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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全187件 81~100 5/10ページ
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第4回(平成14年度)大薮春彦賞受賞作品 「宝島社 このミステリーがすごい!」 2000年版 7位 「週間文春 傑作ミステリーベスト10」 99年 9位 当初描かれている内容は、恐ろしいほどリアルです。 町工場の社長、銀行員、チンピラ、3人各々の日常がすっと頭の中に浮かんできました。 そのリアルさは「リアルすぎて面白みがない」と感じてもおかしくないくらいなのですが、なぜかページをめくる手が止まりませんでした。 話が進むにつれて、段々と3人の日常にお互いが絡み合ってきます。 そして、日常は非日常に変わり… 非日常に変わってからは、まさに題名通りの内容。 題名はたった2文字ですが、これ以外にないというくらい内容と絶妙にマッチしています。 ソレデハ… | ||||
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内容は重いのに、読み始めたら止まらなくなる。工場経営社、銀行員のOL、若いチンピラ、3人それぞれのままならない人生が一瞬の交錯を経て変化し、そして続いていく。恐ろしく暴力的で死の匂いが漂うが、最後まで誰も死なない。巷にあふれる、安易に人の死を小道具に使う小説・テレビ・映画・マンガ、それらへのアンチテーゼなのかもしれない。簡単には死ねずに、ぶざまに生きていかなければならない人間を、それでも愛おしく思う作者の視点が感じられる。 | ||||
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引き込む力がこれほどある小説にはなかなかお目にかかれない。錯綜する主人公の思惑。転がり落ちていく人生。それぞれが選んだ選択とその結果。ラストの1ページまで目が離せない。人は活字だけでこれだけのものが書ける。 | ||||
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さすがの筆力 途中は完全に引き込まれます。夢中になってしまいました。ただ最後はもう少しだけ救いがほしかった。 | ||||
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主人公3人。特別ではない普通の3人がどんどん深みにはまっていく様がまさしく「最悪」。1人はちょっと無軌道な不良ではあるが、3人ともそんなに悪い人間ではなく、ごく普通の幸せを望む小市民。しかし、運命は残酷なものでもがけばもがくほど事態は悪い方向に流れていく。全体の7割は3人のそれぞれの生活を描いており、あとがきにあるように群像劇という表現がよいだろう。その3人の生活を単調にならずに読者に飽きさせないあたりがこの筆者の持ち味だ。3人が出会った途端、話が急転していくのだが、個人的にそこから急に面白くなるという感じでもなかった。むしろ日常を描いている部分を読んでいるときの方が、その最悪の展開に引きこまれた。3人の出会いの後はちょっとリアリティーがなくなって、「ああ、小説なんだな」って気づかされる感じ。裏を返せば前半の日常の描写がリアルすぎるのかも知れない。「邪魔」の時もそう思ったが、普通の人の日常が狂っていく物語名なので、精神的に落ち込んでいるときに読むのには向いてないと思う。 | ||||
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週刊文春1999年 国内9位このミス2000年 国内7位町工場の社長 川谷信次郎、銀行員の藤崎みどり、チンピラの野村和也。それぞれの人生 最悪の瞬間に彼らは出会うことになる。そこに至るまでの、転落の様の描き方が秀逸で、先を読み進めるのがつらくなる場面が多々あった。一方では、どこまで落ちていくのかといった、相反する暗い興味もあったりして、複雑な気持ちにさせてくれる。いやな奴の書き方がとにかく上手い。三人が出会ってからの成り行きは、どこか喜劇的であって、多少脱力するのだが、決してきれいな終わり方でないところが良かったと思う。未来へのかすかな明かりみたいのは感じるので、そこが救いなのかもしれない。ラスト近く、川谷と野村が、どちらが不幸かで口論する場面があるのだが、自分はやっぱり川谷だろうなぁ。読み手によって違うんだろうけど。 | ||||
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登場人物紹介の冒頭部分が飽きずに読めるとということは、この作家に筆力があるということだろう。だれ場を超える力がある。小さな下請けではあるが鉄工所を営み、家族を養う川谷。愛想笑いはどんな時でもできる少し気の強い女子銀行員の藤崎。パチンコ屋で働き小さな悪さをしながら暮らしている二十歳の野村。全く共通点のない三人、いや、共通点は、今の生活を特には悪いとは思っていないが、すごくよいとも思っていない、つまりはふつうのにんげんたちだ。この一生出会うとは思えない三人の人生が、おそらく「交錯」し、「最悪」の事態に飲み込まれて行くというストーリーなんだろうなあと思い、読み進めて言ったら案の定だったので、私はこのあまりにもよくある設定に、この小説を読み続けるインセンティブが極端に低くなってしまった。そこから先は作者の都合にうまく合わせた展開であった。 | ||||
