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ふぉん・しいほるとの娘



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ふぉん・しいほるとの娘の評価: 4.20/5点 レビュー 61件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.20pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全61件 41~60 3/4ページ
No.21:
(3pt)

鉄鎖太郎

読みやすくてエンタメ的には良かったと思います。が、もっと内面的な描写がほしいですね。
ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)より
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No.20:
(5pt)

日本初の産科医

上下で相当な分量(約1350ページ)だが、読み応え十分、得るところの多い作品。前半の三分の一はあのシーボルトの話で、彼が国外追放された後の、日本に残されたその娘お稲の物語が後半。時代背景も詳しく、医学が急激に発達した事情もよくわかり、その中で女性蔑視の風潮と闘いながら成長し、日本史上初めて女医となった人のドラマである。杉田玄白、高野長英、緒方洪庵など、ちょっとだけ知ってる人物が医学史、主に蘭学だが、その中できちんと、シーボルトの果たした役割とともに紹介され、説明されている。
ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)より
4101117314
No.19:
(2pt)

小説とは言い難い

途中から「物語」というより「記録」を読んでいるようだった。

激動の幕末を違う視点から見れたのは良かった。しかし、背景のディテールを追い過ぎてくどく感じた。

例えば大河ドラマ「八重の桜」では八重が出てこなくてイライラしたが、同じような印象だった。
ふぉん・しいほるとの娘(下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふぉん・しいほるとの娘(下) (新潮文庫)より
4101117322
No.18:
(4pt)

上巻コメントを参照されたい。

上巻コメントを参照されたい。ともかく内容が濃い。そして長い小説だ。
ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)より
4101117314
No.17:
(4pt)

歴史的事件を興味深い時代小説

事細かな時代背景の描写、江戸末期の社会情勢もわかるスゴイ小説。
作者吉村 昭氏に敬服です。
ふぉん・しいほるとの娘(下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふぉん・しいほるとの娘(下) (新潮文庫)より
4101117322
No.16:
(3pt)

出島の生活とシーボルト

お滝さんの生き方、出島の生活など、描写は冗長になりがちだが、興味深く読めた。シーボルトの人物像は、焦点が散漫で、研究に熱心なのか、たんなる名誉欲にかられた人物なのか、その中間のどこかにいるのか、よくつかめない。
ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)より
4101117314
No.15:
(2pt)

産科医として生きる覚悟

厳しい選択のなかで稲の抱く覚悟と揺れ動く気持ちが十分に描けず、説明的になっている。時代背景も、関係ない記述が長すぎる。
ふぉん・しいほるとの娘(下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふぉん・しいほるとの娘(下) (新潮文庫)より
4101117322
No.14:
(3pt)

上編は殆どシーボルトの話

上編は娘が生まれるものの、物語の中心はシーボルトだ。

シーボルトは、西洋医学を教える傍ら、日本の情報収集に励む。其扇といい関係になり、娘をもうけるまではいいが、一人だけで祖国に帰ってしまう。

本人には葛藤があったことだろう。でも、結果からみると自分勝手な人だと思ってしまう。下編でその印象が変わるかも知れないが。

間宮林蔵を読んだので、時代背景は大体分かっていたが、違う角度からの描写で更に理解が深まった。

恐らく「シーボルトの娘」が中心の下編に期待する。
ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)より
4101117314
No.13:
(5pt)

はし

ありがとうございました。長崎、宇和島、岡山、大阪とそれぞれの歴史があることを知りました。
ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)より
4101117314
No.12:
(5pt)

はし

ありがとうございました。シーボルト事件の背景やそのあとを知ることができました。
ふぉん・しいほるとの娘(下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふぉん・しいほるとの娘(下) (新潮文庫)より
4101117322
No.11:
(4pt)

シーボルトとその家族の物語

江戸時代の歴史で名前だけ知っていたオランダから医学を伝えたシーボルト。
その時の日本の生活の様子が目に浮かぶように描かれていた。食事の様子から、いかに鎖国政策を厳しくしていたかという幕府の様子まで。
後半はいよいよhttp://www.kameda-kyobashi.com/access/index.htmlシーボルトの娘の成長が描かれている。
ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)より
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No.10:
(5pt)

