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自由研究には向かない殺人



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【この小説が収録されている参考書籍】
自由研究には向かない殺人 (創元推理文庫)

自由研究には向かない殺人の評価: 3.97/5点 レビュー 64件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.97pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全64件 61~64 4/4ページ
No.4:
(5pt)

めっちゃ面白い

現代ガジェット(スマホ、pc)や身近なアプリ等を使っており、写真や図面なども本作には散りばめられているのでとても斬新で、楽しく読破しました。読み出すと止まらず、ラストもとても好きでした。おすすめの一冊です!
自由研究には向かない殺人 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:自由研究には向かない殺人 (創元推理文庫)より
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No.3:
(5pt)

輝いてる

高校生のピップは、自由研究で5年前に起きた少女失踪事件を調べ始めます。それは犯人とされた少年が自殺したことで解決したとみられていた事件でしたが…。とにかく主人公のピップが素敵です。天真爛漫に見える中に、やさしさに満ちた強い信念があります。それにピップのあたたかな家族、気の置けない友人、そして一緒に事件の真相を探るラヴィと、みんな生き生きとした魅力を放っています。この作品はやさしさに溢れています。そのやさしさが、悲痛な事件の影をいっそう濃くし、やるせない真相へと向かっていきます。読みながら犯人に怒りを覚えるほど感情移入したのは久しぶりです。よく練られたストーリーもさることながら、魅力的な登場人物が作品に輝きを与えています。読んでよかったと心から思える作品でした。続編を心待ちにしています。
自由研究には向かない殺人 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:自由研究には向かない殺人 (創元推理文庫)より
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No.2:
(5pt)

グラマースクールの自由研究としての、過去の事件の捜査。

〇面白い訳題だが、原題も面白い。A GOOD GIRL’S GUIDE TO MURDER。2019年刊行のロンドン在住作家ホリー・ジャクソンのデビュー作である。
〇カーネギー賞の候補になっていることからは、児童文学ミステリーとも考えられているようである。性的交際や禁止薬物使用の話も出てくるが、直接的な描写は抑えられている。
〇主人公ピップは、イギリスの小さな町リトル・キルトンのグラマースクール最上級生の、17歳女性。再婚した母、ナイジェリア人の陽気な義父、やんちゃな弟、犬の4人1匹で仲良く暮らしている。
一、概略
〇ネタバレにならない範囲で、あらすじを書くと、ピップは夏休みの自由研究(自由研究で得られる資格)のタイトルを「2012年、リトル・キルトンにおける行方不明者(アンディ・ベル)の捜索に関する研究」とし、内容を「アンディの事件で、メディア及びソーシャルメディアが警察の捜査においていかに重要な役割を果たすようになったか」「そして、サル・シンおよび彼が有罪と目される件についてのメディアの報道のあり方」として、担当教師の許可を得た。
〇事件は5年前に17歳のアンディが失踪し、恋人のサル・シンが容疑者とされたが、サルは自殺してしまった。失踪事件は、サルを犯人と仮定した「違法な殺人」として、捜査は終了していた。アンディの死体は発見されなかった。
ピップの情報取得方法は、専門家インタビュー、地元ジャーナリストインタビュー、新聞記事とされ、事件当事者の家族には連絡しないことが研究許可条件となっていた。
しかし、サルの無実を信じるピップは突き進む。サルの弟のラヴィが相棒役になってくれ・・。
二、私的感想
〇「高校生の自由研究としての捜査」という切り口がよく考えられていた。先例があるかどうかは知らない。
〇警察に法に基づき聴取記録の情報開示請求したり、SNSで実在の人物になり済まして、その友人とメールでやりとりしたり、警察の公聴会に出たりと、あの手この手の情報取得努力が楽しい。麻薬密売人の家を訪問したり、ついに、家宅侵入までしてしまい・・・。
〇知り合いの警官、新聞記者等から情報をもらうというずるい手を使っていないのが好ましい。真相究明はあくまでも自由研究、つまり、ピップの可能な範囲の情報取得と、論理的思考と行動によっている。
〇事件の構造はなかなか複雑で、ラストの二段捻りの真相到達は素晴らしい。アンディ失踪事件の経過の一部にちょっと現実味の薄い部分があるが、二段捻りにするためにやむを得なかったと思われる。
三、私的結論
〇大変面白い、高校生自由研究ミステリー。
自由研究には向かない殺人 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:自由研究には向かない殺人 (創元推理文庫)より
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No.1:
(5pt)

高校生が失踪ミステリに挑む

主人公ピッパ(ピップ)は17歳の女子高生。夏休みの自由研究として “失踪事件の捜査とメディアの果たした役割” をテーマに挙げ、5年前に町で起きた女子高生殺人(失踪)事件の真相を探ることを計画する。
倫理的な問題があることから、あらかじめ担当教師からは「あなたはあっさり引き下がる生徒ではないが、デリケートすぎる事件なので、どちらの家族にも一切連絡をとらないように」とクギをさされる。しかしそんなことはなんのそのと、序盤から加害者側の家族に面談に行く。
自殺した加害者とされる少年を生前知っており「あれは冤罪」という信念をもって―。
とにかくこの少女は賢くて、すごい勇気と根気をもっている。途中からは心強く魅力的な協力者もつき、ぐんぐん調査を進めていく。イギリスの小さな町なので、住民には偏見、人種差別、いじめ、思い込み、こだわり、不寛容さなどがあり、警察はいいかげん、タウン誌記者も視野が狭いが、彼女はものおじしない。自由研究であることと表向きのテーマで相手を構えさせないようにし(時には偽装もして)インタビューすることで当時の情報を微細に収集し、丁寧にしっかり分析していくところは見事だ。
彼女を取り巻く家族や友人も魅力的で、そこも見せ場になっている。会話がユーモアとウィットに富んでいて明るく楽しい。
主人公たちがスマホのアプリやパソコンを駆使し活用しているところには、小説も新たな文明の利器の時代だとオバさん(私)は感心してしまった。
事件はなかなか難解複雑な人間関係が絡んでおり、予想もしなかったことがどんどん判明していく。犯人は想定内、と思っていたら、そう簡単には終わらない。
ラストはじーんときた。
全般に渡って不自然なできすぎ感をほとんど感じさせず(全くないとは言えないが)、こちらも素直に共感しつつ読み進めることができ、期待以上におもしろい内容だった。
解説によると、本作は作者にとってデビュー作とのこと。そして関連作が3作目まであるそうだ。
(余談だが、ラストシーンのセリフにあった「typewriter」の豆知識には感心し、思わずPCのキーボードを見てしまった)
自由研究には向かない殺人 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:自由研究には向かない殺人 (創元推理文庫)より
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