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国宝
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国宝の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.56pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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努力や学びといった人間の成長において大事な過程が、かなり省かれているのが気になります。 例えば、出来るようになりたい事があったとして、次の場面では既に出来るようになっていた、ということが作中で度々ありました。 このような展開の仕方なので、葛藤や苦悩といったものが表面的にしか伝わらず、心理描写がとても浅いです。 そのため登場人物たちの人物像が思い描きづらく、同情をしたり共感を覚えることはありましたが、いつまでも感情移入することは出来ませんでした。 本来なら感動するのであろう場面でも、薄っぺらく感じて白けてしまいました。 この作品は歌舞伎役者である主人公と、彼を取り巻く人々の何十年にも渡る人生が描かれているので、考え方や言動、人間関係にも変化があるのですが、内面が深く描かれていないがために変化が起こった理由の推察も出来ず、ご都合主義や唐突感がありました。 ストーリーは悪くないと思うのですが、やはり人物描写に深みがないというのは、人の一生を描く作品としては致命的ではないでしょうか。 | ||||
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最初は戸惑うがすぐに慣れる。講談か落語のように「語り部」が「聞き手」に語りかける様式の小説。19世紀文学で「著者」が突然「読者」に語りかける体に似ているが、それより一歩踏み込んでいるのが特徴(例:バーネットの『小公女』など) 。 上巻の半ばまでくるとさらに「語り部」口調が拍車を増す。トントン拍子、リズミカルで気持ちがいい。様式それ自体は一種の規制だが、本作を読む限り物語り展開を自由闊達にし滑らかにしている。今後、この文体が流行るかもしれない。 本作は分かりやすくて読みやすい。 ここでいう「分かりやすさ」とは、表現レベルを下げることでも、物語品質を下げることでもない。むしろ高度に洗練されているということだ。大衆小説でありながら文学小説たりうる。 とってもオススメだ。 | ||||
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上巻から下巻に移り主人公が孤高の芸道に至るという筋立て。一気に読ませる力はあり、作者の力の入れようは十分に伝わってくる。 一方で記述の繰り返し(わざと?)や結果として意味のない場面設定(「国宝は無理」や「身代わりになる」みたいな場面が数ページ先や直後に意味のないものになる)など(ありえないとは思うが)見直しをしたのか、と思わせる。また、語り口はおそらくそういう設定だろうと冒頭を読んだ時に感じたが、ラストのセリフがまさにその通りだったので、安っぽさを感じる。普通の語り口でよかったのではないかと思う。 作者は総じて悪人、ヤクザ、花柳界など濃厚な世界を情感たっぷりに語りるが、好みが分かれるような気がする。若手の作家には書けない小説だと思うが、文学としては情ばかりが前面に出て作者の年齢の割には何かが足りない気がする。 | ||||
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主人公の喜久雄の設定に難あり、という印象。ネタバラシになるので書かない(が映画化もされてみんな知っているけど)が必然性が感じられない。そのために話がばらばらになっていて一本の筋(金の糸?)がないように思う。二代目半二郎の内面もまとまっていない(外面的にバラバラでもいいが内面では人は筋が通るもの)のでブレがある。興味深いのは半二郎の妻幸子。この女性の造形は一貫しており、リアリティがある(上巻までしか読んでいないが)。 | ||||
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映画が良かったので読みましたが、小説は凡庸です。 | ||||
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読みやすかったし一気に読みました 俊介の話だけに綺麗にまとめたらよかったのに…という感想です。俊介の話は涙流して読みました。 喜久雄には共感ポイントもなくストーリーも陳腐、何より奥さんの扱いが酷すぎて、酷いなら酷いなりにもっと酷くするとかやりようあるのにドラマもなければ途中から空気になってて本当に理解できなかった | ||||
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文体が太宰を思わせて、ストーリィもおもしろかったのですが、 リアル書店の売り方が変。 平台に吉沢亮ヴァージョンの表紙を並べるのはいいとして、 本作が上下巻ということがわかりにくく、 読者にとってフェアではありません。 映画化キャンペーンなんでしょうが、それがマイナス点です。 | ||||
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昭和の頃のスポ根漫画、『ガラスの仮面』的で、それなりに面白く一気読みしたけど、それだけ。まあ、だから映画になったのかな。 特に何か残るかと言われれば、何も無い。 俊介は、一貫して喜久雄の当て馬で、困難を乗り越えて歌舞伎界に復帰したということになってるけど、意外にもあっさりとしていて、へーそうなんだ…で終わり。 喜久雄が超越して行く様も深く描かれていないし、物足りない感が残りました。 娯楽作品として読めば良いのだろうけど、それにしては長い。 | ||||
