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しろいろの街の、その骨の体温の
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しろいろの街の、その骨の体温のの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.16pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全61件 41~60 3/4ページ
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嘘をつかずに実直に書かれた文章で本当に好きです。 コンビニ人間も読みましたが、この著者の話には多少設定の無理があっても、文章に圧倒的な実直さがあるので全然気にならず最後まで読めてしまいます。表現ってこうあるべきだと思わされます。 | ||||
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ちょっと、衝撃を受けました。 こんな小説に出会ったの、初めてです。 中学女子達の葛藤の描写が非常にリアルで、残酷で・・憂鬱な気分で押し潰されそうになりながらも、一気に最後まで読み進んでしまいました。 個人的な感想ですが、この小説からは体裁とか、巧い計算とか、奇をてらうとか・・そういったものが感じられません。無論、読者の期待に応えるようなカタルシスもありません。 僕は小説とか文学とか、全く詳しくないのですが、まるで、この小説はほとんどアドリブで執筆されたのか?と思ってしまうくらい、切迫感というか、緊張感を覚えました。 終盤、カタルシスはあるのかな?と期待させつつ、けっきょく、憂鬱のままどん底に沈んでしまいそうになる(または沈んでしまう)のですが、最後、全く別の扉が開けて、結佳の世界がなんともいえない愛おしいものに変化しました。けっして素直にハッピーエンドとは思えませんでしたが、なんというか、上手く言えませんが・・ ひとつ気になった点を挙げるなら、この物語のキーパーソンである伊吹については、妙に紋切り型だなという印象を受けました。なんか、ふわーっとした綿菓子みたいな存在。上澄みの綺麗な部分でしか存在しえてない、例えるなら、少女マンガに出てくる『白馬の王子様』的なステレオタイプな存在。 ただし、それも、結佳の”情念”をリアルに表現するために逆に必要不可欠な存在なのかなぁとも思いました。男子はいつまでたっても女子に『人形的なかわいらしさ』を求めるし、女子は自分だけの『白馬の王子様』を求めるのかなと。 | ||||
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「女の子の未成熟な身体の中で、エピソードは宗教になり、初恋は化け物になる」 教室の下層グループで自意識をこじらせた少女。彼女が大人になっていく姿を、「コンビニ人間」の村田沙耶香が書いています。 小学校・中学校の閉塞感やクラス内カーストをしろいろの新興住宅地の様子とうまくかけあわせながら描写していました。 | ||||
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思春期真っ只中の女の子に纏わるあれこれを描いた作品。小学生~中学生あたりの自身に重ねて回想しながら読みました。女子ってホント面倒くさい生き物。 たまに本気で男が羨ましくなるぐらい。。 芥川賞受賞「コンビニ人間」も読んで村田さん作品は2つめ。正直、こちらの主人公女性にはあまり共感できなかったが、(頭のネジいくつかとれてる感じで。。) 「社会の縮図」を独自の視点からブラックに描いていて面白かったし、そこだけ自分と同じ匂いがしてならなかった・・・。 | ||||
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全体的にどんよりとした、空気が流れているような気分がしました。読んでいるうちに憂鬱になりました。 しかし、最後に谷沢と伊吹が結ばれたシーンは、きれいな感じに書かれていたと思います。 | ||||
