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(短編集)

ミス・マープルと13の謎



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【この小説が収録されている参考書籍】
ミス・マープルと13の謎【新訳版】 (創元推理文庫)

ミス・マープルと13の謎の評価: 3.86/5点 レビュー 7件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.86pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(5pt)

作家自身が選んだベスト10の一冊を新訳本で

この短編集はアガサクリスティが選んだベスト10の1冊ということで以前読んでいました。
同じ作品でも翻訳が異なると読んでいて頭の中で思い浮かべる光景が随分広がることに驚きました。
特に「アシュタルテの祠」の古代遺跡の描写は素晴らしく格調高い文学作品そのものでした。
古めかしさを感じてもすぐれた翻訳本を読めることは嬉しいことですが、明らかに現代の感性の語彙や表現力の大きな魅力を新訳本を読んで感じました。
ミス・マープルと13の謎【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ミス・マープルと13の謎【新訳版】 (創元推理文庫)より
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No.6:
(4pt)

訳文、巻末解説、ともに質が高いです。読みごたえありました。

ミス・マープルが活躍する本書収録の13の短篇は、大きく分けて三つのパートで構成されています。
一つ目のパートは、1927年から1928年にかけて〈ザ・ロイヤル・マガジン〉に掲載された「〈火曜の夜〉クラブ」「アシュタルテの祠(ほこら)」「消えた金塊(きんかい)」「舗道の血痕」「動機対機会」「聖ぺテロの指の跡」の六篇。謎解きのディスカッションが交わされる場所は、ミス・マープルの家。ディスカッションの参加者は、作家レイモンド・ウェスト、女流画家ジョイス・ランプリエール、牧師ペンダー博士、弁護士ペザリック氏、ロンドン警視庁(スコットランドヤード)前総監ヘンリー・クリザリング卿、ミス・マープルの六人。
二つ目のパートは、1929年から1930年にかけて〈ザ・ストーリーテラー・マガジン〉に掲載された「青いゼラニウム」「コンパニオンの女」「四人の容疑者」「クリスマスの悲劇」「死のハーブ」「バンガローの事件」の六篇。ディスカッションが交わされる場所は、バントリー大佐の屋敷。参加者は、アーサー並びにドリーのバントリー大佐夫妻、医師ロイド博士、女優ジェーン・へリア、スコットランドヤード前総監ヘンリー・クリザリング卿、ミス・マープルの六人。
おしまいの一篇「水死した娘」は、1931年に〈ナッシュズ・ポール・モール・マガジン〉に掲載された短篇。これまでのディスカッション型安楽椅子探偵ものではなく、セント・メアリ・ミード村で起きた事件を、ミス・マープルにアドバイスを受けたヘンリー・クリザリング卿が調査し、解き明かす話です。

一つ目のパートの六篇と比べて、バントリー大佐の屋敷でのディスカッションを記した次の六篇が読みごたえありましたね。なかでも、「コンパニオンの女」「四人の容疑者」「クリスマスの悲劇」が面白かったです。

深町眞理子の訳文。いいっすねぇ。めりはりのきいたくっきりとした日本語で、違和感なく読み進めることができました。
にしても、80代半ばでこの訳文ですか。うーん、すごいなあ。見事と言うしかないです。

文庫本巻末の大矢博子の「解説」も、色んな角度から本作品の成り立ちや味わいを記したもので、読みごたえありました。2024年1月に刊行された大矢博子『クリスティを読む! ミステリの女王の名作入門講座』(東京創元社)も、おすすめです。
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No.5:
(2pt)

途中でやめた

クリスティ古いのかな、つまらなかった
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No.4:
(4pt)

ミス・マープルが初登場した連作短篇集。のんびり楽しめる。

シャーロック・ホームズの翻訳が良かった深町眞理子さんの新訳に期待して購入。他の方の訳は知らないですが、たいへん読みやすく、時代の雰囲気を損なわないクラシカルな雰囲気が良いです。ミス・マープルものを読むのは初めてで、映画やBBCのドラマで「鏡はひび割れて」は観たことがある。この短篇集は、ミス・マープルが初登場した連作とのこと。「火曜の夜クラブ」という6人ほどの集まりで、語り手が提示する事件や謎について、他の面々が推理したり、おしゃべりするというもの。もちろん、最後にマープルが謎を解明するといったパターン。これが12編。最後の1編だけ、このクラブを離れて、同時進行の事件が扱われている。あまり凝ったトリックや推理といったものではないので、本格推理を期待すると外されるように思う。1編が30頁ほどの短いものだし、語り手の話を聞くかたちなのであまり複雑なものは扱いにくいのでしょう。というよりも、この集まりに集った人たちのお喋りやキャラを楽しむ読み物なのでしょう。休日の昼下がりに、のんびりと楽しむのにいいと思う。紅茶とスコーンでもあれば、なお良し!解説は、マープル初心者には嬉しい読み物でした。この短篇集は、マープルもののプロトタイプみたいな位置づけでもあるようなので、ここから有名な長編に進んでいくのもいいようです。
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No.3:
(3pt)