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市井の普通の人間が、ちょっとした自身の判断ミスに端を発した運命のあやに巻き込まれ、転落のスパイラルに陥ってゆく。 いわば、昔話のわらしべ長者の逆バージョンである。 伏線の張り方が周到で、転落が進むにつれ、ストーリーの展開がどんどん加速されてくるので、物語の終盤に向けてのスピード感はすばらしく、読むのが本当に楽しい。 一級のエンターテイメントだ。 敢えて言えば、読後にもずっと心に残るような何か(A.クリスティーの傑作にあるような人間の情念とか、井上靖の歴史小説にあるような運命の苛烈さとか)があると、もっと素晴らしいものになるのだが・・・。 | ||||
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当方は、40台半ばです。登場人物の一人とほぼ同じ年代です。 工場経営者では、ありませんが、小さく小さくやってきた小市民です。もう先も見えています。 ですが、せめて、子どもには少しでもいい暮らし、いや、現状維持の暮らしをさせてあげたいと願ってしまいます。 登場人物である川谷さんも同じような人です。ですが、ちょっとしたボタンのかけ違いで蟻地獄に落ちていきます。もがいてもがいてさらに悪い方へ行ってしまいます。その過程に恐怖を感じました。一つ一つの問題は、時間をかければ解決できただろうに、忙しさのため、先送りして事が大きくなる。人間のサガで、面倒なことは先送りしたいというのは誰でもありますものね。 たぶん、夢も希望もある20才台人には、この本はただの親父が落ちていく暗いつまらない話でしょう。 私も面白く一気に読んでしまいましたが、知人には勧めたくない。 守るべきひとがいると、この本の恐怖が感じられます。自分の足元はいとも簡単に壊れてしまうものが実感します。 「最悪」「邪魔」「無理」と続けて読んでしまいました。いずれの自分の生活を守ろうとして落ちていく物語です。 | ||||
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快活明朗なラストを迎えるドラマ版を見てから 小説を読んでしまったのがいけないのかもしれませんが・・・ 読み手をグイグイ主人公たちの世界に引き込んでいく力量はすごいと おもいます。 ただ、本筋と関係ないところである種のタイプの人間を 突き放しているような表現があってたまに引っかかります。 とんでもなくくだらない突っ込みなのは分かってますけど 「上役と同じ大学のサークル出てるんだ」って自分から同僚に喋る 銀行員ってのはさすがにありえないかと。 工場の方のシーンはすごく綿密に調べて書いているのが伝わってくるのに 銀行の世界の方はやたらと漫画みたいな表現なんですよね・・・ | ||||
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以前読んだことのある精神科医伊良部シリーズとは全く異なる作風で驚いた。 各主人公たちの日常生活が丁寧に描かれていてどれもこれもありそうだと思った。 どこにでも転がっているごく日常的な不幸がだんだん重なってって最悪に。 エンターテイメントとして良くできたストーリーだと思った。 | ||||
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登場人物たちの生活をしっかり描いて、その上で構成される転落する運命のみちすじ。 サスペンスとして十二分に面白かった。 ヤクザ関係が、多少ショッキングで心臓にこたえるが、それよりもやはり、銀行強盗から主要三人(四人かも)の運命がからまって疾走してゆくありさまが実にスリリングだ。そして最終的に意外にも解放感が味わえるのも良い。 けっこう分厚い本だが、つねに次にどうなるかハラハラしながら読めるので、速やかに読了できた。読んだ後心地よい疲労があった。 最初の頃は、三人別々のストーリーを描き、構成的にもう少しからまりがほしいなあとも思ったが、結局終盤のスピード感と意外性が良いのだから、これで正解なのだろう。 | ||||
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本当に、題名通りに最悪です。最悪な展開にどんどんはまっていきます。 アリ地獄みたいに。 何のかかわりもない3人の他人が、偶然同じ場所に居合わせたことによって、最悪なラストへと突き進んでいく。 ここまで来たらもう引き返せない、この状況を少しでも良い方向に持っていくには? どんでん返しは最後までないので、いっそのことどっぷりと最悪な状況に囚われていく感覚に浸りながら読みふけってしまった方がきっといいです。 プライベートでストレスが溜まってい、てちょっと疲れ気味なときに読んでしまうと、気分がさらに沈んでしまいました・・・。 でもラストが気になって、こんな人生いやだぁと思いながら最後まで読みふけってしまいました。 特に信次郎。自分の思い通りにしたいけど、立場とか考えちゃって保身に必死でがんじがらめなの。どんどんどんどん八方ふさがりに陥っていって最後はやけくそになってしまって、気でも狂ったのかと思った。結果大きな傷が残ってしまって、なんだか一番かわいそうだったな。 3人それぞれのラストだったけど、その後の展開としてはみどりが一番いい人生を送れそう。 | ||||