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村田沙耶香さんは、ゆるやかに激しく、狂った人を描くのがとにかく上手な作家だ。 初めてコンビニ人間を読んだ際、『ふつうではない』人の描写の繊細さに肝を抜かれた。 誰しも感じたことのあるちょっとズレた感覚を、シニカルな笑いを含めてまとめあげるセンスに魅了されて、すっかりファンに。 もちろん好き嫌いはあると思うけれど、わたしの中で特に心を動かされたのがこの作品です。 彼女は、人間のどうしようもない気持ち悪さだったり、怖さだったり。そういうものを恐れることなく描く。 誰しも心の中にある、言葉では言い表せない醜い感覚。それはどろっとしていたり、もやっとしていたり、表れたと思ったら消えたりする。 そういう想いに行き場を作ったらどうなるかを見せてくれたのが、『しろいろの街の、その骨の体温の』なのではないだろうか。 文字だけで読むと、なかなかにえげつない。下品と思う人、心がつらくて読んでいられない人…お気持ちはよくわかります。 そんな、人々に嫌悪感さえ共有させてしまう作品を、『ふつう』の人が狂ったふりをして書けるわけがない。 いい意味で、村田沙耶香さんは変態だし、変人だし、狂人だと思う。 村田さんの作品はどれも、村田沙耶香でなければ書けないのだ。 そういう意味でこの作品は、一度読んでみる価値があると思う。これは村田さんの魂の叫びではないか。『ふつう』とズレた感覚で、気持ちの悪い感覚をもって、『ふつう』を装って、自分はここにいるのだと。 かっこよく書いてみましたが、正直気持ち悪いんです、この物語。でも、その気持ち悪さがすごくいい。自分の中にあった似た感覚が呼び起こされて、懐かしい気持ちにさせてくれる。 人と違った生き方をしたいと思っている人なら、きっと共感できると思う。無理して読む作品ではないけれど、わたしはこのどうしようもない気持ち悪さの虜だ。変わった人やものが好きな人なら間違いなく楽しめます。 | ||||
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面白く読んだけど、不満もある。 全員のキャラクターを誇張しすぎてマンガみたいで、 笑ってしまう。 信子みたいなのも若葉みたいなのも 井上くん達も小川さん達も主人公も、たしかにクラスにいたし、 こういう事件はあった、こういう心境も覚えがあるけど、こんなあからさまじゃない。 強制わいせつのシーンもリアリティがない。 抵抗してたら勃たないし、いかない。 | ||||
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大人になる前に、出会いたかった一冊と言う意見があったので、読んでみました。情景描写と登場人物の心境が一致していた。僕は、伊吹と谷沢とだいたい同じ年齢だけど自分には全く想像つかないような二人の男女関係は読めば読むほど謎でした。男と女で、意見が分かれそう。おもちゃ発言とか舌出してとかドン引きした。 | ||||
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私は、この主人公の性の芽生えや、自意識の肥大した苦しさがよく分かりました。成長の早い女の子なら歩んでいる道だと思います。男の子のことは分かりませんが…。 他人を「観察」して自意識を癒す人って思春期に限らず大人の世界にもたくさんいると思います。自分もそうでしたし、今もそれを引きずっている感じがあります。ただ主人公はそこから脱却します。 スクールカーストの描写は昔を思い出して苦しくなりました。ファッションは情報だ、というところも大いに頷けました。本当にこれが欲しい、と思って服を着ている人のなんと少ないことか。 ただこの小説は思春期、性の芽生え、郊外、少年少女の残酷な世界、スクールカーストだけで終わっておらず、後半、ある事件が起きてがらりと物語が面白く動き始めます。どなたかが「実存」をテーマにしていると書いてましたがその通りだと思います。その過程が郊外の、いわゆる多摩ニュータウン的な街の成長と絡めて描かれています。 ちなみに伊吹くんみたいな男の子は確かに小学生時代にいました。クライマックスで伊吹くんが高校三年の男子並みになるのは物語のロジックのためという事で。あくまでもこの物語は肥大しきった自意識の少女が実存を見つけ出していく物語です。 またどなたかのレビューにサカキバラを乗り越えようとしているとありましたが、よく分かります。途中、主人公がクリーンセンターの白い壁を見つめるところは、一歩間違えればサカキバラになりそうだな、と思いましたので。 この作者の特徴でもありますが、相変わらず精神的な意味でグロテスクなので、人によっては合わないと思います。小学生時代に伊吹くんだった人には合わないかな。 | ||||
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スクールカーストが描かれているが、それは表層の話であって、 実際に書こうとしているのは、実存の問題だと思う。 殺人出産の主題にしろ、郊外の街の希薄な実存にしろ、酒鬼薔薇を連想してしまう。 事件当時、彼に深く共感したが、それを乗り越えようとしているのだろう。 | ||||
