ヨルガオ殺人事件



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初公開日(参考)2021年09月
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ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)

2021年09月13日 ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)

『カササギ殺人事件』から2年。クレタ島でホテルを経営する元編集者のわたしを、英国から裕福な夫妻が訪ねてくる。彼らが所有するホテルで8年前に起きた殺人事件の真相をある本で見つけた──そう連絡してきた直後に娘が失踪したというのだ。その本とは名探偵アティカス・ピュント・シリーズの『愚行の代償』。それは、かつてわたしが編集したミステリだった……。巨匠クリスティへの完璧なオマージュ作品×英国のホテルで起きた殺人事件! 『カササギ殺人事件』の続編にして、至高の犯人当てミステリ!(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点10.00pt

ヨルガオ殺人事件の総合評価:8.27/10点レビュー 37件。Aランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

このタイトルではないだろう

日本における、今に至るホロヴィッツ旋風の発端となった『カササギ殺人事件』のまさかの続編である。

私は前作を読んだときの衝撃はいまだに覚えており、現代の古典、即ち今後100年遺されていくミステリの傑作だと確信していた。
それゆえ正直続編の本書を読むのは期待半分、不安半分、いや期待3割、不安7割といった感じで手に取った。

しかし本書はその私の不安で高められたハードルを易々と越えてしまった。前作に劣らぬ、いや前作にも増して本格ミステリに淫している作品だ。

私は前作を“ミステリ小説をミステリするミステリ小説だ”と評したが、それに倣えば本書は“ミステリ小説の中のミステリで現実のミステリを解決するミステリ”だ。
そう、前作よりもミステリの文字が増えているのは、前作が一粒で二度美味しいミステリだったならば本書は一粒で何度も味わいが変わる重層的な味わいを持ったミステリだからだ。

今回主人公スーザン・ライランドが巻き込まれるのはサフォーク州にある高級ホテル《ブランロウ・ホール》のオーナー、トレハーン夫婦の次女の失踪事件だ。しかもそれは8年前のホテルの客の殺人事件が関わっており、その事件をテーマにしたアラン・コンウェイのアティカス・ピュントシリーズの1冊、3作目『愚行の代償』を読んだ後に失踪していることから当時その作品に編集者として関わったスーザンに失踪した娘セシリーの行方を探してほしいという依頼だ。失踪前に彼女が電話で8年前にホテルで自分たちの結婚式の最中に起きたオーストラリアからの宿泊客フランク・パリス殺害事件の犯人が冤罪で真犯人がその小説に書いてあったと云い残したのだった。

娘が読んだ小説が原因で失踪したのだから、その本を書いた人は既に亡くなっているのであれば、出版した人が娘の失踪の原因と行方を探れるだろうとは、何とも常識を欠いた強引な依頼と思われるが、上流階級のホテルオーナーであれば世俗の常識は通用しないし、また失踪した娘の行方が杳として知れないのが続いているのであれば、藁にも縋りたいのが親心というものか。

それよりも依頼を受けたスーザンは『カササギ殺人事件』の事件の後、勤めていた出版社《クローヴァーリーフ・ブックス》は潰れ、版権を持つアラン・コンウェイのアティカス・ピュントシリーズは《オリオン・ブックス》に譲渡して出版されており、彼女は恋人のアンドレアス・パタキスと共にクレタ島でホテルを経営している。しかしその経営状況は思わしくなく、彼女は望郷の念に駆られている。

そんな状況下で持ち掛けられたアラン・コンウェイのアティカス・ピュントシリーズに纏わる事件だから、彼女は報酬の1万ポンドと久しぶりにイギリスに渡れるということで引き受けることになる。

しかし請われたにも拘らず、スーザンの立場はいわば”招かれざる客”で、周囲の彼女に向ける眼差しは冷たく、ある者は露骨に嫌悪感を剥き出しにする。

またスーザンはセシリーが失踪する原因となった『愚行の代償』のモデルとなったフランク・パリスの事件も調べることになるが、その妹夫妻が近くに住んでいるということで訪れる。フランクが彼らの許を訪れたのは新事業で失った大金を補填すべく新たな代理店を出すための投資を持ち掛けてきていた。彼らはゲイである兄が派手派手しく喧伝していることに嫌悪しており、そこではフランクのことを忘れたい妹ジョアンから二度と来るなと敵意むき出しで追い出される。

