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ノースライト
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ノースライトの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全181件 121~140 7/10ページ
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「64」の様な骨太のミステリを期待する方にはガッカリするお涙頂戴の一作。作風を変えてしまったのか残念である。主人公はバブルの頃は鳴らしたが今は小事務所のしがない建築士。枝葉末節はあるが、その主人公に吉野と名乗る施主が、「3000万円あるから、あななの住みたい家を設計して下さい」と頼むのが発端。家の完成後、主人公は吉野と連絡を取ろうとするが、取れなくて、主人公が吉野の行方を探すというのが本筋。 しかし、3000万円の契約を交わして置いて施主の住所・電話番号などを把握しない事務所があるだろうか ? しかも、吉野と連絡が取れないと言っても、所詮は設計・建築事務所と施主との関係だから主人公が吉野の行方を探す必然性が皆無である(本当に心配なら、警察に連絡すれば良い)。また、上述した通り、今はしがない建築士にポンと「3000万円」投げ出す人間が居るだろうか ? 全く説得力がない。途中で主人公の幼い頃の語りが入るので、まあ、その因縁だろうと想像は付くが、物語に求心力が著しく欠ける。また、主人公を含む登場人物の周囲で離婚、不倫、不義の子が頻出するのも安易で頂けない。主人公の設計した家にタウトが設計したらしい椅子があるというのが、作者としての工夫だが、やたら日本の美とか審美眼とか出て来るのも煩わしい。私は安吾の「日本文化私観」を読んでいるので、タウトに関しては余り良い印象を持っていないのだ。 それで、結局は主人公と吉野の祖先の因縁話に帰着させるのだから、作家としての力量を疑いたくなる。作者としては主人公達の再生の物語を描きたかったのだろうが、受ける印象は「鶴の恩返し」である。ちなみに、私の家内は桐生出身で、作中の「桐生川ダム」とは「草木ダム」の事であろう。安易なネーミングからも作品の薄っぺらさが良く伝わって来る駄作である。 | ||||
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作者の価値観について、完全に時が止まっているように感じる。 なぜバブル崩壊と共に家庭が壊れた主人公という設定なのか? (性質は異なるが、リーマンショックでも建設業界は痛手を受けている) 今作の「謎」からして、2010年代を舞台にすることも可能のように思えるが、作者の描ける限界が90年代か、という印象。 「横山秀夫」というだけで購入していたけれど、もう終わりかな。 以下は単なる批判なので読まなくても良いです。 読んでいて「古い」描写が余りにも多く、没入感が少ない。 「風の又三郎」とか「ゴルゴ13」だとか、ターゲットにする年齢層をしぼっているのか? 保険外交員の枕営業ネタも相変わらずお好きで。そういう誤ったイメージでセクハラを受ける営業員がたくさんいるんですよね…… 錆びついたジェンダー観も鼻につく。 夫に対し敬語の妻、妻に対しお前と呼ぶ夫、女性キャラクターは姓ではなく名で表記、容姿についての描写は欠かさない。 「女」としての役割を持たない成人女性は、今作では1人くらいでは? (そもそも独立した人格の「女」はめったに描かない作者であり、男社会の警察を描く分には違和感は控えめだった) 「64」で外見至上主義を批判していたが、所詮はこのような作風なので薄っぺらいものである。 そもそも親の罪(過失によるところが大きい)を、晩年に打ち明けられただけの子が受け継がねばならない前提も、前時代的で後味が悪い。 感動だとか美しいミステリーと銘打たれているが、すべて主人公側からの独善的な捉え方で、共感できない。 この作品は10年前、20年前に出版されていても何の違和感もなかっただろうし、むしろひと昔前の価値観で読んだ方が受け入れられたでしょう。 | ||||
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自信を持って設計した独自の家で評価も高い家には誰も住んでいなかったという設定で始まるミステリー。 著者の特徴であるいつもの重厚な物語ではないが建築という分野で丁寧に細部まで作りこまれている。 謎解きとしての著者の作品としては力強さはないため、今までのミステリーと比べると違和感いだく人もいると思うが、動きの少ない中できれいにちりばめられた仕掛けも回収されて評価できる1冊。 | ||||