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主人公が自分の中で作り上げてしまったヒエラルキーや負け犬感情の中で、彼女が泥臭く必死にもがきながら、結果それが幻想となった。その姿が魅力的で、涙が出た。学生時代に読んでみたかった。 | ||||
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一週間に一度の習字教室でずっと一緒だった少年と少女。小学生の時代は好奇心でキス位しても、お互いどちらも傷つかなかっただろう。 中学生ともなると、何気なく行ってきたキスですら、へんな興奮を感じるが、相手の男の子が改まった態度を取るようになると癪にさわって仕方がない。好きだという告白もなくてキスをされるのは、理屈からいっておかしい、そう言われてみると、理屈ばかり言うのは余計腹が立つのである。 行為はあっても、好奇心の方が強い。それを言ったら、失礼になる。わざわざ告白するほど好きだと思っているわけではないのであった。習字教室で会うことができるのはあとわずか、二人は友達であることだけは間違いがない。女の子は体の変化が気になるし、クラスに数人いる人気者ではない地味な子、そのため隠された冒険心、相手に対する性的な執着は秘密にできたのである。どこにでもいそうな女の子と思えたが、たいへん存在感が感じられる作品だと思った。 | ||||
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まぁまぁでした! コンビニ人間が面白かったのでこの作家の方の作品をたくさん読んで見ましたがコンビニ人間以外はまぁまぁでした! | ||||
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(以下、ネタばらしご容赦ください) 小学5年の主人公の初潮のシーンに、小柄な同級生伊吹くんがドア越しに立ち会ったことをきっかけに、中学生になって成長が止まり内向的になっていく主人公が、伊吹への秘めやかな偏愛にのめりこんでいくくだりに、こんな展開、現実にはありえないと思いつつも、圧倒されました。この小説、ここだけで大絶賛です。 (ただ、自分の初潮と伊吹の精通を結び付けたいという主人公の願望はかなり観念的で、この年代の女子に男子の精通を見たいという生理的欲求がホントにあるのかなと思います。私は女でないのでぜひ知りたい笑) でも、この小説、スクールカーストの話とからめたために、年齢設定に少し無理が生じているように思います。ラストでの主人公と伊吹の初体験に至るやりとりの流れは高校1年16歳位の感じなのに、幼馴染で同じクラスの同級生という設定では(日本の学制では)中学生にならざるを得ない。中3では受験があるので中2になってしまう。中学2年14歳があそこまで自分と相手の性欲に自覚的な行動をとるとは思えません。他のレビューでも指摘されていますが、中学生じゃまだ単純なガキでしょう(中2ではまだ精通がないのも結構いる)。とくに男子は性を茶化していただけだったと思います。 スクールカーストの描写は誇張しすぎで嫌だなと感じる部分も多かったです。小学生のころ一緒に遊んでいた友達どうしが、思春期に入って各自の個性が露わになるにつれ違うグループになるのはわかりますが、そこに上下関係を持ち出すのは、さらには登場人物たちが「私は下のグループだから」などと口に出して言うのは、かなり違和感がありました。今の公立中学はこんなにも息苦しいところなのでしょうか。 井上という調子こいたヤな男子がデブで醜い信子ちゃんをからかうシーンがありましたが、個人的にはあそこで誰かが(若葉ちゃんあたりが)井上をがつんと一発殴って欲しかったです。あそこで閉塞感を打破するカタルシスが欲しかった(その後に主人公が井上を殴るシーンがありますが、不完全燃焼)。以後全然違う話になってしまいそうですが。 主人公が信子ちゃんを綺麗だと言ったシーンは、泣くことで浄化されたということでしょうが、少々安っぽいかと。 全体的に、伊吹の人物造形がご都合的でリアリティに欠けると感じました(井上みたいな奴をいいヤツと言っているのが理解不能だし、いじめのシーンにはなぜか出てこない笑)。カーストに無理に嵌めこんだために、破綻が生じている部分だと思います。 文庫版、西加奈子の解説が良かったです。これを含めて一つの作品という感じがしました。 | ||||
