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無関係な死・時の崖
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無関係な死・時の崖の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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内容は有名なので、問題ないし、好きな人は好きだと思うよ。 | ||||
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課題のためにと買った本。怖かった。 | ||||
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綺麗な状態です | ||||
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数十年ぶりに読み返しました。 昭和30年代に発表された短編集ですが、追うものと追われるものの逆転、飼育するものと飼育されるものとの逆転、トポロジカルな空間の歪みなど、一筋縄ではいきません。 論理関係がしっかりし、起承転結が明確な小説を読みなれている人には読みにくいと思いますし、私も初めはそうでした。 しかし、安部ワールドに引き込まれると抜け出せない嗜癖性があります。 | ||||
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『時の崖』冒頭の牛乳のくだり(レビュータイトルで抜粋した部分)を初めて読んだときの衝撃は大きく、それから数十年ぶりに再読した今も、やっぱり阿部公房すごいや、と感心しきりです。 本書に収録された短編の数々、いずれも独創的な作品で印象深いのですが、どこか共通する雰囲気を持っています。 「ここをこうして、あそこをこうして、という、その精神、規則をみつけだそうとする、その発明の精神こそ、人間らしい夢というものだ」「生活が筋のある物語に変わってしまうことの不幸」といったものを、主人公に自問自答させ、自身で自分を追い込ませていく。 ブラックなユーモア精神をさえ感じさせる文体で、不条理な物語もぐいぐい読ませる。 本書の短編は、『夢の兵士』『誘惑者』『家』『使者』『透視図法』『賭』『なわ』『無関係な死』『人魚伝』『時の崖』の10編で、昭和32年~39年(1957~64年)に発表されたもの。これが年代順に収録されています。。 阿部公房の最高傑作は『砂の女』(1962年)だと思っているのですが、その当時の短編もなかなか良いですね。 | ||||
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短編が好きで、初めて此方の著者の本を購入したが、読んでいて非常に疲れる。つまらない。駄作。 | ||||
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人魚伝のクオリティがとにかく高すぎて素晴らしいく感動して記録。この作品だけで星5は余裕。 元々『無関係な死』が気になって購入しましたが他の方もレビューされている通り、これを読んでしまうと暫く他のホラー小説の味気が薄まるほどの完成度。 幻想小説らしさもありながらリアリティも高くバランスが非常に良い。 短編ですし、特別グロテスクな描写もありませんのでホラーやサスペンスを普段あまり読まない方にも是非読んで欲しいです。 | ||||
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昭和30年代に書かれた10の短編からなる。 どれも読んでいて不安な気持ちにさせるし、常にイライラしながら読むことになる話が続く。 「癒される」とか「ほっこりする」とかいう感じとは対極にある。 なお、作品中にある「今日の観点からみると差別的表現ととられかねない箇所」をそのままにしておくのはいいとしても、巻末の解説については差し替えていってもいいのではないだろうか。 | ||||
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安部公房は長編を読むべきだと思います。 | ||||
