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歪んだ波紋
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歪んだ波紋の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 1~20 1/2ページ
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読み応えはありました。 ヤフーニュースの見方やみ〇ねや等の番組、全て歪んで見えます。特に最近のメディアの出来事が、既に想定内だったのでは… 作者の背景描写が想像をかき立ててくれるので私は好きです。 | ||||
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予定より早く到着して ありがとうございました。 塩田さんの記者として目線が 毎回楽しみに読んでいます。 | ||||
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誤報、虚報、捏造。今や多くの人間が特にマスメディアにおいてこういった行為が蔓延っていると 信じて疑わなくなった。元新聞記者の著者もこういったメディアの裏の顔にスポットライトをあてて、 大いなる警鐘を鳴らしたのが本書である。まず、この本の構成が巧妙に出来ている。冒頭の 「黒い依頼」で地方新聞での交通事故の報道が描かれる。ここにおいて、被害者をはねた車は 被害者自身の車、つまり犯人は妻であるという誤報。この後、4編の「短編」が描かれ、それぞれ 大手メディアの誤報や捏造だ。だが、読んでいくうえで、この合計5編がすべて関係しており、 これは連作、いや一つの物語であることを読者は知ることになる。なぜ捏造をする のか。現代のマスメディア全体を否定しようとする活動家たち。いや、それだけではなかろう。 今、国民、全世界の人間にとって、マスメディアは決して信頼に足る組織ではなくなっている。 ここに本当の意味での深刻な危機感を抱くメディアの人間はどれぐらいいるのだろう。現場を 知っている作者だけに面白い作品となっている。 | ||||
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真実とは何か。どこを切り取るのか。誰が切り取るのか。あなたの目で見たものは真実か。 1日で読み切りました | ||||
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大変丁寧で受け取った商品にも満足しています | ||||
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「罪の声」で圧倒され次の作品を読んでみたいと手に取った作品でした。さすが元新聞記者をされてだけあって「情報社会」の誤差がもたら色々な問題を4つのテーマにした作品は一気に読むことが出来ました。普段何気なくさまざまな情報を耳にしていますが、考えさせられる一冊でした。ドラマにもなりましたが、ドラマと原作は別物だと思うのでもう一度じっくり読んでみようと思います。 | ||||
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5つの短編のタイトルを並べると、 黒い依頼 共犯者 ゼロの影 Dの微笑 歪んだ波紋 どこかで見たようなタイトル。そう、松本清張の小説の名前が浮かぶ。 社会派ミステリーと呼ばれ、独自の視点から社会や歴史に斬りこんだ松本清張への リスペクトが溢れた塩田武士の連作集である。それぞれの短編の共通のテーマは 「フェイクニュース」。舞台は新聞社(地方紙、全国紙)だったり、テレビ局 だったり、ネットメディアだったり。誤報や虚報がいろんな人にもたらす悲劇を えぐっている。それぞれは独立した短編として楽しめるが、最後の短編でじつは 全編がひとつの輪につながって、メディアの裏面にひそむある秘密を暴露すること になる。(それを匂わせる布石がそっと各短編のなかに置かれている。) 塩田は新聞社出身だからこの手の話は得意なんだろう。説得力もあり、故に 2019年の吉川英治文学新人賞を受賞している。ジャーナリストは本来いかに あるべきかについても文中の登場人物に塩田は熱く語らせている。 私のように斜に構えて、新聞などはどうせ大本営や警察権力から流れてきた ガセニュースばかりだろうとか、ネットニュースはなかばエンタメ、なかば宣伝 なのがあたりまえと思っている人間には、最後の種明かしはストンと腑に落ちな かった。まあ、ジャーナリストや評論家不信の私の場合が特殊ケースだと言って しまえばそれまでだけど。 それと、どの短編も出てくるジャーナリストがみんな疲れているのが気になる。 皆ぎすぎすしている。肌もがさがさ。平成が終わってもこの重苦しさは続くの? 真実を伝える仕事をしている人が押しつぶされそうになっているというのもなあ。 | ||||
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4つの短編が5番目に集約されていく。が、スケールが大きくなった。 ここで登場してくる相賀の好きな音楽が、ブラ四である。セルジュ・チェリビダッケ指揮、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団演奏、1986年10月東京文化会館における公演のブラームス交響曲であった。プーラームスの渋さ、というよりは、派手さのなさが、まさにこの相賀を象徴している。華麗さや名声を求めるのではなく、「記者は現場やで」という最後の一言に収れんされた。マスコミ人としての理想がいつかのまにか、一番肝心な事実確認を怠らせた。その原因は、どこよりも早く抜きたい!!という野心ではないだろうか。最近、CNNのアンカーのインタビュー記事を読んだ。そこには、トリプル-ソースと記載されている。自分は1つ記事は3か所の別の情報源から確認していると読んだ。そういった姿勢こそが信頼できる仕事の進め方ではないだろうか。そして、マスコミに続く第5の権力、、、大衆からの情報発信がすでに大きな力となっていることも認識した。映画化してほしい。配役がいろいろと浮かんでくる。舞台は関西よりも関東がいいかもしれない。 | ||||
