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しろいろの街の、その骨の体温の



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しろいろの街の、その骨の体温のの評価: 4.16/5点 レビュー 61件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.16pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全61件 21~40 2/4ページ
No.41:
(4pt)

幸せさんになったもの勝ち 追記、、、性に関して

読み始めて最初、思春期の息苦しさ、学校での様子が事細かに描かれていて、表現力に感心した。もう私にとっては30年以上前のことなので、懐かしやら切ないやら。けれどしばらく読むと、なぜか息苦しくって。
ああ、思春期って息苦しかったな、と思い出したものの、半分近く読んだあとなかなかページを開く気になれず。
それは形は違ったものの、性に対するあり方がグロテスクでそれが一大事だったあの頃を、まざまざと思い出すのが少々こたえる、
そういう感じだったと思う。
もう充分おばさんになると、性はいつでも横にあるのは当たり前のこととして、日々生きていくことが精一杯で責任やらなんやらに注力しているんだということだろう。
もうずっと先のとこにきてしまった。
けれど我が家にはまだまだ思春期の子ども、これから思春期の子どもがいるので、あの頃の感触を思い出すのは大事だと思う。
それからもう少し読み進めてみて、この作品の登場人物はそれぞれに個性がデフォルメされている。され過ぎている。
そこがシンドくなる一因と感じる。
我が子を観察していると、こんなに偏った個性の人たちは少ないと思う。個性を際立たせることは、ひとつの作品に仕上げるためには必要なことなのかもしれない。しかし、現実は、そこまで悪くはないし、ひとりの人間の中に清濁合わせ持つもの、という気がする。
まあ、、、確かに、人間社会はどんな小さな集団でも階層化は避けられない、と大人になった今ひしひしと感じはする。
思春期、それに気がついた時には、尚更残酷で辛い世界だったなあ、と子どもたちが不憫でもある。
でも、今思うのは、その階層に組み込まれない生き方もあるんじゃないか、ってこと。
ここでは、幸せさん、と主人公が呼んでいるけど、いろいろわかれば、自分からあえて幸せさんになりに行く選択肢もあるのでは、と思う。いろいろわかるまでが大変で、それが思春期だなって思うけど。
大学からは、幸せさんになったもの勝ちって感じあったな。
自分の問題意識と能力を深められたもん勝ちっていうか。

これから最後の方読みます。

追記

最後3分の1読みました。
どなたか書かれていましたが、性をこんなに肯定的に捉えられるのは実際にはもうちょっと年齢いってからだと思う。
思春期後期、又はそれ以降も持て余しっぱなし、なのが実際のとこだと。
また幸せさんと言っても、ここまでお天道様を向いてる中学生男子っているのか。
またこの小説では、伊吹以外の男子は全て無神経で出来損ないだけど、実際にはもう少し可愛げがある。
これは女子目線の小説だから仕方ないのかな。
本当のこと、と比べ出すときりが無くて、ないない、と思ってしまうけれど。
女子の中のグロテスクさは、もしかするとこんなものかもしれない。性に関して。
あまり表沙汰にはならないけれど、女子が男子にいたずらする件を相談されたことがあり、男子母親としては困った覚えがある。
男子は女子を個としてみるより、まず性の対象一般として見るタイプが多いのかなと。
それに対して女子は、初潮後、早くもつがいになるべく相手を探し始める。
中学生くらいでは、女子の方がよっぽど成熟していて賢いため、男子は引き摺られる、、、そういう例をよく見聞きしてきた。
主人公もそれをよく知っていて、伊吹は私のことを好きだと思っているだけだ、あんなことしたから勘違いしてるだけだ、と。
そう考えると、女子目線ではすごくリアリティあるかもしれない。
それでも、、結局伊吹は自分にないもの、を主人公に感じ好きなんだ、と言う。
なんとも、、、そもそも恋愛ってなんだっけ、ちょっとした勘違いと思い込みの産物、としか感じられないおばさんになってしまい、
やっぱり遠い所に来たな、と思うのみだ。

それでも女性の性をこんなに明け透けに描いたものってあったか?しかも男性目線でなく、女性目線で。
念のため、これが全ての女性の性ではない、男性も性の捉え方に多様性があるように、女性も性に注力するもの、他に一生懸命なもの、嫌悪しっぱなしのもの、といろいろだから。
それで言うと、年齢的にはどうかと思うが、この物語は主人公が自分の性を肯定してゆく過程と見ることができ、1つの理想に達しているとも言える。
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4022510110
No.40:
(4pt)

