■スポンサードリンク
コンビニ人間
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
コンビニ人間の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.99pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全749件 61~80 4/38ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
臨機に適した行動を取れない主人公が、マニュアル化されたコンビニという空間に行き場所と生き甲斐を見つける物語だが、個と社会という近代以降の文学の普遍的なテーマが読み取れる。 30代になってもアルバイトとして勤める主人公に対して、家族・友人は奇異の評価を与える。 つまり普通じゃないと、憐憫の情さえみせる。ただ、主人公は現在の境遇に満足しているのであり、不満があるとすれば、この他人の評価の煩わしさである。 同じく世間から逸脱した男性アルバイトと共同生活を送り、結果安住のコンビニを去るが、結局自己の居場所はコンビニであることを自覚する。 マニュアルの世界で生きられない主人公に対し、周囲は奇異の目を向けるが、その実、この周囲の者たちも 世間の言わばマニュアル化された価値観に無自覚に順応しており、世間のマニュアルに合わない物を排撃しようとしているに過ぎない。 物語の終盤で、マニュアルと異なるコンビニの所作を、主人公は的確に修正していく。一方世間の常識(マニュアル)と異なる主人公を世間は修正し、修正できなければ排撃されるのだろう。両者がやってることは同じである。 この物語はマニュアル人間を批判する無自覚なマニュアル人間(読み手も含む)の二重構造になっている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「コンビニ人間」は、コンビニで働く女性の物語。 彼女はコンビニのルールやマニュアルに従って生きることに安心感を覚えており、自分の人生に満足している。 しかし、周囲の人々は彼女の生き方を理解できず、彼女に変化を求める。 特に、新しく入った男性との関係は、彼女のコンビニ人間としてのアイデンティティに影響を与える。 この小説は、社会の常識や価値観に疑問を投げかける作品。 主人公は、自分の居場所を見つけたと思っているのに、他人からは異端者と見られている。 彼女は自分の幸せを追求する権利がないのかと考えさせられる。 また、新しく入った男性は、主人公と同じように社会に適合できない人物ですが、彼は彼女とは違って、コンビニに対して否定的な態度をとる。 彼は恵子に何を求めているのか。 読んでると、この男ただのヒモ野郎じゃねーか!と怒りが湧く。 この小説は、読者にとっても共感できる部分が多いと思う。 私たちは、自分の生き方に自信を持っているときもあれば、他人の目を気にしてしまうときもある。 コンビニという日常的な場所を舞台に、人間の本質や幸せについて考えさせられる作品。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
社会の多様化と言われて久しいが、それはAIやテクノロジーに台頭されるようなハード面であって、人々の価値観や生き方等のソフト面は変わらず画一的であり、簡単に変えられるものでないという事実を見事に突いた作品だった。 しかし同時に、ハード面での選択肢の増加は、従来型では生きづらさを感じていた一定層にとっては救いともなることも示唆し、オール5の優等生ではなくても、各人か適材適所で何らかの意味や喜びを生に見出せる社会へと現代が変化している事に希望も感じた。 著者の他の作品も読んでみたいと思わせる、読後感の良い作品だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最後の、コンビニ無双状態に入った主人公があまりに眩しく愛しい。¨普通の人間¨というのは一般的に四次情報や五次情報の中でぼんやり生きているものだが、『声』が聴こえている主人公はその時一次情報そのものになっている。全身の細胞が彼女を突き動かしていると言ってもいい。この躍動こそ「生きている!」ということではないだろうか。彼女にとってコンビニは最強の『武器』だ。それに気付いた人間は強い。愛する対象を確信した人間は本当に強い。その強さが最後に彼女に宿る瞬間は何度読んでも胸が熱くなる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ものすごい本を読んでしまったな、というのが率直な感想。芥川賞受賞も頷ける。こんな鮮やかに価値観の転換をやってのけるとは。 最初、主人公の古倉さんには、薄気味悪さを感じた。こんな人がもし身の回りにいたら怖いな、と。 でも、読み進めるうちに、周りの「正常」を求める人間こそ怖い、と変わった。 狂気は排除される。