■スポンサードリンク
蜜蜂と遠雷
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
蜜蜂と遠雷の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.01pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全530件 141~160 8/27ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ピアノやクラシック音楽は全くわからないのですがうまく説明されていてなんとなくわかりました。 本を読んだ後クラシックピアノに興味が出てYouTubeでいろんな曲を聞いちゃいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
久々に一気読みしました。出てくる楽曲を聴きながら、読み返したいな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ピアノの演奏をここまでテキスト化して、世界観を表現している作品に感動しました。(一部又吉さんの発言をお借りしています) 他人の人生と経験と感覚を経験させてくれたこの作品は、私にとって貴重でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
コンクールの緊張感がずっと続き、息つく間もない。ピアノに人生を捧げてきた参加者が無残にふるい落とされる残酷な現実をこれでもかと描く。 音楽家が人生を捧げ、気の遠くなるような時間をひたすら練習することでようやく発揮できるすばらしいパフォーマンスに我々は感動する。 プロの作家も同じように気の遠くなる時間をかけて文章を磨き上げてきたはずだ。 著者はこの作品を書くのに10年の歳月をかけたとネットで読んだ。作品に込められた「熱量」からさもありなんと思う。推敲に推敲を重ねた文章なのだろう。 すばらしい作品でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
はじめてこの小説に出会ったときは、本屋に平積みされたハードカバーでした。 一目でタイトルと表紙に惹かれ、あらすじに惹かれ、文庫になったら買おうと決めていました。 次に出会ったとき、いつの間にか文庫になった本が、やはり本屋で平積みをされていました。 約束の時が来たことにワクワクしながら、私は今控えている試験が終わったら買おうと決めました。 そういうことを何度か繰り返しました。なんと三年近くの年数。 結局のところ、私はあまり読書家な人間ではないのです。 一度夢中になれば次の日仕事だろうが徹夜して読んでしまうようなところはありますが、あまり難しい話だと入り込めなかったり、選ぶのはサスペンスかファンタジーばかり。本を読むのが好きだと思いながらも選り好みしてしまうし、趣味が読書というにはちょっとはばかってしまう。 今回も、ようやく買おう!と決意したくせに、レビューを覗く。自分でも「美味しいものだけいただこうとするんじゃないよ」というい気持ちになります。 レビューをみてみると、星の数は高いのに、上位にあるコメントには不安な気持ちにさせられました。低い評価でも「このレビューが役立った」人数もすごく沢山。 私はこの本を楽しめるんだろうか。読んでから決めればいいのに、それが不安なのです。最近何を買う・レンタルするにしても自分の選択が正しいのかどうかを気にしてしまう、アタリだけを求めてしまう。 特に今回は、実のところ恩田陸の作品が苦手だったのもあります。まぁ、私が中学生くらい、遠い昔の話です。 けれど、一目ぼれの本なのです。根拠のない直感というのは、どうしてかとんでもない誘惑をもっています。 それにずっと続けていたピアノの話、自分の人生に深く関わったものがテーマになっている。 第一恩田陸をたいして読んでもないのに苦手も何もないじゃないかよ、「ねじの回転」(恩田陸の作品)はものすごく面白かったんだろう?えぇ?(姉の勧めで読んだんですがね、物語の最後の収束が最高でしたよ) 第一に、レビューで低い評価だった人は、私の学生時代のように恩田陸の読書に向いてなかっただけ。そう自分を慰めました。振り返ってみれば、もうこの時点でだいぶ読みたいんですよね。なにをうじうじしていたんだか。 結局、思い切って書籍を購入するに至りました。それからはもう、ちょろいものです。 面白かった。とまらなくなった。一日で上下巻すべて読んだ。 天才が登場した導入部分で、これからすごいことが起こるぞという期待感。