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リボルバー



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【この小説が収録されている参考書籍】
リボルバー

リボルバーの評価: 4.06/5点 レビュー 67件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.06pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全52件 41~52 3/3ページ
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No.12:
(5pt)

幸せだったゴッホ

ゴッホはかわいそうな人なんかじゃない、という著者のゴッホへの尊敬がひしひしと伝わってきました。ラストのゴッホの叫びがいまだにリフレインします。
リボルバーAmazon書評・レビュー:リボルバーより
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No.11:
(5pt)

小説と絵画と現実とが立体的に絡み合う不思議時間

ゴッホとゴーギャンはかつてアルルで生活を共にし、互いに作品への影響を与え合ったが、ゴーギャンは二か月で立ち去り、ゴッホは抗議して自分の左耳を切り取る。その一年後、ゴッホはオーヴェールでピストル自殺をはかる。

 本書の軸になっているのは上のような極めて異常な状況として語り伝えられているゴッホとゴーギャンの歴史である。

 二人の共通点がいくつかある。二人ともゴッホの弟テオによる資金援助を受けていたこと。しかしそれにも関わらず、二人とも生前に作品を認められることはなかった。経済的にも自立はしていなかった。

 本書では二人の極度に個性の強い有名画家を主軸に据えた奇妙な自殺事件の現代版謎解きミステリーである。主人公になるのは、小さなパリのオークション会社の社員である高遠冴。彼女にミステリーの核となるものを持ち込んだのは、やはりパリ在住の謎の女性サラ。

 オークションに出品されようとする品物はゴッホが自殺に使用したという錆びたリボルバーである。オークション会社に勤めつつゴッホとゴーギャンの関係に関する研究論文を仕上げにかかっている主人公・冴は、このリボルバーの存在に色めき立つ。本作の面白さは、芸術家たちの歴史と現在の証拠となるリボルバーを繋ぐ探偵活動にあるのである。そして歴史を繋ぐ証言者たちとの出会いやインタビュー。重ねられる推理。

 本書のようなアート・ミステリーも、原田マハを特徴づける美術小説というものも、まったく読んだ経験が無いぼくがこの本を手にしたのは、ゴッホは個人的に何かしらのインスピレーションを感じさせる存在であったからだ。

 50代になって経験した初のフランス旅行の際、アルルに二泊の機会を得たこと。夜のアルルをソロで散策して現地の店で酒を呑んだりしたという小さな冒険譚に加えて、昼も夜も見ずにはいられなかったアルルの公園にある、片耳のないゴッホの胸像から伝わった強烈な印象。さらに札幌の美術館で開かれたゴッホ展などなど、ゴッホと耳にするだけで強い好奇心が心に浮き上がってくるのである。無論ゴッホの作品は、数ある美術作品のなかで、それと識別できるだけの個性があるせいか見分けることができる。ゴッホが浮世絵他、日本への憧憬を強く示していたということも印象に強いのかもしれない。

 そんなゴッホに対し、放浪の画家ゴーギャン。この人の絵も、個性が強いのでまず他の画家の絵とは明確に区別できる。ふたつの個性と二人の作品群に対する強烈な好奇心がなければ、この本を手にすることはなかったと思う。

 さてさらに一つの大きな特徴がこの本にはある。この7月から本作品が舞台作品として公演されるのである。本書はその脚本ありきで小説化されることとなったようなのである。いわゆるこれまでの作品とはプロセスが違うのだ。戯曲も原田マハさんの手になり、この本はそれを逆に小説化したものと理解したほうが良さそうなのである。

 どおりでと思われるページがとりわけ後半に続く。関連する重要キャラクターによる独白シーン。舞台装置が似合いそうな個性が登場する。そして本書は本書なりの真相結論に辿り着く。さらに最後に現実のオークションのことが小さく数行。現実と創造とを重ね合わせ、現在も残る本の表紙でもあるゴッホの『ひまわり』のタブローへと辿り着く。洒落たことをやる一冊である。それとともにゴッホとゴーギャンのイメージが強烈に心に住み着くようになると思える作品でもある。

 小説と絵画と現実とが立体的に絡み合う不思議時間を、あなたも是非体験してみませんか?
リボルバーAmazon書評・レビュー:リボルバーより
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No.10:
(5pt)

ザ、原田マハ!

あー面白かった!!原田マハ、全部読んでるけど、これはベスト5冊に入る。泣きました。
リボルバーAmazon書評・レビュー:リボルバーより
4344037693
No.9:
(5pt)

タイトルはリボルバーだが表紙は「ひまわり」という妙味

著者のゴッホ関連の作品に出会うたび、アルルってどんな町?オーヴェール⁼シュル⁼オワーズってどこ?
どんな景色?と想像を膨らませてしまう。本書にはそんな思いや憧れが凝縮されており、ゴッホの描くタブ
ローの世界を旅している錯覚さえ感じる。
 本書ではゴッホとゴーギャンの関係性を追求し、主人公・冴(さえ)の口を借りながら二人の関係は幸福
であって欲しいと、祈りにも似た筆致で活写している。
 終盤まで極力抑えていたタブローへの讃辞、それが「ひまわり」の項になると俄然息を吹き返し、怒涛の
様に言葉の嵐が押し寄せてくる。黄色い色彩が視界一面に飛び散っている様。いいなーこの風圧、この香。
著者の作品にはこれがあるからたまらない。何度も何度もゴッホの作品集を紐解いてしまう。

 史実に基づきながらも、もう一つのリボルバーの存在を想定し、ゴーギャンを取り巻く人たちをも鮮やか
に浮き出させた。加えて史実と矛盾しないぎりぎりの範囲内での収束方法。爽やかな読後感を味わえた。
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No.8:
(5pt)