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警察モノで光る筆者。 家族再生ファンタジーは他の作家に任せておいて欲しい。 力作だと思うけど、建築に思い入れが無いので 読むのがつらい。 あと、途中でからくりが想像できちゃうのもつらい。 (しかも当たってて余計がっかり。もうちょと おおーっ こうくるかーて言わせるようにひねってくれ。) | ||||
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筆者の作品は全て読んでいる。やはり、筆者は短編小説の巧さはいうまでもない。しかし、長編小説もどれも全て素晴らしい。64から6年、待望の新刊。しかも、長編小説。期待せずにはいられなかった。しかし、この作品は、ミステリーなのか?家族再生の物語なのか。 しかも、どうしても入り込めないのは主人公のキャラだ。短編小説でも筆者は、主人公のキャラの肉付けが絶妙物語に息吹きを与える。長編ならなおさらのはずだが、どうも一貫性と言うのだろうか、ミステリアスに描きエンディングに勢いをつけたい為にか、揺れを感じる。だから物語に入り込めない。正直、これぐらいの長編なら2日あれば十分に読めるのだが、1週間もかかった。中だるみを起こし、前に進めないのだ。正直、もう読むのを諦めようかと何度も思った。ラストに加速はつくのだが、さしたる伏線もなく、驚きもない。家族再生の小説?ミステリーなのか?正直、くたびれた。非常に好き嫌いが分かれる作品だと思う。 | ||||
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作者らしい登場人物の内面をしっかり描いて、サスペンスではあるものの、非常に深みのある作品です。 | ||||
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「64」とはかなり趣の違った小説。 物語の発端が、「引き渡して断金の支払いも済んだ家が、誰も住んでない家のようだ」ということ。 その家を設計した建築家が、いなくなった?家族を探す物語。 建築家の家族の物語に、建築家「ブルーノ・タウト」の物語がからんできます。 読後感は「64」に比べてすっきりしますが 謎解きの方は、????? ミステリーとして読まなければ☆4つ。 | ||||
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ノースライト、読了しました。 ミステリーとしての思わぬ展開といったことより、仕事上でつまづいてしまった男のプライドとか、元妻との関係の機微、流れ者として子供時代を過ごすこと、建築家のリアルみたいなところがリアルで面白かったです。 元々の連載は、ゼロ年代前半だったということで、バブル崩壊後の雰囲気が出ていてよかった。若い作家にはこういう雰囲気は出せないと思う。 | ||||
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他のレビュアーの方も書いてるが、「横山秀夫」じゃなければ高評価だと思う。 しかし、我々は既に「第三の時効」「半落ち」「クライマーズハイ」「64」と言った名作たちを読んでしまっている。 本書だって面白くないわけじゃない。 でも、横山秀夫ならもっと面白い作品を書けるだろう。と、ハードルを読む前から上げてしまっている。 本書は何か物足りない。 僕が気になったのは吉野の恩返しの方法かな。 こんな恩返しをする人っているのか?ちょっとリアリティが欠けてると思う。 本書は著者お得意の警察小説ではない。 でも、警察小説以外でも「クライマーズハイ」という群像小説の超名作を書いている。 どうしても過去の名作たちと比較してしまう。 新作を出すたびにハードルが上がるのは辛い事だろうと思う。 でも横山秀夫には期待してしまう。 本書だって良作だ。でも横山秀夫ならもっと面白い作品を書けると思う。 | ||||