また失踪したセシリーの夫エイデンからも警察でもないのにホームズやピュントのようになぜ自分も容疑者のように聴き込むのか、依頼の通り、さっさとここで『愚行の代償』でも読んでセシリー失踪の原因でも早く見つけてくれよと罵倒される。

そしてセシリーが夫と共に残した娘ロクサーナの乳母エロイーズもまた彼女に対しては好意的でない悪魔でも見るような迷惑そうな眼差しを緩めようとしない。

まあ、それも仕方ないだろう。
オーナー夫婦の娘の失踪を探るとはいえ、成り行き上、一旦解決した8年前の自分たちのホテルで起こった殺人事件を嗅ぎ回るスーザンは彼らにしてみれば忘れたい過去を土足で入り込んで掘り起こす無粋な輩に過ぎないのだから。しかしスーザンも損な役回りである。

このシリーズの最大の特徴は作中作であるアラン・コンウェイ作のアティカス・ピュントシリーズの1作が丸々読めるところにある。正直作中における現実世界のスーザン・ライランドのパートよりもこの作中作の方が面白い。

前作では物語が始まってすぐに作中作である『カササギ殺人事件』が始まったが、本書ではスーザン事件関係者への一通りの訊き込みが終わった300ページが過ぎたあたりからようやく幕を開ける。
但し、本書では題名の『ヨルガオ殺人事件』ではなく『愚行の代償』という作品だ。邦題は決して前作の大ヒットにあやかって決めたのではなく、原題“Moonflower Muders”とそのものだ。

Moonfower、即ちヨルガオはスーザンの依頼人トレハーン夫婦が経営するホテル《ブランロウ・ホール》の1棟、ヨルガオ棟とそれをモデルにした『愚行の代償』に出てくる被害者メリッサ・ジェイムズが所有するホテル《ヨルガオ館》に由来する。さらにメリッサがヨルガオをホテルの名に選んだのは彼女が過去に主演した映画『ヨルガオ』から来ている。
因みにヨルガオと夕顔は別の花であるからご注意を。

さてその『愚行の代償』だが、作者ホロヴィッツはまたしてもこの作中作を実にリアルに実在する作品であるかのように模して物語に入れ込んでいる。

まずきちんと表紙もあり、そして倒産してしまったスーザンの前勤務先《クローヴァーリーフ・ブックス》版ではなく、新たにシリーズを引き継いだ《オリオン・ブックス》版である事や新聞書評や雑誌での書評のみならず実在するピーター・ジェイムズやリー・チャイルドの賛辞が列記されたページから始まる、更にはアティカス・ピュントシリーズがケネス・ブラナー主演で連続ドラマ化が進行している、等々、またもやフィクションとノンフィクションの狭間に読者を誘う。

そしてその『愚行の代償』の内容は今なお熱狂的なファンのいる43歳のハリウッド女優メリッサ・ジェイムズ殺人事件を扱っている。

彼女は英国子爵の息子であるフランシス・ペンドルトンと結婚してデヴォン州の田舎町トーリー・オン・ザ・ウォーターにある《クラレンス・キープ》という美麗な屋敷を購入して隠遁しており、そこで《ヨルガオ館》というホテルを購入して経営に携わっている。《ヨルガオ館》はメリッサ目当てで訪れる客が多く、その甲斐あってホテルは満室なのだが、赤字状態が続いていることから手放すことをとうとう決意する。
しかしその前に経営を任せている支配人のガードナー夫妻から収支の確認することにしていた。さらに彼女は夫以外の男性とも付き合っており、夫とは別れようと考えている。

メリッサの屋敷《フランシス・キープ》で家政婦と執事をしているチャンドラー親子は息子のエリックがメリッサに対して憧れを抱いており、何か後ろめたい秘密を抱えている。

このハリウッド女優という派手な女性に対して快く思っていない人物は多く、先述の支配人夫妻は経営状態を調べようとする彼女に慄いており、村医者のレナード・コリンズの妻サマンサはこの静かな村に騒々しさと猥雑さを持ち込んだとして毛嫌いしている。
そしてその夫妻に予想外の幸運が迷い込む。叔母のジョイスはアメリカの大富豪ハーラン・グーディスと結婚し、夫を亡くして一人で暮らしていたのだがその叔母も亡くなり、なんとその遺産を彼女が相続することになった。

