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寒い国から帰ってきたスパイ
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【この小説が収録されている参考書籍】
寒い国から帰ってきたスパイの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全84件 61~80 4/5ページ
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| 昔、映画でみた原作を読んで、改めて面白かった。 現実に近い展開だと思うが、実際は不可能だろう。 スパイと二重スパイ入り乱れた諜報活動の一端が伺えて興味深いが、実際はこんなことでは誰もだまされないだろう。 小説は小説だが、面白かったのは事実だ。 | ||||
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| 東西冷戦時代のスパイが主人公の物語。 正直、ちょっと古くさいかな?と思いながら読み始めました。 登場人物たちの思想や役割、疑念、野心。いろんなものがからまって物語が二転三転。気づいたときには物語に引き込まれていました。 ラストに向けての裁判シーンは圧巻。罠にかけたと思っていた相手は疑似餌で、真の標的はその奥にいた人物なのか、いや実は主人公自身が食べられてしまう餌だったのか。そんな疑惑がどんどん膨らんで、それでも唯一本当だと真実だと思うことを守ろうと。 消耗品だった個が意思をもった個人に戻っていく。戻ったがゆえに、迎えたラストシーン。 冷戦については、物心つく頃にベルリンの壁が崩壊し、実際の社会の情勢や背景は教科書でしかしらない世代ですが、作者がこの物語でう伝えたかったことは、“思想のために犠牲となる個人”への警鐘だそうで、実際に机上で消えていく命のなんと軽いのか。それを感じさせるラストで最後の一行を読み終えたとき、しばらく呆然としてしまいました。 ただ、電子書籍でページが重複している箇所や、突然片言になる台詞まわしが気になってしまったのが残念なところ。 | ||||
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| この本は、主人公の超人的身体能力で敵側の重要な情報を入手、敵を撹乱殲滅するという007等のスパイものとは違い、知性を使い、敵に対して、謀略を仕掛けるスパイが描かれています。 小説の視点がコロコロと変わるので読みにくいのは確かです。 しかし、それを補うだけの、国際的な謀略が、緻密に、時に、大胆に展開されていくので、読者は引き込まれていきます。 ところどころに、散りばめられた伏線が、また、読み進める中の楽しみとなります。 | ||||
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| 執筆されてから長い歴史の在る本ですが、内容も長い! 秋の夜長にはよいかな・・・・ | ||||
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| やはり、ソ連を中心とした社会主義ブロックはつぶれるべくしてつぶれた。 | ||||
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| やや古いスパイ小説だ。孫崎享氏が『日米同盟の正体』で「間接的アプローチ」の教本として紹介されている。 1960年代の冷戦の頃、イギリス情報部中枢は、東ドイツ情報部の重要幹部の抹殺を狙って、ある作戦を発動する。しかし、抹殺と言っても、相手は、情報部の奥の院に鎮座するトップであるから、ゴルゴ13のように路上で暗殺するわけにはいかない。そこで、イギリス情報部が考案したのが、東ドイツ情報部の防諜機関に、その幹部がイギリス側のスパイ、内部通報者であるかのような偽情報を信じ込ませ、敵側による粛清を仕組むという戦略だった。どうやるかは読んでのお楽しみだが、この小説の結末は、もうひとひねりしてあって、イギリス情報部中枢が欺瞞しようとした対象が、実は全く相反していたという展開が用意されている。この戦略も素晴らしい。 偽情報を信じ込ませ、強制ではなく、自発的意思により、相手を誤った行動に誘い込み、自滅させる。しかも、戦略の目標とする対象そのものが、欺瞞工作によって巧妙に隠される。相手方に、Aが目標と信じ込ませ、偽情報によって誤った行動に誘い、真の戦略目標であるBを獲得する。間接的アプローチの真髄だ。 対日開戦時の米国は、日本の南部仏印進駐を阻止するためと見せかけて、対日石油全面禁輸を行い、真珠湾奇襲攻撃を誘いながら、その実は、ヨーロッパ戦線における対ドイツ参戦のための世論喚起を狙っていた。モンロー主義のもとで米国がヒトラーと戦うためには、日本との開戦が必要だったわけだ。 このような間接的アプローチは、TPP信仰にのめり込んだ野田佳彦首相には、もちろん「想定外」だろう。真の目標は、北方領土であり、TPPは、欺瞞工作であるのなら賞賛するが、これは能力的にあり得ないな。 | ||||