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この単行本の作者紹介の短いコラムに「新たな一歩となる長編ミステリー」とある。些か陳腐な描写で 見逃しやすいフレーズだが、この作品を読みながら常にこれはやはり横山の新しい挑戦なのだと 実感しながらページをめくることになった。今までの作品で、警務・刑事に関わらず警察を 舞台にするか、元々の自分の仕事である新聞記者を題材にするか、何れにせよ出来るだけ 感情移入を最低限にしながら、深い人物描写と何よりプロット設定の巧さと筋運びの新鮮さで 読者を惹きつけて来た横山が、この作品では大いに自己変革に取り組んでいる。 バブルの後遺症もあり、自暴自棄になっている腕は一流の建築家青瀬稔。彼のところに、 自分の住みたい家を作っていいという依頼が入る。全身全霊を込めて彼が作った家は 素晴らしい出来栄えとなるが、この依頼主が姿を消したところから物語が始まる。 この依頼主一家はどうしてしまったのか。そして、唯一のヒントはこの家に残された、 伝説の建築家ダウトの椅子。この依頼主一家を探す青葉の追跡 と並行していくつかのストーリーが展開される。離婚した青葉の元妻と娘との関係、 今雇われている建築事務所の所長岡嶋の家族問題、そしてこの建築事務所の浮沈を かけた展示館の建築に纏わる汚職問題。すべてが、青葉を中心に関係し、それぞれ との関係で、青葉という人間を深く描いていく。なかなか「大きな事件」は起きない。 社会派ミステリーという横山お得意のカテゴリーでもない。しかし、この作品が間違いなく彼の 代表作の一つに数えられるだろうという確信を持ちながら、一気に読み上げた。 横山秀夫という現代日本のミステリー作家で最高峰と言える人間が、また新しい山に登り始めた。 素晴らしい作品だ。 | ||||
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上質なミステリーを読むのは無上の喜びだ。 バブルでブイブイ言わしていた建築家が、バブル崩壊でやさぐれ、妻とも離婚し、小さな所沢の設計事務所で糊口をしのぐ。 そんな彼に、あるクライアントから「信濃追分に土地があるので、あなたが建てたいように建ててください」という依頼がある。 そうして完成した家は、平成の建築200選にも選ばれるが、クライアント家族は、引き渡しから何カ月たっても入居していない。 ただ、ぽつんと北向きの窓に向かって1つの椅子だけが置かれていた。 そして元の都内の借家からも姿をけしてしまっている。 バブル崩壊、ブルーノ・タウト、美術館建設のコンペ、家族のつながり、親子のつながり・・・。 さまざまな要素が重ねあわされてミステリーが紡がれていく。 殺人事件など起こらなくても、すごいミステリーはすごい。 『64』から6年ぶりの新著だが、気になるのは本作が雑誌に連載されていたのは2004~5年のことという。 著者の体調がすぐれないからなのだとしたら、次作も期待して快癒を祈りたい。 | ||||
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たった7日間だけの昭和64年に発生した後,迷宮入り目前の誘拐事件を軸に,組織のエゴに翻弄されながらも,それぞれの立場で真相を追求する人々を描いた『64』は,ミステリーとしても,警察小説,社会派小説としても実に読み応えのある作品でした。 6年ぶりの長編となった本書は,重厚でシリアスだった前作とは対照的にヒューマン・ドラマの趣きが。木漏れ日や鳥のさえずりが似合う優しく穏やかな情景と,それぞれに心の傷や悩みを抱えながらも絆で結ばれている人間模様を背景に,些細な疑問がやがてミステリーへと発展して行きます。 主人公に新築家屋の設計を依頼した一家が謎の失踪を遂げる,というアプローチは,それだけでもサスペンスにしてミステリーなわけですが,本作には探偵も刑事も登場しません。一級建築士の主人公が一家の足跡を追ううちに,近代日本建築に大きな影響を与えたブルーノ・タウトに行き当たり,やがてはライフ・ワークの中に自分のルーツやら,見失いかけていた大切なものを思い出す・・・そんな「自分探し」の旅も重ねながら,謎が解かれていきます。果たして事件の真相は・・・ミステリーなのに切ないほどに心優しく,清々しい。『64』とは違った意味で読み応えのある1冊でした。 | ||||
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横山氏の新境地の作品であるが、やはり 失敗作か。深すぎて 私に理解できないのか。警察物と違い 臨場感に乏しい。が、自然描写は 美しい。ラストに近くなり すべての謎が はっきりしてくるが、驚き 愕然とするほどの謎ではない。 しかし 人の善意が美しい。 | ||||
