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ミーナの行進
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ミーナの行進の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.43pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全72件 61~72 4/4ページ
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1972年頃のことを覚えている人なら、当時のことを懐かしく思い出すことだろう。 私は当時の記憶はないのだが、それでも何となく懐かしい感じを覚えてしまう。 それは主人公の朋子が当時の様子を回想しながら書いているという形式のためだろう。 朋子の視点から見た、芦屋の豪邸、病弱ないとこのミーナと過ごした時間、淡い恋など、夢のような出来事も含めて、郷愁たっぷりに書かれている。 子供から大人まで、誰もが楽しめるいい作品だと思う。 | ||||
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読んでよかったぁ。やっぱり。 ぬくもりを感じられる本でした。 岡山から芦屋で暮らすことになった中学生の朋子。 ポチ子(さて?ポチ子って?)と一緒に小学校に通うミーナ。 双子のような二人のおばあさま方。小林さん。 叔母様。叔父様。龍一さん。 かけることのない家族。 従姉妹の朋子が芦屋の洋館で過ごした一年のお話がベース。です。 マッチ箱。バレーボール。彗星。の、エピソード。 秘密?のとっくりさん、水曜日。 読んでからのお楽しみ! それから、装幀・挿画がすばらしい。 色に感じるものがあるんだけど。ね。かわいいよ。 ここにも、じ〜んっと。とどいてくるモノがありますよぉ。 また、みんなに会うために読みたい本。 安心できる本ですわ。ん! | ||||
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母と二人暮しの朋子は、母が洋裁の腕をみがくために1年間洋裁 学校に通うことになったので、その間伯母のところへ預けられることに なった。伯母の家族、そこで働く人たち。そしてすてきな家。決して 忘れることのできないできごとを、あざやかに描いた作品。 伯父さん、伯母さん、ローザおばあさん、米田さん、小林さん、そして ミーナ、朋子。みんなひとつの輪になっているような、確かなつながり が感じられる。どの登場人物も、とてもすてきな人たちばかりだ。朋子 が1年の間に得たたくさんの思い出は何物にも替え難い。ミーナと同じ ものを見て同じものに感動したことは、生涯忘れることはないだろう。 こんなにすてきな思い出を持っている朋子を、とてもうらやましいと 思う。1972年から1973年の出来事として書いているが、この 時期私もミーナや朋子と同じように、ミュンヘンオリンピックのバレー ボールを見て感激していた。だから、彼女たちに共感できることがたく さんあった。そういう意味ではとても懐かしいものも感じた。心温ま る、すてきな作品だった。 | ||||
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「芦屋」行ったことがないのでよく分からないが、こんな風変わりな一家がありえたような町なのだろうか。 大きな洋館に住む裕福な一家。 ドイツ人のおばあさん。 ハーフのハンサムな会社社長の伯父さん。 酒と煙草と活字の誤植探しに暇をつぶす伯母さん。 家事を一切切り盛りし、家庭内の権限をもっている家政婦のおばあさん。 喘息がひどく、カバのポチ子に乗って学校に通う従妹のミーナ。 そこに一年間預けられた母子家庭の少女。 非現実的な家庭の話であるが、そこで語られるエピソードは生き生きとしている。 喘息の苦しさ。 ミュンヘンオリンピックの日本男子バレーボールチームに熱中した話。 ジャコビニ流星雨を見に夜中に出かけた話。 同時代であったものには、懐かしい記憶となって蘇り、 知らない世代にも自分たちの体験のような気持ちにさせてくれるはず。 おとなたちへのおとぎ話である。 そしてマッチ箱の絵につけた寓話がそれだけでキラリと印象的。 最後があまりに都合よくまとめ上げた感じがするので、星一つ減 | ||||
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主人公といとこのミーナがともに暮らした一年間。 二人の少女の成長、それを温かく見守る家族の姿をユーモラスに描く、 伸びやかで質の良い成長物語です。 全編があたたかい光に包まれているような 幸福と安心に満ちています。 本編中に悪意がまったく描かれることがなく、 穏やかな気持ちで読み終えることができ、 こんなに気持ちの良い本は久しぶり♪ 「ミーナの行進」というタイトルの意味がわかった時には ミーナの確かな成長に私までもが誇らしい気持ちになりました。 いつまでも家族の生活をのぞいていたかった。 素敵な本に出会えました。 | ||||
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岡山に住む母子家庭の少女、朋子が母の都合で1972年3月からの1年間、芦屋にある大きな会社の社長を務める伯父の邸宅で過ごすなかで起こる様々なできごとを、現在から回想するというかたちで語られる作品だ。朋子のひとつ年下のミーナや邸宅内に住む個性豊かな人々との交流がとてもいきいきと描かれていて、良質のホームドラマを見ているような感覚になった。とくにミュンヘンオリンピックの男子バレーボールのくだりなどは、小川さんの思い入れもあるようなタッチで、実に能弁に語られている。折々に挟まれる、ミーナのマッチ箱のイラスト童話は、イソップの寓話のような世界で、これだけでもひとつの作品集として成り立つような出来映えだ。 朋子が過ごしたこの1年は、30年を経た現在でも、彼女の中ではついこの間のことのように思い出されるのである。実に穏やかで心温まる佳作である。 | ||||
