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熱帯



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【この小説が収録されている参考書籍】
熱帯

熱帯の評価: 3.33/5点 レビュー 103件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全54件 21~40 2/3ページ
No.34:
(5pt)

メタ的に回転する物語が好きな誰かにオススメ。

"『あなたは何もご存知ない』彼女は指を立てて静かに言った。『この本は最後まで読んだ人間はいないんです』"2018年発刊の本書は、中断時期を経て小説とは?に真摯に向き合った良書にして、作中の"どこか"ではなく本自体がめくるめく異界の扉としてメタ的に襲いかかってくる挑戦的な奇書。

個人的には好きな作家の話題作ほど、できる限り発売から少したってから冷静に読もうとじりじりと構えている内に、さながら3分たったのを忘れて伸びきったカップラーメンの如き残念さで忘却の果て、積読の海へと沈んでいってしまうのですが。いやいやそれは行かんだろといいかげんサルベージして手にとりました。

さて"汝にかかわりなきことを語るなかれ"という警句から始まる本書は、冒頭にまさかの作者の分身とおぼしきモリミン谷の『モリミン』が登場、締切に追われる生活の中で熱帯という煙のごとく消えてしまった本を思い出した事から、誘われる様に沈黙読書会に参加。そこで熱帯をもつ若い女性と出会った事で【本の中で本を追いかける】物語が加速していくわけですが。

謎の集団『楽団』、神出鬼没の古本屋台『暴夜書房』マジックリアリズムが如き『喋る達磨』など"らしさ"に安心感を覚えつつ、2010年に連載されていた3章までと数年間たって書かれた4章から5章では【はっきりとした違い】を感じる事から『変わらない』デビューからのヘタレ大学生モノを求める人だと後半につれて戸惑いを、一方で著者の幻想モノや『変わり続ける』作風も歓迎している人は"挑戦している!流石!"と快哉を叫ぶのでは?とお節介な印象を受けました。(私は後者です)

一方で本書では、著者にとっては『父親との思い出』でもある『千夜一夜物語』や『ロビンソン・クルーソー』他、いくつかの先行するような文学作品が登場するわけですが。もし自分が同じ状況だったら、どんな作品を思い出すだろうか?と妄想したり、あるいは本書の紹介のおかげで"なーる"と更なる積読からのサルベージが進みそうで、老シンドバッドよろしく無条件の感謝の気持ちが浮かんだり。

『本の中で本を追いかける本』自体に惹かれる誰か、あるいはメタ的に回転する物語が好きな誰かにオススメ。
熱帯Amazon書評・レビュー:熱帯より
4163907572
No.33:
(5pt)

千夜一夜物語の現代版

物語の中の登場人物が物語を話し出し、またその物語の中の人物が・・というように幾層もの物語にどんどんと引き込まれていく作品です。映画インセプションのように、夢と現実の境界が分からなくなる面白みがありました。
熱帯Amazon書評・レビュー:熱帯より
4163907572
No.32:
(5pt)

「熱帯」の後の「永久氷土」にも期待したい

昨年末、一時帰国の際に池袋のジュンク堂書店で買ったまま積読書棚に置いたままにしていたが、この6月中旬に駐在先のアパートの書棚から読み時だと本が頭の上に降ってきて、一週間で読了。
第一章 沈黙読書会
第二章 学団の男
第三章 満月の魔女
第四章 不可視の群島
第五章 『熱帯』の誕生
後記
 オビには「我ながら呆れるような怪作である 森見登美彦」とある。
確かに「怪作」であり、森美作品愛読者の端くれである小生としてはいつも通りに楽しませていただきました。
一方で、他の書評諸氏のコメントにもあるように第三章までの疾走感のある謎解き迷路の出題のあと、
第四章以降の読者それぞれが本物かつ真実の筋書きを持つ『熱帯』において、一例として提示されたストーリーにはやはり違和感、
少なくともスピード感が足りないと感じてしまう。前半部に関しては、構成は違うが村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』を思い浮かべるようなパラレルワールドとも思える印象をもった。もう少しで「怪作」から「傑作」になったのではないか、とても「惜しい」気がする。それと、著者は相変わらず恋愛については淡いまま「切なさ」が足りない。
 「大団円」なんて気にせず、もっと軽薄に楽しく、入れ子のストーリーの入れ子のそのまた親戚の、近所の隣のタバコ屋の娘さんが嫁いだ先のよくいく三河屋さんの亡くなった先代が好きだったでも今ではつぶれかけそうな日本酒酒蔵の杜氏の母方のおばあさんが小さいころ話してくれた昔話を自分なりにアレンジした話をどんどんしたほうがよかった気がする。何か、編集者のアドバイスか、出版社側の都合ともとれるような、おとなしいエンディングになっている。
 「断捨離」を実行中で、読んだら捨てるが原則の中、カバー(ブックフォト)も美しく、表紙が『熱帯』の表紙?でこれも美しく捨てがたく、どうしようかと思っているところです。
熱帯Amazon書評・レビュー:熱帯より
4163907572
No.31:
(5pt)

