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夏草の記憶
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夏草の記憶の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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それにしたって、この親子を三十数年の間、誰もサポートしてこなかったの? 南部の小さな町ってそんな冷酷な地域なのかなあ? と書いて終りにするつもりでしたが、書くとなれば、言いたいことが出てきます。 それで、以下の追加。 ついでに書いてしまうと、ハートブレイク・ヒルでいったい何があったのか、保安官がてんで分からないとのたまわっているけど、岩に血があって、頭部のキズの形状を鑑識すれば、事件の経緯はカンタンに分かるはず。そこで、重症を負ってから、被害者自身の力で這い上がったくらいのことも現場を検証すれば分かるでしょう。 タイヤ跡を調べて、ケリー周辺の人物の所有車と照合すればヒルの麓に自動車で乗り付けて、ケリーと会談したとおぼしきその人物が「犯人」だとすぐに割り出せるはず。それくらい出来なければ司法組織ではない。一般市民がまったく独力で事件に当たらなければならないならまた別だけどそういうストーリーではありませんね。 この小説は結局「叙述トリック」。 現在と過去を行ったり来たりして、読者を翻弄すること自体はもちろん大いに結構なのですが、叙述の向こう側にある現実に整合性がないとストーリーは破綻しますね。 ボワロー&ナルスジャックの推理小説論みたいに、小説全体が一つの悪夢であるならいいけど、保安官がまったくの間抜けでないと話が成立しないのでは困ります。 例によって、ぐいぐいと引き込まれてしまうストーリー・テリングは強力なのだけど、 真相を知らされてみると、基本のプロットに無理があるように思います。 | ||||
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『死の記憶』に次いで書かれた(日本では『緋色の記憶』、『死の記憶』に続いて3番目に邦訳された)トマス・H・クックの『記憶』シリーズ第2弾。 「このミステリーがすごい!」の’99年海外編で、第3位にランクインしている。(『死の記憶』が第7位と、ベストテンに史上唯一のダブルランクイン!) 舞台はアメリカ南部アラバマ州の小さな町、チョクトー。物語はここで医師として人々の尊敬を集める‘私’が、30年前のハイスクール時代に起きた悲惨な事件について 回想する形で進む。「これは、私の記憶にあるなかでもっとも暗い話である」という 書き出しで始まり、例によって、クック独特の小説作法で、いつの間にか<現在>から<過去>に‘私’の視点が移り、ひそかに想いを寄せる美しい転校生、ケリーをめぐるほろ苦い青春の日々が綴られるのである。 本書は事件の“謎”を縦軸にしながらも、実は16才の夏でしか感じることのできない、恋憧れる少女が持つまぶしいまでの輝きと、‘私’の彼女への屈折した想いを見事に描ききった、青春小説の傑作でもある。 学校新聞の編集、黒人公民権問題への関心、クリスマスのダンスパーティー、学年末の演劇、生徒同士の恋愛関係など、誰にでも覚えがあるであろうさまざまな青春期のエピソードが語られながら、ケリーを襲ったブレイクハート・ヒルの事件の“謎”のベールが一枚ずつ剥ぎ取られて、明かされてゆく。その真相は予想外であり、当時輝いていた生徒たちのうちの何人かの悲惨な<現在>とのつながりを思わせたり、その後の‘私’の生きかたを決定させたりするほどのものだった。 ともあれ、本書は前作『死の記憶』よりもブラッシュアップされ、情感に満ちた、密度の濃い作品である。 | ||||
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つい昨日読み終わりました。最初の半分は前に進まず退屈で半分読むのに5日ほどかかりました(私は普通1冊を1日で読みます)が、そこまで我慢すれば後は一気に読めます。XXXがなぜ容疑者にあがらないのかとか納得できないところはありますが、ラストは思わず、「うひょー、そやったんかい!」と思いました。初めて読んだトマス・H・クックの本ですが、もう1冊読んで、この人の本を読み続けるか決めようと思います。 | ||||
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