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アヒルと鴨のコインロッカー
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アヒルと鴨のコインロッカーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.85pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全380件 301~320 16/19ページ
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確かに面白い。間違いない。 その証拠にあっという間に読み終えた。 けど、違和感があったのは、 動物虐待のシーンや、その他犯罪のシーンの不愉快さと、 会話の軽快さのギャップ。 それが現実にはない、絵物語にしているんだろうけど、 現実にありそうな題材だから、そんなに軽くあしらうなよ。 と、思う場面もしばしば。 伏線がいっぱいあって、全てに繋がっているのも、 やや繋がり過ぎ。と思ったりもする。 これ、映画化されるんだよね。 どうやって映像にするんだろう。興味あり。 | ||||
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いきなり本屋を襲撃しようと持ちかけられて・・・。突拍子もないスタートから始まり、過去と現在が交互に進んでいく。随所に張り巡らされた伏線は後半一気に収束していく。登場人物たちの軽やかでありながら深いセリフも面白い。読んでいて全く飽きがこず、読後は爽やかな中に、何ともいえない切なさが。ミステリー初心者も手軽に手に取れて、十二分に楽しめる傑作だと思う。 | ||||
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最近妙に読書にはまり、手当たり次第に読んだ中の一つです。 印象としては、文体がかなり読みやすい。 内容も冒頭からどんどん引き込まれ、一気に読み終えました。 途中まではミステリーの要素があったが、最後には切ない、け れども爽やかな気持ちにさせられました。 またこの作家の他の小説を読んでみたいと思いました。 映画のキャスト、ほんと原作とぴったりですね。 | ||||
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現在の物語と、2年前の物語が、交互に進展していく。 お互いが、お互いの仕掛けになっている。 けっこう最後まで、作者の仕掛けがわからなかった。 出てくる登場人物が、それぞれ魅力的に描かれていて、不思議なタイトルとともに、ラストへの布石が秀逸。 【ネタバレ】 ただし、ペット殺しの描写の甘さと、河崎の自殺の動機の違和感。 そこがもう少し僕の好みと一致したら、☆5ツだったなぁ。 でも、 もう少し彼の作品を読んでみたいと思いました。 | ||||
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河崎「ようするにさ、授かった能力は使わなくちゃ駄目だってことなんだ。俺は見てのとおり外見に恵まれた。それなら、この世の女という女に声をかけて、可能な限りセックスをするべきだ。そう思わないか?」琴美「絶対に思わない」河崎「最近、俺はようやく大事なことに気付いたんだ。」琴美「何?」河崎「人の一生は短い。だから、できる限り出会いを大切にしていきたいんだよ。さっきの麗子さんもそうだ。」琴美「ようは会った女とは片端から抱き合っていく、ってことでしょ。」河崎「俺はね、付き合った女性の誕生日で、365日を埋めるのが夢なんだよ。元旦から大晦日まで、ありとあらゆる誕生日の女の子と交際する」琴美「意義ある夢だと思う」私は根負けして、やけくそな気分になった。クールで節操のない無茶苦茶なキャラです。話自体はそんなに心を打つものではないですが、爽やかに軽快で、ハマりました。今の所21世紀で最も印象的な小説。 | ||||
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物語は、現在(語り手:椎名)と二年前(語り手:琴美)の二つの流れが、並行して語られます。この二つの流れが、どう交わってくるのかがポイントです。 二年前の話では、ペット虐殺事件をバックに物語が進行します。現在の方は、河崎に椎名が書店強襲を依頼され、実行します。この二つの事件にどんな繋がりがあるのか。 アヒルと鴨は、「似て非なるもの」ということでしょうか。ここではブータン人と日本人です。これが、実は大きなトリックのヒントになっています。 ミステリーとして、非常に完成度の高い本ですが、同時に、同じ仏教国でありながら、ブータンのおおらかな考え方に、現代日本が忘れているものがあるように思いました。 | ||||