京都に行きたくなる

物語の中に物語があるような、不思議な物語
すごく長いのに、夢中で読み終わった
こんな長い本読めないと思うかもしれないけど、最初の章を読んだら
熱帯の謎に引き込まれて止まらなくなると思います
おすすめ
熱帯Amazon書評・レビュー:熱帯より
4163907572
No.30:
(5pt)

終わりのない迷宮

一気に読まないと、分からなくなります。
そして、途中でやめられないくらい引き込まれる小説です
熱帯Amazon書評・レビュー:熱帯より
4163907572
No.29:
(5pt)

物語が物語を物語り、どこまでも物語が続く物語

物語中で、どうしても最後まで読めない「熱帯」という小説が登場する。ストーリーを再現しようと試みるグループがあるが、うまくいかない。というより、「熱帯」が持つ謎にくるまれていく感じだ。タイムトラベルのような輪廻転生のような、不思議な世界を経験する。経験するのは登場人物であるが、読者も不思議な「熱帯」の世界を体験する。物語の中に物語があり、物語が物語を綴り、どこまでも物語が続いていく。永遠のループに乗る心地よさを味わえる。「千一夜物語」との関連が随所に登場するのが、謎を解く鍵となりそう。「千一夜物語」を読みたくなった。
熱帯Amazon書評・レビュー:熱帯より
4163907572
No.28:
(4pt)

楽しく読み終えました。

読んでいる途中で、なぜか
津島佑子氏の「ナラ・レポート」が頭に浮かびました。
リアルがうつろうのは同じですが、入れ子構造ではないのに。
気になって調べてから、
津島佑子氏が太宰治さんのお子様であることを、
初めて知った次第…物知らずですみません。

森見登美彦氏には是非もう一作、奈良を舞台に
このようなずしっとくる作品を書いていただきたいなあと、
願っています。ペンギンハイウェイも良かったです。
熱帯Amazon書評・レビュー:熱帯より
4163907572
No.27:
(4pt)

寄せては返すモリミンの波

揺られ揺られて最後まで。
森見登美彦のファンタジーノベルへのブレない姿勢と覚悟を愛読者として再認識。
千一夜物語が大団円で終わることを知ったのが収穫。
それにしても、もう少し短くして、同じ迷路でも、飽きさせないでコンパクトにまとめたら、大作家への道も遠くないのに、直木賞も取れたかもしれないのに、何をそんなに拘るのか、と気を揉むのは老婆心か?
熱帯Amazon書評・レビュー:熱帯より
4163907572
No.26:
(5pt)

面白い!

面白い!
まだ途中ですが どんどん引き込まれていく
これからが楽しみ\(^-^)/
熱帯Amazon書評・レビュー:熱帯より
4163907572
No.25:
(5pt)

最後まで読み終えた者が誰もいない『熱帯』というタイトルの不可思議な小説

『熱帯』(森見登美彦著、文藝春秋)は、何とも不可解な小説です。

沈黙読書会、最後まで読み終えた者が誰もいない『熱帯』というタイトルの不可思議な小説、『熱帯』の謎に迫ろうとする「学団」のメンバーたち、南の海域を支配する魔王と、魔王が操る「創造の魔術」、その「魔術の源泉」、魔王のカードボックス、魔王の美しい娘、『千一夜物語』との関係、老シンドバッドとの出会い、「満月の魔女」・・・。

何でもありのエンタテインメントなので、文句なしに面白く、523ページあろうと一気に読めてしまいます。途方もなく荒唐無稽で、しかも延々と続く長篇小説なのに、こんなにむさぼるように読み耽ってしまったのはなぜなのか、私自身にもよく分かりません。
熱帯Amazon書評・レビュー:熱帯より
4163907572
No.24:
(4pt)