女子の階層社会に震えた

いわゆる小学校や中学校における女子のカーストをテーマにおく。
下から2番目あたりの層に属する女子が主人公。対人関係の複雑な心境と、未熟な性への目覚めなどが痛い。
男のカーストはわかりやすい。単純化すれば、「足が速い」が一番である。腕っぷしが強いなどもある。
どこまでも、フィジカルの強さしかない野生の世界である。
これはこれで、キッツイのであるが、女子のそれは複雑である。
端的に言えば、「かわいい」であるが、かわいいからと言ってトップには属せないところがありそうである。

本書の中で、ピュアな少年をおもちゃのようにする件がでてくるが、ここの絡みが物語にちょっとした面白さを与えていた。
それがなければ、ひたすらリアルな女子の階層社会の物語である。
なんだかよくわからない理由で最下層に落とされるあたり、江戸時代いや、奈良時代あたりの理不尽な古代制度のようである。
これを生き抜いている、女子という存在へ畏敬の念すら湧いてしまった。
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4022510110
No.39:
(4pt)

途中から夢中に

スクールカーストの描写が本当に秀逸。
よく描けてるなぁと思う。
ラストが難しかったんだなぁと思う。
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4022510110
No.38:
(2pt)

疲れ果てた。。。順番間違えた

コンビニ人間は衝撃的で、丸の内魔法少女ミラクリーナ、殺人出産、続けざまに読みましたが最後にこの作品をチョイスしたのが失敗でした。
前3作品はまだクスっと笑える箸休め的な要素がありましたがこの最も鮮烈な作品は真っ向からの力わざで作者の力量にもたれ気味の脳は完全に消化不良をおこしてしまい軽い吐き気さえ催す始末です。
2番目くらいに(体力のあるうちに)この作品を読めばよかったとつくづく後悔しています。
見事な筆致と正直で真っ直ぐな感性、疑う余地もない文学性は読む者にもそれなりの体力を要求するなぁと疲れ果てた頭で思っています。
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4022510110
No.37:
(3pt)

結佳の一皮向けたその後の物語が読みたかった。

2020年31冊目/5月1冊目/『しろいろの街の、その骨の体温の』(朝日文庫)/村田 沙耶香/P.320/2015年/★3.3 #読了 #読了2020

あとがきでは西加奈子が傑作だとコメントしている。『マウス』と似た展開が多いが、本書は中学生時代がメインで、最後も中学三年生の始業式で終わる。結佳の一皮向けたその後の物語が読みたかった。村田沙耶香の描く小中学校の女子同士で起こるヒエラルキーの機微、そういった女子からみる男子像は興味深い。個人的には信子を応援したい。また、「洋服は情報だ」(p172)という言葉はユニクロも掲げている。この頃の女子にとっては洋服は着ること以上の様々な意味がある。私の娘が大きくなったら、是非読んで欲しい作品の一つです。
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4022510110
No.36:
(4pt)

気持ち悪いと思われてもいいじゃないか

よくわからないタイトルのとおり、独特な表現や比喩が多くて、読みづらさは否めない。
加えて、生々しいスクールカーストや、思春期の少女の鬱屈した感情の描写が物語の9割くらいなので、読んでる途中は暗い気持ちになります。
ですが!残りの1割でそんな気持ちを吹き飛ばしてくれる開放感といいますか、爽やかさを与えてくれます。
ぜひ、最後までじっくり読んでほしい。

生きづらい世の中で生きる希望を与えてくれる作品だと思います。
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4022510110
No.35:
(5pt)

しろいろの街の、その骨の体温の

とにかく、本が面白かったです!!
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4022510110
No.34:
(3pt)

「きもぉーい……」

良い意味で、悪い意味で、こんなにも消化不良を起こした作品は初めてです。彼女の作品は、人間の本質を掘り下げた内容のものが多い(というか全てそう)なのですが、この本は、読んでいて胸をギュッと掴まれるような、息ができなくなるような、そんな作品でした。

あらすじを端的に説明してしまうと、「カーストにしばられた少女が年月と共に精神的に成長していく」といったありふれたストーリーなのですが、ありふれた作品ではないのです。
いじめのターゲットにならないよう目立たないよう行動する主人公、皆に愛されていていじめというものが存在することさえ気づかない男の子、ターゲットを徹底的にいじめ倒すクラスメイト、いじめられたまま何もできないクラスメイト、必死にいじめに立ち向かう女の子、見て見ぬ振りをするクラスメイト、クラスのボス、ボスに媚び諂う取り巻き………
この本の中に、絶対にあなたはいるはずです。

だからこそ、苦しい。

私はまさに中学の頃、クラスのボスに媚び諂い、地味な子とは関わりを持たないクラスの一人……「若葉ちゃん」でした。そしてある時は、いじめのターゲットにならないよう かつて仲の良かった友達と距離を置く、主人公の「結佳」でした。
私は中学時代、カーストに縛られて、ちっとも楽しくなくて、苦しくて、いじめられたくなくて、大事な友達を失いました。
もっと、もっと、他に大切なことがあったのに。目を向けるべき人が、ことが、あったはずなのに………。

