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(アンソロジー)
幻の殺意/夜が暗いように: 日本ハードボイルド全集5
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幻の殺意/夜が暗いように: 日本ハードボイルド全集5の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全1件 1~1 1/1ページ
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結城昌治の作風は幅広い。直木賞受賞作『軍旗はためく下に』や『虫たちの墓』は軍隊組織の非情を描き、その延長線上に吉川英治文学賞受賞作『終着駅』がある。 いっぽう『ゴメスの名はゴメス』はスパイ小説と名作と名高く、『白昼堂々』のようなクライム・コメディ、『夜の終わる時』や『穽』(文庫版は『裏切りの明日』と改題)のような悪徳警官ものも、代表作として挙げられてきた。 その結城昌治がハードボイルド作家と認識されているのは、やはり私立探偵の真木を主人公とする長短篇があったからだろう。 しかし編者の1人・池上冬樹が、『暗い落日』『公園には誰もいない』『炎の終り』が講談社文庫版で改訂されたことを「ポリティカル・コレクトネス」だったと批判しているためか、この全集では、真木ものの短篇は採られたが、長篇は『幻の殺意』が選ばれた。 たしかに『幻の殺意』は、新潮社版『日本ミステリー事典』にも「初のハードボイルドと言えるだろう」と書かれている作品だ。が、はたして結城昌治の代表作として「日本ハードボイルド全集」に取るべき作品なのだろうか? 結城昌治は「洗練されたユーモア」「軽快な文章」でも定評があった。 カッパノベルズ版『長い長い眠り』の作家紹介には「巧みなプロットと独自のユーモアをたたえた軽快な文章で、推理小説ファンを魅了している」とある。同じく『穽』の作家紹介には、「”ユーモア推理作家”という世評に挑戦し、スパイもの、悪徳警官ものなど、つねに他に先んじて新分野を開拓する」と書かれている。 結城昌治の「独自のユーモアをたたえた軽快な」作品は、初期の代表作とみなされてきたし、今や評価を確立していると言ってよいだろう。 個人的な意見としては『幻の殺意』よりも、『夜の追跡者』や『隠花植物』の軽快さこそ評価されるべきだったのでは?・・・と思う。 これらを「通俗ハードボイルド」などと下に見て良いのだろうか? | ||||
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