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ふぉん・しいほるとの娘
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【この小説が収録されている参考書籍】
ふぉん・しいほるとの娘の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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日本史の授業ではさらっと出てくるだけで、ほぼ忘却の彼方にあったシーボルト事件。長崎へ旅行へ行くついでに、購入してみました(ただし到着したのは旅行中で、本作は旅行中に読みました泣)。 ・・・ シーボルト事件とは、平たく言えば、オランダ人に成りすましたドイツ人医師シーボルトが出島で名声を広め、例外的取り扱いを受けつつ、国法に触れる日本地図等の国家機密を持ち出そうとしたことがお上に露見し、彼自身は国外追放、その他関連したものが処罰を受けたというものでした。 で、本作。上巻では、題名にある「娘」より、むしろシーボルト自身とその妾である其扇(そのぎ)とのロマンス?や、シーボルトが密命を帯びて日本情報をあの手この手で集めようとしていること等(およびその周辺事項)にページ数が割かれています。特に後者はいつ露見してもおかしくないというスリリングが面白い。 また上刊通じて、当時の長崎の様子がいきいきと描かれているのが特徴であると思います。出島への出入りの厳しさや遊女の取り扱い、年中行事・祝祭化した「絵踏み」の儀式、オランダ船入港時の、港や野母の岬での緊張感など、時代劇を見ているかのようなビビッドさです。 いわゆる日本史の授業は主に政治史を追うことが中心で、そのなかにあってもシーボルト事件はさらっとしか触れられませんでした(少なくとも私の記憶にはその程度です)。でも本書を読むと、一医者がいわばスパイとして国名を帯びて日本を探る様子など、明治の産声を聞く前の日本の緊張感を学べる稀有な作品であると感じました。 また、西洋人との間にできた子の取り扱いなど、自身国際結婚をした身としては複雑な心境で読みました。まあうちはアジア系国際結婚なので外見はわかりませんが。 ・・・ まとめます。全編にわたり非常に緻密に描かれており、また大部になるため、なかなか読むのにスピードがでませんが、歴史好き(幕末・維新)、長崎に興味があるかた、医学の歴史に興味があるかた等々にはお勧めできると思います。 | ||||
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明治維新のおさらいが詳らかに出来る本と言っていいくらいシーボルトの娘に関する記述の割合が少ない。あとこの本での発見は"今の日本の少子高齢化の元凶の筆頭は福沢諭吉だったのか〜"という事。女性が男性と平等に社会進出すれば未婚や晩婚は至当。女性が男性と競争、張り合う社会では女性は護るべき可愛い対象では無くなってしまうのでは?今の先進国の出生率を鑑みると明治のあの時、何でもかんでも欧米を見習う必要はなかったのではないか? | ||||
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かいつまんで斜め読みしないとキツイ。吉村作品の読み方のコツが見えてきた。 自分はこの本を読んでシーボルトの印象が悪くなったw | ||||
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史実を徹底的に調べ、記録に忠実に物語をすすめる手法は、筆者の十八番だが、本作では記録の引用が長すぎ、読むのに疲れる。 物語の本筋にほとんど関係ない人々の名前や役職等の固有名詞が、延々とつづき、これに何か意味があるのか?どこかでまた出てくるのか?と、考えながら読むが、再引用されることは殆ど無い。 筆者は、幕末という歴史の一大転換点を縦軸に、シーボルトという一人のオランダ人医師と、それに翻弄された日本人の運命を横軸に、その両者を綿密に描こうとしたのであるが、バランスがわるく、読者に物語の本筋を味わわせることを損なわせている。歴史の詳細はあまたの歴史書に譲り、もっと物語に軸足をおいてもよかったと思う。 ただ、全体の構成をあまり考えなかったからこそ、歴史のディテールを丹念に集めながらも、これだけ多くの作品を世に出すことが出来たのだろうと思うと、それをもって悪いとは言い切れないと、一人のファンとしては思う次第である。 | ||||
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読みやすくてエンタメ的には良かったと思います。が、もっと内面的な描写がほしいですね。 | ||||
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お滝さんの生き方、出島の生活など、描写は冗長になりがちだが、興味深く読めた。シーボルトの人物像は、焦点が散漫で、研究に熱心なのか、たんなる名誉欲にかられた人物なのか、その中間のどこかにいるのか、よくつかめない。 | ||||
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上編は娘が生まれるものの、物語の中心はシーボルトだ。 シーボルトは、西洋医学を教える傍ら、日本の情報収集に励む。其扇といい関係になり、娘をもうけるまではいいが、一人だけで祖国に帰ってしまう。 本人には葛藤があったことだろう。でも、結果からみると自分勝手な人だと思ってしまう。下編でその印象が変わるかも知れないが。 間宮林蔵を読んだので、時代背景は大体分かっていたが、違う角度からの描写で更に理解が深まった。 恐らく「シーボルトの娘」が中心の下編に期待する。 | ||||
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江戸時代末期、長崎に日本国情調査の使命を帯びてやってきたフォン・シーボルトと遊女其扇との間に生まれた「お稲」。混血であるが故の苦難をシーボルトの弟子たちの暖かい支援と強い情熱で生き抜き、お稲は日本で始めての女医となる。 父シーボルトは、密かに日本の地図や禁制品を海外に持ち出そうとして国外追放されてしまう。厳しい境遇の元で信念を持って、産婦人科への道を歩んでいたお稲は、修行のために訪れた岡山で父の弟子に無理やり犯され、子供を身ごもってしまう。類まれな美貌と混血であるが故の差別と戦いながら、子供を育て、自らも産婦人科医として、宇和島藩の伊達候のもとで徐々に名声を築いていくが、、、。 鎖国時代に一箇所だけ海外に開かれた長崎の情景が目に浮かぶような描写力と、次々に襲ってくる悲劇に立ち向かう力強いお滝、お稲、そして娘のタダ。3代の女たちの生き様が時代の流れとともに迫ってくる名作。 | ||||
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