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アヒルと鴨のコインロッカー
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アヒルと鴨のコインロッカーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全373件 221~240 12/19ページ
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しばらくぶりに本を読もうと思い、本屋へ行ってみました。 伊坂幸太郎は面白い、という評判は聞いていたし、それじゃ読んでみようかな、と軽い気持ちでこの本を手に取りました。 読み始めたら、しばらくぶりの読書なのに全然抵抗感なく、するすると読める。 二年前の出来事と現在の出来事が交差して、どんどん続きが読みたくなる。 面白い!!・・・とワクワクしながら久々の読書を楽しみました。 でも、後半はだいぶ先が読めてしまったのと、爽やかな文体に騙されそうになるけどけっこう後味が悪いのがちょっと残念。 あと、構成面で貫井さんの「慟哭」を思い出しました。 あれも最後辛かったなぁ・・・・。 | ||||
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オリジナルは2003年リリース。直木賞より実際はレベルが高いといわれている吉川英治文学新人賞(第25回)を本作で受賞している。 最初に連想したのは村上春樹の『パン屋再襲撃』だった。あれは実際はマクドナルドを襲う話だったが、こちらは本屋。しかしながら読み終わった読後感は大分違う物だった。こちらの方が遙かに用意周到だ。変な言い方かもしれないが伊坂幸太郎の小説はプログラム的、もう一歩言い進めるとリバース・エンジニアリング的だと思う。出来上がったプログラムの構造を逆解析しているのに似ている。時間軸が2年ずれた世界が最後に交わる。この手法もどこかソースコードをインクルードして引っ張ってくるプログラミング手法を連想させる。理系の読者は似た感触を持っていると思う。 そして会話が絶妙だ。伊坂ワールドの生命線はこの会話の中にある、と感じる。 既に映像化もされているが、作者自身が言っているとおりこの作品の映像化というのは難しい気がする。と言うか小説故に可能な世界、そういうものを感じさせてくれる作品だ。 | ||||
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伊坂幸太郎の文章は大体、滅茶苦茶キレがよくて、 なんかきれいなオチというかトリックがありますが、 中には「でもストーリーがなあ・・」みたいなもあります。 (そんなわけで「ラッシュライフ」はあんまり好きじゃないです) でもこの作品はストーリーがものすごくわかりやすい上にきれいで、 エンディングが鮮やかなので 読んだ後にストレスがたまりません。 伊坂さんのいいところ総結集な本じゃないでしょうか。 | ||||
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とにかくおもしろかった。少しずつ真相が分かってきて、最後にぴったりとパズルが完成するようなこの感覚は最高だった。時間を忘れて読むことが出来る本に久しく出逢うことができた。読んだらいいと思います。 | ||||
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動物虐待、性病、復讐などの重苦しい話で、後味が悪すぎる。 読み終わったあと凄くモヤモヤとした気持ちが残る。 動物虐待とかの話は苦手なんで、読んでいて辛かった。 ラスト付近で明らかになる真相には驚かされましたが、いいところはそれだけ。 なによりも、あの時点で警察に知らせないっていうのが信じられない。 あまりにも不可解で、一気に萎えてしまいます。 文体はもろに村上春樹。 いろいろな所で村上春樹の影響が伺えます | ||||
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大学に入学するため仙台のアパートに引っ越してきた僕は、その当日、謎めいた隣人、河崎から、本屋を襲撃して広辞苑を奪う計画に誘われる。同じアパートの外国人留学生を元気付けるためにプレゼントしたいのだという。だが、何故強奪しなければいけないのか? 河崎の理不尽で強引な誘いに戸惑いながらも、「怖いもの見たさ」とあまりの現実味のなさに、僕はモデルガン片手に書店の裏口を見張る羽目に!?… 2年前に仙台市内で頻発したペット殺しとそれに巻き込まれた青年達、現在進行形の書店襲撃、この二つの視点(語り手)と時間軸を異にする二つの物語が、同じ登場人物を媒介にしつつ、徐々に接近して行き、真相と謎(=2年前の青年達はどうなったのか、何故書店を襲撃したのか)が明らかにされていく。 ミステリー的仕掛けやオチも見事だが、これはやっぱり一種の青春群像劇と言えるだろう。 女たらしだがどこか憎めない超二枚目の河崎、素朴なブータンからの留学生ドルジ、ペット殺しに激しい怒りを感じる琴美。いずれもが、思いに邪(よこしま)なところは無い。その青春の喜劇と悲劇が鮮烈に描かれている。 伊坂の小説はどこと無く寓話っぽくて、現実離れのしているところがあるのだが、ギリギリのところでリアリティを保っている部分があり、この小説では、現在の語り手であり狂言回しである「僕」(椎名)が担っていると言える。 それと、「人間の命の方が他の動物の命より重いということはない。むしろ人間の方が邪悪な分、価値が低い」というのが、過去の作品を通じても伊坂の一貫した主張のようだが、この小説では、その主張がより明確に打ち出されている。 また、逆説的だが、伊坂は、動物の命を弄ぶような邪悪で狡猾な人間と、それと一線を引いて、時には闘うことも厭わない人間を対峙させることで、人間の存在の崇高さにも、信と希望を置こうとしているような気がしてならない。 | ||||
