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(アンソロジー)
謎の館へようこそ 黒
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謎の館へようこそ 黒の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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新本格30周年記念アンソロジーとして白と黒と刊行されたものの黒の巻。 作家陣的には白の方が売れ線という印象。 白が比較的館もの本格推理というフォーマットに忠実な作品が多かったが、本作は館を一応舞台にはしているが、題材としてはより幅広く、館もの本格ミステリーというイメージからは逸脱した作品が多いが、話自体としてはこちらの黒の収録作の方が白の収録作のような独りよがりの世界観のものがなくリーダビリティーが高く読みやすくて面白い作品が揃っているように思える。 まあ白井智之氏の作品は好みがはっきり分かれそうだが。 読む前は白の方が面白そうな雰囲気だが、実際二冊読むとこちらの黒の方に軍配が上がりそうだ。 | ||||
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既出の“白”に続く、『舘』をテーマにした書き下ろしミステリのアンソロジー。こちらの“黒”の方が、舘もの新本格のど真ん中のコースからは、ややそれぎみの印象が強かった。シリーズもののスピンオフが多かったようだが、筆者はいずれのシリーズも未読で、すべて独立した短編として読んだ格好となる。 『思い出の館のショウシツ』はやみねかおる 親しみやすい登場人物のキャラと、軽妙でユーモラスな会話で楽しく一気読みさせてくれる。ミステリとしてもよく練られているのだが、バーチャルリアリティが物語の芯にあつかわれているため、描かれる事件のすべても淡い幻影のように思われ、現実的な切実さに欠けるように感じられたのが、ややソフトすぎてもの足りない印象につながった。 『麦の海に浮かぶ檻』恩田 陸 時代も国籍もさだかでない異境の城。エキゾチックな美少女をとりまく、ゴシックロマン風の雰囲気たっぷりのミステリ。まろやかな口当たりの美酒を思わせる、さすが直木賞作家、安定の完成度である。新本格にかかわる企画なのだから、どこかにもっとハメを外したケレン味を―、と求めるのは、無い物ねだりのぜいたくか…。 『QED~ortus~―鬼神の社―』高田崇史 節分の日の神社を舞台にしたミステリ。殺人事件などは起こらず、いわゆる日常の謎的な事件のため、謎のインパクトはやや小さいが、ロジックがしっかりいており、節分や神社にかんする興味深いうんちくが満載で、充分読みでのある作品となっていた。ただ、神社は『舘』か? 作者はラスト近くで『舘』というセンテンスを象徴的な意味で使っているが、ちょっと取って付けたように強引な気が…。 『時の舘のエトワール』綾崎 隼 時間が狂うという舘に、修学旅行でおとずれた女子高生のまえに現れたのは、未来から来た少年だった―。SF的な謎の設定で楽しませてくれる。しかし、真相は容易に想像がついてしまうので、もう一工夫ほしかったところ。ラスト一行のオチは、もっと辛辣でもいい。 『首無舘の殺人』白井智之 グロと暴力がてんこ盛り。なぜこうまで汚らしいものにこだわって、作品を書いているのか、理解に苦しむ。優劣の評価以前の、好き嫌いの問題。申し訳ございません、「嫌い」です。 『囚人館の惨劇』井上真偽 バスの転落事故から生きのびた者たちが避難したのは、死霊が来訪者を呪い殺す惨劇の舘だった―。ベタな設定ではあるが、ホラーとミステリを融合させ、謎と恐怖と驚きにみちた圧巻の作品に仕上げている。 | ||||
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