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狂人の部屋
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狂人の部屋の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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大伯父ハーヴィーの予言は、物語を遠景的にオカルト趣味で 包みこみ、それ以外の謎は、論理的に解明されます。 絨毯を濡らす水は、手がかりとなる痕跡というよりも、 不可解な謎という色合いが強く、 むしろ、登場人物個々の動きや情況証拠が決定打となり、 ツイスト博士は、それらから推理を働かせ、水面下で仮説を 組み立ててゆきます。 それに付随して水の問題も決着する経路をたどります。 ハリス殺しは、いわゆるアリバイ崩しで、セイラ失神の謎が+α として絡んできます。 セイラ殺しは、ハリス殺害と密接に関係があり、やや蓋然性に頼っている ところがあります。 二件とも、黄金時代を模した練りこみだけあってニンマリさせられますが、 両者に真犯人の完全犯罪としての一貫性が見られないのが惜しい。 ただし、上述二件の絵解き、ブライアンの予言的中の論理的解明、 濡れた絨毯の謎の解答、一年前に死んだハリスの棺を開けてみたら 死後数日しか経ていないからくりなど、様々な面で本格風味を 味わわせてくれます。 | ||||
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もうしばらく前に購入し読んだものなので内容は覚えていません。そんなにインパクトもなく、そんなにつまらなくもないという感じだったと思います。参考にならずすいません(;'・ω・) | ||||
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本作品は、1990年発表のアラン・ツイスト博士シリーズの第4作とのことです。 このシリーズを読むのは初めてで、2008年の「このミステリーがすごい!」で第7位にランクインしていたので、手にとって見ました。 舞台は1930年代のイギリスの片田舎に建つ大きな屋敷、ハットン荘。 その当主、ハリス・ソーンは、セイラとの結婚を機に、彼女の両親と兄夫妻を呼び寄せて、一緒に暮らすようになります。 屋敷を訪れた彼女達が不思議に思ったのは、二階に開かずの間があること。 その部屋は、19世紀の末、ハリスの大叔父ハーヴィーが二年間も籠もりっきりで、奇怪な小説を書き上げた後、突然死したという曰く付きの部屋で、事件の時、なぜか絨毯が濡れていたというのです。 ハリスは封印を解き、その部屋を書斎として使い始めるのですが、ある夜、窓から墜落死してしまいます。 絨毯が濡れていたという、不可解な状況で…。 「人を殺す部屋」というテーマの推理小説が、ジョン・ディクスン・カーの著作にあります。 本作品の著者は、「フランスのカー」と呼ばれているとのことなので、もちろんカーの作品を意識してこの作品を書いたのでしょう。 ハリスの弟、ブライアンが事件を予言するというくだりがありますが、「予言による殺人」がテーマの作品もカーの著作にあることから、カーへの挑戦とも言うべき作品だと思います。 ただ、読み終えてみての感想ですが…決してつまらなくはないのです。 過去の事件も新たな事件も、その謎(特に絨毯が濡れていたという点)は論理的に説明されていますし、事件が構成されるに至った真相もよく考えられたものになっていると思います。 でも…なぜかインパクトがないんですよね。 決して真似をしているのではないのですが、どこかで読んだことのあるような気のする真相なのです。 純本格ミステリを書くのは、相当困難な時代なのだと思いました。 | ||||
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過去に怪死事件があって以来、あかずの間となっていた部屋で続発する変事。しかも、 過去の事件の時と同様、いずれの場合も、暖炉の前の絨毯が、水に濡れているという。 そして、それらのことをその家の住人のひとりが、予言しており……。 『赤後家の殺人』を彷彿とさせる《人を殺す部屋》、『読者よ欺かるるなかれ』に 描かれたような、あり得ない的中率を見せる予言、さらに、《死者の甦り》など、 カーを信奉する作者らしい、オカルト色濃厚な道具立てが用いられている本作。 次々に起きる変事とその度に水に濡れる絨毯、そして、一年前に埋葬された死体 の異常な有様といった魅惑的な謎が、終盤になって鮮やかに解体されていきます。 特に、死体の謎のほうは、バカトリックとしかいえない痛快な代物で、 大いに笑わせてもらいました(ちなみに、前例となる作品はコチラ)。 その他にも、複数の男女の恋愛を単なる彩りにとどめず、事件の謎と有機的に連動 させているのが巧いですし、プロローグへと円環的に繋げていく結末の趣向も秀逸。 オカルトと謎解き、そしてバカミスが、ほどよく調和した、完成度の高い秀作です。 | ||||