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マスメディアの誤報・虚報、捏造、隠蔽などにかかわる連作集。全て設定が非常に凝っていて、鮮やかな結末の作品もあり、かなりサスペンス高密度の社会派ミステリー。且つ、各話が人物を通じて繋がっていることが徐々に分かるという面白さと楽しさがあります。 新聞社勤務の筆者らしく、報道の苦悩や問題点を踏まえた内容で、緊迫感を保ちつつ最終話に突入しますが、その背後にある大きな真相は、決して荒唐無稽な小説の中だけの話とは思えないところが、報道の在り方や危うさ脆さを考えさせられます。 | ||||
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元神戸新聞社の記者だった塩田武士のマスコミ関係者の描き方の深さが小説の濃さにつながっていました。 全国紙の大日新聞、地方紙の近畿新報、そしてウェブニュースのファクト・ジャーナル、それぞれマス・メディアに所属する記者が複雑に絡み合いながら「誤報」の真実に向き合う過程を描いています。 バブル紳士の代表格ともいえる「安大成」への取材が通奏低音のように5作に流れており、それが書き下ろしの「歪んだ波紋」に収斂させていく手法は見事なものでした。 ネットのフェイク・ニュースに対して、ある登場人物は、「友だちとか会社の同僚みたいな、意外な裏切り者が炙り出されることも少なくないと思います」と語らせていましたが、確かにその危惧を覚える展開でした。 何が真実で何が誤報なのか、テレビ界の「やらせ企画」同様、ますます混然一体となってマス・メディアは混乱していくのではないでしょう。 そんな業界に警鐘をならした「黙示録」のような小説でした。 | ||||
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フィクションですが、フェイクニュースが作られる過程や作ってしまった人の心情がリアルに描かれていました。 情報を扱うことを生業とする人は一度読んで、自分はこの世界に踏み入れていないか自問自答して欲しいです。 | ||||
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誤報に関することを様々な視点から見ることができ、考えさせられる一冊でした。 また、複数の誤報の物語から、最終的に一つの場所に集約していく感じは、 ある意味リアル世界の闇と同じなのかもしれないと感じました。 情報が溢れている今、真実の見極めや、発信・拡散する責任の重さを問う作品で、ぜひ一度読んでもらいたいと思える一冊でした。 | ||||
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短篇集『歪んだ波紋』(塩田武士著、講談社)に収録されている『歪んだ波紋』は、フェイク・ニューズについて考えさせられる小説です。 「新聞記者時代、三反園は日刊の忙しなさからノルマの処理を優先し、紙面を整えることばかり考えていた。本すらまともに読めない日々が続き、そんな自分に段々と嫌気が差していった」。 「出来る限り無料、もしくは安価で、硬軟のバランスが取れた分析力の高いニュースサイト――それが三反園の理想だった」。 大手新聞社・大日新聞東京本社の社会部デスクから独立系のネット・ニューズ媒体「ファクト・ジャーナル」の編集長に転じた三反園邦雄は、ある日、近畿新報の元役員の安田隆から、一緒に組んで、世間をあっと驚かせるスクープをものにしようと誘われます。 そのスクープとは、戦後最大の経済事件と言われた「イノショウ事件」や火災で大惨事となったホテルの跡地買収を巡って暗躍し、そして、保釈中に失踪し、刑期の途中で韓国の刑務所へ移送された、「最後のフィクサー」と呼ばれた大物事件師・安大成に独占インタヴューし、掲載しようというものです。「安大成が起こした数々の事件の裏側については、もちろん知りたい。今明らかになっている事実は、検察側が描いたシナリオとさほどの距離がない。たった一人であっても、当事者しか知らない出来事に触れると景色が一変することはよくある話だ。しかし、三反園の興味の対象は、事件の中身よりも『安大成』という人間そのものだった」。 独占インタヴューは成功し、「ファクト・ジャーナル」の記事は各方面に大反響を巻き起こします。 ところが、何と、この記事はフェイク・ニューズだったのです。そして、このフェイク・ニューズを陰で仕掛けた者たちの驚くべき狙いが明らかにされていきます。 | ||||
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虚偽の報道で利益を得る者、訂正されない誤報とメディアの責任。ジャーナリストの矜持と個人の見得と名声。中盤までの展開からこのようなテーマを想定していたが、"レベル"が違った。終盤の圧倒的な展開に著者の凄みを思い知らされた。 それぞれがジャーナリスト個人の姿を追う連作短編集の形式で物語は進行する。巨大新聞社の体質、虚報がもたらす被害者の悲劇の人生、ネットの出現と新聞離れ、記者という仕事のやり甲斐以上の誇り(p115)、テレビの堕落、司法権力とメディアの結託・特権。そして、匿名性とネット時代の人権。 新しい時代の、得体の知れない大波(p270)に抗うこと。 タイトルの「歪んだ波紋」の意味は、最終章で明らかになる(p272)。そしてその処方箋も。 フェイク・ニュースとレガシーメディアとの関係。テクノロジーが引き起こす新しい"社会革命"。これが真実なら恐ろしい事態が進行していることになる。メディア・リテラシーが問われて久しいが、彼らはその上を行く。厳しい現実だ。 | ||||