スポットライトが当たる人が複数いて、その人たちの情熱や事情が重なって、物語が大きな螺旋を書くように段々と収束していく。 巻貝をフィボナッチ数列という海辺のシーンがあるんですけど、まさにこの小説も同じだなぁと思いました。 (逆なのかな、螺旋を描くように物語が大きくなっていくのかな、どっちだろう) とにかく蜜蜂と遠雷、あまりにも面白くて、そして今回初キンドルデビューだったもので、普段は読まない解説まで読み込みました。たぶん読了の勢いです。 編集者の方が書かれているんですが、裏話的な内容で、編集者の方まで文章が面白く読めるって言うのはなかなかに嫉妬でした。 ともあれ、読んでよかった。迷っていた自分が馬鹿みたいだった。 やっぱり読んでみないとわからない。読んでみたら犯人が宇宙生物っていう話だって過去にはあったし……(ミステリーってなかなか新鮮な気持ちにさせられるジャンルです。たぶん私の伏線の広い方が悪かったんだろうけど、子供心にはショックをうけたものですよ) あとは電子書籍で買ってしまったので家族友人にどう布教するか。文庫を買うか、否か。またしても最初の悩みを抱えてしまいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
コンクールの第二次予選から本選まで。 風間塵の亡き師匠が仕掛けた「爆弾」とは、風間塵の演奏を触媒に才能を秘めた天才を弾けさせることにあったことが明かされます。 音楽を連れ出すという師匠に与えられた命題に向かうために生け花の先生に教えを乞い、「生け花は殺生をして植物が生きているように見せかけることだ」と風間塵が矛盾を突く場面には芸術家の鋭い感性を、「自分を音楽の世界に引き戻してほしい」と亜夜が風間塵を心の底で求める場面には天才同士の共鳴を見るようでした。 コンクールの順位は穏当なもので四人の明るい未来を予感させる終わり方だったのも良かった。音楽に素養がなくても読者を引きつける描写は圧巻の一言。風間塵の演奏に「根こそぎ持っていかれる。遭難するぞ」と審査員に語らせる表現が印象的でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
素晴らし作品 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画の宣伝を見て面白そうと購入しました。文体が自然・きれいなのと演奏状況と演奏者の心理が畳みかけるような筆致で描写されて、とても面白かったです。CDも買ってしまいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一握りの天才と大多数の凡人… 等しく与えられた音を楽しむ権利や、楽しみ方が多彩な視点から楽しめて、久しぶりに夢中で読んでしまいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
上巻は結構時間かかりましたが、下巻はあっという間に読んじゃいました | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
さて、ご存じ、 ・史上初の本屋大賞と直木賞のW受賞 ・史上初の同一作家による2回目の本屋大賞 ・今年10月の映画化 という話題の作品の下巻です 下巻は、2次予選の途中から始まります で、その結果、本作の中心であった4人のピアニストのうち、1人は脱落しています ところが、上巻では、「誰が、勝つのだろう」ということに注目が集まったのですが、ピアノ演奏の描写・人間関係の描写等の素晴らしさで、勝敗は気にならなくなってきます 実際、コンクールの勝敗は、単行本化されて、ようやく巻末に、1Pついただけで、連載中は明らかにされませんでした さて、どうして、こんな作品が書けたのか。「著者ももしかしてピアニストを目指していたの?」と思ったのですが、後書きを読むと、本作の参考となったピアノコンクールに4回、10年間も通って、ピアニストの情景を観察したそうです うーん、作家というのは、取材対象にのめりこむとすごいですね ということで、上巻までの読み方と変わるかもしれませんが、4人のピアニストの演奏の描写を中心に、非常に読み応えのある作品でした 実際に、4人が何の曲を演奏したかが記載されているのですが、それらの楽曲を聞いてみたくなった作品でもあります | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2005年「夜のピクニック」で本屋大賞を取った著者による、2作目の「本屋大賞」受賞作品(2017年)で、今年、映画化もされた作品です