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ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士



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ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士の評価: 4.50/5点 レビュー 133件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全112件 21~40 2/6ページ
No.92:
(5pt)

読み終えたくなかった

ある意味、読み終えてしまったことが残念。そしてこの作者の作品はもう永久に読めない。皆さん書かれている通りですが、共感しない人はいないでしょう。
いくつもの、そしていろいろな対決が配置されていて、ホントに飽きない。それぞれ、手に汗握る緊張感。エリカ対ストーカー、リズ対ニーダーマン、ザラ対公安、ミカエル対殺し屋、アニカ対精神科医、などなど。バラエティ豊富なだけ、それぞれちょっとだけ、掘り込みが浅いような気もするが、補って余りある面白さです。ミカエルの女性関係も最後うまく整理されて、いやあ、上手いなあ。
個人的には、エリカの弱さが魅力的。ミカエルもリズも強すぎるし、頭良すぎるし、カッコよすぎるけど、超一級のエンターテイメントであることは間違いないでしょう。しいて何を言えば、上手すぎることぐらいか。
ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.91:
(5pt)

これからは、英語版の洋書でもう一度、彼らのストーリーにひたってみようか。

このレビューを読んでいる方は、もう第3巻まで読み進めていて、まだ下を読まれていない方だろうか。
それとももうすべてを読み終えた方だろうか。

まだだとしたら、あなたの期待は裏切られない。
むしろ予想以上の満足感と共に、最後のページを閉じるでしょう。

そしてもうすべてを読み終えられた方、この何とも言えない達成感のようなもの、
大きなものを目にして、それを経験したかのような感情を共有しましょう。
文庫本で約3000ページ。でもそれ以上のふくらみや深み、濃さが、読み終えた心中に広がっています。

作者のすばらしいところは、まず緩急のリズム。
読んでいてあまり大切でもないようなこと(たとえば、第1巻だとヴァンゲル一族の歴史など)を、延々と書いていて
ある瞬間に、わずか一行で、一描写で、スイッチが切り替わったように、急展開の渦の中に物語と読者を多々こむ。

それとありえないような、天才的な手法、物語のコンセプト。
第3巻だと、主人公のリスベットは、病室のベッドで絶対安静状態で動けない。
物語のほとんどが終わったとき(事件が解決したとき)の時点でも、彼女は物理的には病室の中と、
裁判所の法廷にしかいない。そして彼女はすべての尋問を拒否しているので、発話さえほとんどしない。
それでいて、物語がぐるぐるまわる。読者はページを繰る手が止まらない。

作者はもうこの世界に存在していないが、第3巻までは完成させてくれた。
そしてリスベットの物語は、いちおう、全体の輪郭を描いた。

ただ、双子の妹のことが残っているし、第3巻の最後に、リスベットの高級アパートを訪ねたミカエルと
どんな話になったのか、失恋を乗り越えた、大人になったリスベットがこれからどんなことを考えて、
どんな行動をしたのか。第4巻も、まだ発刊されてはいないが、原稿は存在しているらしいから、
いつかは目の前に新たなストーリーが届けられるのかもしれない。

だが、とりあえず、これからは、英語版の洋書でもう一度、彼らのストーリーにひたってみようかとおもっている。

良質な日本語でこの物語を形にしてくれた訳者の方と、
シンプルでスマートな装幀で統一してくれたハヤカワ文庫担当者の方にも感謝。
ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.90:
(5pt)

小説よりも奇だという事実を構築していくような、物語作家としての手腕。

事実は小説よりも奇なり、というが、作者はその「事実」を構築していく。
小説よりも奇と思えるほどの、分厚く、真実みのある、ことがらを、「物語」としてつむぎあげていく。

600ページ近い文庫本の上下巻で4冊読み終わり、5冊目(第3巻の上)に入っても、
その語り口は微動だにしない。淡々と、必要な事柄を記述して、その先に突然、驚くべき展開を置く。

今回も、260ページくらい読み進んでいた。第2巻のラストで、父親は娘に3発の銃弾を浴びせ、死体を土に埋めた。
その娘は『キル・ビル』の主人公ザ・ブライドのように、瀕死状態で埋められた土の中から生還し、父親の顔に斧を振り下ろす。

