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紙の動物園
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紙の動物園の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全86件 41~60 3/5ページ
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表題作の紙の動物園の出来が良すぎる為に他が霞む、それくらい表題作が良かった SF、ファンタジー、純文学の要素が詰まっている 厳しい言い方をすると表題作以上の作品をもう書けないんじゃないと思ってしまう 個人的にはアーシェラKルグィンの才能を思い出してしまう 異常な完成度の短編を珠に書く感じが | ||||
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物語づくりのうまいひとだなぁ、と思う。私はポール・オースターやアーウィン・ショウに近い読後感を感じた。SFといえば、世界観を構成して、技術や魔術を取り込み、でもお話は相変わらず悪漢と探偵の追いかけっこであったり、恋人を巻き込んだ宝探しであったり・・・そうしたものが多い感じがしていたが、この短編集は、もっとヒューマンな情緒が色濃い。東洋的なトーンもSFにありがちな味付けに終わらず、物語の強いバックグラウンドになっている。もっと読みたくなる作家でした。 | ||||
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日本オリジナルの短編集。どの作品も着眼点が良く、バラエティに富んでいて面白い。多少は中国の文化を背景にした作品もあり、日本人読者は、完全に理解できないものもあるだろう。そこは気にせずに、底に流れる人として共感できる事物を楽しむのが良さそうだ。 表題作しかりだが、親子の関係を描いた作品が多い。訳者の好みもあるだろうが、著者としても自分のアイデンティティを表現するために必要な作品だったのかもしれない。世代間宇宙船の作品が多いと感じた。親子の関係を描くのにちょうど良い舞台なのだろうか。 好みの作品は「紙の動物園」「結縄」「文字占い師」といったところ。もちろん他の作品も面白い。 | ||||
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感想はレビュータイトルの通り。 まあ面白い話だ。だが、感涙かというとそれはない。 その理由がなんなのかよくわからないが しいていえば、「説明のくどさ」 かな。 読んでモヤッとするような重さ。 たとえば 「紙の動物園」 不思議なアイデアと構成。 訳者は忠実に訳したと思うが 母親の手紙がくどすぎた。 最後はうらみごとっぽいし。 話をしなくなった息子に悲しんではいるが うらみがましいのである。 「何があっても愛している」といった 無償の愛のメッセージが伝わってくる文末なら よかったかもしれない。 しかし,それを感じなくて素直に感動できる人ならいいと思う。 そのほかの話も面白くはあるが 粘りつくような湿気のような 戦争の怨念みたいな感情を感じてしまった。 史実を織り交ぜた不思議な話は アイデアが面白かったので 読んで損はないが、アジアのSF短編なら 私はテッド・チャンのほうが、 うらみがましくなくて美しい。 凜としていてずっと好きだなと思えた。 | ||||
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幻想的な小説ではあるけど、想像とは随分違いました。 どれも読み始めると一気に読みたくなる展開で面白かった。 アメリカ、中国、台湾、日本などを舞台にした、作者のルーツならではのテーマで展開されます。 西洋人が読んだら異国情緒を感じられてそれだけで惹かれるんじゃないかな。 表題作は結末が予想通りで、泣かせようとするのが、少し鼻につきます。 叙情的なものが好きな人にはきっと良いと思う。 あとがきにもありましたが、「ガラスの動物園」へのオマージュとのこと。 「結縄」などの方がストーリーとしては巧みだと思います。 いずれも、世界情勢を背景にした悲哀に満ちたものなので、好みは分かれるかなと思います。私はそれ自体は嫌いではありませんが、 どれも〝不条理〟〝涙を誘う〟ストーリー展開になっているのが、単一的で残念かな。 ベストセラーですが、中国では翻訳されていないものも多いとか。かの国の闇を感じます。 | ||||
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巻頭の表題作「紙の動物園」は泣けます。わずか19頁の短編小説なのに、ここまで感動するとは。各紙の書評で絶賛されているのも頷けます。 ただ、2話目以降はハヤカワらしいSF色こそ高まるものの、ストーリー内容やエンタメ色はちょっと薄目に。うーん、100頁ちょっとで挫折。 | ||||
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何と言っても「紙の動物園」が素晴らしい。SF・ファンタジー系でこんなに感動したのは、(短編の)「アルジャーノンに花束を」以来かもしれない。動く折り紙「老虎」のイメージが鮮烈である。残酷で理不尽な世界に気づき、一歩大人になる少女が主人公の「文字占い師」もよい。 難民申請(「月へ」)、腸内細菌叢の働き(「心智五行」)、AI(愛のアルゴリズム)など、現代的なテーマを料理する技も見事である。「太平洋横断海底トンネル小史」「文字占い師」などは現代史をまったく知らないと分かりにくいかもしれない。 | ||||