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| 1963年に出版された作者の三作目にあたるスパイ小説史に燦然と輝く記念碑的作品。 初めに読んだのは早川書房の『冒険・スパイ小説ハンドブック』のスパイ小説部門で 第一位に選ばれていたからである。先日に再読してあらためて名作との意を強くした。 この作品ではベルリンの壁が存在感をもって迫ってくるのだが、壁が作られたのは 1961年で、東独が壁の建設を断行しなければ本作は生まれなかったということだろう。 英国諜報部は、東ドイツ諜報部の首魁・ムントを陥れるために一大作戦を計画する。 自らこの作戦の道具となるのがアレック・リーマスで、彼の周到な撒き餌に東ドイツの 工作員が食いついてくる。そこからの心理戦と先の読めない展開にはハラハラする。 そしてラストはとんでもない事実が明かされ、苦い結末が待ち受けているという、ある 意味ではスパイ小説の王道だが、ル・カレ以前はこのような小説はなかったのである。 ル・カレは本作で一躍スパイ小説の大家となったが「僕がこの小説で、西欧自由主義 国に示したかったもっとも重要で唯一のものは、個人は思想よりも大切だという考え方 です」と述べている。この作品にはジェームズ・ボンドはいない。人間としてのスパイで ある。本作は人を消耗品として扱って恬然とする終わりなき諜報戦への告発といえる。 | ||||
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| 1963年に出版された作者の第三作にあたる諜報小説史に燦然と輝く記念碑的作品。 本書を知ったのは早川書房の『冒険・スパイ小説ハンドブック』のスパイ小説部門で 第一位に選ばれていたからである。先日に再読してあらためて名作との意を強くした。 この物語ではベルリンの壁が存在感をもって迫ってくるのだが、壁が築かれたのは 1961年で、東独が壁の敷設を断行しなければ本作は生まれなかったということだろう。 英国諜報部は、東ドイツ諜報部の首魁・ムントを陥れるために一大作戦を計画する。 自らこの作戦の道具となるのがアレック・リーマスで、彼の周到な撒き餌に東ドイツの 工作員が食いついてくる。そこからの心理戦と先の読めない展開にはハラハラする。 そしてラストはとんでもない事実が明かされ、苦い結末が待ち受けているという、ある 意味ではスパイ小説の王道だが、ル・カレ以前はこのような小説はなかったのである。 ル・カレは本作で一躍スパイ小説の大家となったが「僕がこの小説で、西欧自由主義 国に示したかったもっとも重要で唯一のものは、個人は思想よりも大切だという考え方 です」と述べている。この作品にはジェームズ・ボンドはいない。人間としてのスパイで ある。本作は人を消耗品として扱って恬然とする終わりなき諜報戦への告発といえる。 | ||||
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| 前半部に伏線をまき散らし、終盤に向けて回収し、そしてあのラスト。 全くスキなし。 おそろしく上質な、濃厚な満足感を得られる。 相当昔に映画化されているが、ビデオでしかなく今のところDVDと言った類のものがない。 こちらは未見なので是非お願いしたいところ。 | ||||
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| 大昔読んで二転三転の単なる人工的なゲーム小説かと記憶していたけど 久しぶりに読むと、確かに当時の諜報戦はこういうものかと幾許かのリアリティを感じました。 そして以外に60年代冷戦の道徳的側面を、こちらが鼻白むくらい 一章さいて批判しているなとも感心。 「チェスの好きな陰険なパリジャン。彼はソ連国内のチェスチャンピオンの才能に嫉妬。一計を案じて匿名の定額為替を彼らに送りつけると、ソ連の秘密警察は、チャンピオンを逮捕した。外国通謀の可能性があるからだ」(ロラン・トポル「カフェパニック」) 作者あとがきで、諜報戦に巻き込まれる市民の悲惨さについて胸を痛めて描いたとか何とかあるけど たしかに対敵諜報戦で、東西が、たがいに「錯誤」に誘導するため 無辜の市民をだしにする残酷さは、批判されるべき。そういう事実も当時あったでしょう。 ただけしてジャーナリストでないルカレのモラリティが、時代時代に応じてナチの戦争犯罪や、 冷戦の道徳的側面や、カフカズの少数民族や、アフリカの被搾取部族民にとぶと 逆に果たしてこの人は、そこまで道徳家なのか、むしろ「道徳小説家」として、 作品を量産しているだけなのではないか ちらっと思う事があります。 ルカレ自身の血肉としての言葉、小説家としての技量の円熟、精魂傾けた代表作は、 スマイリー三部作とパーフェクトスパイまで待つしかありません いや名作ですけどね、本作も | ||||