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映画化されるということで書店に平積みされていたので、なにげなくこの本を手に取りました。 さほど期待もしていなかったんですが、電車車内で読み始め、降りる駅に着くまで読み続けてしまいました。 ラストまで読んでみた感想としては、推理小説としてはやや不満。 途中、180度見方を変える設定がありますが、それも少し無理があるかなぁと思いました。 ただ、私が伊坂幸太郎を気に入った理由は、独特な言い回しにあります。 小説だからと文学し続けず、日常私たちが使っている言葉などを不快にならないように、上手くおりこんであると思いました。 それと、映画化にあたりメインのキャストが瑛太と濱田岳なんですが、この2人が本当にぴったりだと思います。 小説を読みながら頭の中で、この2人で具体的にイメージすることが出来ました。 | ||||
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どうもこの作家とは相性が悪いみたい。 波長が合わない… 結末にたどり着くまでの、もやもやした気分に 耐え切れない、というのがある。 最後の美味しいデザートのために、わけのわか らない料理を食べさせられるのがイヤなのだ。 その割には懲りずに、ついつい、何作も読んで しまうのだけれど。 今回の作品も、実によく練られている。つくづ く、脳細胞フル回転で書く作家なのだな、と。 どんなふうにオチをつけるのだろうと思いなが ら読みすすめたが、なるほど、さすが! 種明かしができないのが残念。 ブータン人の留学生を登場させたのは、作品に も広がりが出てとてもよかった。本を読むまで ほとんど興味のなかったアジアの小さい国に、 ちょっと心がなびいた。 タイトルは強引な気がする。付いた理由はわか るけれど、こじつけ過ぎている気がした。 それに、「陽気なギャングが〜」の登場人物名が 主人公に度々語られるのもいただけない。 読んでいない人には何のことやら〜 些細なことではあるけれど、こんなところで厳 しく減点。 評価が高くて期待外れよりいいと思う。 | ||||
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単行本が発売されたときには、「普通」な印象しか残らなかったこの本。 さして読み返すこともなかったんだけど、 今回文庫本が出たということで読み返してみると、印象は激変、 「この本、こんなおもしろかったっけ?」 と1度読了しているにもかかわらず、次はどうなるんだっけ?と 読む手が最後まで止まりませんでした。 それほどおもしろい! 物語は本屋襲撃やペット殺し事件とミステリー小説を匂わせているが、 これは青春の苦悩や憧れや恋愛を描いた、れっきとした純文学である。 読み終えたあとの切なさこそ、伊坂幸太郎の持ち味ではないでしょうか。 是非、予備知識なしで読んで欲しい。 伊坂幸太郎の最高傑作だと思う。 | ||||
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この物語は"椎名"と"琴美"2人の視点から描かれていくのですが、2年という時間軸の行き来を何度もさせられている内に読んでいるこっちの頭がぐちゃぐちゃになって、大げさに言えば一種のトランス感覚さえ覚えるような展開で一気に最後までもつれ込みます。 終盤に向けての激しく繋がりあう展開も去ることながら、作中読んでいてドキっとする場面もあり。 例えば、椎名が思う「僕はいかにも自分が主人公であるような気分で生きているけれど、よく考えてみれば、他人の人生の中では脇役に過ぎない。」というくだり。 本を読んでいる、という無防備な状態でこんな風にごく当たり前と思っていたことを文面化されるとこんなにもドキっとしちゃうのか〜と、伊坂さんには哲学的な感心も寄せてしまいました。 そしてなんと言っても、出会う筈のない、接点がある筈のない椎名と琴美が繋がっていく快感と椎名が真実を理解していく毎に読み手も落胆や悲壮の混じった、さも自分が椎名になっているような疲労感。やられた! そしてこの一見謎なタイトルにも、読み終えるとニタリとしてしまう。。 伊坂ファンになってしまいそうだわ! | ||||