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これまでに 赤い霧 第四の扉 赤髯王の呪い 死が招く カーテンの陰の死 を読んできましたが今回の作品はつまらなかったです。途中までは良かった、しかしミステリー・Loveストーリー。。。沢山入れすぎて内容が(軽すぎ?)です。 結婚してしまった女を忘れられず追いかけて2人で逢い(不倫) 謎を解くには必ずと言っていい程に遺産相続が動機の一つになるけれど。やはり書かれていました。そのわりには、最後の解決・・・の後、結局、一番、得したのは誰? 怪奇ストーリーも良いけれど今回は、良くない。もうヒトヒネリ、いえフタヒネリ欲しい作品だと思いました。 この人、犯人探しと言いつつも犯人がこの人物であったからこそ一生懸命になったのでは? | ||||
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帯には、恐怖の伝説、不吉な部屋、恐るべき予言、などとあり、怪奇的なイメージを起こさせます。 19世紀、暖炉のそばを水で濡らした跡を残し、おまけに予言(焼き殺されろ)まで残して心臓発作で亡くなった人物から、その末裔の奥さんが20世紀に入って同じ部屋の前で気絶し、旦那さんがその部屋の下で死体となって発見される。そして部屋には暖炉のそばに水で濡れた跡があった。 久しぶりにオーソドックスな探偵小説を読みました。 謎解きも十分楽しめましたし、最後まで読むと、京極夏彦のある作品を思い出す人もいるかもしれません。京極さんの本ほど厚くはありませんが。 | ||||
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非常にクラシカルな作品である。 舞台は「黄金の」1930年代。個性豊かな「中の上」一族の日常生活は、「昔はこうだったのか」と思わせ、興味深い。 恋ありサスペンスありオカルト風味ありと飽きさせない。しかしエグい描写はない。 トリックにも無理はなく、破たんなく最後まで読者を引っ張っていく。正統派の名作だと思う。 | ||||
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「フランスのディクスン・カー」と呼ばれ、日本に紹介されてからもう5年程経つ、ポール・アルテ。毎年、夏頃に1冊ずつ邦訳されてきた。 このレビューを書いている現時点(2007年現在)において、既に邦訳済みの彼の作品の中では、これが最高傑作だろう・・・。 アルテは、不可能犯罪やオカルト趣味的なトリックを多用したカーの作品を、まさに今の時代に蘇らせた人であるが(但し、物語の時代設定は本格派推理小説の黄金時代たる1930年代頃)、今迄に訳された作品を読んだ限りでは、確かに面白いし、この手の作品を書こうという意気込みは大いに買いながらも、どうも筆力やトリックの斬新さなど様々な意味で、いまいちカーには及ばない作家だなと思っていた・・・。 しかしこの作品は、カーの平均的な作品と比べてもあまり引けを取らないレベルである上に、カーの多くの作品に見られる無理があり過ぎる設定や、読者がまず分からない様なややアンフェアなトリックはなく、むしろカーの作品に比べ、ある意味では「正統派」であり、多くの方にとって満足のいくものとなるでしょう。 ちなみにこの作品、「不可能犯罪」と言うよりは「オカルト趣味」の作品である。今迄読んだ限りでは、アルテは不可能犯罪よりもオカルト趣味の作品の方が良いものが書けるのかもしれません・・・。 ちなみに、最後の訳者による解説によると、実際にこの作品は「アルテの最高傑作」と呼ばれているらしいです。 さて、唯一の難点を挙げるなら、文学的な意味での筆力でしょうね。べつにに悪くはないのですが、例えば、せっかく黄金時代である1930年代を舞台にしているのですから、そういう時代背景をもう少し感じさせる様に書いて頂けたら良いのですが・・・。とは言いましても、これは時代考証がオカシイとか、べつにそういう意味ではありませんよ。むしろあくまで、描写の問題ですかね・・・。 しかしまぁ、この手の作品では現在における最高峰の大家ということで、細かいことは抜きに楽しみましょう!! | ||||
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