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このところ読んでいた本がどれもつまらなくて 昨年から気にかかっていた作品に手を手に取りました 読み進めるうちに これは生涯の宝物になるのではないかという予感を感じ 読み終えてそれは確信に変わりました 作者は幼いころに中国からアメリカにわたって大人になり 創作に行き詰ったとき 見知らぬ母国の人たちとネットで交流を深め 壁を打ち破ったのだそうです それは自己を確立するための旅だったのでしょう そうした生い立ちを持つ作者にしか書けない物語になっています 異なる文明が出会うことによって招かれる悲劇が 暖かい視点で紡がれています 中学生のころ ブラッドベリの「火星年代記」に出会ったときの あの衝撃を思い出しました それにしても ケン・リュウといいテッド・チャンといい 中国系作家の勢いは本当にすごい 次の作品集が楽しみです | ||||
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詩情に富んだ文学の香り高い短編集。 そこに縫い込められたアジア的な情趣は、エキゾチックな神秘性を伴って英米人の憧れと郷愁を誘ったのだろう。 しかしどれだけ雰囲気が良かろうとも、屋台骨となるプロットが凡庸そのものなのは、いかがなものか。 短編集なんだから、やっぱりワンアイデアで魅せる驚きがあってしかるべき。そこに魅力がないというのであっては、どうにも食い足らなく、この読後感は、えらいおシャレなレストランで前菜や副菜みたいな料理ばかり食べさせられて、けっきょく食べ応えのあるものにありつけなかったモヤモヤ感に似ている。 また、SF要素と物語要素があまり融合していないツギハギのような状態なのも据わりが悪いなぁ。せっかくのSFやファンタジーという舞台装置の中で、やっていることがけっきょく古典的な家族ドラマやド直球の社会風刺だっていうんじゃ、そもそもなんのためのSF設定だろうかと首を傾げる。 一例をあげると、表題となっている『紙の動物園』なんて、このプロットに不思議系の要素が介在する必然性ってある?…この作品における不思議要素はせいぜいプロットを飾り立てる「装飾」でしかありえず、仮にそれを抜き去ったところでドラマとしての骨子にはなんの差し障りもない。 が、そうであってはダメだろう、というのが私の意見。もしSF要素なりファンタジー要素なりを作品世界に組み込みたいのであれば、それはプロットと有機的に結びついた不可分な状態に溶け合っているべきじゃないか、っていうふうに思うわけだが、こういう見方をする人は少数派なのかな、うーん。 そんな次第、独特の世界観でいい感じに酔わせてくれる魅力は捨てがたいのだけど、根本の部分で私の良しとする小説の理想像とはかなり隔たりの大きい作品集であった。 | ||||
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SFだけどSFじゃないという読書家の知人の勧めで読み始め その言葉が深く納得できました。 SF小説とジャンル分けしてしまうことによる抵抗感から手に取る人が減ってしまったらもったいないと危惧します。 アジア人の琴線に深く深く触れるこの小説たちが、 アメリカで高く評価されているというのも不思議です。 よいものには国境はないのですね。 ぜひたくさんの人に読んでほしいです。でも人前では注意、どうしてこのひと泣いているんだろうと不審がられるかもしれません。 母の記憶に も合わせておすすめです。 ケン・リュウの世界をもっと知りたいと思っているのは私だけではないはずです。どうかさらにたくさん翻訳されますように。 | ||||
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紙の動物園 空想的でありながら、リアルに感情に訴えかける作品です。 私の妻はベトナム人で、子供が二人います。 妻は日本語が流暢に話せますが、子供たちはベトナム語が話せません。 彼女が母国語で、子供たちと微妙な感情の襞を伝え合えないもどかしさや悲しさを 初めて実感できた気がします。 妻と子供たちの心情、それに自分の母親に対する愛情と苛立ちが絡み合った感情が オーバーラップして、涙が止まりませんでした。 自分の中にもう一つの感覚器官が生まれたようです。 | ||||
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電車で読んでたのだけど、、、途中で涙でてきそうになり、、、、急いでキンドル閉じました。紙の動物園、せつないです。いろいろ私も思い出した。母にも勧めたら、しばらく立ち直れなかったみたい。号泣です。涙は心に良いようなので、最近泣いてない方はぜひ。 | ||||
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表題作」「紙の動物園」の読後・・・ 私自身の経験とオーバーラップして 思い出すたび、涙腺決壊です。 短編の中に、非常に深い人間の「愛」を表現しています。 人の利己的心と、それを凌駕する、 純粋な「愛」の抽出にうなるしかありません。 マスター・ピースです。 | ||||
