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路上のX
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路上のXの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全54件 41~54 3/3ページ
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「夜のそのまた夜の暗い夜」も生い立ちの異なる3人の若い娘が明日を探す話だったが、場所が渋谷の「路上のX」は街を思い出しながら読めて身近に感じた。 真由が苛立ち、怒り、口汚く毒づくシーンは、その変化がとてもリアルで、彼女の心細さ閉塞感を感じ心がヒリヒリした。 私は繁華街を歩くだけで男嫌になりそうだと感じることがある。そして、世間知らずの娘が親子喧嘩の勢いでその街に走ることをずっと恐れていた。かつては自分も徘徊していた街。 読後の余韻が続き作者の健在ぶりを知る。 このテーマを桐野 夏生が書いてくれてうれしかった。 | ||||
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登場人物の過酷な状況下でどう生きて行くのかを模索した作品ですが、焦りや孤独感など読んでいて苦しくなるところもありますが、とにかく先を読みたくなる作品でした。個人的な感想ですが、桐野作品で久々の好みの本でした。 | ||||
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両親が突如失踪しまい叔父夫婦に預けられた高校一年生の真由は、その生活環境に耐えられなくなり家を飛び出す。そして、渋谷でリオナと出会い奇妙な生活が始まる。 大人の身勝手で悲惨な目に遭う真由が、傷付きながらリオナたちと生きていくさまが、風景等の余計な描写が殆どないスリムな、でも真由たちの複雑で繊細な心の動きは緻密に表現された桐野夏生氏らしい文章で語られます。 どうしようもない両親をもつ真由とリオナでも、お互いが分かり合えないことがあることや、また、まともな大人が真由を諭す言葉に妙に納得したりと、いろいろと考えさせられる小説でした。 | ||||
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桐野ファンでもあり、 最初読み進め、テーマはよく巷であるし。。。 って感じで、「普通」的かな・・・と思いきや、 ただよくある過激=面白いとか、そんな単純な小説ではないと、読み終えて思った。 グラフで言うなら、ジョジョに上がっていく。 それは面白いというよりも、ストーリーの中にある人間の内面、感情、不条理、理不尽、現実、過去、客観的、自己的、、、、等々・・・ とても、日常のレイコンマ何秒の感覚が描写され、そんな微粒子描写がこの本の中にあちこちに描かれていて、とても重たい。 女性版、現代版、スタンドバイミーはさすがにおおざっぱかな? 女性友とのボニーアンドクライドっとか、 フィクションではあるけど、とても吸い込まれた。 子供と世間はいうけども、子供の哲学がむしろ一番純粋で真実で的を得ている部分もあると思うし、世間の経験を知らぬ無知さが、また道を逸らす。 ただ、いろいろな意味でやけを起こしたくないなんて無責任にもそう信じ真面目に生きる事が大事なんだとも思う。そう生きたい行きたい。 | ||||
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自分に都合のよいだけのことを、あなたのためを思ってのことよ、と取り換えて話しているのが大部分の人間たちだ。 そうではない人間はごく一握りしかいない。 そして、ごく一握りのそんな人に出会えたとしても、それぞれの孤独はちょっとずつ違っているから、すべてを分かり合えるわけではない。 だから、自分の人生の落とし前は自分でつけなければならない(たとえ16歳でも)。 このことがよく描かれていると思った。 真由とリオナの関係には out の雅子と師匠がオーバーラップした。 女子高生が主人公だから リアルワールド の2016年版(執筆時)といったところかと思い手に取る。 そういう面もあるにはあるが、細かな点では違っている。 これが読んでいくうちに分かってくる。けれども、失望することはなく、むしろぐいぐいと引き込まれる。 out や グロテスク や リアルワールド のような形式、つまり、もともと知り合いだった四人の女たちが、とある男の起こした事件をきっかけとして、実はそれほど仲がよいわけでもないことがしだいに浮かび上がってくる、という形式、これが桐野夏生の真骨頂といってもよいと思うが、路上のx はこの形式ではない。 視点が二人なこと。事件は先に挙げた作品ほど陰惨でないこと。出会いを描くことなど。 