ずっと愛読書になります

女性の人生にとても興味が有ります。
江戸時代の混血という境遇で強く強く
人生を生き抜いたいねに大きな力を
貰った思いです。そしてどんなに
最悪な状況が続いても、何時かは
穏やかな日が必ず訪れるという
事も実感として感じています。
又、時を経て読み返します。
ふぉん・しいほるとの娘(下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふぉん・しいほるとの娘(下) (新潮文庫)より
4101117322
No.9:
(4pt)

波乱万丈の生涯

上巻では、シーボルトの娘イネが学問の道を歩き出すまでが書かれていたが、下巻では晩年までのイネの波乱万丈な人生が書かれている。
混血児の女性が江戸末期時代にどのような人生を歩んだのか。イネは父シーボルトの娘であるという矜持の高さを支えに、13歳で故郷・長崎から伊予国卯之町の二宮敬作を師事し、そして産科医を目指す。

修行中、志なかばの悲劇で一度は挫折するが彼女の熱意はそれを乗り越え再び医師を目指す。
時代のうねりはひしひしと迫り、やがて幕末、維新と渦に巻き込まれていく。
逢えないと思っていた父との再開と失望。
その中でもイネは自分の意思を貫き、当時の女性としては思えないほど日本中を奔走する。

長崎、宇和島、岡山、東京、大阪…作者の地理描写がすばらしい。
各地で女医として生きていくイネの力強さを、作者は淡々とした文章で書いている。
医師として明治天皇の皇子を取り上げるほど名声を高めたイネも家庭では決して恵まれていたとは言えず、母の滝、イネ、娘のタダと3代に渡り望まない妊娠・出産を経験するとは、女3世代続く宿命かと思われる。

その中でも父シーボルトの血を絶やさず後世に残す事を、彼女は自分の使命と考えたのかもしれない。
後半の幕末、明治維新とすさまじい時代の変化の表現も、基礎知識があった方がより楽しめるが、知らないと読むのが辛いかなと思った。

日本最初の女医は楠本イネと思われるかもしれないが、正確には荻野吟(吟子)である。
波乱万丈の人生を送った楠本イネは明治36年、日露戦争の前年に生涯を閉じた。
ふぉん・しいほるとの娘(下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふぉん・しいほるとの娘(下) (新潮文庫)より
4101117322
No.8:
(5pt)

吉村昭の最長編小説 読み終えて確かな充実感が残る

吉村昭の数ある小説のうちの最長編作品。

タイトルのとおり、主人公は江戸時代に長崎にやってきた医師・シーボルトと
遊女(お滝)との間に生まれた娘・楠本イネ(お稲)。彼女は、日本初の女医としても知られている。

作品は、1823年のシーボルト来日から始まり、
前半はシーボルト(鎖国下の日本にやってきたスパイ的な人物という色合いを出した描写になっている)とお滝を軸に展開。
後半、成長したお稲を中心として話が進んでいく。

母娘2代の生涯を丹念に追った大河小説の趣。
シーボルトの子であるがゆえに、特異な人生を歩む事になった主人公の、
長く変化の多い人生を、読者はこの本を読みながらたどってゆく事になる。

鎖国時代の長崎や幕政の様子、諸外国が日本に押し寄せる幕末期。
時代は明治へと入り、社会は急速な変化を遂げる。
また、シーボルトを始めとして、彼女達の周りには様々な人物が現れる。
大村益次郎、伊達宗城(宇和島藩主)、福沢諭吉、医学界の著名な人物達・・。

作者は、主人公を描くだけではなく、
その時々の社会・政治状況や彼女の身の回りに起こった大小様々な事件、
そしていろいろな人達のプロフィール的なことを、(少しばかり横道にもそれながら)作中に散りばめることで、
彼女達が生きた時代の流れをも巧みに描き出しているのである。

読み終えて、ずっしりとした充実感の残る一作だ。

※吉村昭はいくつかのエッセイで、本書にまつわるエピソードを披露している。
 詳細はブログ「吉村昭作品 読書ガイド」に。
ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)より
4101117314
No.7:
(5pt)

