■スポンサードリンク


呪われた町



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

呪われた町の評価: 4.12/5点 レビュー 51件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.12pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

文学を書きたかった、のかな

S.キング=ホラー小説の帝王という定説を横目にウン十年。
もともとホラーというジャンルが映画、小説ともあまり好きではないので
50歳になるまでこの作家の小説は1作も読んだことがなかったが、
「屍鬼」(ウルトラ長すぎですが、前半までいい味出してた)の元ネタ、
として気になっていた、そこそこ評判のよい本作で、キング作品に初挑戦。

で、結論は、「吸血鬼の登場しない上巻の3分の2がおもしろい」

淡々とした田舎町の人間模様が妙に惹かれるんですね。
もちろん、この町が後で惨劇にみまわれるのだ、という
読者のみが知る前提が「今はそんな暢気なことやってるけどさあ」と
言いたくなるような、今風でない(70年代ですからねえ…)リズムと
風俗で展開するアメリカ人たちの日常が、不思議な「懐かしさ」と「安心感」を
感じさせるんですね、昭和生まれには。

吸血鬼が跋扈する後半は、はっきり言って少しも怖くない。
ネタバレになるといかんのであまり書きませんが、
血を吸われながら被害者が快感で勃起しそうになるとか、赤い眼がどうのという描写、
怖いかね?

放送中止になったPS「サイレン」の予告編やHPの方ががなんぼか怖い。
作中の吸血鬼よりバスの運ちゃんや間男いびりの旦那、ゴミ焼き場の管理人など
普通の人々の方が不気味。
最初の犠牲者が発生するシークエンスのみ、少し「あ、始まったな」という
感じでワクワクするけどね。

個々人がホラー小説に何を求めるかで作品評価はまったくことなるはず。
キング作品が好き、という人は著者の構築するキングワールドを
是とするがゆえに、ホラーの帝王と賞賛するのだろうが、
私の感覚からすれば、小松左京の「くだんのはは」、J.キャンベルJRの
「影が行く」を東西それぞれの恐怖スタンダード、とさせていただきます。

まさに小品、佳作という印象です。
呪われた町 (上) (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:呪われた町 (上) (集英社文庫)より
408760635X

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!