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国宝



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国宝の評価: 4.61/5点 レビュー 683件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.61pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全683件 681~683 35/35ページ
No.3:
(4pt)

役者が立派なふりしてどうするんですかい。立派な人間じゃねえからこそ立派ってこともあるんだよ

下巻の「花道篇」は、理不尽ないじめや、あることないことを書き立てるマスコミにも耐え、どこか陰のある雰囲気が美しい容姿と相まって、まさに完熟の域に達した、喜久雄30代半ばから、還暦を迎え、遂に頂点に登りつめ国宝となった先までの物語です。
 しかし、喜久雄の人生は、歓喜に包まれた栄光をつかんだかと思いきや、それもつかの間、これでもかと何度も絶望に突き落とされ世間のバッシングにあい、それでもまたそこから這い上がるという運命の繰り返し。
 上手くなりたいとの一心で、全力で技を磨き、道を究めようとするあまり、一人究極の世界に突き進む喜久雄。
 喜久雄が求めていた世界にたどり着いたとき、その完璧な芸の世界を超えてしまったとき、喜久雄が見る世界は果たしていかなるものなのか。
 道を究めた者しか見れない世界、それは常人の価値観からすると尋常ならざる世界、狂気の世界、もしくは生を超越した世界なのかもしれません。
 しかし、その者にしか見ることのできない世界にたどり着いた本人にとっては、まさに至福の時なのかもしれません。
 本書は、喜久雄の数十年間にわたる人生を凝縮した物語ですので、章が進むたびに数年が進み、多少駆け足に感じる点がないでもありませんが、読後感はズシリと重いものがあります。
 そんな中、下巻でも徳次の行動が渋いです。
 特に、喜久雄の娘を助けるため、暴力団事務所でのセリフがとても良い。
「兄弟の盃かわしたんが、あいにくの色男。しゃーないですわ」
国宝 (下) 花道篇Amazon書評・レビュー:国宝 (下) 花道篇より
402251566X
No.2:
(2pt)

男同士だけが美しい関係

主人公と、15歳から兄弟のような関係の俊ぼん、師匠であり養父のようなその父、地元で子どもの時から忠実に世話をする徳次など、男と男の関係は美しく、リアルに描かれているといえる。その関係は確かに心を打つ。
しかし、母親を除いて、主人公の子供を産む市駒、娘の綾乃、妻となる彰子などは、主人公の都合よく動くお人形のようで、性格描写に一貫性がない。最初は存在感があったのに、途中で急にその他大勢の役割に変わってしまう。ここで作品の魅力が半減している。
このような現象はほかの作家でもあり、私は「キャッチボール小説」と名付けている。おそらく、作者の男性の女性観が現われたものと思う。
国宝 (上) 青春篇Amazon書評・レビュー:国宝 (上) 青春篇より
4022515651
No.1:
(5pt)

歌舞伎の業を描き切った傑作

のっけから申し訳ないのだが著者の作品はいくつか読んだものの正直「悪人」以外はいまいちピンと来なかった。が、本作は歌舞伎座皆勤賞の私としては外せないので発売日に購入、即読了。

最終的には実力が物を言うと言いつつも世襲が軸になる歌舞伎の世界に血縁無く大名跡の部屋子として飛び込んだ主人公・喜久雄。その大名跡の御曹司・俊介と鎬を削り高みを目指す。

芸を極めることと家・血の継承。歌舞伎を愛し、人生の激しい浮き沈みを乗り越えて芸の道に精進する内、二人は愛した歌舞伎に埋没・自身を磨き、ともすれば摩滅させて終いには歌舞伎と一体化・同化して行くような迫力の筆致。中途で巻を措く能わず。

四百年の間、人々を魅了し続けてきた歌舞伎の魅力・魔力は、何人もの役者・喜久雄や俊介を食い尽くし、咀嚼・消化することで育まれてきたかのような錯覚を覚えた。これこそが歌舞伎の「業」なのだろうか。

登場する役者は全て架空ではあるが、随所に散りばめられる歌舞伎の人気演目名場面を演じる彼らの描写はまるで歌舞伎座の舞台を見物しているよう。著者は執筆にあたり、役者の中村鴈治郎の知遇を得て三年間歌舞伎漬けの日々であった由でこの完成度は納得。

因みに作中の興行会社「三友」のモデルは松竹。そう、歌舞伎は上場会社が仕切る純然たるビジネスであり、文化の継承だけでなく利益を上げなければ継続できない宿命を持つ。裏返せば四百年間、そうして生き続けてきたと言うこと。本作の「三友」にも歌舞伎を続けて来られた松竹のノウハウ・冷徹さを垣間見ることが出来る。

個人的には著者の最高傑作ではないかと思う。
国宝 (上) 青春篇Amazon書評・レビュー:国宝 (上) 青春篇より
4022515651

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