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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 1~20 1/2ページ
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読後はなんとか持ち直しましたが、 中盤以降は読み心地があまり良くなかったです。 いや、正直にいうと、悪かった。。。 誤解のないように付け加えますが、 先が気になるという意味で、 ページをめくる手をなかなか止められないし、 閉じた本を開きたくなる本ではあります。 ただし、この本の読書には体力が必要でした。 例えば本書が初めての読書になる人(少ないでしょうけど)、 息抜き、楽しみ、娯楽として読書をしたい人、 私生活や仕事でストレスがやや溜まっている人などには、 本書は読むべきタイミングが今でないと、言わせてください。 単行本は二段組みでやや分厚い部類になります。 文庫が出ているようなので、 本書が気になる方には文庫をすすめます。 万人にはすすめられないこと、 読中の読み心地がお世辞にも「心地よい」と言えないことから まことに僭越ながら★の数は三つとさせていただきました。 繰り返しますが、 本の内容にひきつけられる、という意味で、 本書は間違いなく魅力的な一冊です。 その点に疑いの余地は一切ありません。 | ||||
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機械部品の町工場を経営している川谷信次郎(47才)、銀行員で窓口業務をしている藤崎みどり(22才)、カツアゲとパチンコの日々を送る野村和也(20才)の3人が主人公で、各人についての話が順に語られ、終盤に3人が出会って共演することになります。 出会うまでの各人は、標題通りの、読み手がイラつくような間の悪さ、ツキのなさで、シビアな毎日です。特に後半の信次郎は、本人の間抜けさが助長するひどい状況で、さすがにこのレベルでは、それまであったリアリティがまだあるとは言えなくなってきます。 そして、和也とめぐみ(みどりの妹)が企てた事件に、信次郎とみどりが巻き込まれて、それまで各々語られてきた話が1本にまとまるのですが、これ以降、それまでどうにかキープされてきた一定のリアリティが捨てられてしまいます。3人とめぐみの議論と行為はハチャメチャになり、若干ユーモアさえ感じられるほどです、ワタシには、ですが。そのため、中ほどまでは味わってチビチビ読み進んだのに、終盤はほとんど斜め読みになってしまいました。 | ||||
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あの映画の最凶と間違って購入しましたが 後味の悪さがいい感じで、残りました。 話が通じない今の世の中の怖さが、記されています。 ルール重視とコミュニケーション重視とは 環境が変われば、お互い通じない。 まるで今の世論と政治屋の行動のずれが・・・ 景気が悪いから、税収が減る 未来の子供の為に消費税を上げ 原発再開か、言葉通じない世の中は いつの世でも怖い | ||||
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文庫で読んだのでこっちでレビュー。 ずーっと昔、単行本で出た頃にちょっと読んで 「暗い話だなぁ・・・・」 と思って読むのをやめた記憶があります。 最近 「あれは奥田英朗だったのか」 と思って、読み直してみました。 昔の記憶と、奥田英朗、というので期待しすぎたのかもしれませんが、 「最悪」 レベルで 「超最悪」 では無かったです。 最後の銀行強盗のところはフィクションだなぁ、と思いましたが、それ以外のところは実はその辺で起きていることなんじゃないでしょうか。 そのリアルさがこの小説の売りなのかもしれないけれど・・・・ でもちょっと題名負けしてるなぁ。 題名本とまでは言わないけど。 文章は流れるようだしストーリーも面白い。 ただ、題名にふさわしいだけの落ちが無かったなぁ。 星三つ。 題名が印象的な本には、星は厳しくなります。 それでも星三つだから読む価値はあります。 | ||||