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主人公建築士の再生物語です(^-^*)/ 正直、ミステリーと言える定義の謎ではないように思いますし、 主人公の究極の家が何故か無人で、その謎を追い始めた(起承転結の)承の部分は、 建築的な専門話(特にタクト関連)も多く、謎の追う記述もあまり盛り上がらず、長過ぎるなぁと感じて欠点に思いましたが、 記者が登場した『転』の辺りから、ガラッと面白くなり、一気に引き込まれて、感動のラストまで導かれていきました! 作風としては、突拍子もない謎から始まる不思議な縁&感動という流れが、道尾秀介さんの幾つかの作品と同じような雰囲気に感じた次第です。 承の箇所をもっと少ない量でコンパクトにまとめてくれたら、☆5の名作になるのに……とは思いましたが、 今のままでも充分に面白い作品でしたし、 個人的には約10冊振りに感想を書きたいと思えた、熱量と感動が見事な作品であり、素晴らしく感じました! 家や建築業界をテーマにした再生感動作品として、オススメです(^-^*)/ | ||||
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ワクワクする刑事物語みたいなものを期待して読みましたが、期待外れでした。 | ||||
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・ヒガラ ・ベニマシコ ・ハジロカイツブリ ・キビタキ ・アオサギ ・キュウカンチョウ 街にいない鳥を鳴かせて、人気のない里の雰囲気を出す。 都会の鳥の不在を知らせ、街の雑踏をさりげなく示す。 別れた女との距離を測らせる小道具。 そして、真相に導く、重要な媒介者とさせたり。 タイトルは、作品全体を照らす要素であり、鳥の描写と同じで、雰囲気を醸し出す言葉である。 余韻だったり、想像、あるは妄想なのかもしれないが、横山さんは読者にそれを求める作者である。自分は、そういうのに浸りたいのだろうなと思う。 | ||||
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設計した家を巡る物語。 住民の痕跡を辿る中で分かっていく過去との接点と、腐っていた建築家が立ち直っていく姿が静かに展開していきます。 大きな展開は少ないですが、静かに進んでいく流れで一気に読むことができます。 建築を軸にそれぞれの思いが最後に分かったときの結末はなかなか読み応えあり。 | ||||
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元々ミステリー物に興味があった者ではありませんが、ある書評で作家、登場人物、椅子など多くに地縁・知縁性が興味を惹き、求めたものです。 具体的には、作者の祖父は私が地方銀行に就職した時の頭取、作者が過って勤務した地元新聞社は毎日の購読紙を出しているJ社、登場するJ新聞社員も興味津々。Y邸の信濃追分は建築や椅子などを扱う弊社事務所の隣接域、椅子に関わる地元高崎に深い縁のあったブルーノタウトの住んだ洗心亭は何度も訪ねた場所等々。 美しい謎を追い求めると止められず、そのボリュームに腐心しながら読み耽った。 友人にも貸したが、数日で読了したと好評、また多くの書評を目にする。 外装は綺麗に整えられ、新本と変わらない綺麗さ。 | ||||
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謎を引っ張りすぎる。本当に最後の最後にならないと何が謎なのかもわからない。 主人公は建築士で会心の出来の家を建てる。引っ越してくるはずの施主が行方不明になる。 しかし建物の引き渡しは完了し、報酬ももらってるので、あとは施主の自由。家をどうしようと 施主がどうなろうと関係ない。なぜか行方不明になった施主一家を探し始める。事務所の所長もそれを認める。 評判がどうこうという謎な理由でむしろ奨励する。 最後に明らかになった謎も、正直しょぼい。 タウトとかいう謎の有名建築家も聞いたこともない人だし、建築士の精神なんてわかるわけない。 一体著者は何がいいたかったのか。2004年に連載していたらしいが、今まで刊行されなかった理由はつまらないから 売れないと出版社が判断したのだと思う。 | ||||
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信濃追分に新築した自宅に引っ越す予定の一家が忽然と姿を消す、という冒頭の謎はミステリー感たっぷりですが、ミステリーの範疇には入らないと思います。また、横山秀夫氏のお得意の警察ものではなく、主人公も一級建築士と、これまでとはかなり毛色が違います。 一級建築士が消えた家族を追う展開も、読み進めていくにつれミステリーとしての緊張感は薄まり、その点を期待した読者には期待外れかもしれません。但し、家族再生物語や仕事を通じた男の友情ドラマとしての読み応えは十分です。 | ||||
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