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| 作者は読者に対しても一種の「スパイ仕事」をしていて、会話の中にさりげなく大切なポイントをちりばめ、表現を抑え気味にすることによりラストに向けての話の展開を推理小説のような面白さにしている。またベルリンの壁の存在はすなわち駐留軍の存在そのものであると表現していることからも、壁が崩壊した現在においてもアメリカ中心の世界の構図はなんら変わることがないことを思えば、1960年代という時代設定にも関わらず古臭さは感じない。 飲み込みのよくない自分には一度読んだだけでは簡単に理解できず二度目でなんとかおぼろげに理解できた程度であり何度でも読み返したい作品であった。 最後にcome in from the cold→to become recognizedという意味になるようで『寒い国から帰ってきたスパイ』というタイトルにした訳者のセンスはスバラシイ。 | ||||
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| ドイツがまだ分割されていた冷戦時代が舞台。 お恥ずかしながら、歴史には明るくなく、そのせいで多少話の流れが読めないところがあったが、それでもだいぶんに面白かった。 主人公は時代と情報の中で、自分の立位置すら見えなくなりながら進んでいく。その様は、スパイというものがヒーローではなく、結局は自分が何をしているかもわからないままに、上に使われる歯車のひとつにすぎないことを感じさせる。それがやたらにリアルで、物語の魅力となっていた。 | ||||
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| ジョン・ル・カレの「寒い国から帰ってきたスパイ」を読了。いやーおもしろかったです。東西冷戦真っ只中の両陣営スパイ合戦の最前線での物語。地に足の着いたストーリ展開で面白く読むことができました。後半の裁判のシーンなんか眼も離せない、息もつけない面白さ。どんでん返しに次ぐどんでん返しです。素晴らしい。そしてラストシーンに続きます。ラストの一行も効いています。素晴らしいスパイ物です。 解説にありましたが、作者がいいたかったことは「個人は思想より大切」ということだそうです。そのとおりの物語です。 良い作品と出会えました。 | ||||
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| ジョン・ル・カレはMI5のいわゆるキャリアで特別職の佐藤とは全然違うインテリ(ほんとの)情報部員には違いないがイスラエルにも批判的、アメリカのイラク侵攻を厳しく批判した。同じスパイでも雲泥の差。著作もスパイ・スリラーが主だが「ラスプーチン」のイスラエル仕込みのでたらめとは大違い。キャリア、ノンキャリアのスパイの悲哀を描いて右に出る者なし。「寒い国から帰ったスパイ」は処女作?リチャード・バートン主演で映画化も。DVDはない。007とは同じMI5でもリアリティが全然違う。イアン・フレミングもMI5。日本人はスパイに鈍感だ。佐藤にしろ宮崎学にしろスパイと名指しされて宮崎は認めたにも関わらず付き合ってる奴(佐高信。大谷なんとかテレビに出る奴)は警戒心がゼロ。そのうちてめえが売られるのに。どういう神経なんだろ。スパイのお友達はスパイ。これエスピオナージュの常識。つまり「スパイ」と見做される。ロシア、中国なら拷問。銃殺である。アメリカでも。死刑にならないだけ。呆れてものがいえない。「平和」な日本。だから「スパイ天国」 | ||||
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| もはや「ベルリンの壁」「東ドイツ」という言葉さえ死語と化していますが、当時(手元の版は1971年で23刷!)は冷戦の最中であり現実的な話だったのでしょうなあ。 敵を欺くには味方からと言うが、本作品の主人公も作中で敵中で欺いているのか、欺かれているのか、それも味方に!?という困難な状態に陥る。ここから先はネタばれなので詳しく書かないが、複雑なパズルを解く様に終盤になだれ込む辺りはジェットコースターの様なスピード感で一気に読んでしまった。 今読むと共産主義の「同志」とか「人民の敵」「労働者の国」と言った単語がもはやギャグにしか見えないのが難点でしょうか。 古典的だが名作だと思う。 | ||||