第3巻の冒頭、そのふたりが意識不明のまま、病院の中で、隣り合うように横たわっている。
徐々にふたりは回復し、”ああ。またやばいことが起きる・・”と思っていたら、得意のまさかの急展開。

そしてこの天才作家は、驚異的な新手を駆使してくる。

主人公(リスベット)が瀕死の重傷で、病院の治療室から一歩も出られないまま、
物語が500ページも進んでいく。それでいて、これまで以上にスリリング。

「ミレニアム」の主人公ふたり、リスベットとミカエルが敵に回すのも、第1巻の異常な殺人鬼から、
第2巻ではやさぐれ者集団になり、ついに第3巻では国家権力側の秘密組織となる。
どうやって戦う? どうやって敵の攻撃から逃れ、勝ちを収める?

550ページ、上巻が終わろうとしている。リスベットは依然として病室の中。
だが、彼女は、今度は、自分が最も安らげる場所、ネットの仲間たちと共同戦線を張る。

彼女の病室のまわりでは、「ミレニアム」編集部、エリカが新編集長となった「SMP新聞」、
ストックホルム県警、公安警察のブラック組織、ミカエルたちのチームが入り乱れて動いている。
作者の筆と描写は明解で、読み進めるにあたり混乱はない。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.89:
(5pt)

傑作

読み出したら止まらない。
映画も世界観が壊れてなくてよかった。
続編が見たい。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.88:
(5pt)

傑作

読み出したら止まらない。
映画も世界観が壊れてなくてよかった。
続編が見たい。
ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.87:
(5pt)

ミレミアム1(上・下)~3(上・下)の全6巻で完結です。

全編とも「スリリングで、面白い」です。全6巻一気読みしました。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.86:
(5pt)

ミレミアム1(上・下)~3(上・下)の全6巻で完結です。

全編とも「スリリングで、面白い」です。全6巻一気読みしました。
ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.85:
(5pt)

続編4が読めず残念!

このシリーズは、最高に面白かった。
この3、眠れる女と狂卓の騎士は、法廷劇としても、十分、
楽しめた!
残念なのは、このシリーズが、もう読めない事です。
ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.84:
(5pt)

作者が亡くなって、本当に残念……

「ミレニアム4」を読みたかったし、別の作品も読みたかった。舞台がスウェーデン、というのも刺激的だったのに……。
 この「ミレニアム3」で、ちゃんとエンディングをむかえているので、登場人物たちの始末は、ちゃんとついているので、大満足なのだけれども……。
 享年50というのは、いかにも若すぎる。冥福を祈ります。
 大好きなドン・ウィンズロウには、くれぐれも長生きしてほしいと願う、今日この頃です。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上Amazon書評・レビュー:ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上より
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No.83:
(5pt)

作者が亡くなって、10年、冥福を祈ります

「ミレニアム4」を読みたかったし、別の作品も読みたかった。舞台がスウェーデン、というのも刺激的だったのに……。
 この「ミレニアム3」で、ちゃんとエンディングをむかえていて、登場人物たちの始末は、ちゃんとついているので、大満足なのだけれども……。
 亡くなったのが2004年。享年50というのは、いかにも若すぎる。あらためて冥福を祈ります。
 大好きなドン・ウィンズロウには、くれぐれも長生きしてほしいと願う、今日この頃です。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下Amazon書評・レビュー:ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下より
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No.82:
(5pt)

スリルのあるストーリー

どんどん引き込まれていき、短期間で読み終えました。下巻が楽しみです。ミレニアム三部作が各国で翻訳されたと知り、その評判通りの内容です。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.81:
(5pt)

DVDで視聴して読むと一段と魅力あるストーリー

どんどん引き込まれていき、短期間で読み終えました。とても満足しております。海外ミステリーの中でも非常に衝撃的なストーリーでした。
ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.80:
(5pt)

文句なし!