マハさん最高

またヤラレタ!まだ謎は残るけど彼女のストーリーには引き込まれる
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4344037693
No.7:
(4pt)

ヨーロッパ人には違和感あるだろうね

楽園のカンヴァスに並ぶ傑作。
ゴッホとゴーギャンの話に違和感なく日本人を主人公にするなんて、この人しかできない業ですね。

ただ、ヨーロッパ人には違和感あるだろうね。僕らだって嘉納治五郎の小説を外国人に書かれると違和感感じるだろうし。
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No.6:
(5pt)

待ちに待った原田マハさんの新作。一気に読んでしまいました。

原田マハさんの作品は、とにかく面白く、引き込まれる!
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No.5:
(4pt)

いまも、ひまわりの絵は残っている

読後、弔っていた。
誰の?
ゴーギャン...ゴッホ....
遺言は?
「君の胸にただただ住んでいるタブローと生きてゆけ」
「僕には僕の、彼には彼の彼方の楽園がある。それでいいと思っている」

いま、は二人とも亡くなった。

かつて、アルルを訪れたゴーギャンはひまわりの絵を目にした。
「もっとも目を引いたのは
すべてが黄色すぎるほどの黄色タブローだった」と彼は思う。
「濃い黄色、強い黄色、柔らかな黄色、淡い黄色、
背景もテーブルも壺もてんで勝手にぼうぼうと咲く花々も、
複雑な色調の黄色で描き分けられている。
にもかかわらず、ちっとも騒がしくなく、
むしろ静謐で完璧な調和をたたえていた」と感じた。

いまも、ひまわりの絵は残っている。
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No.4:
(4pt)

ゴッホリボルバー 全部読んで、かなりゴッホの奥深さは素敵です!

小説のパッケージが向日葵で迚 素敵です
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No.3:
(4pt)

構成も上手いし、著者ならではの分野ではあるが

ゴッホ、ゴーギャンと広く知られている画家を題材にしており、比較的美術に縁のない人でも入りやすい。

ゴッホの自殺に使った銃がオークションで出品されるという事をはじめ、芸術家たちの史実をベースにフィクションを織り交ぜる技術はさすがで違和感はない。
現代の美術関係者がゴッホの謎に迫るスタイルで、美術史の一面を紐解いていくのも読ませる。

ただそれでも受け入れやすい題材とはいえ、あくまで美術関係という狭い世界では幅広い読者には面白さが伝わりにくい。
独自の分野での小説であることは万人が認めるものであるが、初期のころのような勢いと面白さが同居するようなワクワクする作品の方が読みたい作家であることには変わりない。
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No.2:
(4pt)

ゴッホ愛

原田さんは本当にゴッホが好きなんですね。林忠正を書きたいという始まりから、同時期にゴッホがパリにいたことを繋げて、二人が会っていたという妄想から始まった「たゆたえども沈まず」。今後のゴッホ愛がどこまで進むのか楽しみです。
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No.1:
(4pt)

リボルバーによって、"Revolve"する二人の生涯

アムステルダムを舞台にしたノンフィクションを読んだ後、導かれるようにして本書「リボルバー」(原田マハ 幻冬舎)を読み終えました。ファン・ゴッホは、オランダ生まれでした。
 原田マハを読むのは、2020/3月に読んだ「〈あの絵〉のまえで」以来になります。(巻頭の短編、「ハッピーバースデー」。ひろしま美術館。<ドービニーの庭>。作者は、勿論、ゴッホ。帰るべき場所、出会うための場所。)
 主人公は、パリ八区、小規模なオークション会社に勤める「冴」。彼女は後期印象派(特にファン・ゴッホとゴーギャン中心)をテーマにいずれは博士論文に挑戦しようとする研究者でもあります。そして、サザビーズでもなければ、クリスティーズでもない小さなオークション会場に、謎めいた女性・サラが現れ、ある出品を依頼されます。それは、赤錆に覆われた1丁のリボルバー。7ミリ口径、銃身18.5センチ(まあ、その説明はいいか(笑))。来歴は、ファン・ゴッホの腹部を撃ち抜いた拳銃だと説明されます。ゴッホは銃により自殺したとの定説がありますが、果たして?その銃の来歴を追って、「冴」と共に会社のオーナー・ギローと同僚のジャン=フィリップは、ファン・ゴッホの足跡を辿るようにゴッホの聖地、オーヴェールへと向かうことになります。リンクする<ドービニーの庭>。スリラーではありませんが、ストーリーを追うのはこの辺まででしょう。
 2019/11月に見た麦畑が美しすぎる映画「永遠の門 ゴッホの見た未来」(監督:ジュリアン・シュナーベル)のゴッホの死は、少年たちの銃で撃たれ亡くなったとする「他殺」を伺わせるような視点から描かれていましたが、原田マハはその死の謎を追いながら、ゴッホ、テオ、ゴーギャンを描く史実の中に「X」の存在とそのファミリー・ツリーを埋め込むことによって、ゴッホ、そしてポール・ゴーギャンの二人の画家の生涯をダイナミックに再構築して見せてくれます。私にとって、それはコースターに乗って楽しい「虚実皮膜」をすり抜けるような良き経験だったと思います。リボルバーによって、"Revolve"する二人の生涯。
 エピローグ前のエンディングは、少しウェルメイド過ぎる印象はありましたが、後期印象派のタブローへ寄せる原田マハの思いが彼方の「一枚の絵」に結実し、心の良きものがはじけ飛ぶような爽やかなものでした。
 暗さと明るさのあわいに佇む「オーヴェール=シュル=オワーズの教会」を探って、その扉を開けてみると、そこにはポール・ゴーギャンが描く「われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか」に辿り着くのでしょうか?
リボルバーAmazon書評・レビュー:リボルバーより
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