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物語は現在と過去(2年前)の2つの時間軸で進んでいきます。 現在の主人公、椎名くんはどこか「はっきりしない」感じの人です。 また、現在の物語もちょっとぼやけたように話が進んでいきます。 「なんで本屋を襲うの?」 「なんで広辞苑なの?」 など、はっきりとした理由がわからないまま物語は進行します。 対して過去は主人公、琴美さんのはっきりした性格のおかげか、物語がくっきりと描かれて進んでいきます。 過去の物語は「猫殺し」の3人組動きによって、だんだんと緊迫感を帯びてきます。 ところが、過去の物語は最初くっきりとしていたピントがだんだんと霞んできます。 どこかもやのかかったような展開で物語が進行していくことになるのです。 どこか「はっきりしない」のに、物語を先に先に読ませるのはこれ、筆者の腕でしょうか。 現代のファジーな感じと、過去の緊迫感の緩急の付け方も手伝って、「どうなるんだろう」と思いながら思わずページが進んでしまいます。 物語は、ブータンからの留学生“ドルジ”と美青年“河崎”の関係が明らかになったところで、一気にピントがあい、視界がくっきりと開けます。 現在はカラー写真のようにくっきりと。 過去はセピア色の写真のように憧憬的に。 今まで「はっきりしない」と思っていた物語は、事情を知る登場人物たちの「はっきりとさせたくない」という気持ちからだったんだ、ということに気づきます。 ラストは物悲しい雰囲気がただよいます。 まるで住み慣れた街を引っ越すときのような、 ボブディランの「風に吹かれて」のような。 「なんて素敵な話の進め方なんだろう」っていうのが読後の素直な感想です。 物語の構成力もさることながら、霧の中で手を引かれるように、押し付けがましくなくてやさしい感じの吸引力! 「伊坂幸太郎は天才だなぁ」っと一読者ながらに思います。 | ||||
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初めて読んだ作品です。広辞苑を盗む、という訳のわからない所に引かれて手にしたのですが、期待を軽々と越えてくれる素晴らしい作品でした。読み始めたらやめられず先が気になって気になってこの小説を読む為に時間を作り出してしまう程私は魅了されました。最後までドキドキしながらオチを想像する機会すら与えずただ純粋に楽しめ、見事主人公と歩むことが出来ましたよ。所々の文が心にこびりついて、読み終わってしばらくたった今も主人公に始まり登場人物達や出来事を思い出します。こんなに面白いなら、と伊坂さんの他の作品を読みたくなりました。とにかくとても良い作品です。 | ||||
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ミステリー作品だけではなく、青春っぽい雰囲気も感じられました。 「二年前」と「現在」が繋がった時に、だまされた!そういうことか!と思わさせてくれます。 2007年夏に映画も公開されるということです。映画化は難しそうな作品ですが、ぜひ見たいと思います。 | ||||
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アパートに越してきたばかりの椎名が巻き込まれる本屋襲撃の現在と、それとは、まったく関係が無いと思われる、2年前に琴美が巻き込まれるペット殺しの話が交互に展開されますが、最後には・・・。 読み始めると判りますが、次が、気になりだして止まらなくなります。 この小説にも、他の作品のある人物が登場します。(ストーリーには、余り影響がありませんので、ご心配なく) | ||||
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軽妙かつキャッチーな文体で語られる物語に潜む残酷と悲壮。思えば『オーデュボンの祈り』『重力ピエロ』もそうだったけれど、伊坂幸太郎作品ってちょっとびっくりするほど残酷なところがある。けれど読み終えてから余韻を残すのは、何某かあたたかいものだったりする。これぞ、伊坂節という感じ。 『アヒルと鴨のコインロッカー』もかなり絶望的に乱暴で残酷な物語だったけれど、不思議と読了後も殺伐とした気持ちにはならない。レッサーパンダの姉弟の挿話、琴美・ドルジ・河崎・麗子さんら登場人物の会話の間などが絶妙で、印象に残るのはくすっと笑ってしまうような場面が多い。 中盤以降で明かされるひとつの大どんでん返しにはあっと息を呑んだ。やられた、騙された、と感じつつも非常に痛快だった。 あー しかし伊坂幸太郎って ほんとうにストーリーテリングが巧いなぁ。 | ||||
