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地図と拳
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地図と拳の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.85pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全48件 21~40 2/3ページ
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| 満州の暑さ寒さが 伝わってこない。日本人の癲癇気性も 中国人のずるさも 書ききれていない。分厚い本だが読後感は軽い。いまいち。 | ||||
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| 地名や人名など、向こうの国の言葉が何度も出てくるものだから、初めは読み進めるのに苦労する。なんて読むかわからない。 視点が目まぐるしく変わるのも初めは混乱する。誰の話だったかわからなくなる。 でも途中からページを捲る手が止まらない。読み応え抜群です。私はとても面白いと思いました。 視点が変わることで登場人物一人ひとりの人生を味わうことができます。その分、これだけ分厚くなるわけです。無駄なところが何もなかった。 2023年の夏に読むべき作品だと思います。 | ||||
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| 数十年の間の人々の交錯や思惑を辿る小説で、最初は「とんでもなく重たい小説に手を出してしまった」と後悔しましたが、次第に引き込まれてすべて読むことができました。 戦争の理不尽さはもちろんのこと、武力ではなく知力、信心、人との絆で厳しい時代を生き抜いていったそれぞれの来し方など、ドライな部分、ウェットな部分が交互に巡る感じで、単なる戦争小説というよりは個人史を読んでいるような感覚でした。 登場人物が悉く強い志を持ち、またとても理知的な感じがあったことも魅力でしたし、自分の人生を決定するには深い学びや洞察が要るんだなという学びになりました。 ほんの一瞬、たびたび出てくる恋愛や家族愛の描写もしつこくなく、それでいて強い想いを感じられたのでバランスが良かったです。 | ||||
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| ボリュームはもとより、満州と建築をベースとした圧倒的な下調べをもとに練り上げられた大作。 満州にあるはじめは小さな地域を壮大な時間軸を使い、そのうえで生活する人々や権力者、外からくる人々を渦のように巻きこんで白い地図を埋め込んでいく。 建築という側面から見た国家や人間模様、未来などの構成が素晴らしい。 結果着地としてはあっさりと終わる印象になってしまうのは仕方がないが、登場人物という点にフォーカスすれば後半の盛り上がりも欲しかった点は感じる部分は残る。 それを差し引いても、大作でありながらだれることなく読者を引っ張る素晴らしい物語である。 | ||||
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| 一つの都市と建築をめぐる長大なドラマ 満足の読後感 | ||||
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| 満洲国という今やあまり語られる事のない、忌避されがちなテーマを、あの時代に生きた賢明な人々を通して歴史書ではなく小説として再構築し、今の時代にも通じる問題を問いかける力作だと思います。 | ||||
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| 恐らく日本を取り巻く近代史において、満洲ほど波乱・動乱に満ち、(日本人にとって)儚く夢と消えた地は他に無いであろう。 満州事変あたりから太平洋戦争末期までの満州を舞台にした長編小説としては、五味川純平の「戦争と人間」と船戸与一の「満州国演義」が挙げられるが、この二つが「満州」の史実を忠実・詳細に追いながら、激流に翻弄される(架空に設定した)主人公達の姿を描いているのに対し、「地図と拳」は、史実は簡単な描写にとどめ、むしろそこで繰り広げらる人間達(日本人、中国人、ロシア人)のドラマが描かれている。前二者が、「満州」を舞台にした長編ドラマ(実際、「戦争と人間」は日活の映画になっている)であるのに対し、こちらの方は「満州」という時代背景のもとに、「李家鎮」という架空の地を舞台に人間が繰り広げる群像劇(演劇)とでも言うのであろうか。むしろ、それだけにこちらの方が人間の言葉を通じ、表題の「地図と拳」の意味するところを読み手に強く訴えかけるものがある。凄い小説である! ただ、「満州」という史実についてある程度の知識が無いと、この小説は読み切れないかもしれない。興味を持たれた方は是非船戸の「満洲国演義」を読んでいただきたい(あくまで個人的評価だが、「戦争と人間」に比べ「満州国演義」の方が、船戸与一独特の「人間の儚い夢、ロマンス」が描かれている)。 | ||||