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久しぶりに安部公房の作品に触れたのですが、短編にもこんな傑作があったことに驚かされました。 全編が悪夢そのものの印象に満ちていて、逆説的にもの凄いリアリティのある悪夢のスライドショーを否応なしに見せられているかのようです。特に私には「家」が印象に残ったので、むしろ「無関係な死」も「時の崖」も物足りない気がしたくらいです。とにかくこんなに恐ろしい話を読んだのは初めてだと思うくらいです。正常と異常の境目が、この小説家特有の粘着力のある説得性によってふやけてしまってくる感じです。 何か作者自身が、無茶振りの設定を自分に課して、どこまで形にできるかを楽しんでいるかのようです。その雰囲気が濃厚なのが「賭」や「使者」で、読んでいるうちに自分も気が変になりそうな気がするとともに、ある種とことん念入りに捏ねられた屁理屈の冴え(まあ、それはほとんど病的な妄想の一歩手前まで来てますが)に思わず苦笑させられます。 皆さんお勧めの「人魚伝」も、実に面白いものでした。ここでは作者の理知的な部分が光って、ロマンチックな期待に冷水を浴びせられる感覚ですが、それがまた素晴らしいです。 また意外に躁然とした饒舌体もこの作家の魅力であり、まだ読んでない戯曲作品も読みたくなってきました。 | ||||
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何だかよくわからないままに、何が起きているのかを知りたくて話の筋を夢中になって追いかけ、 ようやく捉えかけたかと思ってほっとしていると反対側にいた、そんな話が多かったです。 読み終えるごとに余韻に浸りながら、あれはどういうことだろうかと考えてしまう読書体験は、 自分のなかで得心が行くと強烈な記憶に残ります。 純文学を基盤としてホラー・SF・ミステリ・哲学をごちゃ混ぜにし、 表現するために扱う言葉の知識量に圧倒されます。 読みやすいものもあれば、つまずくように読みにくくもなったり、文体の変化も楽しめました。 安部公房でこれが一番かと言われればそうではないですが、おすすめしやすい短篇集です。 | ||||
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1957年から64年にかけての作品を十篇収録している。追い詰められた人間が逃れようとあがく話が多い。 嫌な感じの緊迫感に魅了される。 日本文学には、平穏に生活しながら勝手に悩むような小説が多いが、安部公房は正反対だ。だから好きだ。 気に入った作品は、 『夢の兵士』脱走兵が故郷の村に隠れているらしい。結末のあっさりした残酷さに息を飲む。 『誘惑者』始発を待つ田舎の駅で奇妙なドラマが繰り広げられる。 『家』先祖が死なずに家にいついていたら。そりゃ厭に違いない。 『無関係な死』目が覚めたら知らない男が隣で死んでいた。主人公は死体を抱えて右往左往する羽目になる。 悪趣味なユーモアがみなぎる佳作だ。 『人魚伝』人魚を捕獲した。肉食の彼女のために、毎日餌を用意しなければならない。 萌え漫画の冒頭のような発端だが、展開はまるで異なる。当たり前か。 『時の崖』試合に臨むボクサーの主観をコマ送りのように描く。本書の白眉だ。 傑作率の高い作品集である。 | ||||
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1967年刊行の安部公房の短編集。 無関係な死・・・家に帰ると玄関に見知らぬ死体がある。通報すると犯人だと疑われかねない。こうなったら同じアパートの別の部屋に死体を持ち込むしかない(アパートのセキュリティはたいしたことない)。ところが死体の血痕が部屋に残ってしまって慌てる。仕方なく死体をいったん隠す。なんとか血痕のついた薄縁の糸を処分して、漂白剤で床掃除をして証拠隠滅。血痕を除去したあと、実は、この血痕は死体が運び込まれたものであることを証拠立ててくれたかもしれなかったと気づく。そうなると、漂泊された床はいかにも怪しい。そんな「見知らぬ死体」に追い詰められていく悲喜劇。 このほか、何代にもわたって先祖が住み着いているのだが、単なる浮浪者なのかもしれないという話「家」、火星人と称する人がいるのだが、偽火星人なのか、もしかしたら本当の火星人なのか判断しかねる話「使者」、など。 | ||||
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他のレビューにもあるように、なんと言っても残酷な童話「人魚伝」が秀逸で、これを読むためにだけでも購入する価値があります。他にも、優れた短編がたくさん入っています。 | ||||
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やっぱり他の方も書いてますね。なんといっても「人魚伝」。 「時の崖」なんて駄作も入ってますが「人魚伝」ですべて帳消し。安部の短編のひとつの到達点です。 偶然見つけた人魚を自宅で飼うことになったひとりの男。他人には理解されない秘密の蜜月だったが、ある日男は破滅につながるあることに気付いてしまう…。 ここには直接的な性描写はひとつもありません。けれどそれよりもエロい、背徳的な行為に背筋がぞくぞくする。涙をなめとるんだぜ?それがこんなにドキドキさせるなんて! SF/ミステリ的な要素も多分にあり、ぐいぐい引き込まれる。ホラーの味を強く感じる方もいるようだが、だってエロスとタナトスだもの(と言ってしまえば陳腐ではあるが)。つまりはまあ、そんなお話。 滅多に自分のことを語らない安部だが、ここには彼の嗜好の吐露ともいうべきものが濃厚にただよっている。 ニンフェットあるいはロリータ。支配と被支配が容易に逆転する隷属関係。色覚のエロティシズム。緑色。緑色。なにはなくとも緑色! ところで表題にもなった「無関係な死」は、SF/ホラー作家レイ・ブラッドベリの初期ミステリ短編に同じ着想のものがありますね。「鉢の底の果物」だったかな?オムニバス『EQMMアンソロジー』(1962年、早川書房)に入ってます。偶然でしょうけど。 | ||||
