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歪んだ波紋



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【この小説が収録されている参考書籍】
歪んだ波紋

歪んだ波紋の評価: 3.75/5点 レビュー 32件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.75pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全32件 21~32 2/2ページ
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No.12:
(3pt)

面白くない

面白い作品を、テクニックを駆使して、
無理やり作り上げて、短編の登場人物が
少しずつつながるといった、よくある
手法で読んでて何が言いたいのか
いまいち分からす、面白くなかった
です。
「罪の声」が、意表をついて
面白かったので、期待しすぎた
のかもしれませんね・・・

次回作に期待君です。
歪んだ波紋Amazon書評・レビュー:歪んだ波紋より
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No.11:
(5pt)

フェイク・ニュースとレガシーメディア。テクノロジーが引き起こす新しい"社会革命"。姿を見せ始めたネット社会の恐ろしさ。

虚偽の報道で利益を得る者、訂正されない誤報とメディアの責任。ジャーナリストの矜持と個人の見得と名声。中盤までの展開からこのようなテーマを想定していたが、&quot;レベル&quot;が違った。終盤の圧倒的な展開に著者の凄みを思い知らされた。

それぞれがジャーナリスト個人の姿を追う連作短編集の形式で物語は進行する。巨大新聞社の体質、虚報がもたらす被害者の悲劇の人生、ネットの出現と新聞離れ、記者という仕事のやり甲斐以上の誇り(p115)、テレビの堕落、司法権力とメディアの結託・特権。そして、匿名性とネット時代の人権。

新しい時代の、得体の知れない大波(p270)に抗うこと。
タイトルの「歪んだ波紋」の意味は、最終章で明らかになる(p272)。そしてその処方箋も。

フェイク・ニュースとレガシーメディアとの関係。テクノロジーが引き起こす新しい&quot;社会革命&quot;。これが真実なら恐ろしい事態が進行していることになる。メディア・リテラシーが問われて久しいが、彼らはその上を行く。厳しい現実だ。
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No.10:
(4pt)

メディアを巡る歪み

様々な形で起きる「誤報」を短編で示していくが、全てがつながった時に、では既存メディアが信じられなくなったとしたらどこから得た情報を信じればいいのか、実はなにもないのではないかという暗澹たる世界も見えてくる。

作者は元新聞記者であり、作中でマスコミの誤報をあげつらって批判するものではなく、「マズゴミ」などと呼んでネットこそが正義的な見方への警鐘や、真相を究明しようとする記者たちへの応援歌も込められている。
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No.9:
(3pt)

期待していたほどは、面白くなかったかなぁ。

売れる記事を書かなくてはならない記者のあせりと不正をしてしまう心の葛藤がよく分かる作品ではあるが、どうも面白くない。
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No.8:
(2pt)

メディアとは

最近のメディアについての考察ですね。
問題提起については散々言われているようなことかな。
それの再確認という意味としては良いかもしれません。
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No.7:
(4pt)

清張へのオマージュ

題名もそうだけど、短編の上手なところ、時節を得ているところなんか清張を感じますね。

しかし、この人とても器用ですね。いろいろな企画をそつなく上手にこなす手腕には感嘆。

ただ、清張は(伏線を敷くのは上手だったけど)ここまで手の込んでトリッキーな感じはでなかったので、「策士策に」って気がしないでもない。
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No.6:
(5pt)

マスメディアの問題を描く優れた作品

この本を読んだ直後、あるテレビの「捜査物語」が、現実に起こった一家殺人事件の場面を粗雑に切り取って組み合わせストーリーを作って視聴率を稼いでいた。犯罪被害者の家族関係者ががこれを見たらいたたまれないであろう。
この小説で扱ったフェイクではないが、「視聴率」という魔物のためには新たな被害を生んでも法には引っかからない。
放送したほうも受け取る視聴者も「面白い」というだけで終わる。
この本はマスメディアは何かという根本的問いを投げかけている。読んでよかったと思う。メディアを見る目がちがってきた。お勧めです
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No.5:
(5pt)

個人的には今年一番面白かったです。

本作は「誤報」を起点とした短編小説が5本で構成されており、読み進めていくと少しづつ一つの事件に繋がっていきます。

現代では「ポスト・トゥルース」といった言葉が、バズワードのような形で拡散、消費されています。
しかし、そういった現象を記号化し消費するのではなく、自分の頭で考え向き合っていかなければならないということを訴えかけているような作品だと思います。

ストーリーとしてもよくできており、緻密な伏線に唸らされるシーンもありました。
個人的には今年一番面白く、ジャーナリズムやメディアに携わる人や、それを志す人にも是非読んでほしいと思いました。

