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緋色の迷宮
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緋色の迷宮の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.90pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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を紡ぐ文章力に引き込まれます。 読みやすいけど、文章の余韻と奥の深さを味わえます。 この作者に才能に、毎回、脱帽させられます。 引き続きウオッチしていきたい才能です。 | ||||
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信頼関係で結ばれていると思っていた家族へ疑惑の感情が起こるとどの様に人間関係が変わってしまうのか。息子がベビーシッターをしていた娘の失踪事件から、次々と身内への疑惑の念が高まる。そして最後には。単なるミステリーではなく、人間関係の本質をえぐる著者の力量が充分に発揮された作品。 | ||||
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残り20P位までは、大変面白く、どういう結末になるか楽しみでしたが、最後は「おいおいそりゃないでしょ。」という終わり方。ミステリーとして破綻していると、私は思います。 その「証拠」から、警察が犯人を追い詰めないでいたとはとても思えないし、出てくる人物に共感しかかっていたのに結局それもすべて中途半端に放り出された感じです。 こんな私に共感してくれる人はいませんか? あんまり書くとネタバレになるので、これ以上はやめておきます・・・。 | ||||
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残り20P位までは、大変面白く、どういう結末になるか楽しみでしたが、最後は「おいおいそりゃないでしょ。」という終わり方。ミステリーとして破綻していると、私は思います。 その「証拠」から、警察が犯人を追い詰めないでいたとはとても思えないし、出てくる人物に共感しかかっていたのに結局それもすべて中途半端に放り出された感じです。 こんな私に共感してくれる人はいませんか? あんまり書くとネタバレになるので、これ以上はやめておきます・・・。 | ||||
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少女が行方不明になった夜、ベビーシッターをしていたのは自分の息子だった。 小さな街で、警察と街中の注目を浴びる責め苦のなか、 小さな嘘や、隠された事実が、ひとつひとつ明るみに出てくる。 愛する家族を信じることができなくなったとき、 いったん頭をもたげた疑念は次々と燃え広がり、 過去の少年時代までさかのぼって、幸せだった筈の人生を 焼き尽くしていくのだった。 凶悪な事件や、明快な謎解き、意外な展開がある訳ではありません。 些細な出来事と主人公の心象風景が、静かな恐怖をつむぎ、 悲劇に突入していく、いつもながらのCookワールドですが、 わかっていも面白い。 結末の衝撃はさすがというしかありません。 | ||||
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クックの著作の中で最高のものではないかと思わせるほどの完成度だ。ミステリー作家と思われているクックだが,ミステリーという形式を取りながら家族という結びつきのもろさを鋭く描いている。ある夫婦に息子がいる。夫婦の知人が家を留守にするので,その娘の相手をすることになった息子。その娘がその晩から行方不明になってしまう。疑われるのは息子である。そこから,息子との関わりや夫婦間のすれ違いが生じてくる。事件としては大きな事件であるが,家族という関係がほころんでいくのは,出来事の大きさではない。知らず知らずに蓄積していった,不満や疑い,無関心さといったものがちょっとしたきっかけで,その正体を見せてしまうのだ。その怖さを本書は見事に描いている。 | ||||