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| 歴史も大変参考になる。 | ||||
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| ヘヴィな題材だが、読ませる文章で書かれており、どんどん頁をめくってしまう。 こんなに重い(内容も、物理的重量も)本が結構売れているのを見ると、日本もまだ捨てたもんじゃないと思わされる。 | ||||
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| 特に複雑な伏線があるわけではないが、しっかりと登場人物が噛み合っていく様はとても気持ちが良い。同時受賞作より、はるかに重厚でかつ丁寧に仕上がっており楽しめました。もっとも、頭にスッと入ってきたのは、私自身がこの時代の小説をいくつか読んでいるからかもしれず、予備知識が無いとちょっと辛いかもしれません。 | ||||
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| ■「地図と拳」。やはり、買ってしまったビョン。ジャケ買い。でもある。川名潤。の装丁がお見事。本。としてでなく、置物。としても、2200円➕税。の価値を感じる。 ■こう言うテーマには、僕はイチコロ。です。広告も、作り込まれている。 ◉ひとつの都市が現われ、そして消えた。 日露戦争前夜から第2次大戦までの半世紀、満洲の名もない都市で繰り広げられる知略と殺戮。日本SF界の新星が放つ、歴史×空想小説。 ◉小川哲(おがわ・さとし) 1986年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年に『ユートロニカのこちら側』で第3回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を受賞しデビュー。 ■ウクライナ戦争前の連載だけれど、すごくシンクロしていて、鳥肌が立つほど。生きているうちに、出会えて幸せだった。僕も、このような物語を編める作家、編集者になりたかった。のだ、と気づかされる作品の一つ。羨ましい限り。1986年生まれ。僕が社会人になった翌年生まれ。やるじゃん。30代の若い人。 ■耽溺読書。スタート。 早逝した伊藤計劃。の、アニメにもなった「虐殺器官」、「ハーモニー」も、そうだが、日本のSF界の土壌から、現代課題の本質を切り取る素晴らしい作品が生まれていることに、喜びを感じる。ハヤカワ生まれを、すばる。で引き取る集英社の興業力にも感謝したい。ありがとう。 ■「地図と拳」。今年の直木賞。この作品は、ある意味、コンセプト/イメージ。のサンプリング小説でもある。 ■僕も、そのように、多くのコンセプト/イメージ。をサンプリングして、20年間、商品企画開発に遊んだ。 ■8ページにおよぶ参考文献は、かなり、僕の書棚の本と重なる。満州。都市デザイン。そして、戦争。これらの3つのテーマの集合円の重なり合いが、大きな意味の重力を生み出し、参考文献を引き寄せていく。まさに、この作品の地図が、作者の中で、相互補完されていく。で、著者の筆力の個性/拳が、上がるのだ。地図と拳。この作品を描く、体験からくるものでもあるのか。な。 ■著者の選書発射台の目利き。から、が、確かだから、このような重厚なハイブリッドかつ、キメラな個性が、作品として現出するのだな。と、合点がいく。間に合って、良かった。さあ、読もう。 | ||||
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| 面白かったです。映画を観ている気持ちになりました。映画化して欲しいと思います。 あと架空の都市が舞台でしょうが、当時の地図が本の中にあれば、と思いました。 | ||||
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| 本の書評を読んで気になり、早速購入、読み始めると止まらずに一気に読んでしまった。徹夜になり目が痛くなってしまったので、星一つ落としました。 | ||||
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| 登場人物が多く、物語の視点がコロコロ変わるが、ちゃんと物語についていけました。 前半・中盤と読み進めても、どういう展開になるかが全く予想できず、ハラハラさせられ続けました。 ただし、最後の方で失速した印象があり4つ星としました。 | ||||
