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無関係な死・時の崖
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無関係な死・時の崖の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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昭和30年代に書かれた10の短編からなる。 どれも読んでいて不安な気持ちにさせるし、常にイライラしながら読むことになる話が続く。 「癒される」とか「ほっこりする」とかいう感じとは対極にある。 なお、作品中にある「今日の観点からみると差別的表現ととられかねない箇所」をそのままにしておくのはいいとしても、巻末の解説については差し替えていってもいいのではないだろうか。 | ||||
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安部公房は長編を読むべきだと思います。 | ||||
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1967年刊行の安部公房の短編集。 無関係な死・・・家に帰ると玄関に見知らぬ死体がある。通報すると犯人だと疑われかねない。こうなったら同じアパートの別の部屋に死体を持ち込むしかない(アパートのセキュリティはたいしたことない)。ところが死体の血痕が部屋に残ってしまって慌てる。仕方なく死体をいったん隠す。なんとか血痕のついた薄縁の糸を処分して、漂白剤で床掃除をして証拠隠滅。血痕を除去したあと、実は、この血痕は死体が運び込まれたものであることを証拠立ててくれたかもしれなかったと気づく。そうなると、漂泊された床はいかにも怪しい。そんな「見知らぬ死体」に追い詰められていく悲喜劇。 このほか、何代にもわたって先祖が住み着いているのだが、単なる浮浪者なのかもしれないという話「家」、火星人と称する人がいるのだが、偽火星人なのか、もしかしたら本当の火星人なのか判断しかねる話「使者」、など。 | ||||
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やっぱり他の方も書いてますね。なんといっても「人魚伝」。 「時の崖」なんて駄作も入ってますが「人魚伝」ですべて帳消し。安部の短編のひとつの到達点です。 偶然見つけた人魚を自宅で飼うことになったひとりの男。他人には理解されない秘密の蜜月だったが、ある日男は破滅につながるあることに気付いてしまう…。 ここには直接的な性描写はひとつもありません。けれどそれよりもエロい、背徳的な行為に背筋がぞくぞくする。涙をなめとるんだぜ?それがこんなにドキドキさせるなんて! SF/ミステリ的な要素も多分にあり、ぐいぐい引き込まれる。ホラーの味を強く感じる方もいるようだが、だってエロスとタナトスだもの(と言ってしまえば陳腐ではあるが)。つまりはまあ、そんなお話。 滅多に自分のことを語らない安部だが、ここには彼の嗜好の吐露ともいうべきものが濃厚にただよっている。 ニンフェットあるいはロリータ。支配と被支配が容易に逆転する隷属関係。色覚のエロティシズム。緑色。緑色。なにはなくとも緑色! ところで表題にもなった「無関係な死」は、SF/ホラー作家レイ・ブラッドベリの初期ミステリ短編に同じ着想のものがありますね。「鉢の底の果物」だったかな?オムニバス『EQMMアンソロジー』(1962年、早川書房)に入ってます。偶然でしょうけど。 | ||||
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