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初めは謎だった点が、最後には線で繋がり、読み終えると何故か優しい気持ちになれる物語。ミステリー性はさほど高くなく、筆者の書き方がおもしろいので本が苦手な方もスラスラと読めるのではないかと思います。そして、この本の主人公は読む人によって変わるのではないかと思います。 | ||||
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どこか荒唐無稽な設定と寓話的なストーリー。エキセントリックな登場人物や引用の多い洒脱な会話、ユーモアのセンス。緻密な伏線とラストの収束感。本格読者のみならず一般読者まで、読者層が広いこの作家の持ち味は文壇オンリーワンといえるでしょう。いずれ宮部みゆきや東野圭吾のような国民的作家の位置に就くのでは。伊坂幸太郎作品は「魔王」あたりからミステリ性より文学性に寄りかかった作風に移り変わっていくのですが、「アヒルと鴨」は伊坂幸太郎の持ち味が全面に出ていて個人的にはベストに推してもいい作品です。この頃の伊坂作品は(消化不良というわけではないのだけどいい意味でそれに近い)読むたび「この作家、次は更におもしろいのが書けるんじゃないか」と思わせる、何か卑怯とも言い換えられる(?)稀有な魅力がありました。 大御所作家が書く社会性を孕んだエンターテイメントも押しの強い主張が読み応えをあたえてくれますが、伊坂氏が書く小説の登場人物が嘯く過激な主張も、理性的(だがちょっと抜けてる場合が多い)な主人公をフィルターに通すその距離感が痛快で楽しいです。 最近の作品も新鮮で楽しいのですが、そろそろこの手の読み応えあるミステリを発表してほしいですね。 | ||||
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伊坂幸太郎がブレイクした2003年。『重力ピエロ』『陽気なギャングが地球を回す』に続いて刊行されたのがこの『アヒルと鴨のコインロッカー』です。 仙台の大学に入学した椎名。引っ越したその日に、隣人の河崎から『広辞苑』奪うために本屋を襲おうと持ちかけられ、なぜか協力させられてしまう。 椎名と河崎の本屋襲撃を描いた現代編。そしてペットショップ店員・琴美と留学生・ドルジがペット殺し犯と対決する二年前編の二部構成です。 現代と過去が繋がれるとき、驚くべき真相が明らかとなる…… 小説だからできること、小説にしかできないことを存分に発揮した本作。2007年夏には映画公開も控えており、どのように映像化されるのか、期待大です。 | ||||
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物語は現在と過去のが展開されている。 過去の物語でも登場して現在も登場している人物がいる。 過去の物語では登場して現在は登場しない、人物がいる。 過去の物語では登場せず現在は登場している人物がいる。 物語の本当の主人公、そして物語の主軸は現在なのか過去なのか。 滋味溢れる文章とあいまって、傑作作品の様子です。 | ||||
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ミステリアスで切なく、小説を読む楽しみを存分に与えてくれる一冊。 ただ、もう普通の感想は書きつくされているだろうから、ちょっと違った視点で。 本書の舞台は仙台だが、具体的な地名や場所がそれほど出てくるわけでもない。 だがそのわりには、この小説は仙台という街の「空気」を非常に濃厚に伝えてくれる、という気がした。 新幹線や地下鉄がある都会ながら、大都会すぎない生活のリズム。 さして見所はないが、それなりの動物園。 アーケードの人ごみと、都会ならではの不気味さ。 人と人との微妙な距離感。 海のほうへ行くと、急に寂れてくる感じ。 それから、やけに広い空。 舞台となったコインロッカーなどは「ああ、あそこだな」と想像もつくし、そこに荷物も預けたこともある。 私が仙台に長くいたことがあるから感じることなのかも知れないが、場所の持つ「空気」を伝えることのできる作者の力は素直にすごい、と思う。 | ||||
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