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出だしあたりは面白かったが、中盤以降は読んでいられないレベル。 村上春樹的な空気感はいいんだけど、あれは純文学のあたりの枠組みでやるからいいのであって、ミステリのかっちりした枠組みの中でやるには合わない。 登場人物の行動理由や動機が滅茶苦茶で、非常にご都合主義で苛々した。 あと、凄く空気の読めない文章を書く。 あくまで焦点を物語に合わせておきつつ、その側面に洒落た小話やレトリックが出てくるのはいいんだけども、洒落た部分にもろに焦点を当てた書き方をするから、冗長になるし、何より鬱陶しく感じる。サスペンスに傾いてるところで、そんなところに焦点を合わせるなよ、みたいなのが多い。 | ||||
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カワサキの過去と現在。 本屋の襲撃に込められた想い。 物語のつくりが上手いなぁと思った。 なんともいえない余韻が残る一冊。 | ||||
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ミステリーのレビューを書くのは非常に難しいですね。 この本へ興味を示した方がこのレビューを読むときに、種明かしにならないように書かないと台無しですから。 予備知識なしでこの本を手に取りました。 冒頭から現在と2年前の2つの物語の同時進行に振り回されました。しかし、そ の両方の物語が少しずつ近づいて焦点を結んだとき・・・・すべての要素が一点 に結びつく瞬間を楽しんでください 小出しになる情報が積み上がってきて、恐ろしい結末になりそうな予感が膨ら み、読み進もうか、それとも途中で止めてしまおうか悩んでしまったほどです。 あとがきによると、「このミス」年間ベスト2位だそうだ。 | ||||
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デビュー作以来様々な切り口で楽しませてきて呉れた作者ですが、『重力ピエロ』からまた格段に進歩している所が素晴らしいです。行き当りばったりを装っている(?)描写やストーリー展開も、実は非常に考え抜かれていることがよく分かりました。(でも、タイトルはちょっと・・・) 今回も現代と過去が同時進行する技法を用いていたり、広い意味でのトリックが大きな要素になっていますが、飽く迄も物語を構築する一つの手段と作者が考えているのならいいのですが、今後そうした小手先のテクニックに走ったり、間違っても謎解きそのものを目的にすることがないように祈ります。 『ラッシュライフ』のレビューにも書かせて頂きましたが、これだけオリジナルで魅力的な世界を持っているので、それをドンドン深めていって欲しいものです。 | ||||
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2年前と現在とが交互に進められているのに、読んでいても、ちっとも振り回されない感じは、さすがでした。ストーリーもおもしろかった。タイトルも良くて。 でもちょっと、やり過ぎな感があるような、、伊坂ワールドどっぷりな方にはいいのかもしれません。 | ||||
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役割が"お人好し"である現在の「僕」と二年前の「私」の話が交互に語られます。共通の登場人物の、過去と現在が繋がるようで結びかない話がゆっくりと一つになっていきます。 物語に"途中参加"した「僕」の語りが確かに"お人好し"で、読者と同じように「?」をたて、それを解いていきます。その結果が"途中参加"した物語の、少し寂しい結末でもありました。 | ||||
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面白い着想の本だし、過去の登場人物と絡ませてくる、話の構成とかはよく出来ていると思います。 でも、このお話はちょっと退屈で、段々重苦しくなって読後感も余りよくなかったです。 同じく不思議系の登場人物な「重力ピエロ」は好きなんですけど。 伊坂さんの本をこれから読もうと思われる方は、まず「チルドレン」「死神の精度」の方を お勧めします。この本で挫折したとしたら、勿体無いですから! | ||||
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多彩な作風を持つ伊坂氏の事、本作ではどんな趣向を用意しているか期待して読んだが、ミステリを書いていると悟った瞬間、その期待は萎んだ。 大学の新入生の僕に、悪魔のような黒づくめの河崎と名乗る男が、「一緒に本屋を襲わないか」と誘う発端(現在)。物語は、僕を語り手とする現在と、ペットショップの店員琴美を語り手とする二年前とがカットバックで描かれる。折原氏が良く用いる手法である。二年前の登場人物は琴美の他、女好きの"榎木津"のような河崎、琴美の当時の恋人のブータン人ドルジ、ペットショップの店長麗子、そして琴美と河崎は元恋人の関係。現在の登場人物は僕の他、麗子と生き返ったと称する河崎。ペット殺しの犯人を念頭に置いて、簡単な算数をすると作者の意図は自ずと分かってしまう。本線の他にも、強引な挿話が多い。動物園は動物にとってはストレス源で、憩いの場と言うよりは物悲しい場所である。パンダも模様を無視すれば、顔は熊以外の何者でもない。また、ブータンを理想郷のように描いているが、実際は政争の絶えない国なのである。私にとって本作での一番の謎は、麗子の"氷の性格"だったが、この謎は最後まで置き去りである。 「イニシエーション・ラブ」や「葉桜の季節に...」よりはレベルが上だと思うが、上質のミステリとは思えない。作者の得意な「洒脱な人間模様もの」に徹した方が良かったのではないか。 | ||||