狂気と理性の線引は理性の意図による。理解しがたいものに人は不安を覚える。レッテルを貼り、病名を付すことで「治療可能なもの」として安心しようとする。フーコーを思い出した。この世の中は権力で統制されている。 普段自覚することはないが、この小説は「正常」の圧力を鮮やかに描き出している。 会社などにも「正常」から逸脱した人物がいるが、その人に彼女がいると知ると皆「普通の人だったんだ」と思った。そして、その後まったく進展がないことを知ると、「やっぱり変なやつなんだ」と評価が戻る。 皆「正常」でいるために、息苦しさを覚えながらも、就職したり、結婚したりする。そうしないとまるで人間になれないかのように。 非正規で働いている人、結婚しない人、子どもを産まない人。「正常」から逸脱すると、すぐに人々は詮索を始める。そこには、そう有りたいが有ることのできない人々からのルサンチマンもあるのではないだろうか。私は、詮索をしない人間でありたいと思った。 「白羽さんと古倉さんが付き合っている」と思い込んでいるコンビニの同僚たちの手のひら返しはあまりにもリアルだった。 泉さんが「お似合いなんだけど」と言ったセリフ、普段は古倉さんをあからさまに見下すことはしなくても、やっぱり内心は見下していたんだなぁと嫌悪感。でも、「正常」と思っている人間であれば、心当たりがあることなのかもしれない。 ラストは、ハッピーエンドだと感じた。これからもコンビニ人間であり続け、さっさと白羽を追い出し、死ぬまでコンビニ人間を全うしてもらいたいと感じた。 読了後の後味の悪さは、安部公房のようで、しばらく興奮が抑えられなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
普段本を読まない人でも、すらすら読めてしまうくらいに読みやすく、読み進めたくなる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
友人や職場の同僚で発達障害の方がいる人に読んでもらいたい。考え方や価値観とかそういう小賢しい事ではなく、「こういう生き物なのだ」と理解してもらいたい。ストーリー的には白羽に無理矢理感を感じずにはいられないが、こうやって生きるしか生き方を知らない人も少なくないのかもしれない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
げらげら笑って読みました。面白かったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
社会に溶け込むため、自分の中の「おかしい」部分を順番に削除していく女性の話 その作業をとことん徹底的に機械的に行なっていくがゆえに、効率の権化であるコンビニの姿が重なって、女性はコンビニと化し、コンビニは生き物のように蠢めいているのが不気味でゾクッとした また、集団のなかで浮かない身のふり方を全くわかっていない主人公が、誰よりも進んで学ぼうとしているのが現代社会の暗黙のルールみたいなものに対する痛烈な皮肉になっていて良かった キャラクターの造形も見事で、いちいちよくわからない持論を持ち出したり、鼻水が幕を張っていたり、するといった人間のリアルが気持ち悪いほど近距離カメラで描かれていて、面白かった コンビニから、客・従業員・店の経営といった要素へと話を広げ、現代の実存の問題へ切り込んでいく様子が怖いのに終始目が離せず、一気読みした | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あっという間に読みすすめることができた。一体どうなっていくのかハラハラドキドキするシーン夢中になった。 最後は生まれ変わり、書かれていないが二人のこれからの事を想像するにバットエンドになるだろうそれは幼少期の… 想像が膨らんで止まらない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ところどころあるあるで、時にはそこまで割り切れるのかと感じたり。 仲間を得たようで読んでてほっとしたような感覚もありました。 健常者の方が読んでどう感じるかはわかりませんが、発達障害グレーゾーン者としてはなかなか興味深く読めました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
現代社会をシニカルに描くドタバタコメディに感じました。やはり人間は縄文時代から変わらない価値観を持ち続けてるのだなと考えさせられました! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公に共感できる部分がいくつかありましたので、とても読みやすく、面白かったです! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「普通」である必要は全くないと、この本を読んで改めて思いました。 増えることが命あるものとして正しいことだとしても、全ての人間がそれを全うする必要はないと思います。 これまで社会から否定されてきた主人公が、コンビニ店員であることを通して社会の歯車となり、そこに自分の存在価値を見出している点が面白かった。 ラストには、夜明けのような清々しさを感じました。 白羽さんもこの社会の被害者だとは思いますが、読書中は不憫に思うより嫌悪感が優ってしまい、自分の未熟さを感じました。誰も誰かや何かを恨まなくていい、そんな社会に少しでも近づけばいいなと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