確かに

後半がつまらなかったと言っている人がいて、確かにぼくも退屈した面もあるのでしょうがないとも思うのですが、
個人的には最後の最後の回収によってすべてが救われました。アレのためには必要な退屈ですらあった気がします。
ただ、あの終わり方含めて嫌という人がいるのもわかる気もします。ぼくは好きでした。
熱帯Amazon書評・レビュー:熱帯より
4163907572
No.23:
(4pt)

村上春樹好きなら読みやすいかも

面白かった。けれど回収されてない伏線もあってそこが気になる読後でした。
マジックリアリズムな文章、読んでいるうちに物語を通り抜けていく感覚は、村上春樹の小説にある意味で近い気がします。
熱帯Amazon書評・レビュー:熱帯より
4163907572
No.22:
(4pt)

子供の頃、物語の世界に入り込むようにして本を読んだ事がある人のための終わらない物語。

この小説はお話がいくつも入れ子になっていたりパラレルワールドであったりと構造や整合性について語ると長くなりそうだが、大事なのは物語が終わらない事だろう。

終わらない物語の世界に登場人物が入っていき、読者もまたその世界にはまり込む。
「熱帯」の謎に取り込まれその世界に行く人々は、千夜一夜物語やロビンソンクルーソーなどの物語が好きで、ある意味物語によって日常を生きる精神的な糧を得ている。
森見さんもまた自分の記憶の中を「サルベージ」しこの小説を書いた事で、自分自身が「生き延びられた」のではないだろうか。

前半の謎解きという気持ちで後半を読むと物足りない人もいると思いますが、これは子供の頃のように純粋に物語世界にはまって楽しむためのお話だと思いました。
熱帯Amazon書評・レビュー:熱帯より
4163907572
No.21:
(5pt)

自然にこうなったのでしょうか。

スピリチャル的な本では無いのでしょうが、まるでエーテルやアストラルを通じて行き来する魂の表現にも感じ取れました。
しかも本の最初と最後はで違う設定になっているようですが、これもまた時空を超えた多次元またはパラレルワールドと捉えるとかみ合ってしまいます。
5感に縛られた単純な人は、面白くないと言うかもしれませんが、目に見えない世界に何かあるのではと、心躍らせる人ならきっと色々な発見がある本だと思います。
熱帯Amazon書評・レビュー:熱帯より
4163907572
No.20:
(5pt)

「物語ることによって汝みずからを救」う話

この本を理詰めで読み解き、解していくこともまた面白かろうとは思うが、しかし真髄は作中の登場人物同様、戸惑いと酩酊、混乱とすり抜けていく現実と共に読み、また呑まれていくのが一番であろう。

が、もし理屈で読み解きたいのならば、作中の真実(らしきもの)に近づく上で、ヒントとなるものを示しておきたい。

警句となる「汝にかかわりなきことを語るなかれ」とは、言葉通りだ。作中において、そもそも自分が「熱帯」に関連していないにも関わらず、知ろうとした者、関わろうとした者はどうであったか、ということを考えてみれば、おのずと分るのではないか。言い換えると作中人物の中で消えた人物とは、つまりは作中の各章の語り手達とは――必然的に「かかわりのある」・「語るもの」であったのだ、と言える。

そして「後記」の存在から分る通り、語り終えたものはどうなるかということを簡潔に示している。そして当たり前だが、最初の場所と違うところに出ているので、語り終えた先に自分の作品はない。……のだが、「後記」の語り手は自ら以外の者が著した「熱帯」を手にすることとなる。これを純粋な入れ子構造で終わらすことは、まあ不正解ではないと思う。描かれたもの、綴られたものを、額面通りに受け取るならば。

ここでもう一つの警句を思い出したい。「物語ることによって汝みずからを救え」。これを作中ではなく、現実に当てはめるとどうなるのか、ということである。この『自身のフェイド・アウト(≒消えていたこと)により過去に中絶されていた物語=「熱帯」を最後まで語るということ』、ひいては語る道半ばで消えていた作中の人物たちを自らの筆でもって導き、最後まで語り終えたということ、さらにはその作品が作中人物を間接的に救い、かつこの作品に作者自らが出てくるということ……そうした実際に起こってしまった現実から何杯かの水を汲めば、この小説の終わりは少なくとも作者=森見登美彦氏にとっては、かなり感動的な意味合いを持っているのではないかと、と私は妄想している。
熱帯Amazon書評・レビュー:熱帯より
4163907572
No.19:
(4pt)