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| どこまでが史実でどこまでが空想なんだろうか。あまりにも詳細な設定や展開に作者の知識に驚かされる。直木賞受賞もさもありなんと納得。私も引揚者だから帰国の場面などそうだったのかと改めて知ることも多い。骨太の小説はいつまでも忘れない。 | ||||
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| 弁当箱のように分厚い時代小説というと、購入するのに勇気が要りましたが、読み出すとまさにページターナーで、あっという間に読了しました。厳しい時代に材を取りながら、地図という新しい切り口を加えることで、軽やかな読後感が現代性があると思いました。さすが直木賞と思わされました。 | ||||
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| 読んでいる途中で、直木賞を受賞した。なるほど、確かに読みごたえはある。ここには真実がある。架空の都市をめぐる物語ではあるが、孫文と蒋介石と関東軍とソ連がぐっちゃぐちゃに戦っていた満州で、実は何が起こっていたかということを丁寧にひも解いてくれた。時系列にして、背景を語り起こしてくれた。明らかに架空の超人や変人が何人か出てくるが、彼らは結局、歴史を案内するガイドにしか過ぎない。どこか諦念を抱えていて、運命に逆らうことをあきらめている。 最後に参考文献をあげているが、参考文献の羅列だけで8ページもあるのだ。満州とは何だったのか、少なくとも日本にとって満州とは何だったのか、がわかったような気がする。 | ||||
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| 冒頭の時代設定が絶妙。山田風太郎ファンが追い求めるような明治末期なのだが、荒唐無稽ではなくめちゃくちゃリアル。白熱かつ迫真のシーン展開の連続で息もつかせない。あたかも実際にタイムトラベルして見てきたかのような情景描写の連続で、読みながら、まるで超大作の映画を見ているようだった。クロニクルに推移しながらさまざまな視点で物語が進むのも、読み手側に憑依の錯覚を覚えさせて心地よい。 実力のある作家の作品というものに久々に出会った感がある。今回、直木賞を獲得したのも当然というしかない。 | ||||
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| 分厚かったけどまだまだ読み足らなかった | ||||
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| この著者の本は初めて読むが、600頁を超える大作である。 巻末の参考文献を見ると満州と日中戦争に関する文献だけでなく、建築と都市計画に関する文献も含め膨大な資料を渉猟した労作であることがわかる。 物語は日清戦争後の1899年の序章から戦後の1955年の終章まで、編年体の歴史書のように時系列で満州を舞台としたドラマが語られる。 この時代の満州は、日本から見れば、日清日露戦争を経て、戦前の旧日本帝国が満州開発に着手し、ついには満州国の設立に至る経緯と、日中戦争から太平洋戦争へと戦火が拡大する中で満州がうち捨てられていく過程であり、中国側から見れば、ロシアに次いで日本という外国勢力の支配に抗する民族解放闘争と中国内の国民党と八路軍の内戦が展開していた激動の時代である。 それゆえ、従来は<戦争と民衆>あるいは<侵略と抵抗>という視点で歴史や小説が描かれることが多かったのではないか。 これに対し、本書は「地図と拳」という表題の視点で描かれている。「拳」とは軍隊と戦争のことであるが、「地図」とは未開の土地を開発する都市計画とそれに基づく建築を意味している。もちろん、都市計画と建築といえども旧日本帝国の支配政策の一環であり、日本の支配が失われると破棄される運命となる場合もあるが、その土地の風土と民衆に適った都市計画と建築であれば日本の支配が失われても残る可能性がある。このあたりはいわば超時代的でコスモポリタンな建築家の夢想とでもいうべきかもしれない。 本書に登場する人物の中には、大日本帝国のイデオロギーを体現した憲兵も配されているが、主たる登場人物はイデオロギー的には比較的自由な学究肌の人物が多い。 実際にこのようなイデオロギー的に自由な人材が満州開発にかかわっていたのかは疑問であるが、都市開発と建築という視点で満州を描くのは斬新な視点といえる。 | ||||
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