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クックの著作の中で最高のものではないかと思わせるほどの完成度だ。ミステリー作家と思われているクックだが,ミステリーという形式を取りながら家族という結びつきのもろさを鋭く描いている。ある夫婦に息子がいる。夫婦の知人が家を留守にするので,その娘の相手をすることになった息子。その娘がその晩から行方不明になってしまう。疑われるのは息子である。そこから,息子との関わりや夫婦間のすれ違いが生じてくる。事件としては大きな事件であるが,家族という関係がほころんでいくのは,出来事の大きさではない。知らず知らずに蓄積していった,不満や疑い,無関心さといったものがちょっとしたきっかけで,その正体を見せてしまうのだ。その怖さを本書は見事に描いている。 | ||||
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単なるサスペンスを超えた、人生そのものの意味さえ問うようなクックにしか書けない 作品である。一見、幸せな家族が些細な出来事から互いに疑心暗鬼になり、崩壊していく。 今まで自らが確固として信じてきたものが、実はうすっぺらな虚像にしか過ぎない事を痛感 する。その様子をクックは見事に描ききった。「人を知るなんて事ができるのでしょうか」 という物語の後半に登場する会話はあまりにも重すぎる。 いつかあっけなく壊れてしまう、もしくは既に壊れ失われてしまった虚像の破片を抱きながら、 我々はそれでも人と接しながら生きていかねばならないんだろう、そんな生きることの切なさ と空しさに読了後に浸ったと同時に、今家族等と接する事ができる有難さを痛感させられま した。 | ||||
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単なるサスペンスを超えた、人生そのものの意味さえ問うようなクックにしか書けない 作品である。一見、幸せな家族が些細な出来事から互いに疑心暗鬼になり、崩壊していく。 今まで自らが確固として信じてきたものが、実はうすっぺらな虚像にしか過ぎない事を痛感 する。その様子をクックは見事に描ききった。「人を知るなんて事ができるのでしょうか」 という物語の後半に登場する会話はあまりにも重すぎる。 いつかあっけなく壊れてしまう、もしくは既に壊れ失われてしまった虚像の破片を抱きながら、 我々はそれでも人と接しながら生きていかねばならないんだろう、そんな生きることの切なさ と空しさに読了後に浸ったと同時に、今家族等と接する事ができる有難さを痛感させられま した。 | ||||
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クックがまた傑作を放った。読者を魅了する謎めいた書き出し。なにげない日常が、ある事件をきっかけに疑惑の霧におおわれ、題名のとおり迷宮と化していく。そして、次第に高まる興奮と恐怖。その果てに、切なく悲しい結末が待っている。これは、だれにでも起きるかもしれない「家族の物語」である。私には、主人公が悲しみにくれながらも、語らずにいられない気持ちがよく分かった。彼が語る静かな言葉に、多くの人が耳を傾けてほしい。記憶シリーズから一作ごとに作風を変え、小説の可能性に挑んできたクックが、再び新たな頂点を極めた。 | ||||
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クックがまた傑作を放った。読者を魅了する謎めいた書き出し。なにげない日常が、ある事件をきっかけに疑惑の霧におおわれ、題名のとおり迷宮と化していく。そして、次第に高まる興奮と恐怖。その果てに、切なく悲しい結末が待っている。これは、だれにでも起きるかもしれない「家族の物語」である。私には、主人公が悲しみにくれながらも、語らずにいられない気持ちがよく分かった。彼が語る静かな言葉に、多くの人が耳を傾けてほしい。記憶シリーズから一作ごとに作風を変え、小説の可能性に挑んできたクックが、再び新たな頂点を極めた。 | ||||
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トマス・H・クックが、“家族”をテーマに’05年に発表した作品。’06年、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第6位、「IN・POCKET 2006年文庫翻訳ミステリー・ベスト10」総合第9位、「このミステリーがすごい!」海外編第12位。 穏やかな生活に満足していた中年の男の、“自分がつくった家族”と“自分をつくった家族” 両方の世界が、ある事件をきっかけに崩れてゆく物語である。 ある日、近所に住む8才の少女が行方不明となり、前夜、ベビーシッターをつとめたエリックの15才の息子キースに疑いがかかる。わが子を信用したいエリックだが、一向に打ち解けず、真実を語ろうとしない息子の姿に苛立ちをつのらせてゆく。次第にエリックは疑心暗鬼に陥る。