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「空中ブランコ」等でおなじみの直木賞作家・奥田英朗の長編小説。 ひたすらついていない三人が主人公の、文字通り最悪小説です。 何か劇的に「悪いこと」が起こるのではなく、気がつくと悪い状態になっているという状況が、気の毒というより、身につまされます。 もうこれ以上、悪いことにはならないだろう、と思う状況からさらに悪化していく現実。それをどうにもできない主人公たち。 お話として上手い。小説としてリアル。でも、上手いだけに、ついていない時に読むと、本気でへこみます。 というわけで、元気な人が読むのに最適な小説です。 | ||||
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著者の作品は『イン・ザ・プール』から読みはじめた。 1ページに2段構成だが、情報過多になっていないのですらすらと読む事が出来た。 カバーデザインや題名から発せられる不穏な雰囲気を裏切る事なく、ゆっくりと沈み込むように最悪に向かっていく。そのスピードがまた絶妙で気持ちが悪い。 着地も劇的でないのがそれに拍車をかけている気もしないではないが、何というか、尻すぼみ、予定調和感も否めない。 | ||||
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読んでいる最中、本当に気分が最悪になって毎回ページをめくるのが憂鬱だった。 それでも最後まで読んでしまった作者の力量。 読者の気分を「最悪」にするというのが作者の思惑ならば、私はまんまと嵌まってしまった事になる。 | ||||
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登場人物紹介の冒頭部分が飽きずに読めるとということは、この作家に筆力があるということだろう。だれ場を超える力がある。小さな下請けではあるが鉄工所を営み、家族を養う川谷。愛想笑いはどんな時でもできる少し気の強い女子銀行員の藤崎。パチンコ屋で働き小さな悪さをしながら暮らしている二十歳の野村。全く共通点のない三人、いや、共通点は、今の生活を特には悪いとは思っていないが、すごくよいとも思っていない、つまりはふつうのにんげんたちだ。この一生出会うとは思えない三人の人生が、おそらく「交錯」し、「最悪」の事態に飲み込まれて行くというストーリーなんだろうなあと思い、読み進めて言ったら案の定だったので、私はこのあまりにもよくある設定に、この小説を読み続けるインセンティブが極端に低くなってしまった。そこから先は作者の都合にうまく合わせた展開であった。 | ||||
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以前読んだことのある精神科医伊良部シリーズとは全く異なる作風で驚いた。 各主人公たちの日常生活が丁寧に描かれていてどれもこれもありそうだと思った。 どこにでも転がっているごく日常的な不幸がだんだん重なってって最悪に。 エンターテイメントとして良くできたストーリーだと思った。 | ||||
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日々の齟齬を看過することで取り返しのつかないうねりとなっていく様は圧巻です。 三者の群像劇のくだりは淡々としながらもかなり読ませる。三者の人物描写は過剰なほど周到に描写されている。結末への仕掛けとしては充分すぎるほどの分量を用意している。ただ、その群像劇が終盤には集約されて行くのだが、その仕掛けが功をなしたとは言えないほど拍子抜けする場面設定を結末に配置している。生い立ちも現在置く生活もまったく異なる三者を結末に集約するのは無理があるのではなかろうか。三分割にして三者三様の「最悪」な結末を用意してくれたほうが有難い。 | ||||
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読んでみる価値がある一冊であると思います。町工場の川谷はふざけた近隣の住民から音がウルサイと色々勝手な制約を一方的に発言されます。銀行員のみどりは大型連休の会社の強制キャンプで支店長から強姦未遂に会います。ヤクザの世界に足を踏み入れた和也は関西弁の彼と金の為に工場を訪ねます。この物語はとにかくロウテンションで進んでいく感じです。やはりですね、ここまで最低な事が立て続けに起きてしまうと、ちょっと疲れますね。私的には(みなさん的にもそうでしょうが)あの近隣のどーしょもない屑人間達のどんでん返しぶりがラストの方でみられると思ったのですが...まったく後味が悪い感じですし松村だか村松だかしんねーけどあいつはいったいなんだったんですかー???影であのセレブ親父とつるんでると思ったににさー。みどりの銀行での怪文書の一見もなんだか中途半端で終わりだし。和也に関してもなんだか運良すぎだし。ある意味期待を裏切られた作品でした。しかし読んでる最中は結構まー楽しかったしある程度タイトルで想像しなくてはいけない作品ですよね... | ||||