そのサマンサの弟アルジャーノン・マーシュは長身で容姿端麗な男だが、若かりし頃に愚連隊に出入りして乱闘罪で逮捕され3ヶ月の実刑を食らった過去を持つ。サマンサとアルジャーノンはロンドン大空襲で両親を亡くし、叔母のジョイスに育てられたが、この乱闘罪のせいで叔母からは軽蔑の眼差しを受けて、決して好感を持たれていない。その彼はロンドンで不動産業を営んでいるが事業経営状態は怪しく、資金繰りに苦慮している模様。その彼はメリッサの投資も担当しており、彼女の依頼でトーリー・オン・ザ・ウォーターを訪れている最中に酔っ払い運転で誰かを轢いてしまう。

また《ヨルガオ館》のフロント係のナンシー・ミッシェルは親し気に振舞うメリッサに対して恐れ、距離を置こうとしており、彼女はとある人物と関係を持ったことで妊娠してしまったことをコリンズ医師の診断で知り、一人悩んでいる。

そしてロンドンからメリッサを訪ねてきたサイモン・コックスは実業家で映画製作に乗り出そうとしていた。その第1作目として彼はメリッサを主役にした映画『王妃の身代金』を製作するために出資し、あとはメリッサと契約を交わすだけでその交渉に来たのだが、すげなく断られ、全ての費用が水の泡となることに激高し、口論となる。そして《ヨルガオ館》を後にした彼女の後を追うように彼も車をメリッサが去った方向に走らすのをナンシーにも目撃される。

そんな誰もが被害者と関りを持ち、また殺人の動機を持っている、いわば容疑者が多すぎる状況下での殺人事件の解決の依頼がメリッサのエージェントから手紙で依頼が来る。ちょうど大富豪のダイアモンド盗難事件を解決したばかりの彼は秘書のマデレン・ケインと共にトーリー・オン・ザ・ウォーターを訪れ、そこでハリウッド女優メリッサ・ジェイムズの事件のみならず、捜査の最中で発生したその夫フランシス・ペンドルトン殺害事件をも解決する。

とにかくこの作中作が良く出来ている。全ての登場人物が関わるエピソードが解決へ寄与しているのだ。

このように作中作『愚行の代償』それ自体が被害者の周囲は誰もが容疑者となり得る状況でありながら、2つの殺人事件で意外な犯人が判明するというミステリの醍醐味を堪能できる作品となっている。
もうこの作品だけで正直1冊の傑作ミステリを読んだなという充足感に満たされるのだが、さらにスーザン・ライランドのパートの事件の解決が待っているのだから全く以て贅沢な作りである。

まあアラン・コンウェイ作の『愚行の代償』という作中作が丸々収められている本書はつまりは『カササギ殺人事件』と同じ構造なのだが、現代パートと作中作パートの両者を読み比べて思うのは、明らかに作中作の方が面白く読めるということだ。
それはつまり私が、いや同じように感じる読者が、名探偵が登場して事件を解決する本格ミステリの世界の方を好んでいるということだろう。

なぜなら本書の構造というのが、前述のようにスーザン・ライランドが巻き込まれる依頼人の娘の失踪事件のヒントが8年前に依頼人のホテルで起きた殺人事件をモデルにしたアティカス・ピュントシリーズの『愚行の代償』にある、つまり現実パートと作中作パートの内容を対比して読むべきなのだが、どうしても後者の作品世界に没入してしまうのだ。それは故郷に帰ってきたような感覚とでも云おうか。小・中・高校生時代に初めてミステリの世界に触れたシャーロック・ホームズやアガサ・クリスティの作品世界に帰ってきた懐かしさを感じさせるからだろう。

そしてその出来栄えは前作同様に物語のガジェットに留まらず、それ自体が一級のミステリ作品になっている。それも本編の『ヨルガオ殺人事件』の物語が読んでいる最中、消え去ってしまうほどの面白さを兼ね備えているのだ。

そしてこの読書体験を作中の登場人物スーザンと共有することで、読後に当時彼女が編集者として創作に携わったエピソードと共に『愚行の代償』に隠された仕掛けや裏話を堪能することも出来る。

そして面白いことに作中作の『愚行の代償』を読んだ後、スーザン・ライランドのパートに戻るとこのパートが俄然それまで以上に面白みを増してくるのだ。まるでアティカス・ピュントのフィルターを通ることでミステリ色が増すかのように。

