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しろいろの街の、その骨の体温の
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しろいろの街の、その骨の体温のの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.16pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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Eテレでの紹介ドラマが熱演で購入しました。 スクールカーストは、生徒に価格がつけられた閉鎖社会です。親がPTA会長、車はレクサス、運動ができる、イケメンである、そんなタグ(値札)がつけられた法治外の社会です。 小説で、女子中学生は香水をつけたり、リップを塗ったりして自らの価格を高めようとします。上位カーストの怒りを買って、カーストを降格させられることもあります。まるで動物のドキュメンタリー番組ですね。 この白くて乾いた人口の街の中で、主人公由佳は辛酸を味わいます。そして、どのカーストとも溶け込めるまれな存在伊吹とのセックスを通して、ついに自らの視座を獲得します。Le ClezioのLullabyを思わせるBildungsromanです。伊吹は由佳から繰り返し性的な執着を受けます。男子中学生ですから、深沢七郎の喜びの表現のように、ザーメンがザァーザァー流れたことでしょう。 ところでフランスを旅すると皆、地味な服を着ているのに驚きます。個人が自分に自信を持ってるからだそうです。服などに頼る必要はない、逆に頼ると子ども扱いされるそうです。日本とは真逆です。由佳が伊吹を通して獲得した視座はこのような考えであるのかもしれません。 私はITの仕事をします。機械学習など学ぶと資料はxml/jsonにしちゃえ、パワポ禁止と、Jeff Bezosのようなことを考えます。タグ付けされた社会はアニメ、東のエデンのように便利かもしれません。しかし、価値(value)を1個の平均値に落とし込むのではなく、分散や特異な評価も見れるテクノロジーでないと困りますね。 | ||||
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主人公である女子中学生の、その世代にしか感じられない街、人間関係、感情変化を描く。 自分の住まい、地域、友人、恋に、悩みながら、振り回されながら、それでも必死に向き合い、傷つきながら、自分なりの価値観に気づく物語。 大人が読むのと、中学生世代が読むのとでは、きっと感じ取り方は異なるのだろう。 大人になって、忘れかけていた思春期の悩み、世界を思い出させてくれる。 住んでいる地域、通っている学校、教室にいる人間が世界のすべてだった。 その先に広い世界があり、知らない人がいて、教室なんて無視できるほど小さな空間であることに気づけたのは、社会人になって働き出してからだろうか。 その先にある広い世界、自分なりの見方。 あまりに人目を気にさせるこの世の中で、たくましく、泥臭く、生きていく。 | ||||
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いろんなこと思い出して悲しくなったと同時に、この表現力のスゴさをおもいしりました。風景も心情もあっさりと映像で思い浮かべられる感じというか… あんまりいい気分になれなかったのでこの評価てすが、このエグるチカラは凄まじい。思春期って、やっぱりろくでもないわ | ||||
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2020年31冊目/5月1冊目/『しろいろの街の、その骨の体温の』(朝日文庫)/村田 沙耶香/P.320/2015年/★3.3 #読了 #読了2020 あとがきでは西加奈子が傑作だとコメントしている。『マウス』と似た展開が多いが、本書は中学生時代がメインで、最後も中学三年生の始業式で終わる。結佳の一皮向けたその後の物語が読みたかった。村田沙耶香の描く小中学校の女子同士で起こるヒエラルキーの機微、そういった女子からみる男子像は興味深い。個人的には信子を応援したい。また、「洋服は情報だ」(p172)という言葉はユニクロも掲げている。この頃の女子にとっては洋服は着ること以上の様々な意味がある。私の娘が大きくなったら、是非読んで欲しい作品の一つです。 | ||||
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良い意味で、悪い意味で、こんなにも消化不良を起こした作品は初めてです。彼女の作品は、人間の本質を掘り下げた内容のものが多い(というか全てそう)なのですが、この本は、読んでいて胸をギュッと掴まれるような、息ができなくなるような、そんな作品でした。 あらすじを端的に説明してしまうと、「カーストにしばられた少女が年月と共に精神的に成長していく」といったありふれたストーリーなのですが、ありふれた作品ではないのです。 いじめのターゲットにならないよう目立たないよう行動する主人公、皆に愛されていていじめというものが存在することさえ気づかない男の子、ターゲットを徹底的にいじめ倒すクラスメイト、いじめられたまま何もできないクラスメイト、必死にいじめに立ち向かう女の子、見て見ぬ振りをするクラスメイト、クラスのボス、ボスに媚び諂う取り巻き……… この本の中に、絶対にあなたはいるはずです。 