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テンポがよくどんどん読みすすめるし、物語にも破綻がないが、なにかこう伝わってくる熱のようなものがない。桐野夏生の「OUT」はバラバラ殺人という事実が非日常を演出しているが、この小説にはそれがない。日常から日常へ、ただストーリーがすすんでいくだけだからいまひとつ物語の中に入り込めなかった。 | ||||
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振り返ればそれはほんの些細なことばかりから。タイトル「最悪」に否が応でも高まる期待感、 ボリュームと場面転換が多いにも関わらず一気に読めます。女子行員…自営業者…チンピラ崩れ…それぞれの立場でありそうな日常の積み重ねから「そこ」へ集結してしまうまで退屈しません。みんな自分がどこか正しいと思っていることから生じているズレがそちらへ向かわせてしまう。悪漢というほど痛快なところもなくノワールと言うほどどっぷりもしていない。決して関わることがなかったであろう彼らの人生。面白いのは彼らが同じ場所に揃った瞬間…ここで読み手がカタルシスを感じないところ。あるのはなるべくしてなってしまったかという呻き。巧いんです。日々小説を耽読している人間にはかけません、作品への変な愛情に繋がらないことが今回いい方に作用しています。短編より長編で威力を発揮。いまだに銀行の窓口へいくと複雑な気持ち。エピローグ、彼らに訪れた日常は? | ||||
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小さな鉄工所の社長(といっても従業員は他に二人)の川谷信次郎、都銀の窓口係藤崎みどり、チンピラ野村和也、この三人の視点で物語が展開し、最初関係なかった三人の物語がだんだん結びついていく群像劇である。 全体的にテンポがよく、どたばたした中でいつの間にか三人を結び付けていくストーリー展開は見事で、ものすごい勢いでがつがつ600ページ読んだが、なんだか空虚な読後感が残る。中身が中途半端である。タイトルの通り、三人の境遇は、だんだん「最悪」に近づいていく訳であるが、一体これは喜劇なのか悲劇なのか。悲惨な境遇の川谷信次郎を笑い飛ばすのか、彼に同情するのか。パロディならもっと笑わせて欲しいし、痛烈な現代批判として書くならもう少しまじめな筆致で書いて欲しい。笑えないし同情もできない。チャップリンの「ディクテイター」も、スピルバーグの「シンドラーのリスト」も同じ事件をぜんぜん違った風に扱った名作だと思うが、『最悪』もどちらかに寄せて欲しかったと思う。展開がうまい分残念である。 さて、これは小説自体とは関係ない池上冬樹の文庫版解説だが、これが読むに耐えない。「ファンタジック」って言葉が出てくるが、こんな英語はない。あと、エポックメイキングって言葉を使って激賞しているが、一体どんなエポックがこの小説で開かれたというのか。大袈裟である。プロだったらもう少し言葉選びに気をつけて欲しい。 | ||||
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小さな町工場社長の川谷、銀行員のみどり、無職のチンピラ和也。全く接点のない三人が、人生の階段をどんどん転がり落ち、次第に追い詰められていく。絶体絶命、「最悪」の窮地に立たされた三人の運命が交差したとき、意外な展開が待ち受けている。 ・・・登場人物がどんどん精神的に追い詰められていく様が丁寧に描かれ、ついつい感情移入してしまう。チンピラ和也が堕ちていく様子はまだしも、まじめにコツコツ働いてきた工場長の川谷が少しずつ追い詰められていく過程は、あまりにリアルすぎて気分が重くなってしまった。思わぬ形で犯罪に加担した形になってしまった三人のその後も、なんとなくすっきりしたようなしないような。 作者の筆力といえばそうなのかもしれないが、なんだかやりきれない気分を残した読後感はいなめない。私としては、からりと明るい「空中ブランコ」の方が好きだったかな。 | ||||