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心理描写、その情感の豊かさに何より心打たれる。 SFというより聊斎志異以来の伝統を感じる中国的奇想と合理的思考、そして綿々たる情緒が自然に融合した世界は唯一無比。 | ||||
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先に、ペアの「もののあはれ」を読んでこちらも読むことにしました 結果は、久方振りに素直に涙腺を刺激される作品に出会った、です 価値ある1冊だと思います | ||||
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勝手な解釈ですが、日本人的にはとても共感できる、感情移入しやすいストリーです。「紙の動物園」、「もののあはれ」が好きです。 | ||||
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表題作など、何篇かはとても良かったですし才能ある作家だと思います。 それでも全体として、教条主義的というか原理主義的というか(無意識にそうなっている作者なんだろうけど)、清く正しい感じが目立ちます。 アメリカでマイノリティー人種のアジア系エリートの作者は立派な人、良き家庭人、正しい社会人であるに違いない。知性が高くて、優しくていい人だろう。それだけに、エリート故の精神の根底が強い社会適応性とか保守的な家族観にガッチリ固められていて、親から子供へ未来をつなぐ的な執着心は特に強く、人類の社会の持続可能性(サスティナビリティ)を信じたい...という執念が書かせた物語が散見される。 道徳的に正しいのだがそこが、読んでいて肩が凝るというか、この作者は精神的に大丈夫なのか...ちょっと不安になる部分でした。 ウイリアムSバロウズや、PKディックなどのドロップアウトデカダンス文系SFで育った自分には、この作者の建設的で窮屈なところに正直ストレス溜まりました。後半は読み進められず、途中で放り出してしまった 汗。この作家が売れるというところに現代の抑圧的な社会の雰囲気が集約されているのではないかなと感じます。 | ||||
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失った後にその大切さに気づく。 まさに人生における真理、その喪失感のようなものが各作品に共通して感じられます。 「結縄」「心智五行」のような、あっと言わされるようなSF的アイデア作品もありますが、全体としてSF度は高くなく、本書ラストを飾る「文字占い師」などはもの悲しくも歴史に真摯に向き合った普通小説で、どの作品も時間をおいてもう一度読み返したくなる、後を引く作品たちです。 文庫化にあたって二冊に分冊して出版されましたが、後半部分の「もののあはれ」収録作品も同じようなもの悲しさも感じさせる良質な短編がそろっていますが、「もののあはれ」収録作品の方がよりSF度が高い印象です。 | ||||
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子供時代の想像力の豊穣さに眩暈がするほど美しい物語。感受性ゆえに傷付く子供の気持も己のことの様にわかります。アジア人を蔑視する白人たち、また日本人が主人公の物語などもあり日本人には特に読みやすいのでは。 | ||||
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自分好みの作品でもあるようだし、又吉の推薦文も期待させるし、文庫化になるのを待ちわびてたので読むのを楽しみにしてました。 で、自分の印象としては・。確かに話としては、どれもそつがないけれど、正直なところ期待したほどのものではなく多少残念な印象です。もちろん、先にも言ったように「結縄」や「文字占い師」などは確かに自分の好みとしてはおもしろかったけれど、本の表題になっている「紙の動物園」とか、確かにイイ話には違いないのだろうけど、そんなに各国で賞をもらうほどのものかいな?と思ってしまう。 これってそんなに(いい話には違いないが)ハッとする話か?? それにこれをSFとして読むと、(自分も含め)少なからずの人は、ちょっと違うかな、とは思わなっかたのかな?? 何度もいうけど、話しとしては「それなりに」おもしろいし、情緒的だし、欧米人(失礼)が好みそうな東洋的マジェスティックな気配もあって、たしかに海外では受けるのかなと思うのだが、「読んでるあいだ幸せ」になるような、あるいは読んだ後もしびれるような余韻があったかというと(感性が鈍磨したかもしれない)自分には、残念ながらありませんでした。 ただ、文書は非常に淀みなく読みやすく、翻訳ものにありがちなまわりくどさや不適切な言い回しなどは全くないように思われ、日本人が書いているかと思わせるほどの簡潔さとリズムを感じました。このへんは翻訳者の力量もあるんでしょうね。 う~ん、やっぱりこれだけでは、別にSFということもなくて、うまくいえないけどいわゆるブンガクをやっている作家が、SFという舞台装置を使ってウィットな物語を書いたとう感じがするんだけどなあ・・ つぎの「もののあわれ」という作品集を読んでから、印象がどうなるのか・・ま。自分でも(今度は別の意味で)期待したいです。 | ||||
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