「太田」についての詳細を描いて欲しいところなんですが・・・
最悪Amazon書評・レビュー:最悪より
4062092980
No.30:
(3pt)

最悪ではないんですが

この先どうなるんだろうという、ハラハラ・ドキドキ感は味わえる本だと思います。ただ、登場人物の性格設定みたいなものが、余りにもありきたり。銀行員は上司の顔色ばかり窺っているし、預金のときはニコニコだけど融資の話では手のひら返すとか、中小企業のオヤジさんは理性的な思考ができないとか。セクハラで泣き寝入りするOLとか。この本をリアリティーを積み上げた小説だという人もいるようですが、私には単にステレオタイプの人物設定をしただけとしか思えませんでした。
最悪Amazon書評・レビュー:最悪より
4062092980
No.29:
(3pt)

確かにハラハラドキドキするが・・・

もうこれでもか!と言うくらい追い詰められていく過程など、生々しすぎて何度も読むのをやめたくなったが、作者の筆力か、結局最後まで引っ張られてしまった。しかし、どうにも読後感がよくない。結局何だったんだろう?って感じ。必然性がないというか。人物の心理やこまごましたやりとりは、丁寧に非常にリアルに描けているのに、読み終わると、『んなわけねーだろ』。どきどきしたい人にはおすすめかも。
最悪Amazon書評・レビュー:最悪より
4062092980
No.28:
(4pt)

クライムノベルというよりも・・・

「犯罪小説」と銘打たれているが、むしろ「心理サスペンス」と言ったところか。長い話であるが、物語の4分の3以上は犯罪というよりも、主人公3人が追いこまれて行く過程が細かに描写されている。一気に転がり落ちるというよりも、真綿で少しずつ首を締めていくような転がり方なだけに、読んでいるとどんよりと重い気分にさせられる。和也の場合は、自業自得な上に、アクションシーンのような場面も多いので、他のキャラクターの場合とは違った印象を受けたが。ただ、そういう異なった印象で書き分ける、というのも著者の力の証明とは言えるが。多少、実際の事件が起こってからの展開に無茶がある気がするのだが、それを考慮しても面白い。
最悪Amazon書評・レビュー:最悪より
4062092980

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!