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ミーナの行進
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ミーナの行進の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.43pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全87件 81~87 5/5ページ
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本作品は、主人公の中学生になる女の子が、「ミーナ」の家で暮らす1年間の物語です。語り手である主人公の目を通じて、ミーナとその家族、ぽち子(ぽち子!)そして主人公自身の様子がつづられています。中学生の女の子ならではの正義感、感情のゆれなどが伝わって、味わい深い作品となっています。 ミーナは小さなころから体が弱く、坂の上にある学校に通学するには体に負担がかかることから、乗り物に乗って通学します。通学風景はなかなか素敵です。 まだ幼く、体も弱いミーナは、外で遊ぶことを許してもらえないことから、部屋の中に自らの世界を築いてゆきます。その美しさに魅了される主人公。読んでいるこちらも魅了されます。 この本のもうひとつの魅力は、美しい「挿絵」にあります。ミーナの創る美しい世界が活字で描かれ、ふとページをめくると象徴的な挿絵が目に飛び込んできます。額に入れて飾りたいくらいです。 小川洋子ファンはもちろん、初めて小川洋子さんの本を手に取る方にもお勧めです。 | ||||
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素晴らしい本だと思います。当時の情景の色、形、匂い、感触などが手に取るように感じられる繊細な描写。人の心の温かさ。30年代は人情味溢れる時代だったと言われていますが、40年代も捨てもんじゃありませんね。是非、映画化して欲しいです。 | ||||
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こんなに思い出らしい思い出って、なんだか、感動する。 思いでは色褪せるものではなくて、年月を重ね、色濃くなるものらしい。 芦屋、ベンツ、洋館、フレッシー、乳ボーロ。 ポチ子、図書館、マッチ箱、光線浴室、ベッドの下、小箱の物語。 とっくりさん、水曜日の青年。 ミュンヘンオリンピック、大古、森田、猫田、金メダル。 ジャコビニ流星雨、ガラス瓶、クリスマス。 朋子の中学1年生の一年間の思い出。芦屋にある洋館、従姉妹のミーナの家で過ごした日々。 そこに住んでいる人たちは皆、上質の愛にあふれている。 すべてが深い愛情に包まれているって、きっとこんな感じなのかも。 私も、ミーナとポチ子に会いたくなる。 | ||||
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どことなくノスタルジックの印象のある物語。劇的なドラマはないけれど、落ち着いたキャラクターたちの質素ながら楽しみのある生活を丁寧に描きながら物語は進んでいく。 とても安心して読める一冊です。 | ||||
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実話がベースに感じるような仕上りだった。 読後の印象も記録映画を見たような感じです。 時間の流れが今と異なりゆったりし、芦屋の屋敷が持つ優雅さも、緻密に語られる描写方法も、消えてゆく思い出をかき集めた感じ。 | ||||
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家庭の事情で預けられた伯母の家は山の上の大きな洋館で、ドイツ人のローザー伯母さん、その血を引くハンサムな伯父は会社社長、入退院を繰り返す文学少女のミーナ、お手伝いの米田さん、庭師の小林さんが住む。 大きな庭は以前は動物園で池にコビトカバのぽち子が住んでいる。虚弱なミーナはこのカバに乗ってなんと小学校に通うのである。 これがこの本の題名のミーナの行進である。 不幸な家庭の苦労話かと思いきや考えられない異世界に迷い込んだ少女の話となる。 一方、作者の説明やあとがきが無いので実際にあったことなのか疑問に思いつつ時代の背景は1972年、山陽新幹線開通やミュウヘンオリンピックなど現実の話と照合され、それぞれのエピソードが同時代に生きていた自分の思い出と重なり懐かしさに登場人物が現実社会に引き戻され、親近感を持ってしまう不思議な世界を著者は作り出している。 文章のところどころにそんな主人公や登場人物の住む洋館での暮らしがもう今では存在しないと書かれている。そのためマッチ箱の挿絵で物語を作り出す少女のミーナが死んでしまうのではないか、死なないでくれと祈りつつ緊張感を持って読み終えることになった。 すべての登場人物の暖かく個性的な人間像(動物もいた)が、ゆっくりとしたリズムで描かれ形や命のあるものの終焉を生きている者が宝物としてゆくそんな物語であった。 読者の私は今でも、物語が本当にあったことなのか疑問のまますごしている。フレッシーって本当に存在したのだろうか........ おさるの車掌のサブロウのくだりは三浦綾子さんの「塩狩峠」を思い出しました。(北海道人なので) | ||||
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新聞連載時から興味を持って読んだ作品。関西が舞台。大人子供の世界。お決まりの病弱な少女。そこに居候する主人公。異国の香りのする街。お手伝いさんのいる風景。紳士と淑女の会話。憧れと郷愁、葉巻の紫煙と光線浴とフレッシー。不思議な動物園。読書とマッチ箱。ホテルが出前をする豪華な食事と銀食器のきらめき。 ひと昔もふた昔も前の少女漫画のような、ロマンチックジュブナイルのような、それでいて地味なトーンと色彩を持った作品である。 やや唐突な終わり方をするが、成長したミーナと主人公に思わず寄り添っている自分と、「時代」を感じることだろう。 | ||||
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