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映画鑑賞のため読み、歌舞伎の演目網羅が勉強になった。登場人物の心理や会話がところどころ、綾乃、徳次の成功譚は過剰と感じた。普通の役者と天才の違いをクサイ言葉を使わず描写するのは難しそう。 | ||||
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個人差がありますが、少し文体が読みづらいなと思いました。 状況説明が長く、なかなかストーリーが本題に入っていかないので、面白いと思えるまでに飽きちゃいそうでした。 | ||||
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朝日新聞朝刊に連載されてた小説。 毎日、小出しで掲載されるという関係で描写はあっさり、テンポよく話が進んでいく。 だからこそ読みやすいけど芸に生きた男の物語なのに軽いと感じてしまった。 挫折もあるけどあっという間に数年が過ぎて成功してるから。 正直、主人公喜久雄の一生より、細かく描かれてない俊介の再起までの10年(薬物中毒からの復活)や 万菊の歌舞伎を捨てて死までの3年の方が興味深い。 自分は歌舞伎自体にそんなに興味がなくて主流から外れた人々のドラマの方がすきなのかな。 目と耳で感じる歌舞伎を文章で表現する難しさもあるかもしれない。 知ってる演目はイメージが湧いたけどそうでないと目が滑った。 | ||||
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正月休みにまとめ読みしましたが、これだけ登場人物が多かったのに、主人公2人を含め、好きになれる人物が一人も登場しないまま終わったのが残念でした。歌舞伎界のことはよくお調べになったみたいで、膨大な参考文献を上手に消化したのはわかりました。けれども私にとってはいずれ明かされるだろうと思っていた、冒頭の「?」が最後まで続いたままで、肩透かしを食らったような長編でした。 | ||||
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『怒り』を戦慄と興奮をおぼえながらひきずりこまれるようにして読んだ。その体験からいうと『国宝』はなぜか最後まで没頭できなかった。極道出身の天才女形を中心とした歌舞伎三代物語という強烈な題材を扱いながら意外と単純な話の展開になっている。そのわりに上方風のねっとりとした語りのクセが強すぎてすっと入ってこない。相当な勉強をして書いたのだと思うが、歌舞伎の解説が多すぎて煩く感じた。最後まで読みとおしたが、ワイドショーを途切れ途切れに見ているような印象しか残っていない。因果がめぐるサーガ系の小説で昨今面白いものに出会わないので期待していただけに残念。新境地にチャレンジしたのだと思うが、あまりよさがでていないと思った。 | ||||
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戦後の匂いが残る1950年の長崎。愚連隊あがりの極道の息子喜久雄が、父を抗争の挙句に無くし、縁を伝って歌舞伎の道に入り、女形として芸の道を究めていく。 上方歌舞伎の名人二代目花井半二郎の部屋子に入り、その実子俊介と競い合って芸を磨く。 長崎の女春江、ともに悪さをする徳次、大阪での遊び仲間弁天ら歌舞伎の外の人々、半二郎、その妻幸子、女形の名人万菊、鶴若、江戸歌舞伎の大御所千五郎、歌舞伎の家の中で役者を支える黒衣、女たち。そうしたキャラクターのいちいちが素晴らしい。 父である権五郎を撃って長崎のヤクザたちのトップに立った辻村と喜久雄の関係、歌舞伎界での養い親である半二郎の跡目をめぐる喜久雄と俊介の関係が物語の焦点なのだが、およそ下巻のあたまにはこのヤマを越えてしまい、ゴールを見失ってしまう。 半二郎の跡目を喜久雄が襲名し、春江を伴って逐電した俊介がドサ廻りから復活してくる辺りで終わればよかったと思うのだ。 | ||||
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ヤクザの息子が故郷を追われ、都会で新たな人生を歩む・・・という割とシンプルな物語です。内容はというと 粗筋を述べただけで人間の深い内面が描かれておらず、残念ながら心には響いてきません。肝心な場面ではいつ もスルーして逃げている様に思えます。主人公であるヤクザの息子という精神年齢に合わせて描写しているんで しょうか?例えば「白虎」と「三代目半二郎」襲名のシーンです。最も集中し力を入れ言葉を尽くして描写すべ き場面だと思うのですが、なぜかスルー。どんな意図があるのでしょうか?あくまでも上巻だけの評価ですが、 大人のためのライトノベル作品です。 | ||||
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吉田氏初読です 概ね楽しく読みました 次から次へ、「元ネタあれかな?」が出てきて、そっちが気になり、少々気が逸れたトコがなきしにもあらずですが、下巻が楽しみです | ||||
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上巻に引き続き、つい、「元ネタ」連想してしまい、面白いんだけど気を散らしながら読んだ感じだった 「逆引き」要素が沢山あるお話は、逆引いてから再読した方が自分的には「入って行ける」 とりあえず、自分的な思い込みで「澤村田之介」関連本を読んで、それから再読してゆっくり堪能しよう | ||||
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