さて、本書の舞台は、近年その覇者が音楽界の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール そこで、優勝争いをする4人を中心に、コンクールの実態、審査員らスタッフの葛藤・・・を描いた作品です といっても、やはり、中心は、以下の4名のてピアニストの心の動き ・自宅に楽器を持たない天才少年で、その独創性で、審査員の評価も分かれる風間塵16歳 ・かつて天才少女としてデビューしながら、突然の母の死以来、弾けなくなった栄伝亜夜20歳 ・楽器店勤務のサラリーマンながら、その人生経験を活かしたピアノを弾く高島明石28歳 ・完璧な技術と音楽性を持つ、一点の曇りもないといってよいマサル19歳 コンクールは、第一次予選・第二次予選・第三次予選・本選と進み、そのたびに、人数が減っていくのですが、上巻では、第二次予選の途中までが描かれます 上巻を読んで思うのは、 ・天才といわれながら、審査員受けする天才と、評価が真っ二つに分かれ、審査員自体も、その評価に苦悩する天才がいること ・早々と、プロの音楽家の道をあきらめ、サラリーマンに進んだ人間でも、その人間性で、味のあるピアノを弾き、予選を勝ち進む様子 等 「コンクール」「音楽会」の状況がよくわかる作品となっていたのが印象的です また、「本屋大賞」は若い作家が獲得することが多く、「内容」は斬新でも、「文体」が粗削りな作品も多いのですが、著者は2回目の獲得だけに、文体もこなれていて、思わず、彼らが引く曲を聴きたくなります また、本屋大賞と直木賞を、初めてW受賞した作品であることも付け加えておきます | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
はっきり言って、出だしはやや緩慢。 ただコンペティションに向けて加速していく中盤以降は、一気に緊張感が高まっていく。 後は誰に感情移入するかで、評価の分かれるところか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
(注)このレビューは上巻・下巻共通です。 私は平成期の小説なんてほとんど読まない。恩田陸の小説だって『夜のピクニック』しか読んだことはない。それにもかかわらず、平成時代を代表する文学は『夜のピクニック』だと信じている。あきらかに偏見である。でもそう断定することで平成時代をこころ静かに終えることができると思っていた。ところが平成の最後の辺りでこの『蜜蜂と遠雷』が出てきた。しかも評判がすこぶる良い。直木賞と本屋大賞のダブル受賞も受けた。私のなかで、平成を代表する小説をこの本にすげかえないといけないのだろうかという疑問がわいた。この長編小説を手に取った理由である。 人間には3種類あると思う。音楽で飯を食うひと、美術で飯を食うひと、それ以外の普通の人の3種類。前者ふたつとそれ以外の違いは「神に愛されている」あるいは「神のかたわら近くに仕える選ばれた」人かどうか。この本のテーマは音楽。文章を綴ってひとをだまくらかす小説家恩田陸は普通の人に属す。この普通の人が、神の領域である音楽をいかに描くかがこの小説の肝。主人公たちは4人の若い天才ピアニスト。恩田陸はキャラクターを創造しない。道端で発見し、拾ってくる。おそらくアイルランドかどこかの草深い草原のなかで見つけている。一度見つけると彼らは勝手に動き出し、物語を紡ぎ出す。それをじっと観察し詳細に書き記す。これが恩田陸の商売である。まあイタコさんみたいなものかもしれない。 ヒロイン栄伝亜矢。挫折したもと天才少女。物語の最期の方でこう吐露している。 ・・あたしは戻ってきた。帰ってきた。ここ数年の道草と迷子を経て、 再び歩くべき道に戻ってきたのだ。のんびりした、苔むした脇道ではなく、 前を向いて皆が進む広い幹線道路に。広いけれど、決して楽な道ではない。 競争がはげしく、その遥か先には道なき道が待っていて、誰もが自分で その道を造らなければならない。・・ そうか栄伝亜矢は夜のピクニックの途中で迷子になって、やっと戻ってきた子どもなのか。もしそうならばこの物語は『夜のピクニック』の続編そのものと言ってもよい。吉ケ江国際ピアノコンクールは子どもがおとなに脱皮するときの通過儀礼のようなものだ。やはり平成時代の最高傑作は『夜のピクニック』のままでよいと思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