夢中になって読みました。

こんなに面白い歴史小説は久しぶりに読みました。とにかくグイグイと引き込まれます。三代にわたる女性の生きざま、我が国の医学の歴史、そして政治史。この作者にはもっと早くに出逢いたかった、そう思わせる大作でした。
ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)より
4101117314
No.6:
(5pt)

壮大なドラマ&歴史が学べるお勧めの本

ナポレオン戦争後、オランダ政府は国を立て直す必要があった。将来の発展を期して対日貿易に糸口をつかもうと、ドイツ人医師のシーボルト(当時27歳)を調査員として日本へ送り込んだ。
彼は、医学で日本に大いに貢献したが、一方で彼の弟子たちの論文から日本の国情を探り、江戸参府の折には念願の日本地図を入手した。シーボルトはそのあと国外永久追放となってしまうが、丸山遊郭の遊女、其扇(お滝)とのあいだに愛娘のイネを設けていた。が、イネがまだ生後2歳半のときに日本を去ってしまった。
イネは、学問、特にオランダ語の習得に熱心で、13歳のとき伊予へ赴き、シーボルトの愛弟子だった二宮敬作にオランダ語と医学を学び、その後、岡山の石井宗謙のもとで産科を学んだ。
一方、シーボルト。彼は、再び来日することを切に願い、ペリー来日の折には、派日使節の顧問をペリーに掛け合ったりするなどしていたようだ。が、実現できなかった。このころ、イネは、二宮の薦めで宇和島藩主伊達宗城の下にいた蘭学者の村田蔵八(後の大村益次郎)からオランダ語を学んだりしていた。
シーボルトは、30年後に再来日を果たした。日本の国情も変わったので、彼は幕府の外交顧問となって活躍した。長くは続かず再び帰国してしまうが、イネのほうは、このころ、父の取り成しでオランダ医官ポンペから最新の医学を学んだ。
時はながれ、明治の治世を迎える。彼女は、44歳。東京へ出て産科医として宮内庁の御用係となった。日本初の女医として一躍世間から注目を浴び、福沢諭吉らとも交流を持ち、新時代の具現者として見られるようになっていた。

この小説は、シーボルトの息を受けた“あいのこ”イネがその特殊な境遇にあって激動の時代を生きた姿を大河ドラマ仕立てで描く。イネの行動半径が広がるにつれ、長崎や宇和島、その他その時々の日本国内の動向や世界情勢に沿って話が展開していき、坂本竜馬や西郷隆盛らも登場するなど、幕末から明治維新に至る歴史が一通り学べてしまうという優れ物の歴史小説であり、是非お勧めしたい本のひとつである。

ちなみに、大村益次郎は後に長州軍の総司令官となった人物だが、彼とイネとの間に男女関係があったらしく、また、彼が出世コースをたどるきっかけもイネとの出会いにあったという。・・・こちらは、司馬遼太郎の「花神」で確認してほしい。
ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)より
4101117314
No.5:
(5pt)

シーボルトとその足跡

ひたすら日本にあこがれ、国籍を偽って入国したシーボルト。好奇心と探究心に突き動かされ、多くの向学心あふれる日本人学生を従え、研究や教育にはげんだ。その影響は極めて大きく、多くの優秀や人材を輩出した。そして何より、お稲という女性を残した。
 シーボルトはその好奇心がたたり、国外退去となる。ここに親子数代にわたる壮大な大河ドラマが始まる。吉村昭の作品でも最長の、見ごたえのある作品である。
ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)より
4101117314
No.4:
(5pt)

開国・・・そしてお稲たち

ヨーロッパに帰ったシーボルトはその資料をもとに精力的に活動し、日本を開国させようとする欧米諸国の力添えとなる。
 そしてついに日本は開国し、再びシーボルトは来日する。しかしお稲達を囲む状況はあまりに変化しすぎていた。すでにシーボルトの知識は最先端のものではなく、男としても衰えを見せていた。また稲やその娘たちも、医家としての志と女としての壁のはざまで悩む。
 激動の時代を荒波にもまれながら必死に生きた彼ら、彼女たちの姿はわれわれの胸を打たずにおかない。
ふぉん・しいほるとの娘(下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふぉん・しいほるとの娘(下) (新潮文庫)より
4101117322
No.3:
(5pt)