こういう人もいるんだろうなと。 主人公のように世間と思考が「違って」いて、一生懸命表面上だけ、人と合わせるように生きている。そうしないと心配されたり、異物のように排除されるから。 普通や、人と同じを求められる、多様性の時代といいながら、自分の常識や理解を超える人がいると嫌がる、苛立つ。だからこそ多様性と唱えて理解していこうしているのかもしれないが、身近な人であればあるほど難しいど思う。自分も、誰かからそう思われているかもしれないし。 ある登場人物に、極端な考え方や、読んでいるとすごく腹が立つことを言われ続けていても、主人公は全く感情に引っかからずに、自分なりに理解することがすごいと思った。でも主人公にとってはそれが自然なので、価値感が違うとそうなるんだなぁ、その方が楽かも、と思ってしまった。 主人公が最後まで「治る」ことがなかったことがかえって現実的で、コンビニでは生き生きと生きられるなら、その世界を守っていけたらいいのに、と思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まだ読み終わっていませんが、面白い。久しぶりです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
朝、世界が動き出す時間にその部品として自分が廻り続ける、コンビニというガラスの箱で。 コンビニで働きはじめて自分が生まれ変わった。 というイメージが清々しい、大好きです。 五感の敏感さ、自分なりの見方や合理性がある、でも周囲と合わせるために話し方や服の好みが影響されていく、なるほどなぁ、そうだわ。 今の気分を美しい文字化にした描写は再読しても鮮やかでクラクラする。 【世間の普通】に折り合いをつけようとしつつ、ラストのぶっちぎりも爽快。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「普通」とは何か考えさせられた。確かに主人公の幼少期は普通でないと思う。大学生になり、コンビニでマニュアルに則り、一生懸命働く。働きながら、人の真似をしたり、状況を見たりして、成長していく。これは普通だと思う。しかし、働いていない時は、普通に人と接することができない。30台半ばになった主人公の将来を考え、親、妹は心配する。変な男に寄生されるが、最後はコンビニ人間として立ち直り、一部、普通に戻れて良かった。「普通の人間っていうのはね、普通じゃない人間を裁判するのが趣味なんですよ。」というくだりが心に残った。読み終わって何とも言えない気持ちになった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
幼い頃から社会不適合と自認する女子の日常を切り取った作品。 フツーの人のフリをして生きてきた主人公は、学生時代に出会ったコンビニのバイトで無理しない生き方が出来ることを発見する。コンビニ中心のルーチンワークに埋没することで、フツーの人のように見えている(はず)と考える主人公。コンビニで人間として生まれた、という発想が面白い。 エキセントリック過ぎる主人公が成り行きで同棲するこことなったのは、これまた究極の社会不適合者。この男の想像の上をいくダメさ加減は、イライラを通り越して笑いが込み上げてくる。 男を養うため三十代まで勤め上げたコンビニを辞めることとした主人公。この時の店長、バイト仲間の反応で、実は主人公がどう見られているかが分かってしまう…。 著者は、暗黙の同調圧力がどんなに生きづいかを描きたかったのか。決着の付け方は、ホラーに近いかも。面白系純文学である。 【芥川賞】 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公は持病がなく、五体満足で犯罪歴もないのに家族からカウンセリングに連れて行かれ「治そう」とされてしまう。 妹に哲学、神学、心理学、法学、文学、アートなど の知識があれば展開が違ったはずだ。 「普通」を押し付けてくる側の普通者たちは実は読書で身につけられる知識や教養が無く、どうにもならなくなるが、ラストで主人公は自分の感覚に頼ってある場所に戻る。 ちょっとでいいから本を読んで、だけど本だけじゃなくて朝散歩もしよう。そんなメッセージを作者から感じた。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!