誰もが犯人になり得る動機や接点があり、誰もが怪しい。なんと多くのレッド・ヘリングが仕込まれている事か。

そしてそんな容疑者ばかりの事件の真相が明かされるが、それよりも私が驚嘆したのはその真犯人を補強する最終章での怒涛の畳みかけだ。
それは『愚行の代償』の中に仕込まれていた現実世界の犯人への暗示の数々だ。私はいつの間にか眼前で繰り広げられるそれらモチーフの連続解明を「すげえ」を思わず連発しながら読んでいた。

つまり最後まで読むと『ヨルガオ殺人事件』よりもふさわしい題名があることに気付かされるのだ。しかしその題名こそはこのミステリの大いなるネタバレになってしまう。

ただただもう畏れ入ってホロヴィッツの前に平伏すしかない。

しかしそれにしてもホロヴィッツ作品に登場する名探偵はなんともイヤな人物が多いことか。
上に書いたフランク・パリスもかなりのものだが、ホーソーンシリーズのダニエル・オーソーンも明敏な頭脳で相棒の作者ホロヴィッツと読者が見えていない真相への道を確実に見透かしているが、彼は決して教えないし、ヒントも出さない。そして同性愛者を蔑視する強い偏見の持ち主だ。

そしてこの《カササギ殺人事件》シリーズの作中作家アラン・コンウェイもまたクリスティを尊敬し、そのテイストを盛り込んだアティカス・ピュントシリーズを紡ぐ一級のミステリ作家だが、その人となりは決して人好きのするタイプではなく、寧ろ出来ることなら避けたい頑固者で、自身の作品に時にミステリを皮肉って馬鹿にし、今回のように犯人を示唆するキーワードをたくさん盛り込んで間接的に脅迫する痛烈な皮肉屋である。
しかし彼の著すアティカス・ピュントシリーズはそんな隠れた悪意のメッセージを感じなければ古き良き黄金時代の本格ミステリの世界を堪能できる作品で、たくさんの読者を魅了してきた作家なのだ。

ホロヴィッツ作品に登場する人物は仕事のできる男ほどイヤな性格の持ち主であるのが玉の瑕だ。

さらに云えば今までホロヴィッツ作品を読んで思うのは明かされる真相が決して爽快感の身をもたらすに終わらないことだ。
謎解きの妙味は今が21世紀なのかと疑うほどかつての本格ミステリの妙味に満ちており、盲が啓かれるカタルシスを得られるのだが、明かされる真相そのものは心がざらつくようなドロドロした人間関係である。

人は表面上はごく普通の一般人として振舞っているが、その奥には様々な悩みや憎悪が秘められているものだ。

さて色々書いてきたがもう1点、このシリーズのみならず、もう1つのダニエル・ホーソーンシリーズにも共通する出版業界や小説家を登場人物に扱っているからこその作家の創作の秘訣や編集者目線での作品に抱く感慨が織り込まれており、それがミステリ読者の興趣と共感を生んでおり、更に評価を一段上げているように思える。

例えば登場人物の1人、失踪したセシリーの夫エイデン・マクニールが今回アラン・コンウェイが自分たちのホテルとそこで起きた事件を題材にしてミステリを書いており、更に自分をモデルにした登場人物アルジャーノン・マーシュが何とも間抜けな人物に書かれていることに憤慨し、作家とは身の回りから目の付いたものを盗んで作品を書く者なのかと詰問する。

それに対してスーザンは作家というものは盗むのではなく、取り入れて自ら作った虚構の世界にどうにか言葉で埋めようとするのだと述べる。現実世界と虚構の世界の境目に生きているような人たちなのだと。

あとスーザンが物語の最終に近づいたころにようやく冤罪で捕まったステファン・コドレスクと対面する時の感慨が実に面白い。小説を300ページ以上読み進めたあたりで主人公がようやく登場したものの、あとほんのわずかなページで物語が終わってしまうことがすでに分かっているかのような感覚。もうこの描写だけでステファンの人となりが判ろうというものである。

しかし前作『カササギ殺人事件』でも思ったが、このアティカス・ピュントシリーズのパートの面白さを知ったことでやはりそのオマージュとなっている原典クリスティ作品はいつかは読みたい、いや読まなければならないミステリ作品だと思いを強くした。オマージュ作品でさえこれほどおもしろいのならば、やはりミステリ読みはクリスティを通るべきなのだと。