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伊坂作品を読んだのは初めてです。ミステリーのランキングなどによく紹介されているので興味はあったのですが、なんとなく手が出ませんでした。映画のDVDもなんとなく手にとってみたのですがこれが非常に面白くて、原作もぜひ読んでみたいと思ったのです。なので本を読む時も映像の人物が自然とイメージされてしまって、先に原作を読んでいたらどうかということがわかりません。けれど、映像と本のコラボの楽しさをこれほど感じた経験はありません。映画も素晴らしく原作も素晴らしかった。「アヒル」と「鴨」の比喩の意味は途中でわかるのですが、私たちはどのようなものに生を受けてこの世に存在するのかということまで考えさせられるような作品でした。私はたまたま日本に生を受けて、日本語を話し、このような容姿で存在しているけれど、もしかしたらすぐに殺されるような動物や虫だったかもしれないし・・・なんて・・・軽いタッチの本であり、映画であるのに不思議です。何度か読み返してみたいと考えています。 | ||||
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「一緒に本屋を襲わないか」の突拍子のない言葉から始まって、次々と発せられる会話に含まれている謎めいた言葉が 読み進めるうちに明らかになっていく時の気持ち良さ。 キザだけどユーモラスがある会話がテンポよく展開されていて面白い。 現在の主人公、椎名が後半あたりで、自分はこの物語の脇役なのかもしれないと認識するところが、また面白い。 二年前の出来事の結末が思いのほかあっさりしてて、少し物足りなさを感じた部分はあったけど、 琴美の二年後の回想なんかは、先にラスト後を示唆させていて独特だなと思う。 読み終えてタイトルの意味を改めて考えると、なるほどなぁと納得させられて、やはり伊坂幸太郎はセンスがあるなと思う。 | ||||
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読後ミステリーだと気付きおどろいた。 そんな気配が全く無かったからだ。 まずタイトル『アヒルと鴨のコインロッカー』… なんだ!???…だ!! そして登場人物。 誠実なブータン人と端麗な容姿をありのままに受け止め振る舞う隣人、正義感が強く好感が持てる女の子と冷静な女性、そして僕。 時間は2年前と現代を交錯しながら 存在すべき人が現れず、現われている人は存在感を出して物語は進んでいく。 青春小説かと見紛うようなポップミステリーは『さすが伊坂!!』といいたい。 普通の男の子の新しい生活に混ざりこんで来る物語はシッポサキマルマリのように高貴で好奇心をたまらなくくすぐる妙作♪ | ||||
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弛緩した文体が三分おきに眠気を誘う。高速道路の直線を一定速度で走行し続けると、睡魔に襲われるのと同じように。 2年の時の往来毎に覚醒するが、同時に、大きな横揺れに三半規管が不調を訴えるごとく、平行線を描く二つの物語の往復に疲労する。 さて、二つの道はやがて緩やかなカーブにさしかかり、同時に急な坂道となっていく。現実と記憶とがドルジという直線上のある一点で交差する。その交差点で、記憶が現実へと昇華し、現実が虚構へと蒸発する。 コインロッカーはその象徴として、適切な場所であるし、埋め込まれるキーワードとして、物語を交差した三人の写真とボブディランの歌は適切なアイテムだ。沢山の人が死ぬ。それぞれの死には意味づけが必要だろう。それが物語だ。だからこの物語の中の死にも意味が語られる。 弛緩した文体は最後まで続く。しかし物語を締めくくる最後の出来事の緊迫を浮き彫りにした。 そこまで作為だとすれば、この小説は実に意地悪である。 | ||||
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昔と今が錯綜している構成が活きてる。 言葉がリンクしてハッとさせられたり ちょっとしたエピソードで人物をより際立たせたり。 この方はキャラ作りが上手いのかな。 濃く思い浮かんで、それだけでも惹き付ける。 それと、気になるのは言葉。 「一緒に本屋を襲わないか」 目的は広辞苑 とか。 「神様を閉じ込めに行かないか」 突拍子も無いけれど ちゃんと収束して意味あるものに形を変える。 その持っていきかたが好み。 | ||||
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2年前の話と現代の話が交互に展開されていく中で、それぞれの登場人物が交わっていく様子が分かりやすく、丁寧に描かれていた。本屋を襲うという突飛な発想もおもしろかったのだが、それ以上に河崎と琴美、ドルジの軽快なやりとりが好きだった。テンポがよいためスラスラ読めるし、ミステリーとしての事件も楽しめた。 | ||||
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