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そしてミランダを殺す
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そしてミランダを殺すの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全43件 41~43 3/3ページ
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| IT関連企業を経営するアメリカ人資産家のテッド・セヴァーソンはロンドン・ヒースロー空港のバーで見知らぬ美女リリーに声を掛けられる。酔いに任せて彼は妻ミランダが自宅の施工業者ブラッドと浮気をしていると話し始める。妻を殺したいとまで口にするテッドに対して、リリーは援助を申し出る…。 ------------------------ テッドとリリーが交互に一人称で語り始める妻殺害計画となれば、これはかの有名なヒチコック監督作品『見知らぬ乗客』ばりの交換殺人が始まるかと思うのが人情というものでしょう。ところが、さにあらず。物語の向かう先を見定める余裕を読者に与えることなく、第一部はその末尾で思いもかけぬ急展開を突きつけ、読むものは言葉を失うことになります。 そしてミランダ自身の語りが新たに加わる第二部がこれまた第一部に輪をかけて驚愕の曲折を見せるのです。読者を幻惑させ心地よいほどに欺き続けるストーリーを前にして、頁を繰る手を休めることができませんでした。 この物語では予想もしないほどの数の殺人が描かれます。原題を『The Kind Worth Killing』(万死に値するたぐいの者たち)というだけに、その殺人の正当性が力強く主張され、果ては殺人こそが生きている手ごたえを確たるものにするという言葉が登場し、大いに虚を衝かれました。 「世間の人は命の大切さを大袈裟に言いたてるけれど、この世界には命ならいくらでもある。誰かが自分の力を悪用した場合、【…】自分に対する他者の愛を悪用した場合は、その人物は死に値する。それは過激な罰のように思えるけど、わたしはそうは思わない。人間はみな、完全な人生を与えられている。たとえそれがすぐに終わるとしてもよ。すべての人生は完結したひとつの経験なの」(76頁) 「生き延びることがすべて――それこそが人生の意義だ。そして、他者の命を奪うことは、いろいろな意味で、生きるというのがどういうことかを示すもっとも優れた表現なのだ」(348頁) こうした確信の言葉を読んでいて、思わず頷いてしまいそうになる自分を見出す瞬間があって、恐ろしくなるほどです。 ですがこの物語は主人公の思惑どおりにいくと思わせて、なんともあっけない幕切れへとたどり着きます。その詩的正義ぶり(poetic justice)に思わずニヤリとさせられ、粋(いき)な展開に気持ちよく頁を閉じることができたのです。 なんとも手練れの作家と出会ったという気分に浸っています。 ------------------------ *155頁:「『緊張なんて消えるわよ。ただ寝ちゃえばいいの』彼女は笑って、口もとを手で覆った」とありますが、アメリカ人の女性が笑って口もとを手で覆うのは、その発言が言い過ぎだと感じたときなどです。日本人女性が大笑いする行為自体をはしたないと感じて手で口を覆うのとは意味が異なります。 *305頁:「きみは俺をバスの前に放り出す気なんだとさ」とありますが、これは原文「throw me under the bus」を直訳しすぎではないでしょうか。殺人事件を描く小説の中でこう記すと、バスによる轢殺が実際に議論されていると勘違いする読者もいるかもしれません。「throw someone under the bus」とは「裏切る」という意味の英語の成句です。 *337頁:「その点ををさぐり出す」と記されていますが、助詞「を」が重複しています。 ------------------------ この『そしてミランダを殺す』を読んで思い出した書を以下に紹介しておきます。 ◆貫井徳郎『』(東京創元社) :都内で幼い子供二人を含む一家4人が惨殺される。物盗りの犯行か、怨恨か。事件を追うルポライターに、友人たちが語ったこの家族の「真実」とは…。 複数の登場人物が一人称で事件を断片的に語って聞かせる形式は、宮部みゆき『理由』、恩田陸『Q&A』『ユージニア』など様々ありますが、この『愚行録』を私は<万死に値する愚行は本当に存在するのかを問う物語>として読みました。その点が『そしてミランダを殺す』とよく似ていると感じます。 . | ||||
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| 妻であるミランダの浮気を知った夫テッドは、妻の殺人を計画する。その計画の協力を申し出る謎の女性・リリー。 常に緊張感のあるストーリー展開は、読んでいて飽きない。特に中盤で”ある事件”が起きてからの展開はさらに緊張感が増し、一気に読んでしまった。 どのキャラクターも個性豊かで、中でも魅力的なリリーのキャラクターには思わず引き込まれる。ラストの一文まで目が離せないこと間違いなし。 映画化も計画されているそうで、そちらも楽しみ。 | ||||
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| 浮気をした妻を殺害したいと空港で偶然会った女に漏らしたところから、実際の殺害計画が動き出してしまう。殺害に協力すると言うこの女は、いったい何者なのか・・・。夫と、妻、謎の女の各人が交代で語っていく章立てて、後半はもう一人の人物の視点も加わる。第1章で見えていた景色が、第2章でひっくり返り、そのあとは先がどうなるのか予想がつかず、手に汗握る読書が続く。この感じは、ル・メートルの「その女アレックス」や乾くるみの「イニシエーション・ラブ」みたいだった。作者に翻弄されたい人にはこの本はお勧めである。 | ||||
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