だからこそ、苦しい。 私はまさに中学の頃、クラスのボスに媚び諂い、地味な子とは関わりを持たないクラスの一人……「若葉ちゃん」でした。そしてある時は、いじめのターゲットにならないよう かつて仲の良かった友達と距離を置く、主人公の「結佳」でした。 私は中学時代、カーストに縛られて、ちっとも楽しくなくて、苦しくて、いじめられたくなくて、大事な友達を失いました。 もっと、もっと、他に大切なことがあったのに。目を向けるべき人が、ことが、あったはずなのに………。 その点、この小説の主人公「結佳」は私とは違いました。最後に気がついたのです。大事なものは何か、何をするのがいちばん大切か、見なければいけなかったことはなんなのか。 「小学生の頃の若葉ちゃん、いつもきらきらしてた。あの頃、私、ずっと若葉ちゃんみたいになりたかった。でも今、昔と違う気がする。ずっと思ってた」 「井上くんの、そうやって冗談にして誤魔化したりするところ、井上くんが格好良いと思ってやってるいろんなオナニーが、私にはすごく気持ちが悪い。私も信子ちゃんも気持ち悪いけど、井上くんも気持ち悪い」 「私、このしろい街で、信子ちゃんが一番綺麗だと思う。それは私の価値観だから、撤回できない」 涙が止めどなく溢れ出ました。 なんで私にはできなかったんだろう、気づけなかったんだろう、いつから盲目になってしまったんだろう……そう考えて、胸が苦しくなりました。 この作者、ほとんどの作品は爪が甘いんですよ。 「コンビニ人間」は短編なのでありきたりではありましたが上手にまとまったものの(だからこそこの本で有名になれた)、ほかの全ての作品に関しては、情報てんこ盛りandラストがめちゃくちゃです。「地球星人」の時は特にそう思いました。 しかし、こちらの「しろいろの街の〜…」は内容が上手くまとまっていて驚きました。 ひとつ難を挙げるとすれば、伊吹(結佳の想い人で、昔から両想い)が結佳に向けられている周囲からの強烈ないじめに気がついた後で、ずっと見て見ぬふりをしていたことに納得がいきません。 どうして結佳が表立って伊吹と付き合えなかったのか、どうして学校で話しかけられるのを嫌がったのか、全て分かったはずなのに、どうして? とは言え、ラストに伊吹はまっさらになった結佳の気持ちを受けいれ、ハッピーエンドで終わったのでホッとしました。 ここで「大嫌い」と言われて二人がお別れしていたなら、私はしばらく立ち直れなかったことでしょう。 読んで良かったとは思いますが、人間の内面があまりにも深く描かれていて、読んでいてメンタルが抉られました。二度読みたい作品ではありません。 早くこの本の内容を忘れたいですが、脳内に色々な言葉が張り付いて離れません……… | ||||
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思春期に誰もが意識せざるをえないクラスのヒエラルキーや生き方について丁寧に描かれた書籍。 純粋だった頃からみんないつのまにか偏見にまみれた世界に苛まれてうまく生きるための価値観だけに飲まれていくのだろう、自分だけの価値観を捨ててでも。 真っ直ぐ正しく生きるというのはとても難しいことなんだなぁと改めてふと思うようなそんな作品でした。 | ||||
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女子の心理は丁寧に描かれており物語に引き込まれるが,男子がステレオタイプ。結佳の成長は素晴らしいのだが,ラストシーンが個人的にちょっと興ざめ。伊吹が離れていって結佳も次のステージに向かうか,結佳を通じて伊吹も色々な意味で成長したこと(M男として?)を描かないとリアリティーがない。結佳が伊吹を襲ってからのカップル成立の流れは,とあるブログで紹介されていた少女漫画を思い出したが,そういえば作者の名前が伊吹だったような。。。 | ||||
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思春期真っ只中の女の子に纏わるあれこれを描いた作品。小学生~中学生あたりの自身に重ねて回想しながら読みました。女子ってホント面倒くさい生き物。 たまに本気で男が羨ましくなるぐらい。。 芥川賞受賞「コンビニ人間」も読んで村田さん作品は2つめ。正直、こちらの主人公女性にはあまり共感できなかったが、(頭のネジいくつかとれてる感じで。。) 「社会の縮図」を独自の視点からブラックに描いていて面白かったし、そこだけ自分と同じ匂いがしてならなかった・・・。 | ||||
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全体的にどんよりとした、空気が流れているような気分がしました。読んでいるうちに憂鬱になりました。 しかし、最後に谷沢と伊吹が結ばれたシーンは、きれいな感じに書かれていたと思います。 | ||||
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まぁまぁでした! コンビニ人間が面白かったのでこの作家の方の作品をたくさん読んで見ましたがコンビニ人間以外はまぁまぁでした! | ||||
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途中の心理的にエグイ描写は興味深く読みましたが、後半の性的な部分はちょっと実感がわきませんでした。今時の子供は違うのかな。 | ||||
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