その点、この小説の主人公「結佳」は私とは違いました。最後に気がついたのです。大事なものは何か、何をするのがいちばん大切か、見なければいけなかったことはなんなのか。

「小学生の頃の若葉ちゃん、いつもきらきらしてた。あの頃、私、ずっと若葉ちゃんみたいになりたかった。でも今、昔と違う気がする。ずっと思ってた」

「井上くんの、そうやって冗談にして誤魔化したりするところ、井上くんが格好良いと思ってやってるいろんなオナニーが、私にはすごく気持ちが悪い。私も信子ちゃんも気持ち悪いけど、井上くんも気持ち悪い」

「私、このしろい街で、信子ちゃんが一番綺麗だと思う。それは私の価値観だから、撤回できない」

涙が止めどなく溢れ出ました。
なんで私にはできなかったんだろう、気づけなかったんだろう、いつから盲目になってしまったんだろう……そう考えて、胸が苦しくなりました。

この作者、ほとんどの作品は爪が甘いんですよ。
「コンビニ人間」は短編なのでありきたりではありましたが上手にまとまったものの(だからこそこの本で有名になれた)、ほかの全ての作品に関しては、情報てんこ盛りandラストがめちゃくちゃです。「地球星人」の時は特にそう思いました。
しかし、こちらの「しろいろの街の〜…」は内容が上手くまとまっていて驚きました。

ひとつ難を挙げるとすれば、伊吹(結佳の想い人で、昔から両想い)が結佳に向けられている周囲からの強烈ないじめに気がついた後で、ずっと見て見ぬふりをしていたことに納得がいきません。
どうして結佳が表立って伊吹と付き合えなかったのか、どうして学校で話しかけられるのを嫌がったのか、全て分かったはずなのに、どうして?

とは言え、ラストに伊吹はまっさらになった結佳の気持ちを受けいれ、ハッピーエンドで終わったのでホッとしました。
ここで「大嫌い」と言われて二人がお別れしていたなら、私はしばらく立ち直れなかったことでしょう。

読んで良かったとは思いますが、人間の内面があまりにも深く描かれていて、読んでいてメンタルが抉られました。二度読みたい作品ではありません。
早くこの本の内容を忘れたいですが、脳内に色々な言葉が張り付いて離れません………
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4022510110
No.33:
(5pt)

ジャンル

この作家のストーリーが好きです。次回作も期待してます。
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4022510110
No.32:
(3pt)

好きとか嫌いとか綺麗や醜いの曖昧さに気付く

思春期に誰もが意識せざるをえないクラスのヒエラルキーや生き方について丁寧に描かれた書籍。
純粋だった頃からみんないつのまにか偏見にまみれた世界に苛まれてうまく生きるための価値観だけに飲まれていくのだろう、自分だけの価値観を捨ててでも。
真っ直ぐ正しく生きるというのはとても難しいことなんだなぁと改めてふと思うようなそんな作品でした。
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4022510110
No.31:
(5pt)

少女の再生

よかった
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4022510110
No.30:
(5pt)

価値観を揺るがす作品

最高でした。読み終わったテンションでレビューしてます。初めは、太宰の女生徒のような物を期待して読み進めていました。しかし、読み進めるにつれ、この作品はそれ以上の魅力、エネルギーを持っていることに気付きました。自分は十九歳の男で主人公とは全く違う境遇です。幸いなことにスクールカーストも意識したことはありません。しかし、この作品の強い普遍性は僕の心に強い渦を残したのです。知らない誰かの作った、強くて、抗い難い価値観を人はみな信じ込んで生きています。そして、そこから外れたものは変人として処理され扱われなくなっていきます。後半で、そんな何処にでもある当たり前の社会から脱した主人公の見る人や物は本当に色彩を持って描かれており、自分も、自分の好きなものを好きでもいいのかもしれない、と言う勇気を与えてくれました。文学を美男美女の物から、人間の物に取り戻した作品とすら言えるかもしれません。価値観を問う一作でした。
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4022510110
No.29:
(5pt)

私は好きだった

衝撃的だった。
心がギュッで潰されそうなくらい苦しくなるけど、一気に読み終えてしまった。
私はこの本に出会えてよかったと思っている。
悩みに対しての答えも出ないし急に何かが変わることなんてないけれど、救われたような気分になった。内容や好き嫌いも含め友達に「これ読んでみて」と声を大にして勧めることは私には出来ないけれど、この本に出会うことがあればぜひ手に取ってみて欲しいなと思った。
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4022510110
No.28:
(4pt)