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何箇所か特記したいシーンがあるけれどうまく言語化できる気がしない笑 まず、再開発都市の進捗に合わせて谷沢が変化していく構成は素直に楽しめた。街の開発が止まったあたりは谷沢がただのひねくれ陰キャラ少女でしかなくなる気がして不安になった。しかしそれを救った人物が2人いた。 1人目は信子だ。彼女は明らかに外見は醜いうえに嫌われる性格であろう。谷沢は表面上仲良くしながらも見下しが滲み出ていた。それにも関わらず、谷沢が信子を美しいと言ったシーンは頭がおかしいと思った笑でも言いたいことは分かるんよね。ここに向き合えたことで谷沢も街も物語が進んでいく。 2人目は伊吹。幼少期と中学の対比が見事。幸せさんとは言っても大人なところが増えてくる。最後のセックスシーンはそれこそ美しい。私自身、初めての体験の際に彼女に自分でいいのかと負い目を感じていた部分があった。だから、谷沢が好きな谷沢と結ばれようとした伊吹の美しさが眩しかった。 白色の世界に色を付けることのできる2人。そしてそれを美しいと思える谷沢。そんな人たちに幸せになってほしい。そして自分の価値観は狭い環境に捉われていないかと考えさせてくれる作品だった。 | ||||
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こういうのを読むたびに、「大人の目線で書いた思春期」の本と思ってしまう。 中学生の女子にこんなに熱烈な性欲があるというのが私にはピンとこない。 少なくとも自分にはなかったし、私の周囲にもいなかったから。 クラス内のカーストは確かに明確にある。そしてそれを乗り越えるには自分の枠からはみ出さぬよう、ひそやかにやりすごすしかない。それはその通りだと思う。けど、容姿も性格も「キモい」生徒が、上のランクの男子生徒に受け入れらるなんて奇跡はないし、子供じみた男子は女子よりも露骨に正直に敏感に「キモい」ものに反応し、排除しようとする。まあ小説だから、そこは奇跡を入れ込まないと、この物語は成り立たないわけだけど。 「キモい」女子の性的な欲求ほどグロテスクなものはない。自分も女でありながら主人公の痛みは理解できても、病的ともいえる行動はまったく不可解&不快。ただただ「キモ」かった。 | ||||
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途中の心理的にエグイ描写は興味深く読みましたが、後半の性的な部分はちょっと実感がわきませんでした。今時の子供は違うのかな。 | ||||
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綺麗で清潔な表紙・タイトルと裏腹に、中身は中学生の自意識と逃げられない現実をまざまざと見せつけられるよう。 上位グループで必死に立ちまわる若葉も、学校という場から逃げずに生き様を晒す信子も、繊細すぎる主人公も、自分の過去を見せられた気分。 伊吹という存在と終盤での出来事が本当に優しいと思う。 | ||||
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通学途中の暇潰しとしてアマゾンでポチしました。 暇潰しで読んでいたつもりが引き込まれ、続きがきになり講義に集中できなく、早く読みたくて、途中で帰り、電車でまた読みました。 昔のあの嫌な感じを思い出し苦しくなり、主人公に感情移入して、伊吹に恋をしました。そして主人公と同じく羨ましく憎みました。 このどろっとした感情、女性ならわかります。 本当に面白かったです! | ||||
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村田さんをテレビで拝見して、読むことになりました、村田さんはほかの作家さんに変態(すみません)といわれていること、かわいらしい感じの見た目普通の女の人なのにちょっと変わっているみたいだとテレビでやっていたこと、ここのレビューなどの過激な内容のネタばれからも結構覚悟して読まないと、、と思いながら読みました。途中でやめられなくて一気に読んでしまいました。と、意外にも、主人公の一途で純粋な思いがものすごく伝わってきて、読み終えたあとの、胸を駆け抜けて行ったすがすがしさはなんだろう、と。興味本位で読み始めて、この爽快感は、村田さんの才能、なのかな。とにかく読んでみて。大人の女性だけにしかわからない部分もあるかもしれませんが、おすすめです。わたしはすっかり村田ワールド?にはまってしまいました。これから他の作品も楽しみに読んでみようと思っています。 | ||||
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