(注)このレビューは上巻・下巻共通です。 私は平成期の小説なんてほとんど読まない。恩田陸の小説だって『夜のピクニック』しか読んだことはない。それにもかかわらず、平成時代を代表する文学は『夜のピクニック』だと信じている。あきらかに偏見である。でもそう断定することで平成時代をこころ静かに終えることができると思っていた。ところが平成の最後の辺りでこの『蜜蜂と遠雷』が出てきた。しかも評判がすこぶる良い。直木賞と本屋大賞のダブル受賞も受けた。私のなかで、平成を代表する小説をこの本にすげかえないといけないのだろうかという疑問がわいた。この長編小説を手に取った理由である。 人間には3種類あると思う。音楽で飯を食うひと、美術で飯を食うひと、それ以外の普通の人の3種類。前者ふたつとそれ以外の違いは「神に愛されている」あるいは「神のかたわら近くに仕える選ばれた」人かどうか。この本のテーマは音楽。文章を綴ってひとをだまくらかす小説家恩田陸は普通の人に属す。この普通の人が、神の領域である音楽をいかに描くかがこの小説の肝。主人公たちは4人の若い天才ピアニスト。恩田陸はキャラクターを創造しない。道端で発見し、拾ってくる。おそらくアイルランドかどこかの草深い草原のなかで見つけている。一度見つけると彼らは勝手に動き出し、物語を紡ぎ出す。それをじっと観察し詳細に書き記す。これが恩田陸の商売である。まあイタコさんみたいなものかもしれない。 ヒロイン栄伝亜矢。挫折したもと天才少女。物語の最期の方でこう吐露している。 ・・あたしは戻ってきた。帰ってきた。ここ数年の道草と迷子を経て、 再び歩くべき道に戻ってきたのだ。のんびりした、苔むした脇道ではなく、 前を向いて皆が進む広い幹線道路に。広いけれど、決して楽な道ではない。 競争がはげしく、その遥か先には道なき道が待っていて、誰もが自分で その道を造らなければならない。・・ そうか栄伝亜矢は夜のピクニックの途中で迷子になって、やっと戻ってきた子どもなのか。もしそうならばこの物語は『夜のピクニック』の続編そのものと言ってもよい。吉ケ江国際ピアノコンクールは子どもがおとなに脱皮するときの通過儀礼のようなものだ。やはり平成時代の最高傑作は『夜のピクニック』のままでよいと思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
面白いです | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
面白いです | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
音楽が主人公、の世界を、文章で表現する。 言葉を駆使して、音の世界を、そのあふれでるきらめきを再構築。 その音色を知らない読み手に、言葉をもって音楽の魅力を伝えようとする、意欲的な作品だと感じます。 たしかに、文学として次元の高い作品かと問われれば、芥川賞をもらうような純文学とは違いますね。 ご都合主義的な結末、展開でもあります。 その上、マサルや天才少年の描き方が、少々マンガチックで類型的かな、と。 人物造形の点で、マサル、塵という若い男の子の場合、なぜかツッコミや掘り下げが浅くて、漫画やゲームのキャラみたいなんですよね。 (ゲームをやったことがないので、よくわからないんですが。多分、で書いてしまって、ゴメンナサイ。) 本書をうすっぺらいと評するレビュワーは、おそらくそのあたりの事を言っているのでしょう。 あまり文学的とはいえない、わりと大雑把な表現が、3回もあったのは、素人の私も気になりました。 しかしながら。 ーしかしながら、5つ星評価にさせて頂きたいです。 音楽や演奏、という、言葉と異なる芸術の素晴らしさ、その宇宙の果てなさ、美しさを、ナントか読者に伝えたい~そんな作者の気合いが、感じられるからです。 そして、読んでいて、とてもリズミカルに楽しいから。 ー誰も、死なない。 メインが愛だの恋だの閉塞的な個人空間でもなく、性交渉もなし。 汚い乱暴な言葉で罵り合う場面もない。 登場人物がかかえる、特殊な闇の話でもない。 「ピアノコンクールって、こんな世界なのか。」って、純粋に興味深く、どんどん読み進めていけます。 ピアノコンクールに物語の舞台を設定した時点で~このお話の主人公は、まさにコンクールそのものといってもいいくらいなんだけど~、小説は7割がた成功したといっても、いいくらい? それくらい、文字で表現する小説のテーマとしては、斬新。 同時に、一般読者が興味や共感を抱く、日常的でありながら、かなり専門的な世界の物語なのです。 くわえて、言葉や文字で、演奏や音の素晴らしさを、読み手に感じさせるというのは、その魅力を伝えるというのは、さぞや勇気のいる作業だったでしょう。 だから、大衆小説ではあっても、本屋大賞や直木賞受賞にふさわしい、<志の高い>小説でもあると思いました。 