以下は個人的に気に入った表現の忘備録です。
・「しかし、それこそが「マス」の本質かもしれない。できるだけ広く浅く。薄っぺらい網を投げかけて、大量を目指すのがテレビというメディアなのだ。狭く深く分厚い網で、硬派な番組をつくっても数字という魚は逃げていく。「#MeToo」運動も男女間での機会の不均衡や一方的な情報発信の危険性といった本質に関わる問題は、ひと言ふた言マーキングして済ませ、後は「誰が何をしたか、されたか」をエンタメにして時間を消費していく」
・「報じないこともまた、誤報」
・「テレビの本質は消費や。君の言うように虚実関係なく「わかりやすさ」と「面白さ」に無上の価値を置くから、短い時間でシロかクロかはっきりさせなあかんし、飽きっぽい視聴者のために常におもちゃを探してる。」
・「もともと「有名人の性」は金になるが、ここのところの盛り上がりは異常だ。皆口先ではどうでもいいと言いながら、他人の私生活をSNSのネタや酒の肴にしている。」
・「心地の良い情報に包まれやすい現代ほど、真っ当なジャーナリズムが求められる時代はない」
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No.4:
(4pt)

上手い!

塩田武士さんはうまいなぁ~
いい人にみえて実はそれぞれ裏の顔がある。
裏というにはそこまで悪くなくても
だれでも、不正の一つや二つ、損得勘定はある。
「騙し絵の牙」でも主人公が最後にみせる姿に
ちょっとびっくり。やられた!と思ったけれど
今回も一人一人に 隠したい過去や
裏の顔がある。
5つの短編が全部つながっていて
最後に恐ろしい事実(小説上で)が
明かされるが、
この恐ろしい事実は現実に
起こっているのでは。
知らないだけ。知らされないだけ。
そんな恐怖を感じる。
面白かったです。是非 ご一読を!
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No.3:
(4pt)

今後、「報道」はどのように変わっていくのか。

この10数年でマスメディアのあり方が急激に変化し、昔なら情報を広く発信できるのは、その職業にある者だけであったのが、現代ではネットを使って素人が意見や画像を自由に発信できるようになりました。
 本書は、そういう時代の中、報道のプロであるべき新聞記者達の、誤報にまつわる5つの短編集です。裏をきちんと取らなかったことや勘違いによる誤報、明らかに恣意的な誤報等々、色々な誤報の形とそれによって引き起こされる悲劇や、新たに明らかになる真実などが描かれます。
 個人的には、被疑者が有力者の息子であったために記事が報じられなかったというエピソード(第3話)の中で記された、「報じないこともまた、誤報。」という文章が、一番心に重く残りました。
 今後、「報道」はどのように変わっていくのか、そして自分はその真贋が見極められるのか。正直、自信がなくなってきました。
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No.2:
(5pt)

罪の声に続き、考えさせられました。

よく知らない、日本の何処かで起きたであろう出来事、事件を確からしいものに感じるのは、報道する側に事実確認を依存しているから。フェイクニュースとかの国の偉い人がつぶやくことの方が、真実味を帯びるのは伝達方法の問題だけなのか。恣意的な情報操作による世論誘導はありやなしや。僕らは「本当」を知りたいだけなのに。
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No.1:
(4pt)

最近のテーマですが、塩田先生作品はやはり昭和ですな

祝! 最初のレビュー。ネタバレなしで参りまる。

本書は5つの話で構成されていて、1つめを読んだ際には、フェイクニュースの昔話に花が咲き過ぎていると思ったが、5つ全てを読むと、フェイクニュースの現代的なテーマを踏まえていたことが分かり、「安心した。」(左記括弧書きのところは、小泉元首相の「感動した」と同じテンションでお読み下さい。)

元新聞記者の塩田武士先生は、自分が目にしたものを書きたい、目にしなかったものは書きたくない、書くべきではないと思っておられるだろうから、フェイクニュースの現代的なテーマの続編はすぐには書かれないだろうが、数十年後には挑戦して頂きたい。またはSF小説家と連携をして、その人が続編を書くという方法もある。話題性もある上、そのSF小説家にとって大ヒットのチャンスを得ることができるため、旬な塩田先生の活用方法としておいしいと思っている。

腐ちていく新聞社とそこで疲弊しながら働く記者を描くことが塩田先生の生み出す主な景色である。その景色は昭和混じりの平成であり、シガレットの煙で覆われたスマホの画面である。三丁目の夕日とは違うだろうが、昭和全盛世代の人々にとって共感しやすい景色であり、その景色は当分描かれ続けるだろう。しかしその景色は日々色褪せていく。そしてそれを受け入れられない世代は確実に増えつつある。本書で特大スクープとして扱われた話が仮に現実のものになったとしても、本書で描かれたほどのページビュー数は獲得できないだろう。

カズオ・イシグロ先生の「日の名残り」は、50代以下の者にとって歴史の話なので、古臭さを感じない。いづれ昭和の話も同様に感じられるようになるだろう。しかし歴史の話であっても、描き方によってかび臭く感じてしまうことはよくある。塩田先生の作品は、今後どちらになるのだろうか。小説はあまり読まない者として、その違いは分かるようになりたいものである。
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