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本作品は、主人公の中学生になる女の子が、「ミーナ」の家で暮らす1年間の物語です。語り手である主人公の目を通じて、ミーナとその家族、ぽち子(ぽち子!)そして主人公自身の様子がつづられています。中学生の女の子ならではの正義感、感情のゆれなどが伝わって、味わい深い作品となっています。 ミーナは小さなころから体が弱く、坂の上にある学校に通学するには体に負担がかかることから、乗り物に乗って通学します。通学風景はなかなか素敵です。 まだ幼く、体も弱いミーナは、外で遊ぶことを許してもらえないことから、部屋の中に自らの世界を築いてゆきます。その美しさに魅了される主人公。読んでいるこちらも魅了されます。 この本のもうひとつの魅力は、美しい「挿絵」にあります。ミーナの創る美しい世界が活字で描かれ、ふとページをめくると象徴的な挿絵が目に飛び込んできます。額に入れて飾りたいくらいです。 小川洋子ファンはもちろん、初めて小川洋子さんの本を手に取る方にもお勧めです。 | ||||
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素晴らしい本だと思います。当時の情景の色、形、匂い、感触などが手に取るように感じられる繊細な描写。人の心の温かさ。30年代は人情味溢れる時代だったと言われていますが、40年代も捨てもんじゃありませんね。是非、映画化して欲しいです。 | ||||
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こんなに思い出らしい思い出って、なんだか、感動する。 思いでは色褪せるものではなくて、年月を重ね、色濃くなるものらしい。 芦屋、ベンツ、洋館、フレッシー、乳ボーロ。 ポチ子、図書館、マッチ箱、光線浴室、ベッドの下、小箱の物語。 とっくりさん、水曜日の青年。 ミュンヘンオリンピック、大古、森田、猫田、金メダル。 ジャコビニ流星雨、ガラス瓶、クリスマス。 朋子の中学1年生の一年間の思い出。芦屋にある洋館、従姉妹のミーナの家で過ごした日々。 そこに住んでいる人たちは皆、上質の愛にあふれている。 すべてが深い愛情に包まれているって、きっとこんな感じなのかも。 私も、ミーナとポチ子に会いたくなる。 | ||||
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どことなくノスタルジックの印象のある物語。劇的なドラマはないけれど、落ち着いたキャラクターたちの質素ながら楽しみのある生活を丁寧に描きながら物語は進んでいく。 とても安心して読める一冊です。 | ||||
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家庭の事情で預けられた伯母の家は山の上の大きな洋館で、ドイツ人のローザー伯母さん、その血を引くハンサムな伯父は会社社長、入退院を繰り返す文学少女のミーナ、お手伝いの米田さん、庭師の小林さんが住む。 大きな庭は以前は動物園で池にコビトカバのぽち子が住んでいる。虚弱なミーナはこのカバに乗ってなんと小学校に通うのである。 これがこの本の題名のミーナの行進である。 不幸な家庭の苦労話かと思いきや考えられない異世界に迷い込んだ少女の話となる。 一方、作者の説明やあとがきが無いので実際にあったことなのか疑問に思いつつ時代の背景は1972年、山陽新幹線開通やミュウヘンオリンピックなど現実の話と照合され、それぞれのエピソードが同時代に生きていた自分の思い出と重なり懐かしさに登場人物が現実社会に引き戻され、親近感を持ってしまう不思議な世界を著者は作り出している。 文章のところどころにそんな主人公や登場人物の住む洋館での暮らしがもう今では存在しないと書かれている。そのためマッチ箱の挿絵で物語を作り出す少女のミーナが死んでしまうのではないか、死なないでくれと祈りつつ緊張感を持って読み終えることになった。 すべての登場人物の暖かく個性的な人間像(動物もいた)が、ゆっくりとしたリズムで描かれ形や命のあるものの終焉を生きている者が宝物としてゆくそんな物語であった。 読者の私は今でも、物語が本当にあったことなのか疑問のまますごしている。フレッシーって本当に存在したのだろうか........ おさるの車掌のサブロウのくだりは三浦綾子さんの「塩狩峠」を思い出しました。(北海道人なので) | ||||
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新聞連載時から興味を持って読んだ作品。関西が舞台。大人子供の世界。お決まりの病弱な少女。そこに居候する主人公。異国の香りのする街。お手伝いさんのいる風景。紳士と淑女の会話。憧れと郷愁、葉巻の紫煙と光線浴とフレッシー。不思議な動物園。読書とマッチ箱。ホテルが出前をする豪華な食事と銀食器のきらめき。 ひと昔もふた昔も前の少女漫画のような、ロマンチックジュブナイルのような、それでいて地味なトーンと色彩を持った作品である。 やや唐突な終わり方をするが、成長したミーナと主人公に思わず寄り添っている自分と、「時代」を感じることだろう。 | ||||
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