森見登美彦ワールド全開の後半だが、現実世界を描いた前半の方が面白い

「この本を最後まで読んだ人間はいない」佐山という小説家が著した「熱帯」という小説の謎を巡る不可思議な作品。

中盤までは、「熱帯」を途中までは読んだものの、読み終えることができなかった読書家たちが、現実世界で謎を追う。

中盤以降はガラリとテイストが変わり、「私」が、奇想天外な冒険の渦中に放り込まれる。全開の森見登美彦の世界観の果てに、見えてきたのは「熱帯」の始源―。

物語の中に物語があるという千一夜物語の入れ子構造を利用したパラレルワールド。悠久の昔から連綿と語り継がれ、進化し続ける、決して終わることのない物語。

よくぞこのような構成を思いつくものだと感心したが、前半と後半の変調が激しく、ついていけないところがあった。現実世界を描いた前半の方が、読み応えがあった。
熱帯Amazon書評・レビュー:熱帯より
4163907572
No.18:
(4pt)

不思議な話

不思議な話に引き込まれて、3章まで一気に読みました。
吉田山、蹴上、南禅寺、出町柳、岡崎、新京極、一乗寺、進々堂の珈琲など、知っている地名が出る度に情景が浮かんで、一緒に京都を歩き回っている気分でした。

4章以降はなんだか不思議で、ぐるぐると展開していく話がよくわからなくなり(笑)他の人にこの「熱帯」がどう面白いか説明するのが難しい。
とにかく面白かったから読んでみて、と友人におススメしました。

ちょうど3日後の2月3日、吉田神社の節分祭に行く予定なので、「暴夜書房」をついつい探してしまうかもしれません☆

それからぜひオススメしたいのですが、「熱帯」のカバーをめくって表紙を見てみてください。
私が一番面白いと思ったのは、この本の装丁です‼︎
熱帯Amazon書評・レビュー:熱帯より
4163907572
No.17:
(4pt)

マトリョーシカ?いいえ、クラインの壷でした

昔失くした本に関する私小説風に始まったと思ったら、見る間に本の方が読み手を振り回し始め、どんどん複雑な入れ子構造になっていく。なるほど、マトリョーシカなんだな、最後に伏線が回収されるのか、と思っていたらポン、と違う次元に放り出されてしまった。これはクラインの壷だった。
本と一緒に時代と空間を行ったり来たりしているうちに放り出される登場人物やエピソードもあって寂しい気持ちになることもあるけれど「物語」ってそういうものだったかも。

あ、カバーをめくって表紙を見ることもお忘れなく。
熱帯Amazon書評・レビュー:熱帯より
4163907572
No.16:
(4pt)

まさに「怪作」

誰も最後まで読みきったものがいない「熱帯」と呼ばれる小説を探す物語。
決まった主人公がおらず、章ごとに語り手が変わる形式。
様々な登場人物が「熱帯」を追い求めるうちに「熱帯」の持つ不思議な魔力に取り憑かれ、あるものは豹変し、あるものは異世界に巻き込まれることになる。
小説の中に「熱帯」が登場し、またその中に別の物語が含まれており、またその中に…という構成になっており、読み進めていくと何か自分も不思議な世界に巻き込まれたような錯覚に陥る。
後半部分はその複雑な構成が災いしたのか、正直すっきりとした読了感は得られなかった。
ただし読んでいる最中の浮遊感にも似た独特の感覚は他の小説では今まで得られなかったものだった。
そして脳内では、理解できない部分が多かったにもかかわらずなぜか印象に残った小説ということでインプットされている。これが作者が意図した結果なのだとしたら、私はまんまと熱帯の持つ魔力に取り憑かれてしまったのだと言えるのかもしれない。
熱帯Amazon書評・レビュー:熱帯より
4163907572
No.15:
(5pt)

『熱帯』読み終えても彷徨い中

森見登美彦の初読みですが、こんなケッタイな小説は未だかつて出会ったことがない。私はハマった派ですが、好き嫌いは分かれると思います。熱帯のジャングルを彷徨い歩き、気がついたら同じ場所をぐるぐると辺りは似たり寄ったりで今何処にいる?的な。何よりも細部(文や内容だけでなく)細部に渡っての凝り方が素晴らしい。カバーをはずすと…。ニヤリ( ̄+ー ̄)
理解しなくていいと思います。ホントそのまま身を投じて読めば面白いです。
素晴らしい一切でした!
熱帯Amazon書評・レビュー:熱帯より
4163907572

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