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最悪、としか言いようがない。 些細なきっかけでレールを転がり落ちていく3人。 その際の心理描写、状況描写が繊細緻密で読んでて胸糞が悪くなった。 希望もなければ救いもない。読んでも何の得もない。 ただの文章で、ここまで人を不快にさせてくれた奥田英郎の文章力に★★★★★。 もう二度と読まん。 | ||||
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スムーズにお取り引きする事が出来とても、安心できました。 また、機会がありましたらぜひ、宜しくお願い致します。 | ||||
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自分の要領の悪さゆえに「最悪・・・。」と言いたくなった経験をしたことある人なら、メインの3人のやるせなさが手に取るようにわかるのだと思います。 いたいけな小市民というか、自分より強者という意味での人間に囲まれて、なんとか生きている人たちの悲劇にはなりきらない、かといって喜劇でもない絶妙なトーンの物語。 面白いっ! | ||||
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この作品は著者の第2作目にして、出世作となった作品です。 直木賞を受賞した「空中ブランコ」の精神科医伊良部シリーズとは 全く違った作風が楽しめる小説となっています。 町工場の「川谷鉄工所」を経営する40歳台後半の川谷信次郎。 大手都銀の「かもめ銀行」に勤める20歳台前半のOL、藤崎みどり。 チンピラ風情で、カツアゲとパチンコで生計を立てている 20歳台前半の若者、野村和也。 本書は、この3人の主人公の物語が並行して描かれていきます。 この作品の優れているところは、登場人物のリアルな描写にあります。 チンピラ風の野村和也は別として、 町工場の川谷信次郎も銀行員の藤崎みどりも、 等身大の一市民として描写されています。 そんな彼らにある不運が降りかかるのですが、 それに対応する彼らの行動も普通ならこうするな、 と思わせるようなもので、リアリティが感じられます。 ところが、なぜか事態は悪い方へ、悪い方へと転がっていき、 遂には「最悪」の状態になっていってしまう・・・。 この運命の皮肉の行方を知りたくて、 どんどんと読み進んでしまうこと請け合いです。 ただ、ちょっと残念だったのは、 後半でこの一見つながりのない3人の物語が あるきっかけでクロスするのですが、 どうやって交わるのかが、何となく予測がついてしまったこと。 しかも、そこからの展開が非常に現実離れしたもので、 主人公たちの行動もそれまでとは打って変わり、 奇抜な行動を起こしてしまうのです。 小説としての面白さを求める以上は、 「現実からの遊離」は当然のことだと思いますが、 リアル感のある人物像と行動の積み重ねに この物語の魅力を感じていたものですから、 後半のリアル感のなさが何だかしっくりきませんでした。 ジャンル不問の面白小説ということは認めますが、 後半の展開にうまく入り込めないところがあったため、 ★4つといたしました。 | ||||
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多くの群像劇とは違い、物語の終盤まで三人の生活はほとんど交わらない。 それが最後の最後に一気に交差する。 このときの興奮は忘れられません。 そして、それ以上にそれぞれの物語ひとつひとつが秀逸。 各々が複数の問題を抱えている。 それが怒涛のように襲ってくる。 もはや一種のパニック状態だ。 このような文章は興奮するが、長く続くと疲れる。 だが、この作品では絶妙のタイミングで視点が切り替わる。 そしてそこにはまた違った趣のパニックが待っている…。 だれることなく、疲れることもなく、趣向を変えつつ物語が加速する。 このスピード感がすごい。夢中になって読みました。 特に、川谷の章がすばらしい。 彼と一緒になって、もう今は勘弁してくれ!とパニックに陥りそうだった。 これぐらい感情移入してしまうほど、心理描写が見事。 解説にもありますが、これぞ小説の面白さといった感じです。 こんなにすごい小説は久しぶりに読みました。 | ||||
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奥田氏の三部作の個人的評価としては、本作品は「邪魔」より面白いですが「無理」には及ばず、というところ。 一見接点が無さそうな平凡な市民がひょんなことからドツボにはまっていき、最後はクロスオーバー、というのは 「無理」につながるストーリーですが、ラストがやや尻つぼみかな、という印象。 「アレ」をやらかしてからの電話での会話なんて、ネタばれもいいところで、誰が読んでもラストはわかる筈。 その点、驚天動地でひっくり返った「無理」に比べると、やや弱いのですが、終盤にかけてグイグイ引っ張る筆力は流石。 ★4コはちょっと辛めですが、「無理」を読んだ後なので。。。これから読む方は「無理」は一番後回しにしたほうがよいかも。 | ||||
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ミステリを期待して読んだからか、全然面白くありませんでした。それでもラストにはなにかあるんだろうと展開のない話に我慢して付き合っていきましたが、まさかの手応えないままの読了。面白いという人をも疑うのは私だけでしょうか。人間の心理は描けているのかもしれませんが、それだけでは星はあげれません。 | ||||
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