ミス・マープルが完璧すぎて・・・

〈火曜の夜〉クラブに集った客たちが、各自の体験した不思議な事件を披露し、
他の客たちがそれを推理します。各人の職業・身分により性格が書き分けられ、
「いかにもこの人ならこういう推理をするだろう」と思わせるのが見事です。
ミス・マープルの一刀両断の推理ぶりも小気味がよい。充分に楽しめますが、
難を云えば、彼女が完璧過ぎるために、やや面白みに欠けるかなと思います。
各自の推理のどれを選択しても、それが正しいとすることは可能な気がする。
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No.2:
(5pt)

無実のひとのほうに目を向ける

初めて、ミス・マープルの謎解きを読みました。
犯人探しは、もちろん興味津々だったのですが、
犯罪に対する考え方の議論がもっとおもしろいと感じました。

例えば、

「しかし、いまの場合、ほんとうに重要なのは、処罰されること、有罪になることではなく――無実の罪を着せられることのほうなんだ」(239頁)

「あなたのおっしゃるとおり、罪あるひとびとのことを気に病むのは無意味です――大事なのは、なんの罪もないひとたちのほうなんですから」(263頁)

「ぞっとするほど恐ろしい――もしも無実のひとが絞首刑になるなんてことがあったら」(386頁)

無実を証明することの難しさを描く探偵小説なんて、初めて。新鮮に感じました。
冤罪事件って結構、聞きますので。

「<ろくでもない他人のうわさ話>(傍点あり)、そういった話のなかにこそ<真実が含まれているという、そんな例がいかに多いか>(傍点あり)」(275頁)

本書『ミス・マープルの13の謎』が出版されたのは、1932年。
それが今なお、和訳本も版を重ねているとは、驚きです。

確かに、ちっとも古く感じません。犯罪者の心理は昔も今も変わっていない?
探偵小説はいまだに生き生きとしています。人気です。

「そうだ、『アラビアン・ナイト』という、ちょうどうってつけの先例もある。〝いざ、語りたまえ、シェヘラザードよ!〟」(271頁)
「ならば、シェヘラザードの御方(おんかた)」(308頁)
「シェヘラザードの御方」(312頁)
「おお! シェヘラザードよ、シェヘラザードよ」(324頁)

シェヘラザードがモデルになっているようです。

「どうだ、納得したかね、ワトソン?」(224頁)
どこかで聞いたような名前も出てきます。

<主な登場人物>

ミス・マープル  語り手。ジェーン叔母(12頁)。老婦人(236頁)。老嬢(342頁)

<ミス・マープルの客たち>
レイモンド・ウェスト  作家。小説家(165頁)。ミス・マープルの甥(275頁)
ジョイス・ランプリエール  女性(13頁)。ミス・ランプリエール(103頁)。画家。
ペンダー博士  老牧師(36頁)
ペザリック氏  事務弁護士
サー・ヘンリー・クリザリング
  前ロンドン警視庁(スコットランドヤード)総監(15頁)。妙な咳払いをする(267頁)

以上、前半の「五人の客」(13頁)に、後半は四名追加で参加します。

バントリー大佐  老いぼれ(316頁)アーサー(168頁、187頁、274頁、308頁)
バントリー夫人(164頁)  ミセスB(308頁)、ドリー(168頁、308頁、324頁)
ロイド博士(167頁、189頁)  年配の医師。ロイド先生(195頁)
ジェーン・ヘリア  若き(309頁)、人気の美人女優(167頁)。ミス・ヘリア(198頁)

《備考》
<アルカロイド>
「植物アルカリ(アルカロイド)」(150頁)
「植物塩基(アルカロイド)」(161頁)
「つまりアルカロイドですが」(319頁)

毒にも薬にもなる。
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No.1:
(4pt)

久しぶりにミス・マーブルものを読むには最適!

59年ぶりの新訳の刊行!
学生の頃にミス・マーブルを読破したが、最近のミステリー小説はあまりにも陰惨な事件や描写ものが増えて、ちょっと疲れを感じるようになり、久しぶりにミス・マーブルものを読みたくなって購入。
お馴染みの顔ぶれが定期的に集まって「未解決の謎」を出し合うという趣向の短編集であり、最後にミス・マープルが真相を指摘する、ディスカッション型安楽椅子探偵ものということもあり、一晩に2話ほど読むには最適だった。

最新の科学捜査もハッカー的な解決法もないが、人間描写に主軸を置いて進む物語には、人間の普遍性があり、今の時代でも変わらず楽しめる作品だと改めて思う。

学生の頃より自分が年齢を重ねた分、ミス・マープルの人間に対する観察眼(皮肉も含めて)にとても共感でき、あの頃とは違う楽しみ方や作品に対する思いを感じられる。

この書籍では、最後にミス・マーブルの誕生も含めた丁寧な解説文がついているが、この解説がなかなかうまくまとめてあり、改めてミス・マーブルものへの興味を抱かせてくれた。

2019年1月11日 初版、2019年5月24日 5版になっており、この作品を楽しみに購入した読者がそれなりにいることでも、なかなか良い書籍だったのではないかと思う。
ミス・マープルと13の謎【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ミス・マープルと13の謎【新訳版】 (創元推理文庫)より
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