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様々な形で起きる「誤報」を短編で示していくが、全てがつながった時に、では既存メディアが信じられなくなったとしたらどこから得た情報を信じればいいのか、実はなにもないのではないかという暗澹たる世界も見えてくる。 作者は元新聞記者であり、作中でマスコミの誤報をあげつらって批判するものではなく、「マズゴミ」などと呼んでネットこそが正義的な見方への警鐘や、真相を究明しようとする記者たちへの応援歌も込められている。 | ||||
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題名もそうだけど、短編の上手なところ、時節を得ているところなんか清張を感じますね。 しかし、この人とても器用ですね。いろいろな企画をそつなく上手にこなす手腕には感嘆。 ただ、清張は(伏線を敷くのは上手だったけど)ここまで手の込んでトリッキーな感じはでなかったので、「策士策に」って気がしないでもない。 | ||||
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この本を読んだ直後、あるテレビの「捜査物語」が、現実に起こった一家殺人事件の場面を粗雑に切り取って組み合わせストーリーを作って視聴率を稼いでいた。犯罪被害者の家族関係者ががこれを見たらいたたまれないであろう。 この小説で扱ったフェイクではないが、「視聴率」という魔物のためには新たな被害を生んでも法には引っかからない。 放送したほうも受け取る視聴者も「面白い」というだけで終わる。 この本はマスメディアは何かという根本的問いを投げかけている。読んでよかったと思う。メディアを見る目がちがってきた。お勧めです | ||||
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本作は「誤報」を起点とした短編小説が5本で構成されており、読み進めていくと少しづつ一つの事件に繋がっていきます。 現代では「ポスト・トゥルース」といった言葉が、バズワードのような形で拡散、消費されています。 しかし、そういった現象を記号化し消費するのではなく、自分の頭で考え向き合っていかなければならないということを訴えかけているような作品だと思います。 ストーリーとしてもよくできており、緻密な伏線に唸らされるシーンもありました。 個人的には今年一番面白く、ジャーナリズムやメディアに携わる人や、それを志す人にも是非読んでほしいと思いました。 以下は個人的に気に入った表現の忘備録です。 ・「しかし、それこそが「マス」の本質かもしれない。できるだけ広く浅く。薄っぺらい網を投げかけて、大量を目指すのがテレビというメディアなのだ。狭く深く分厚い網で、硬派な番組をつくっても数字という魚は逃げていく。「#MeToo」運動も男女間での機会の不均衡や一方的な情報発信の危険性といった本質に関わる問題は、ひと言ふた言マーキングして済ませ、後は「誰が何をしたか、されたか」をエンタメにして時間を消費していく」 ・「報じないこともまた、誤報」 ・「テレビの本質は消費や。君の言うように虚実関係なく「わかりやすさ」と「面白さ」に無上の価値を置くから、短い時間でシロかクロかはっきりさせなあかんし、飽きっぽい視聴者のために常におもちゃを探してる。」 ・「もともと「有名人の性」は金になるが、ここのところの盛り上がりは異常だ。皆口先ではどうでもいいと言いながら、他人の私生活をSNSのネタや酒の肴にしている。」 ・「心地の良い情報に包まれやすい現代ほど、真っ当なジャーナリズムが求められる時代はない」 | ||||
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塩田武士さんはうまいなぁ~ いい人にみえて実はそれぞれ裏の顔がある。 裏というにはそこまで悪くなくても だれでも、不正の一つや二つ、損得勘定はある。 「騙し絵の牙」でも主人公が最後にみせる姿に ちょっとびっくり。やられた!と思ったけれど 今回も一人一人に 隠したい過去や 裏の顔がある。 5つの短編が全部つながっていて 最後に恐ろしい事実(小説上で)が 明かされるが、 この恐ろしい事実は現実に 起こっているのでは。 知らないだけ。知らされないだけ。 そんな恐怖を感じる。 面白かったです。是非 ご一読を! | ||||
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この10数年でマスメディアのあり方が急激に変化し、昔なら情報を広く発信できるのは、その職業にある者だけであったのが、現代ではネットを使って素人が意見や画像を自由に発信できるようになりました。 本書は、そういう時代の中、報道のプロであるべき新聞記者達の、誤報にまつわる5つの短編集です。裏をきちんと取らなかったことや勘違いによる誤報、明らかに恣意的な誤報等々、色々な誤報の形とそれによって引き起こされる悲劇や、新たに明らかになる真実などが描かれます。 個人的には、被疑者が有力者の息子であったために記事が報じられなかったというエピソード(第3話)の中で記された、「報じないこともまた、誤報。」という文章が、一番心に重く残りました。 今後、「報道」はどのように変わっていくのか、そして自分はその真贋が見極められるのか。正直、自信がなくなってきました。 | ||||
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