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最寄りのブックオフにて三日間限定で文庫本全品200円のセールがあったので、この際だからできるだけ分厚い本を買ってやれと貧乏性を発揮して購入。(普段は基本的に定価の二分の一の価格なので厚い本ほど割安だったのです。京極夏彦は売り切れてた。w)先日サウスバウンドを読んだばかりだったけれど、その一冊だけで奥田英朗を評価していいのかとも思ったしね。 と言うわけで本書を買ったのだけど、まず作風が全然違って驚いた。サウスバウンドの文章は生き生きとしており、躍動感があった。対して、こちらはミステリー然としている。ただ、相変わらず文章は読みやすくて好感が持てる。 そしてまさに目を覆いたくなるくらいじわじわと最悪状態へと物語は進行。ああもう、なんでそんな対応を!!と登場人物の優柔不断な行動を責めながら読み続けた。このままじゃ夢見が悪いと結局朝の八時まで読み続ける破目に。(してやられてる?) 読後感は良くも無く悪くも無く。ただ、“人の人生というものはこれだけ酷くもなりえるのだ”と提示された気もする。(そういえば桐野夏生の「I'm Sorry, mama」でもそんな風に思ったかもしれない。) ただ、ダメな人間を描くなら山本文緒の方が遥かに巧い。山本文緒の書くダメ人間には「あるある・・・」と共感が得られるのだけれど、奥田英朗の書く登場人物たち(ダメ人間でも普通の人間でも)にはいまいち共感が得られない。こうだからこう、と行動が論理的に意味付けられてはいるものの、リアリティが感じられないのだ。(僕だけかな。) 元コピーライターだけあって、作品作品の設定は良いだけにおしい!と思う。 | ||||
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タイトル通り、何だか最悪な気分に染まる一冊だった。ストーリー自体は、凝ったものになっていて、書評で概ね好評だったのも頷ける作品ではあるのだけれど、個人的にはどうも好きになれない作品である。何しろ、出て来る登場人物達が、一様にしみったれていて、「こういう人って、必ず損するようにできてるんだよねー」と思ってしまう人ばかり。男も女も、老いも若きも、である。読んでいるだけで疲れてしまって、大して難しい話でもないのに、読了までにずいぶん時間を食ってしまった。 | ||||
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文庫版の解説を読んで「ほめすぎだろう」と鼻白みました。『プール』『ブランコ』『邪魔』『サウス・バウンド』に続いて著者の5冊目の本。チンピラ和也に、リアリティーがほとんど感じられなくて。謹厳実直な叔父さんの名前と同じなのもよくなかったか。最後もなんか、バタバタした感じ。『サウス・バウンド』にいたく感心したのだけど、この作品にはただ「面白かった」という印象だけ。そういえば『邪魔』ってどんな話しだったのか、忘れてしまったなあ。この本もすぐに「どんな本だったのかなあ」ということになるのだろうなあ。『サウス・バウンド』は多分、ずっと記憶に残ると思うけど。 | ||||
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★は3.5ってとこですかね。バラバラの3人の話が延々と続き、展開からしてどっかで出会うのは最初から分かるんだけどもそれまでが長いから、出会った時点で物語として完結している感じがした。ちょってネタバレになっちまうけど、あまり計画性のない銀行強盗と共犯関係になってしまうたまたま居合わせた客と銀行員ってどっかの映画とそっくりですな。あと鉄工所経営者の話は危機感迫るものがあり、読んでるこっちまで辛くブルーになってしまいます。 | ||||
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楽しめました。登場人物のなんてことない日常がじわじわと崩されていく様は自分にも降りかかりそうな出来事ばかりでかなり怖かったです。内容もあまり難しいことを言っているわけでもないので600ページ以上ある大作なのにさらっと読めました。ですが話の進み方が少しぎこちないようにも感じました。3人の登場人物の話を頻繁に入れ替えるにもかかわらず、あまりストーリーが絡んでこないのでラストの展開が唐突な印象を受けます。シリアスなシーンなのにギャグっぽいところがあったりと、わざと演出しているのか、ひっかかる文章もありました。しかし、それを差し引いてもこの人の作品は面白いものが多いです。ですがエッセイのほうが面白いと思います。 | ||||
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