メインとなるのは真由とリオナの二人。真由から始まり、章ごとに交互に視点が代わり、全五章の構成。 女子高生は他にも登場するから、視点を四人にしようと思えばできたはずだが、そうはせず二人に絞られている。 しかし、真骨頂と思われた形式から抜け出しても、二人の視点があれば充分なんだと思わせるほどに 路上のx の読み応えは確かなものでした。 真由とリオナはもともと知り合いだったわけではなく、物語が始まってから知り合う。 もともと知り合いだと出会いは描けない。描くとしても回想形式となる。回想形式では出会いの鮮度が落ちてしまう。 タイトルの意味、路上 は渋谷のこと、広く街のことだけど、 x って何のことだろう。作中ではなにも語られない。 x は 誰か ってことかもしれないし。交差するってことかも。どちらにしても誰かと出会うってことかな。 そういえば 路上のx に神泉駅は幾度か出てくるが、その側にある グロテスク 執筆のモデルとなった OL が殺されたアパートには触れられなかった。 人間の身勝手さが描きたい本質なのだとすれば、必ずしも陰惨なものを描かなくてよいのだし、別段そうした事件に触れなくともよいのだ。 (レイプが出てくるだけで陰惨だとみる向きもあるかもしれないが、比較的という意味で) | ||||
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読み終えた瞬間、大きな溜息が出た。 少女達の行く末と物語のラストが気になって一気読みでした。 真由、リオナ、ミト、三人の女子高生が経験する悲惨な出来事。 親のエゴがきっかけで味わう必要のない思いをする事になった 少女達があまりにも不憫で可哀想過ぎた。 自暴自棄になったり嘘を繰り返したりしながら それでも生きて行く為に身体を張って必死の思いで突き進む少女達。 3人しか仲間がいない状況でも時にぶつかり合い罵り合う少女達の人物描写は秀逸 息苦しく救いを求めながら読み続けた不穏な空気感漂う462ページだった。 ネグレクト、虐待、DV、レイプ、JKビジネスなど今時の世相が反映されていて 救いようのない大人たちもたくさん登場します。 惹きつけられたのは、自分の生活とはかけ離れていながらも きっと現実に存在しているリアルを感じたから。 桐野節が炸裂した読み応え十分な作品。 | ||||
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渋谷で行き場なく過ごした高校時代を思い出した。中年達が声をかけてくる時の様子などすごくリアルに書いてあった。かつて娘だった自分としても現在娘を育てる母親としても読めてよかった。 | ||||
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まず、他の方のレビュー見たら、作者を伏せて読んだら桐野作品とは絶対にわからないとありましたが、全くその真逆です。 ファンならば読めば必ず気づく桐野節炸裂というところでしょうか。 正直、ここんとこまとまってる感が拭えなかった桐野氏の作品群でした。 まぁそれはそれで読んでいて楽しいのですが、自分としては柔らかな頬やグロテスクの頃のようなえもいえぬ雰囲気と言葉によって生み出された悪意を感じ取りたいのです。 今回は所謂それを内包している小説で、一気読みさせてもらいました。 魂萌え!のJK版というのがわかりやすいか、 世間知らずの女子高生が、世間という名の悪意に翻弄されながらその波に呑まれまいともがく話です。 ざっくりしすぎた説明ですが。。。 終わり方も子供らしく、結構リアルなんだろうなって思いましたね。 まぁ自分の属さない世界の話なので、知らないことがいっぱいありました。 作中に出てくる、男は女を商品としか思っていないという部分がありますが、細かいとこも結構本質なんだろうなと思いましたね。 それに対して買われる側がどう感じているのかも。 ほんっと男って都合いいなって思う。 違った意味で世の中の女も随分都合よく生きているなと思いますが。 そんな事を考えた作品でした。 | ||||
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両親が夜逃げして叔父の家に預けられた高校生の真由は、劣悪な環境に耐えられず外泊を続けていた。 ある事件から一時的な休憩所からも追われ、路上をさまよう。彼女に声をかけたのはよく似た境遇のレオナだった。 少女たちの未来に希望はあるのか。 女性で若くてそこそこ可愛ければ、男社会において確実に商品価値がある。 だが報酬を得るためには何を犠牲にしなければならないかを考えると、決して安楽ではない。 本作は小事件や小波乱が連続するが、ストーリーを転倒させるような大きな波乱はない。 ひたすら陰惨な世界における不快な情景をスケッチするだけだ。 登場人物は、どうしようもない奴かこすからい小悪人ばかりだ。ダメさと悪さが実にリアルだ。 貧乏暮らしの叔母やオタク大学生やスカウトの男は、生きた人間のような存在感がある。 というか、こういう連中て今の日本に山ほど生息しているだろう。 世界がいかに残酷でも、誰もが生きて行かねばならない。 恵まれない少女たちの苦渋に満ちた青春を描いた、優れた社会派スケッチ小説である。 | ||||