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| 中学時代に惹かれて読みました。懐かしい。古き良き時代のスパイものという感じですね。 | ||||
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| 奥付を見ると昭和53年5月発行とある。出てすぐに読んだのだ。当時、この本は決して捨てないで持っていようと思った。 『東欧革命』(岩波新書)を読み終えたとき、本書のことを思い出した。 で、段ボール箱をひっくりかえし、半日かかって見つけた。 ところどころ憶えている程度で、ほとんど忘れていた。私は読み終えると、片っ端から忘れてしまうのだ(老人力か!)。結末を憶えていないのは幸いだった。が、最後のページにきて、思い出した。 「よせ!」とリーマス(主人公。ジョン・スマイリーのシリーズなのだが、本書にはスマイリーがあまり登場しない)に心の中で叫んでいた。わかっているだけに最後のページをめくるのがつらかった。 重量級のエスピオナージュだ。 それにしても、冷戦を招いた「共産主義」とはいったい何だったのか……。 | ||||
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| 多分、本書は私が初めて読んだスパイ小説だ。正直、小説として格別優れているとは思わなかった。スパイ小説の世界ではこの作品は最高峰に位置づけられているとのことだが、スパイ小説を読まない私にはスパイ小説としての本書の魅力を評価することはできない。 本書は冷戦自体のヨーロッパを舞台としたもので、古臭さを感じる読者が少なくないものと思われるが、諜報の世界は厳として現在でも実在するものであり、諜報、特にヒューミントのテクニック自体はほとんど変わっていないと思われる。かつて情報機関で勤務した経験のある著者が描く諜報の世界から、我々が学ぶことが出来ることは少なくない。 | ||||
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| 本書は、英国におけるミステリーの頂点、「CWA(英国推理作家協会)賞」の’63年度、ゴールド・ダガー賞(最優秀長編賞)受賞作であると共に、アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」・通称エドガー賞の’65年度、ベスト・ノヴェル(最優秀長編賞)受賞作でもある。 英米のミステリー大賞を両方受賞するという快挙をなした、“スパイ小説の金字塔”と呼ばれる、もはやクラシックの風格さえ漂う作品である。 従来のスパイ小説が007のように、超人的な能力の持ち主である主人公が、手に汗にぎる危機一髪的な事件で活躍する≪神話≫であったのに対し、本書では、われわれ同様血のかよった人間である諜報部員の真実の姿を、はじめてシリアスに活写してみせたところが、当時高い評価を得た所以だろう。 物語やシチュエーションの古さは否めないが、最近のスパイ小説にくらべればシンプルにも思える筋立てで、最後までストレートに読ませる。どうも最近の小説はどんでん返しが多くて・・・という読者には向いているだろう。恋愛もほどよく落ち着いてストーリーに織り込まれている。主人公リーマスの心からの叫びをぜひ聞いてもらいたい。 余談になるが、私は「ベルリンの壁」崩壊直後の2月に東ベルリンと東ドイツを訪れたことがある。当時の曇った冬空と“寒い国”を思い出しながら本書を味読した。 | ||||
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| ジョン・ル・カレの代表作であると共にスパイ小説を代表する作品。冷戦時代にはスパイ小説が色々書かれたが、本作は一頭地抜けている。 主人公は密命を帯びて東(ドイツ)へ潜入する。冒頭から緊張感が続き、スパイという職務の過酷さ、虚しさ等が描かれる。そして道半ば、主人公は正体を暴かれてしまう。拷問に耐える主人公。そして遂に主人公の忍耐が切れる時が...。 全体に仕掛けられた構想に読者は驚くであろう。単なるサスペンス小説に終らない所が本作を抜きん出たものにしている。そして、ラストで主人公を待つ運命。東西冷戦を題材にしながら、冷戦の虚しさを浮き彫りにし、その渦中の人間の哀感を描き切ったスパイ小説の白眉。 | ||||
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