ミレニアムは、途中で止める事など不可能な作品です。 超!お薦めです!
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上Amazon書評・レビュー:ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上より
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No.79:
(5pt)

ミステリーと言うより人権、特に女性の人権の話

両親が持ってきた「ミレニアム1」の上下を読み、「こりゃはまりそうだ」という予想通りにはまり通して、AmazonにてKindle本の2と3を購入。Kindle万歳!小さなiPhone(しかも3)の画面で読みきった。その後、「Kindleっていいもんだ」と深く感じ入り、iPad miniを購入。iPad miniは快適で、ミレニアム1~3まで、この数ヶ月で数回読了。

ミカエルが「この事件の核心は結局のところ、スパイとか国の秘密組織とかじゃなくて、よくある女性への暴力と、それを可能にする男ども」と言った通りで、ミレニアム・シリーズをミステリーとして読むと物足りないかも知れない(途中で誰が黒幕だかわかるし)。でも、「女性(や弱者)の権利」を軸にして読むと、ずしりとくる内容。自由とは、権利とは、平等とは何だろう、と考えさせられた。しかも、舞台は21世紀のスウェーデン。行ったことないし、スウェーデン人の知り合いもいないけど、OECD諸国の中でもずば抜けて女性の権利が守られ、自由が尊重されているんだろうと勝手に思っていた。なのに(フィクションとは言え)、スウェーデンですらこうなのだと思うと、私の目の黒い内には私の周囲で女性の権利がここまで進むことはないんじゃないか、と少し落ち込んだ。反対に言えば、女性が自由に生きていける時代になったら、この本には歴史的価値しかなくなるんじゃないか、とも思う。私の娘がいつの日か「そういう時代もあったな」と思える日が来るといいのだけど。

年老いた我が両親はこのシリーズをミステリーとして楽しんだらしく、「ちょっとどぎついところがあるけど」と言っていた。マルティン・ベック・シリーズで、スウェーデン社会のあり方にはそれなりに馴染んでいたけれど、特にエリカとミカエルの関係はさっぱり理解できないらしい。まあ、ミレニアム・シリーズを読んでいると、スウェーデンでも決して受け入れられるようなことではないらしいが。が、自分が実行するとは思えないけど、私はああいう関係もありだろうと感じている。ミカエルは女たらしと言うか、一見したところ女性関係がルーズなように見えるけど、彼はあれで女性を尊敬しているし、対等に扱っている。イヤなことを無理強いする訳でもなく、リスベットに嫌われたと思ったらそれがなぜかはわからなくても受け入れようとする。

シリーズを読了後、すぐさまハリウッド版とスウェーデン版のミレニアムを観た。
ダニエル・クレイグが色男なミカエルにぴったりなハリウッド版と、ミカエル役がどうしてもハンサムに見えないけどリスベットが素敵なスウェーデン版。どっちも悪くはないんだけど、映像にしてしまうとどうしても物足りない印象が。それはやはり、本のように細かな描写がないと、ミステリーの底に常に流れている女性・権利・自由・平等といったテーマが感じられないからだと思う。当シリーズ(本の方)に対し「だらだらして不必要な描写が多かった」という感想も見られたが、上記理由により、細かな描写があってこそ深く入り込める本だったと思う。移民の私、女性の私、職業人としての私・・など、様々に自分自身に投影して考えさせられた。

スティーグ・ラーソンが故人であることがとても残念・・・
ミレニアム4や5を読みたかった。

・・・話はズレるが、スウェーデン語ではHeとかSheに当たる言葉は廃止し、中性的な人称代名詞を使おうという動きがあるらしい。
子供の時から男女の違いを育ませないために保育園に預ける時も、園側に子供の性別を知らせないということもあるとか。
スウェーデン語は全然わからないけど、欧州系の言語には性別によって色々と語尾が変化する言語がよくある。例えばスペイン語で「ソイ・ハポネサ」というのは「私は日本人」という意味だけど、「ハポネサ」が女性形なので「私=女性」だとわかる。ロシア語で「ヤー・ウスタラ」というのは「私は疲れた」という意味だが、「ウスタラ」が女性形なのでやはり「私=女性」だとわかる。多分、スウェーデン語の文法にもこういうのがあるんじゃないかと思うんだけど、中性的にいこうと思ったらどうするんでしょうね。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下Amazon書評・レビュー:ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下より
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No.78:
(5pt)

第3部にきて大盛り上がり

第3部上巻の訳者あとがきに「第I部はオーソドックスな密室もののミステリー、第II部は警察小説・サスペンス、第III部はポリティカル・サスペンスだと言えるだろう」とあったけど、まさにこの通り。