その不信感は、息子に対してだけにとどまらず、妻に対しても、兄に対しても、父に対しても、そして今はこの世にいない母や妹に対しても。自分自身の人生のすべてが根底から揺さぶられてゆく。 「自分には何がわかり、何はわかっていないのか。しかし、恐ろしい疑惑は煙か霧みたいなものでできているらしく、それを避けることもそれに立ち向かうこともできなかった。」 物語は悲劇的な結末を迎えるのだが、ミステリーは文学たりえるか、という問いかけに答えを出せるのは、クックのこの作品を措いてほかにはないだろう。 それにしても、クックの小説は、ストーリーが深く静かに、あくまでも穏やかな筆致で進んでゆくにもかかわらず、いつも魅せられたように引き込まれ、なぜか一気に読み込んでしまう。 | ||||
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トマス・H・クックが、“家族”をテーマに’05年に発表した作品。’06年、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第6位、「IN・POCKET 2006年文庫翻訳ミステリー・ベスト10」総合第9位、「このミステリーがすごい!」海外編第12位。 穏やかな生活に満足していた中年の男の、“自分がつくった家族”と“自分をつくった家族” 両方の世界が、ある事件をきっかけに崩れてゆく物語である。 ある日、近所に住む8才の少女が行方不明となり、前夜、ベビーシッターをつとめたエリックの15才の息子キースに疑いがかかる。わが子を信用したいエリックだが、一向に打ち解けず、真実を語ろうとしない息子の姿に苛立ちをつのらせてゆく。次第にエリックは疑心暗鬼に陥る。その不信感は、息子に対してだけにとどまらず、妻に対しても、兄に対しても、父に対しても、そして今はこの世にいない母や妹に対しても。自分自身の人生のすべてが根底から揺さぶられてゆく。 「自分には何がわかり、何はわかっていないのか。しかし、恐ろしい疑惑は煙か霧みたいなものでできているらしく、それを避けることもそれに立ち向かうこともできなかった。」 物語は悲劇的な結末を迎えるのだが、ミステリーは文学たりえるか、という問いかけに答えを出せるのは、クックのこの作品を措いてほかにはないだろう。 それにしても、クックの小説は、ストーリーが深く静かに、あくまでも穏やかな筆致で進んでゆくにもかかわらず、いつも魅せられたように引き込まれ、なぜか一気に読み込んでしまう。 | ||||
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正直クックの傑作とはいえないが、いかにも彼らしい作品に仕上がっている。クックの香りが好きな人には傑作の一つに挙げるかも知れないが。鼻梁をくすぐる何かが足りない、というより、作品の構成上のわざとらしさが素直な感情移入の妨げになっているように思える。もちろん彼の作品は単なるミステリーとして読んではならないのだが、人間ドラマとしては主人公が徐々につまらない人間に堕してしまい(息子との関係がそれをやや救っているが)、平板な物語になってしまったのが惜しまれる。とはいえ、巷に氾濫する凡作と比べれば優れた質感を持つのは当然である。クックのようになれば、自分自身の作品がライヴァルとなってしまうのが辛いところである。 | ||||
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正直クックの傑作とはいえないが、いかにも彼らしい作品に仕上がっている。クックの香りが好きな人には傑作の一つに挙げるかも知れないが。鼻梁をくすぐる何かが足りない、というより、作品の構成上のわざとらしさが素直な感情移入の妨げになっているように思える。もちろん彼の作品は単なるミステリーとして読んではならないのだが、人間ドラマとしては主人公が徐々につまらない人間に堕してしまい(息子との関係がそれをやや救っているが)、平板な物語になってしまったのが惜しまれる。とはいえ、巷に氾濫する凡作と比べれば優れた質感を持つのは当然である。クックのようになれば、自分自身の作品がライヴァルとなってしまうのが辛いところである。 | ||||
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「蜘蛛の巣〜」と傾向が似ている作品かと思っていましたが、私はこの緋色の迷宮の方が面白く感じました。スピードをつけて一気に読み上げられます。とてもクックらしく人間が掘り下げられていて時に苦しく、主人公と困惑し、後半はハラハラさせられ結末にはいつも通り驚かされ……。クックで涙したのは2作目です。読んでいる最中、私の周囲はどうだろう。と不安になったものです。彼の作品はいつも人の気持ちが現実的ですが、今回の作品は今の時代にぴったり合っているようで身近に感じました。こう表現してよいか解らないですが、かなり面白い作品です。 | ||||