吉村昭の傑作

吉村昭の著作はあらゆる資料を丹念に調べ上げ,正確を期さなければ書かないという徹底した執筆態度で貫かれています。熱情を抑えつつ終始冷徹な筆致で統一されており,どの作品も読後感が非常に良いのが特徴です。この「ふぉん しいほるとの娘」は吉川英治文学賞を受賞しており,吉村文学の中で最も長い著作で,代表作の1つと言えるでしょう。

鎖国政策下の江戸時代末期にオランダ人医官として長崎に来日したシーボルト。鳴滝塾での西洋医学の伝授において功績は大きいが,オランダ政府から別の役割(日本の情勢研究)が課せられていたことはあまり知られていない。また,シーボルトの野心家の一面も描かれており,シーボールト事件の舞台裏まで詳細に描かれていて読者を飽きさせない。

物語は長崎丸山遊郭の遊女其扇(お滝),シーボルトとの間に生まれたお稲とその娘タダの三代の女性を軸に描かれ,幕末から明治に至る大きな時代変化や庶民の暮らし,長崎の風情を巧みに絡ませながら展開していく。

久しぶりに読み応えのある本に出会い(長い長い映画を見終り,程よく疲れたという感覚でしょうか),心から感動するという体験を味わえました。
ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)より
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No.2:
(5pt)

幕末・維新の激動を生き抜いた日本初の女医と時代背景を描いた吉村氏の傑作

シーボルトというと、小学生の時の社会(歴史)の授業で、幕末の日本に西洋医学をもたらし、大変尊敬を集めた人という形で教えられることが多いと思いますが(少なくとも私はそうでした)、この本では、まず前半部分でシーボルトを、一歩引いた冷静かつ客観的立場からその人となりを描いていきます。長崎・出島でのオランダ商館員の生活、西洋医学の伝授を通じてなされるシーボルトと日本人弟子達の交流、江戸参府の折の国禁ものである(伊能忠敬作による)日本地図入手の経緯。そうした事柄が時代背景とともに、淡々とした筆致の中にも生き生きと描かれ、読者を幕末の世界へ力強く引き込んでいきます。中盤以降は、シーボルトと長崎の遊女であったお滝、そしてその二人の間に生まれたハーフの娘のお稲の生き様に重点が移ります。シーボルトが日本を追放された後に、自分は「あいのこ」であり、周りの日本人女性とは違う、というidentityを強く意識するお稲。そのidentityをエネルギーに、初めはオランダ語を、そして次には西洋医学(特に産科学)を学ぶことを志し、ついに日本人女性として初の産科医として活躍するまでになる。しかし、望まぬ娘を生み、父にも会えず、母は元遊女だったというばらばらな「家族」のありように、お稲は苦悩する。そして物語は静かに最後のクライマックスへ。いつしか時は移り、明治維新・文明開化の時代に。西洋の制度にならい、医師になるための国家試験が導入されるが、それに対してお稲は...そしてその娘のタダは...幕末から明治の激動の時代を一途に生きたお稲の生き様を核に、当時の世相や事件をふんだんに盛り込んだ、大河ドラマ(黒船来航、安政の大獄、桜田門外の変等も巧みに織り込まれていきます)。日本史の教科書の副読本にしたいくらい、素晴らしい作品に仕上がっています。丹念にかつ緻密に歴史的事実を掘り起こし、記録していく「吉村昭流記録文学」はここでも存分にその真価を発揮。文体もきわめて平易、明快でよどみなく、読者を飽きさせません。シーボルトにご興味のある方や、幕末・維新時代の日本の歴史にご興味ある方には大変お勧めです。文句なく5つ星としたいと思います。また、この本の時代を数十年遡った時代、「解体新書」の翻訳作業を通して、その翻訳者・出版者である前野良沢・杉田玄白の生き様を描いた「冬の鷹」もあわせてお読み下さいませ。
ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ふぉん・しいほるとの娘(上) (新潮文庫)より
4101117314

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