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虚の伽藍
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虚の伽藍の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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| 凌玄という僧侶が燈念寺派のトップを目指す物語なのだが、そんな単純なものでもない。仏教の世界の権力争いと言えばそれまでだが、ヤクザも絡んで途轍もない話になる。ヤクザの抗争、友人の裏切り、そこに女の世界の掟も加わる。えげつない世界を見せてもらった。凌玄にとっては因果応報なところもあるが、なかなか世の中は上手く回っているとも言える。それが釈迦の教えなのかもしれないが、私には分からない。京都弁のセリフは慣れていないと読みにくいかもしれないが、個人的には京都の裏っ側を見事に表現していると思う。私には馴染みの言葉なので、気持ちの強弱を含めて強く心に描写された。 | ||||
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| やはり京都 | ||||
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| 急な米不足報道からの価格つり上げ、市場の米不足、で、関税撤廃による農業市場開放の圧力。 夫婦別姓問題の煽りから政治家暗殺も含め、旧保守派と改革派の争い。 あらゆる利権の水面下で熾烈な争いがあるんだろうなと想像させてくれる作品です。 あくまで本の感想です。 | ||||
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| 読みきれないほどつまらなくはないけど、直木賞候補と思って(期待して)読むと、まあまあ。 ストーリー自体は起伏があるのでまあ筋を追おうかなという気にはなるものの、裏切りフラグの立て方が分かり易く、ワンパターン感がある。 また作者が「こういうのがかっこいいんだよなあ」と思っている事柄の表現がわりと直接的なのが気になった。なんというか、ヤクザ的なものや、裏社会的なものに対して感じる美、の表現が、こちらにほのかに感じとらせるような形ではなく、形容詞でズバッとそのものを書いてしまうような書き方。 全体的にはやっぱりまあまあ。いろんな人間の肩書とか説明が多くて、たまに思い出したかのように五感を表現しておくみたいな(蝉の音がうるさいとか)感じの文章がちょっと気になる。 悪い人間ってもう少し格好良く表現できる気がするけど、そういう格好良さが感じられなかったのが残念。主人公のナチュラルな狂い方は良かった。むしろそれだけで読ませる本という感じかも。 | ||||
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| 2024年直木賞候補作品。 仏教関係の小説ということで友人にすすめられて読んでみた。 いやいやこんな反社と関わっていくところがあるとは思えんなあというものすごいストーリー展開なのだが、これまたすごくテンポがよくて引き込まれる。 第三者視点で描いているものの、主人公の主観で仏道を語っているときに、ああああああああこういう魔境、わかるわああああああとなるのである。そいつは自分の中にもあるのだ。 宗教に関わる人であれば、どこかで自分のことを思ってざわざわすることまちがいなしなのだ。教えを知って、その中にいることでおかしくなっていく。どこまでも人間は教えをわがものにしていこうとする。そういうものだなあというのを全体を通して感じる。 どの宗派をモデルにしているのかはなんとなくわかった。エンターテインメントとして楽しむべし。面白い! | ||||
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| 直木賞ノミネートおめでとうございます。 青雲の志をもって自らが所属する巨大仏教組織の改革を願う主人公は徹底的に旧来の利権を持つ高僧たちを排除していきますが、目的を達成するために自ら反社会勢力とも手を結び出世の階段を駆け上がっていきます。そして最初の志とは裏腹に自らも「カネと欲」に狂って悪の道に踏み出していきます。親友も裏切って自らの思い通りの地位を得ていくのですが、もちろんピンチも多数。 そこを独特の仏教用語で相手を煙に巻いて「なんとなく」乗り切るところがこの小説の読みどころかもしれません。宗教者として自らはほとんど手を下さないのですが「なんとなく」周りの人間が意の通りに動いて最高の成果をだすのですが、果たしてそこでほんとうに満たされるものなのか?とうテーマも突きつけています。 | ||||
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| 宗教が主題と思いきや僧侶を取り巻く人生観を主題にした内容に興味が沸く一冊。 | ||||
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| このところ読み逃していた月村了衛の新作を一気に読み終えました。「十三夜の焔」(2022/10月)以来になります。 壮大で空辣な仏の世界を描いたページ・ターナーでした。 時代が昭和60年頃から、バブル期、平成へと至る京都。伝統仏教最大宗派の一つである包括宗教法人「錦応山澄念寺派」の若き僧、凌玄が全ての手管を弄して<総貫首様>へと成り上がろうとするスーパー・サスペンスでした。 この国の仏教界を、もはやとても"Japan As #1"とは言えなくしてしまったこの国を徹底して戯画化しながら、主人公・凌玄に託して描いた<極道世界>以上に放埒で虚しい物語は、しかし現実世界を跋扈する魑魅魍魎たちを見事に描き分けているようにも思えます。 ここに描写される人物たちは程度の差こそあれ(私自身を含みながら)私がこの世界のどこかで見かけた人たちとなんら変わらない小心で、欲に塗れ、悪辣な人物たちです。 特に<第一部>の終わり、澄念寺阿弥陀堂での法要に合わせて繰り拡げられる暗殺の舞は、まるで"The Godfather Part3"のダイナミックで容赦ないクライマックスにも値する見事なシークェンスでした。その文章のリズム。カット割り。 また、物語の三分の一あたり、「無一物中無尽蔵」に気付いたはずの凌玄による仏道に生きるものの使命が、かくも<地獄>をもたらすものなのか?いずれにしてもこの国(日本)から仏道が消え失せて久しい。 ◾️「虚の伽藍」(月村了衛 新潮社) 2024/10/21。 | ||||
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