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グラスホッパー
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グラスホッパーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全427件 421~427 22/22ページ
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正直に白状してしまえば、今までの伊坂作品と同じ感覚で読んでしまった為か、なんとなく後味悪く感じてしまいました。伊坂氏自身が、何かの本で言っていたけれど「今までの自分の作品の中ではダークな部分が一番多い」とかなんとか... まさしくそんな感じでした。作品のタイプやストーリーのつなげ方はラッシュライフと似ていると思います。読者を引き込んでゆく文章の上手さは相変わらずスゴイなー...と思うんですけど、今作品は殺人、自殺、事故などで死んでゆく人達の死に方がやたらリアルで、ページを進めたいのに読むのがキツイ...といった、私にとってはとても困った作品でした。ただ、逆に言えば、想像力を否応なしにフル稼働させられるというのは、作者の上手さゆえなのでしょう。初めにも書いたように、今までの伊坂作品とは一線を画す作品だと思いますので、これから読まれる方はちょっと気合いを入れつつ読んでみて下さい。伊坂氏の第2章の始まりといった感じでしょうか?だからこそ、個人的には「神様のレシピ」や「かかし」なんかはこの作品には入れて欲しくなかったです。 | ||||
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まず書店で、帯の言葉にウケた。本文からの抜粋だと思われる文「亡霊としての節度はないのか?」だ。ナンダソレ?亡霊に節度も何もあるのか? そして読んでみて、全てに夢中になった。気の弱い復讐男<鈴木>に、罪悪感ゼロの殺し屋少年<蝉>に、「職業:自殺させること」の大男<鯨>に。それから桃に、アサガオに、孝次郎に、スズメバチに、、、登場人物全員が魅力的でしかたなかった。 鳥肌が立つような大きな感動はなかったが、所々でじんわりきた。帯の言葉に、これまた本文からの抜粋で「僕は、君のために結構頑張ってるんじゃないかな」というのがある。帯で見たときもそうだったが、じっさい本文中で読むと、「これは、結構感動的な言葉なんじゃないかな」と思った(笑)。 人が冗談みたいにどんどん死んでいくので、多少倫理的に問題はあるかもしれないが。まぁ小説の上での話ですから。 | ||||
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相変わらずの伊坂流パラレルワールドは健在。あまりに現実離れしたこの世界観は四の五の言わずにさくさく読ませてくれるので、非常にテンポよくラストまで導いてくれる。ただ、少々食傷気味にも感じたのも、正直なところ。これまでの伊坂作品の中では順位を示すとけっこう下位のほうになっちゃうんで星四つ。過去の作品にあったラストのジーーンとくる感じは残念ながらなかったかな。ただ、あくまで伊坂作品に限定した中での下位なわけで、レベルはやっぱ高いです。伊坂作品を読むたびに、僕は作者の命の定義が非常に気になる。この作品でもばんばん人が死ぬわけだが、過去の作品でも悪人を裁くことに対して法に委ねることなくきっちり復讐してしまうところがすごく新鮮に感じられる。悪いことをしたら殺されても仕方ない、とここまであっさり言い切ってしまうキャラってなかなかいない気がする。現実的に考えてそれが正しいのかどうか、と考えると難しいけど、小説とわりきってしまえばそれが非常に気持ちがいい。そして文中に度々登場する独自の哲学も非常に面白い。今作品では特に選挙権の話と交通事故とテロの話について非常に考えさせられました。 | ||||
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妻を失った元教師・過去を清算したい自殺屋・自由になりたい殺し屋この3人の複合された視線で展開この小説はミステリーの内容ではありません殺しを専門とする業界人がうじゃうじゃ出てはきますがそれも、交通事故をきっかけに翻弄する中で出てくるだけですここ最近の伊坂幸太郎作品にあった非凡ではなく元教師鈴木のどこまでも普通の人が、ひたすらビビリながら妻の復習と彼女の思い出を胸に奔走するこれは、「オーデュポンの祈り」を思い出してしまいましたこの作品で「しゃべる案山子」などと出てくるだけでなく作品の根底が同じだと思うのです●人に人生の奇跡が起きるかもしれないと祈る気持ち●まだまだ人生は捨てたもんじゃないと思わせる優しさ(愛)最近『重力ピエロ』『アヒルと鴨のコインロッカ―』では圧倒的な喪失感や悲しみが彼を覆っていたがこの作品が分岐点となりそうな、変化が生まれている故に地味に感じてしまう人もいるかもしれないこの本は何度でも読めば読むほど、味のある作品だと思う | ||||
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伊坂作品はすべて読んでますが、これほど次のページを早く読みたい作品はなかったと思います。過去のある元学校の先生の鈴木、そして殺し屋蝉、鯨、この3人それぞれに行動をしながら最終章へ向かう。この展開は「ラッシュライフ」にも似てますね。文章の端々にドストエフスキー、ジャック・クリスピンなど著者の世界観が現れているような気もします。キーワードは「押し屋」もしかしたら蝉、鯨のような殺し屋が本当にいるかもしれないと感じました。読んでいるうちに現実と幻覚が交差してきます。 | ||||
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1章、2章の1、2の代わりに、人の名前が入った印鑑が押されています。ハンコ状の○の中に入っている人物名は、鈴木、鯨、蝉。主要登場人物の姓あるいは通称。話は、互いに面識のない彼ら三人が、ひとつの事件をめぐって繋がっていく趣向になっています。三人が繋がっていく様子は、あたかもビリヤードのキューで突いた球が、次々にぶつかっていく感じ。一種、核融合の連鎖反応みたような話の繋がり方、三人を機軸とした同時進行型の話の展開、そこがまず面白いと思いました。登場人物の独白や台詞の、ウィットに富んだ面白さ。巻き込まれているやばい状況を、他人事のように認識するおかしさ。あちこちでにやにやさせられました。見知らぬ者同士が関わり合っていく群像劇。冒頭から、ぐいと心を掴まれて、一気に読み通してしまったクライム・ノヴェル。深刻ぶらない爽やかなテイストが、とても良かった。終盤の展開なんて、山田風太郎の忍法帖を思わせるスリリングな面白さがありましたよ。特に印象に残ったキャラ。私は、ドストエフスキーの『罪と罰』を愛読書にしている殺し屋、鯨に一票。 | ||||
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伊坂さんはインタビューの中でこの作品は「オーデュボンの祈り」に一番近いとおっしゃってましたが、私は「ラッシュライフ」に近い感じを受けました。それぞれの殺し屋の視点に変わってスピーディーに物語は展開されますが、どの殺し屋も主人公になれそうなくらいインパクトが強く魅力的です。伊坂さんの作品には欠かせない?他のキャラを超越した存在のキャラもまた魅力的です。ただそれらの中でも何故か私の中で一番印象に残ったのはナイフ使いの殺し屋の上司で岩西という男です。ジャッククリスピンの言葉を引用するのが好きで、最初は全然好感が持てないキャラでしたが、時折見せる子供のようなやりとりや、死の間際にも蝉を応援する一面を見て、どうかここで死なずに生き残ってほしいとさえ思うようになりました。久しぶりに一気に読めたいい作品だと思いました。もう一度他の作品も読み直したくなりました。 | ||||
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