すごい心理描写

村田さんの作品はどれもそうだけど、エンタメじゃなくてあくまでも文学・芸術作品だからリアリティやカタルシスを期待すると肩透かしを食らう。イジメ男子は最後まで底辺女子をいびり倒したままでラストで信子に刺し殺されるわけでもないし、同級生を見返すのが人生の最終目標である信子が、発狂して屋上から飛び降り自殺してその死を以て自分をいじめた人間に復讐するといった、読者に衝撃を与える展開も特になく、主人公の欲望に対する向き合い方と未発達な体へのコンプレックスが淡々と紡がれていくだけの話だから、人によっては読んでて眠くなると思う。私は読んでてちょっと疲れましたね。主人公が思春期の少女なのにあまりにも冷静に客観的に自分や他人を観察して、人間味がなくてあんまり共感出来なかったのが残念です。
文章というか、心理描写は素晴らしいと思います。私には難しいことはよくわかりませんがね。
総評すると、なんか芸術的。

あと、これだけはツッコみたい。うぶな中学生男子がむりやりしゃぶられて射精なんか出来るわけないですw
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4022510110
No.27:
(3pt)

女子の心理描写は丁寧だが,男子が今ひとつ

女子の心理は丁寧に描かれており物語に引き込まれるが,男子がステレオタイプ。結佳の成長は素晴らしいのだが,ラストシーンが個人的にちょっと興ざめ。伊吹が離れていって結佳も次のステージに向かうか,結佳を通じて伊吹も色々な意味で成長したこと(M男として?)を描かないとリアリティーがない。結佳が伊吹を襲ってからのカップル成立の流れは,とあるブログで紹介されていた少女漫画を思い出したが,そういえば作者の名前が伊吹だったような。。。
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4022510110
No.26:
(5pt)

男性ですが、楽しめます

コンビニ人間、消滅世界の次に読みました。消滅世界の設定にはついていけないところがあったのですが、本作品は素直に読めました。文章がきれいで美しいと感じますし、自分は男性ですが、学校内における身分に対する考えなど、この主人公の気持ちが分かる部分も多くありました。読後感も良かったです
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4022510110
No.25:
(5pt)

素晴らしい。

今日の昼に読み始めて、一気に読み終わりました。
思春期の少女のこころとからだの変化のお話です。わざとひらがなにしたのは、ここまで丁寧に描いたものを読んだことがないからです。
中学校のクラスでの人間関係。本当は好きなのに好きだと分からないまま、突き進もうとする一方的なあり方。身体の変化に対する戸惑い。性を暖かいものとして受け入れていくプロセス。
作者の視点と、それを描く能力にしみじみ感動しました。
作者を知ったのは、コンビニ人間が初めてでした。すごい人が出てきたと思い、読んだ二作目がこの作品です。
思春期文学というジャンルがあるなら、この作品は間違いなく第一位になるのだろうと思います。
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4022510110
No.24:
(5pt)

読むのを止められなくなる

読むのを止められず、二時間で一気に読んでしまった。
思春期の行き場のない苛立ちや、上手く表現出来ない性への興味と
自分自身の身体の変化と、単なる無邪気さだけでは生きられない苦しみ。
思い出すだけで息苦しかった思春期の記憶と重ねて読み進みました。

作者の綺麗事だけでない想いが、あまりにも正直過ぎて切ないですが
それが逆にリアルで、まるで同じ街に居るような錯覚を感じました。

思春期は本当に辛いものですが、大人のつまらない日々と比べると
どっちが良いのか、いろいろと考えさせられました。
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4022510110
No.23:
(4pt)

自己完結と交わり

自己完結には二つあって、相手を顧みないこと、そして自分の輪郭を確かなものにすること。作者は前者から後者への前進を、リビドーを媒介にして克明に描いている。
人が人であるために、人が人と交わるために必要なイニシエーションを題材にした作品と言えるだろう。
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4022510110
No.22:
(4pt)

「普通」の重苦しさ、自分で歩くことの尊さ

『コンビニ人間』に引き続き村田沙耶香氏の本を手に取りました。ニュータウンに生きる中学生の日常と初恋がテーマ。
スクールカーストの「下」から見た教室の力関係、教室をうまく生き抜く処世術のような、決して言葉にはされないけど厳然としたルールのようなものをドロドロしたところまで描ききっています。自分より劣っている他人を見下して集団のなかにいることを確認する、過去の自分を重ねて心が痛くなりました。
ある事件をきっかけに結佳が既存の考え方の枠組みから自由になり自分の価値観を表現することに気づき、飾りやわだかまりから解き放たれるラストを美しく、気高く感じました。
しろいろの街の、その骨の体温のAmazon書評・レビュー:しろいろの街の、その骨の体温のより
4022510110

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