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最近では、「夜の谷を行く」をよみました。 本書はジャンルとタッチがまったく異なっていますが、人間模様を描いている。 姿かたちを変えて、大人の自分本位で身勝手さを浮き出している。 親に見捨てられ路上生活をしている子どもたち。 親は自身の都合で子を見捨ててしまう。 子の保護者である親族も身勝手な行為に及ぶ。 路上には危険がいっぱい潜んでいる。 危険は大人たちの欲望がうごめいている。 何も知らない子どもが路上をさまよえば危険が待ち伏せしている。 親切心、甘い誘い、魅力的な誘いは危険信号であることに気づかない。 信じられるものは誰もいない中で、出会いが同じ境遇の子たちを寄せつける。 資金がない。 リスクを負ってでも寝る場所だけは確保したい。 身を挺した、その歩みは決して戻ることができない世界に入り込んでいくこととなる。 路上にさまよう少女の直の目線で、心の中を赤裸々に映し出しています。 読了後、しみじみと余韻が響く。 | ||||
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両親の失踪により貧しい叔父の家に預けられた女子高生の真由(16歳)は義理の叔母から虐めに近い扱いを受けまともに食事すら与えられない。 見た目も性格も真面目な子である真由だが、叔父の家には居場所がなくお金もないため渋谷のラーメン屋でバイトをし、カラオケボックス等々で寝泊まりする日々を送っている。 もう一人の主人公であるリオナ(17歳)は男運男癖が悪い母親の何番目かの継父により中学時代に性的虐待を受けたが、それを見て見ぬふりをする母親に愛想を尽かし家出。中卒であるリオナだが女子高生のふりをしJKビジネスでどうにか生きている。 真由に次々と接近してくる胡散臭い人間たち。あることが原因でぼろぼろになった真由にさらに追い打ちをかけるようにトラブルに遭遇するのだが、その場で偶然に出会ったリオナに助けてもらう。 誰も信用できなくなっていた真由だったが、やさしくしてくれるリオナを信用できる人間と感じ、その後行動を共にするようになる。 女子高生に群がる女衒もどきと変態たち。誰にも頼ることが出来ず帰る家もない未成年の絶望感。生きるためとはいえJKビジネスや犯罪行為までしてもいいのかといった葛藤。捨てきれない良心。 自分たちに非があるわけではなく不幸ながらも逞しく生きる女の子の物語。 特に普通の子っぽい真由に接触する登場人物たちがすべて怪しく見え、心の中で「だまされるな!だまされるなよ!」と思いながら読むのでとてもハラハラ感があって面白かった。 流石はベストセラー作家である桐野夏生である。今更感がある題材だがとても読みやすく一気に最後まで読めた。 | ||||
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一読目、桐野夏生さんにしては毒が薄くて物足りない・・・ 二読目、この突き放し方が毒だったのか(笑) ろくでもない大人たちと生きるのが下手な子供たち 水商売、キャバクラとかに勤められる年代よりも下だと 反対にもっとディープな世界に取り込まれちゃうんだよね 昔はあんまり取り締まりがうるさくなかったから 15歳くらいでもスナックで働けたのに その方がよほど健全だったと思う しかし、こうしてみると大人になれない人間が溢れているんだなぁ 大人と子供の格差が小さくなったというか 大人になれない大人だらけの日本(笑) | ||||
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私らの年代ではとても考えられない世界でした。こういう世界がこういう地域や生き方があるのかと、現代の若者の中に一瞬入って感慨深い感じを得ました。生き方としては「何でもありかな…」というのが実感でもあり、また我が子がこのような世界で生きずに通過したことを幸運と思うのか不運と思うかは私の個人的感情でしょう。知らない世界・未知の世界を垣間見て作者の思惑を知らしめられました。 | ||||
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最近、低調だった桐野ワールドが、この作品では久々、全開。 女子高生をはじめ、それをとりまく大人達の世界がリアルに描けていて、一日で読破。 | ||||
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