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「蜘蛛の巣〜」と傾向が似ている作品かと思っていましたが、私はこの緋色の迷宮の方が面白く感じました。 スピードをつけて一気に読み上げられます。とてもクックらしく人間が掘り下げられていて時に苦しく、主人公と困惑し、後半はハラハラさせられ結末にはいつも通り驚かされ……。クックで涙したのは2作目です。読んでいる最中、私の周囲はどうだろう。と不安になったものです。彼の作品はいつも人の気持ちが現実的ですが、今回の作品は今の時代にぴったり合っているようで身近に感じました。 こう表現してよいか解らないですが、かなり面白い作品です。 | ||||
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クックの作品は、ミステリーとしての骨組みはあくまでも人を描くための道具であり、本当に伝えたいことは人の心なのだと感じます。 本作品についても他の作品と同様、ある出来事がひとつの家族のつながりと信頼、家族であることの確かさをあやうくしていきます。 家族はたまたまある運命により形成されており、とはいえその状態は血縁や契約により成立されている前提の元に、信頼や愛情、そして甘えや勘違いが常におきていると思います。 でも、他人であれば勘違いや甘えが許されない世界においても、家族であればそのまま生きていくことも可能です。 そんな穏やかな生活がある出来事によって、主人公にとっては信頼できず基盤として硬いものではなくなっていきます。 愛する人を信じればこそ、人生は豊かになっていくのにと、哀愁を感じる作品でした。 ただ、今回の主人公は家族がどう感じているか、どう思っているかを深く考えることなく、自分なりの表現と解釈が多いこともあり、また男性であり父親でもあるといった設定もあり、私にとっては共感性が低い作品であったことも確かです。 クックの全ての作品がそうであるように、はかない人の気持ちを寂しく感じる後味を残した作品でした。 | ||||
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クックの作品は、ミステリーとしての骨組みはあくまでも人を描くための道具であり、本当に伝えたいことは人の心なのだと感じます。 本作品についても他の作品と同様、ある出来事がひとつの家族のつながりと信頼、家族であることの確かさをあやうくしていきます。 家族はたまたまある運命により形成されており、とはいえその状態は血縁や契約により成立されている前提の元に、信頼や愛情、そして甘えや勘違いが常におきていると思います。 でも、他人であれば勘違いや甘えが許されない世界においても、家族であればそのまま生きていくことも可能です。 そんな穏やかな生活がある出来事によって、主人公にとっては信頼できず基盤として硬いものではなくなっていきます。 愛する人を信じればこそ、人生は豊かになっていくのにと、哀愁を感じる作品でした。 ただ、今回の主人公は家族がどう感じているか、どう思っているかを深く考えることなく、自分なりの表現と解釈が多いこともあり、また男性であり父親でもあるといった設定もあり、私にとっては共感性が低い作品であったことも確かです。 クックの全ての作品がそうであるように、はかない人の気持ちを寂しく感じる後味を残した作品でした。 | ||||
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クックが過去の作品の中で繰り返し探ってきた、家族という存在の本当の姿。夫と妻、父と息子、兄と弟のあいだの見えなかった関係が、ひとつの犯罪をきっかけとして深い闇として浮かび上がってくる。その闇の奥を探るうちに、連鎖するように新たな悲劇が引き起こされてしまう。主人公と同様の家族を持つ読者は、この小説を読み進むうちに息苦しささえ覚えることになるのではないか。 ひとつの疑いが次の疑念を呼び起こし、過去に遡って忘れかけた痛みを引きずり出してくる。最もよく知っているはずの家族の本当の姿がわからなくなる、そのときに誰を信じることができるのか。いつものように結末には趣向が凝らされている。近作で見られた救いは再び姿を消し、読み終わった後の悲しさは家族をもつ読者ほど深く残るだろう。 いつもより少し急いだ展開(実際少し文章量は少ない)にやや不満が残ることと、読後感の重さに星一つ減らしました。 | ||||
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