第3部が面白いとは聞いていたが、実際かなり面白くて、あっという間に読み終わった。第1部、第2部の読後感はイマイチだったのに、いまや幻の第4部を読みたかったと思うくらい。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.77:
(5pt)

第3部にきて大盛り上がり

第3部上巻の訳者あとがきに「第I部はオーソドックスな密室もののミステリー、第II部は警察小説・サスペンス、第III部はポリティカル・サスペンスだと言えるだろう」とあったけど、まさにこの通り。

第3部が面白いとは聞いていたが、実際かなり面白くて、あっという間に読み終わった。第1部、第2部の読後感はイマイチだったのに、いまや幻の第4部を読みたかったと思うくらい。
ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.76:
(4pt)

安心感とスリルの絶妙なブレンド

相変わらず長い、でも、やっぱり面白かった。スティーグラーソンの描くピンチは、とてもピンチで手に汗握る。最終的には何とかなるんだけど、きっと何とかなるんだけど、でも、怖いのである。リスベット 逃げて―!!!と思わず心で叫んだ。
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.75:
(5pt)

読み応えあり

作者が亡くなっているため、続編が読めないのが非常に残念です!!
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.74:
(5pt)

読み応えあり

作者が亡くなっているため、続編が読めないのが非常に残念です!!
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No.73:
(5pt)

これは現代の「モンテクリスト伯」だあ〜

三年ほど前に、翻訳ものには珍しくハードカバーを新聞で大宣伝してたのを横目で見つつ、どうせ「ダヴィンチコード」みたいな、大風呂敷広げたあげくわりと粗雑に決着して拍子抜け、みたいなこけおどしモンでしょ(なんか浦沢直樹評に通じるね・・・)とタカをくくって手を出さず、映画も見ずに過ごしてきたの。
ま、スェーデンの警察小説「マルティンべック」ものも、そこそこ面白かったけどチョット地味な記憶もあったせいかな。

そしたら2週間ほど前に池袋サンシャイン通りのブックオフで、偶然第1部「ドラゴンタトゥーの女」文庫本上下が\105で並んでたので、何気なく暇つぶしにでも、と思って買ってみたわけ。そのあとは、この本をいっぺん読んでしまった人ならおわかりでしょ。

もうもう弩涛の一気読みだあ〜面白すぎる!細部から伏線を積み上げる周到な構成、読者を翻弄するスピード感あふれるサスペンスとアクション。とにかくいい意味での大衆性、娯楽性が最高だ。ハラハラドキドキさせて、最後は主人公たちに肩入れする全ての読者をスカッとさせる勧善懲悪ぶりは水戸黄門もはだしで逃げ出すカッコヨサ。

密室ミステリー、ゴシックロマン、サイコスリラー、エスピオナージュ、法廷小説・・・。すべてのエンタテイメントの要素をそれぞれ最高水準で妙にひねらず軽々と展開しながら、3部作上下全6冊に太ぶとと脈打つのは、権力の不正への怒り、フェミニズム。夭折したスティーグラーソンは写真を見るとイケメンだし、こんだけフェミニズムに対する理解があれば、そりゃもててヤリたい放題だったろうね(ゴメン、不謹慎でした)

とにかく遥か40年以上前に岩波文庫の「モンテクリスト伯」全7冊を、蕩けるような悦びとともにむさぼり読みながら「早く読み進みたい、でも読み終わるのがもったいないので読み残しておきたい」と感じてたのを思い出しちゃった。

そういえばこの「ミレニアム」も、超魅力的な主人公リスベットが、ミカエルたちの助けを借りつつ、憎たらしくて巨大な悪役たちを最後はコテンパンにやっつける復讐譚だな、そういえば。

だから、まだこの三部作を読んでない幸運なみなさんに宣言します。これは現代の「モンテクリスト伯」です。小理屈なしに素晴らしい読書体験を楽しみたい方を絶対に失望させません、保証しま〜す。ただ翻訳もの登場人物を覚えるのが苦手な方はちょっとつらいかも。あと保守的な性的モラルをお持ちの方もね(笑)
ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:ミレニアム3  眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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