こんな挑戦の姿勢に、まずは脱帽です。 それを可能にした、クラシック音楽に対する造詣の深さ。知識の豊富さ。 ここではピアノ曲ですが、きっとクラシック全般に、強い愛情をお持ちなのでしょう。 たくさんのピアノ曲が紹介され、その選び方にも、弾き方にも、弾き手それぞれの個性や狙い、熱い想い、時には計算があることを、教えてくれます。 でも、つまるところ、読み終わって、一番強く感じるのは、恩田陸という作家さんの、クラシック音楽への深い思い、愛。 そうなんです。もう、それ以外にない。 だからこそ、この小説は、どこか詩のような純粋さを感じさせるのでしょう。 下巻の最後の、海辺のシーンが、その象徴。 あのシーンを書きたいと、最初から作者は願っていたに相違ないのです。 高校生の、普段本を読まない娘と本屋に行き、娘がみずから「これにする!」と手に取った本書。 k-popとジャニーズに夢中の、クラッシックとは縁のない、ピアノを習ったこともない娘ですが。 「やっぱり、面白かった。この本を選んで、正解だった。」とご満悦。 興味を惹かれ、私も読ませてもらったのですが、ウソのようにいつもの老眼がころっと治り、難渋することなくスラスラ読みとおせました。 作者の音楽への愛が、詩のように満ちていたせい? はたまた、音符のように駆け抜けていたせい? とにもかくにも、コンクールでの出場者たちのピアノ、 音楽演奏のナマのいきづかいをつづろう、読み手にリアルに想像させよう、というのは。。。。。画期的。 実際にはない、架空の曲まで、リアルに体感させようとするのですからね。 音楽だけでなく、演奏する出場者、音楽家たちへの愛情と敬意も、なみなみならない。 その一方で、音楽家ではない作家が、 「音楽を狭い世界に閉じ込めて、一部の専門家だけのものにしないで!」という想いも、伝わってくる(それがテーマだものね。風間塵に託した。。。)のです。 そういう投げかけができる、という事自体、本当に愛情あって、実情にも通じている方なんだなぁ、と。 クラシックはとにかく眠くなる親子にすら、この物語は、作品中のピアノ曲を登場順に入れたCDを、発売してほしい、という気持ちにさせてくれました。 最初に言ったように、マンガチックというかファンタジーといいますか、おとぎ話のように感じさせる内容ではあるのです。 それでも、作家という言葉を使う職業の作者が、ピアノコンクールを通じて、クラシック世界の魅力や演奏の奥深さ、を伝えたいという愛情があふれていて、それが読み手にも伝わってくる。 つられて、こっちもピアノ曲を聴きたくなってしまう。 それが、何とも気持ちの良い小説、です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自然に涙がぼろぼろでてきたのは久しぶりです、上下ありましたが読むのは辛くありませんでした。 コンクールいってみようかな | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文芸小説という説得力ではあるけれどキャラクターも立っていてライトノベルのような読みやすさわかりやすい最終結果の物語でした。 こんなに曲数もあるし同じ曲を奏でる人数も多いのによく音楽をここまで文字で表現出来るなと感心しましたがトップレビューにあるSF小説…という感想に大いに納得するくらい途中食傷気味に集中が逸れてしまいました。実は作者さんの著作苦手意識を持っていたにも関わらず久々に読んでなんだか思い出しました。 4人分け隔てなく俯瞰して読むと結果は正統派王道かつまらんと思うような気もするし、かといって亜夜を主演に据えて完全なる少女漫画的ラストで終わってもつまらんですよね…わかっちゃいるけどさ 描き方や美しさでいうと納得しなくちゃならんですが本音は全ての音を聴きたかった! チート風間塵フォローによる亜夜の成長物語、または新たなはじまりとしての物語だったのか 上巻冒頭からラストまでそのまんま、漫画の脇の人気チートキャラいやむしろ神が主演で皆へギフトして各々が描かれたストーリーだったのか 個人的に遠雷は亜夜だと思ってたのにそれらしいのがなかったから蜜蜂遠雷セットで神の領域風間塵なのかな。読み込み足りてなくすみません。 明石さんは親近感ありましたし1番のモテキャラですよね。作者さんの想い入れを感じました。この人の報われます感満載はわかりやすかった。 明石さんと亜夜の場面泣きました。1番心が温まる好きな場面です。 なによりあとがきが面白かったです。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!