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醒めない悪夢に閉じ込められた様な世界観を描かせたら、 天下一品の作家です。 特にお勧めは「人魚伝」。小説というより一遍の詩で、 何度も読み返して陶酔したくなります。 甘美な話ではないけど・・・ こんなに濃密な物語に出会えたことに感謝。 「人魚伝」は素晴らしいと思ってたら、 他の方も同じことを言ってますね。やっぱり。 | ||||
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とかく抽象的で難解な作品を書くと言うイメージがある作者が、人間心理の機微を具体的に描いた短編集。物語の進行に連れて増して行く作品の緊張感と登場人物の"不安"が読む者に乗り移り、その極限において現実世界の恐怖、哄笑、機知、悲哀等に転化される手腕は見事と言える。個人的には、鬼才F.ブラウン「まっ白な嘘」に文学的滋味を加えたような印象を受けた。 幻想味と哀切感が交錯する「夢の兵士」。まさに、F.ブラウンを思わせる奇妙な味の「誘惑者」。人間の曖昧性を描きながらも、ひたすら怖い「家」。「女か虎か」を哄笑談にしたような「使者」。「透視図鑑」は三つの小品から成り、監獄のような木賃宿を舞台にして人間の夢、孤独、欺瞞、矜持などを様々なタッチで綴ったもの。「賭」は謎が次第に膨らむ奇抜なホラ話を軽口体で綴りながら、金・能率・メディアと言ったものに支配されている現代社会を風刺したもの。「なわ」は身近な日常における恐怖がジワジワと染み渡る佳作。タイトル作「無関係な死」は本作の主旋律を奏でるもので、帰宅したアパートの自室に"無関係な死体"が転がっていた現実に向き合った主人公の狼狽、空虚な論理、妄想、機械的動作、策略、絶望などを描き、自縄自縛の中、迷路に陥る主人公の様をアイロニカルに映し出した秀作。「人魚伝」は冒頭から主人公の青年が物語の登場人物である事を意識している事を披瀝して驚かせるが、題名から人魚と青年との恋物語と思っていると...。ここまでの怪異譚になるとは。落ち目のボクサーに託して、人間における時間の連続性の問題を描いた「時の崖」。 バラエティに富んだ親しみ易い題材を用いながら、時にはユーモアと諧謔も交え、人間心理と社会問題を鋭く抉った傑作短編集。 | ||||
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安部氏のものでは読みやすいのではないかという短編集。表題作でもある無関係な死の場面は主人公の部屋のみです。そこに横たわる見覚えのない死体をどうするか、その状況をどう回避するか、についての主人公の内面の葛藤がごく論理的に描かれています。自分に落ち度はないのだから正直に行動すればよいところを、どうにかその状況と無関係になりたいがためにどつぼに嵌まっていく人間の滑稽さを絶妙に表しています。物事を証明することの難しさ、そして物事の真相の見えにくさ、を実感させられる小説です。 | ||||
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この短編集は安部公房が一番脂が乗っていたときに書かれた作品が中心になっている。であるから、無視していい作品は一つもない。特に注目すべきは『人魚伝」である。この作品はおそらく安部公房のキャリアにおける最高傑作のひとつではないだろうか? 短編なので注目されてはいないだろうが、作品のクオリティに関しては『砂の女』や『燃えつきた地図』のレベルに位置している。ホラー小説としても充分通用するし(というか、この作品を読んでしまうと大半のホラー小説がまがい物に見えてくる)、残酷な童話としても通用する。 しかし、安部公房といい三島由紀夫といい、あとほぼ同年代の遠藤周作もそうなんだけど、この世代は凄いな。曲者の実力者ばかりで今じゃ考えられませんねぇ。 | ||||
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実験的、夢幻的な手法が巧妙な安部公房氏の作品群です 全く身に覚えのない他人の死体が部屋に置き去りにされていて 主人公が四苦八苦するという『無関係な死』などの短編作品が 収められていますが、 一番お勧めなのは『人魚伝』主人が緑の人魚をみつけ好きになってしまう ことから話が展開します。 彼の好きになった人魚の食料は・・・・!! その奇抜なストーリー展開な読むものを圧倒させます | ||||
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