さて日本のミステリシーンに衝撃を与えた『カササギ殺人事件』の続編として刊行されながら読者の期待値を超えるクオリティを眼前に繰り広げた本書。当然の如く、読者その続編を、いや特にまだ未読のアティカス・ピュントシリーズ残りの7作を期待したいところだが、最後のスーザンがシリーズ作を焼き払うシーンを読むに恐らくこの「カササギ殺人事件」シリーズは本書を以て幕引きとなりそうだ。

それはミステリファンとして実に残念なことだが、なぁに我々にはまだダニエル・ホーソーンシリーズがまだあるではないか。

このシリーズの続編は既に“A Line To Kill”が刊行されているとのこと。これはまだまだ当分ホロヴィッツの天下は続きそうだ。

▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

とても面白かった

最高でした。

わたろう
0BCEGGR4
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No.35:
(2pt)

推理“小説”として、魅力的かな?

どうして誰も口にしないのだろう?
アンソニー・ホロヴィッツさんは、脚本家としては超一流だが、小説家としては三流だ。
手がけられたドラマは、素晴らしい。すっきりとして、澱みなく、テンポ良い脚本だ。
しかし、このヨルガオもそうだけれど、ミステリーとしての仕込や緻密さはあっても、どの作品も、小説としてはもたもたとした構成でテンポが悪い。文章で引き込んむ、読ませる小説になっていないよね。
ヨルガオも脚本として置き換えて、ドラマをイメージすると、この構成になるか…と思うけれど。
多数、翻訳されているけれど…脚本家としての評価に引きずられていないかい?
ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)より
4488265111
No.34:
(3pt)

面白い

この著者の作品は出されるたびに全部購入
図書館本ではなくて
手元に置いておきたくなる
ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)より
4488265111
No.33:
(4pt)

解決した後が面白い

事件を解決した後にもまだ謎は残っていた、というのが、作者の一番言いたかったところなのかな、と思います。
本編も作中作も、結局前作『カササギ殺人事件』ほど面白くはありませんでした。
犯人も上巻のレビューで書いた通り、上巻途中で分かってしまって、引っ掛けもどんでん返しもありませんでした。
でも犯人が明らかになっても、尚もはっきりしない点が一つある、それを解明しない限り、自分にとって事件は終わったことにならないんだ、と頑張る主人公の執念は大したものです。
だから事件が解決した後のエピローグ的な部分も、ちゃんと読んであげて下さい。この部分がなかったら、この本の評価は星二つ位減っているところです。
ヨルガオ殺人事件 下 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ヨルガオ殺人事件 下 (創元推理文庫)より
448826512X
No.32:
(4pt)

作中作が面白い

『カササギ殺人事件』が凄く面白かったので買ってみましたが…
今回はちょっとプロットを複雑にし過ぎたのか、まとまりが悪くて、状況の全体図がなかなか頭に入ってきません。
その割に手掛かりはあまりにあからさまで、犯人はこの上巻途中で簡単に分かっちゃったのですが…もしかして、引っ掛け?
『カササギ…』でも少々気になったのですが、主人公の性格にもちょっとついて行けません。気は良い人なのですけどね。お金のためとか言いながら、結構親身に、真相を究明しようと頑張っています。でも、空気読めなさすぎ! で、言うことやることがかなり無神経なのですが、本人に悪気は無いんですよね~。こういう人が一番始末に困るんですよ。
なのでもう興味の中心は、作中作に移すしかありません。この作中作が、A・クリスティーを彷彿とさせて、クリスティー・ファンには懐かしくも面白いです。上巻がこの作中作の半ばで終わっているというのは、上手い演出だと思います。
ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ヨルガオ殺人事件 上 (創元推理文庫)より
4488265111
No.31:
(1pt)

アナグラム飽きた

カササギ殺人事件のときのアナグラムはすごいと思ったけど、ヨルガオ殺人事件になるともう感動は薄くなりますね。
薄くなるどころかウザくもある。
「アナグラムになってるから何なの?」という思いの方が強くなってしまいます。
最後、アンドレアスに全部燃やして捨てるように言われてましたけど、そこが本作品で一番納得できました。
作者ホロビッツの「もうアナグラムは飽きたからやらない」という強いメッセージなのだと思います。
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448826512X



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