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砂漠
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砂漠の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.93pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全318件 301~318 16/16ページ
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ありふれた日常の普遍的なキャンパスライフに、ほんの少しの意外性とユーモアを加えた伊坂幸太郎会心の青春小説。伊坂好きで、青春小説好きの僕にとって、この小説を読んでいた数時間は凄く幸福だった。複数の視点で進んだ物語が最終的に繋がる定番の手法ではなく、季節ごとのエピソードを回想するかのように綴る。大学生活を通じて出会った仲間との友情だったり恋愛だったり、とても普通のことなのに凄くおもしろい。個性的な登場人物と無駄のない伏線の張り方。苦難を共に乗り越える姿も酷く爽快で読み心地が凄く良い。こんな仲間達に囲まれ、愉快な日常を歩むことが出来たらどれだけ愉しいだろうか。そんな羨ましさも感じる。様々な登場人物の中で伊坂作品最高のキャラと言える西嶋。ぽっちゃり体型の空気を読まない強烈な語り口で、惹かれるか完全に嫌うかの二択を迫られる特異キャラ。この西嶋の、いちいち言う台詞がおもしろくて、時に引用する言葉も何か胸に残る適度な重さを持っている。「彼方で人々が、難破しているときに、手をこまねいてはいられない!今俺が助けに行くぞ!の精神ですよ」要は先のことなんて考えないで目の前で困っている人を助ければいいんですよって事。理解は出来ても行動を伴うのが難しい。そこを難なく、あっさりと行動する西嶋の行動力。臆することなく、恥じることなく、自分の生き様を突き進む姿。うだうだ悩んでるのが酷く馬鹿らしくなるくらいにスッキリさせてくれる。今、一番おもしろい小説を提供してくれる作家、伊坂幸太郎ここに在り。大好きだ。 | ||||
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北村、西嶋、南、東堂、鳥井。一人一人の個性が光る。特に西嶋の キャラは圧巻。実際にいたら困るだろう、実際にいたら楽しい だろう。この二つの思いがある。四季の移り変わりの中、彼らの 生活が鮮やかに描き出される。中にはとてもつらい季節もあったが。 全体を通して伊坂さんらしい作品だと思った。 「その気になれば砂漠に雪を降らすことだってできる!」 彼らならどんな望みも叶えてしまうのではないだろうか。そう 思わせる情熱が、この作品には確かにあった。できるなら、私も もう一度大学生に戻りたい。 | ||||
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これはミステリーというよりは青春小説だと思う。 春、夏、秋、冬にそれぞれ事件のようなものがあり、それについて語られていくという一見普通の小説のような気がするが、そこは伊坂先生。まったく読者を飽きさせません。 相変わらず登場人物がすばらしすぎです。特に西嶋、あんな友達1人は欲しいです。いっぱいいたら嫌だけど…。しゃべり方が好きです。 「北村、それは何々ですよ。」って人の名前呼びつけにしておいて語尾は敬語ってなんか面白いな〜って思いました。個人的には「中」のくだりが大好きです。 | ||||
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去年18年飼っていた犬が死んだ。途中犬は5匹の子を産み、彼らはそれぞれ知り合いにもらわれていった。いまだ、訃報はない。血統書つきでもなければ賢い犬でもなかったが、家族にとても愛されていた。犬がいた時間はとてもかけがえのないものだった。それは、もらわれていった家でも同じことではないだろうか。ウチの犬の子供が別の家庭にもらわれ、そこで愛され、家族は犬がいることで他では知りえない幸せや愛情を得るだろう。 伊坂幸太郎が彼の作中にみせる身近な奇跡。それは人の繋がりであり、そのベースは愛なのかもしれない。 私が伊坂作品に期待してしまうのはそこに『人の繋がり』を見つけたいからだ。オーデュボン、ラッシュ、ピエロ、強盗、アヒル、陣内、死神、魔王。彼はそれぞれの作品に繋がりを持たせることにより奇跡をおこし、ほとんどの作品を私達読者に愛させてしまった。 今作はその中の陣内が起こしたもうひとつの奇跡の話ではないだろうか。 | ||||
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「オーデュボン」から何年?傑作「重力ピエロ」からまだ1年半!?恐ろしい勢いで「どれを読んでも損なし!」小説を量産している伊坂。傑作「魔王」から1ヶ月でもう次!?いくら何でも限界ってもんがあるだろうよ、といぶかしく思いながら読んで溜息、またしても「損なし!」、いや「面白い!」。第二次「W村上世代」なんて口を尖らせる文壇をさらりと分断して余りある軽快さ。この人の小説のエラいところは「主人公か、それに近い人も肉体的に切られたり、殺されたりする」ことにある。そこに「ありえない話の現実味」が醸し出されてしまうので「えーーーーっ!それ、小説とは言えアリかよ!?」と毎度毎度、必ず驚かされるのだ。そして不自由になったり、死んだりしながらも軽快に物語を進めていく人々の不屈さにすっかり元気づけられている僕である。本作品でも「えーーーーーっ!それって意味あるのかよ!?」という人が完膚なきままに酷い目に合うのだが、意味なく酷い目に合うのが現実ってもんか、そうだな。相変わらず超常現象と群像劇のモチーフに変わりはないが、それでもマンネリどころか、それを期待して尚、裏切られることがないという裏切りに感心、感動。さあ、どこまで行ける!?重力に逆らう如くどこまでも行ってください。「伊坂は現在、最高に面白い小説家です。どれ読んでも損なし!」で在り続けてください。 | ||||
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2005年の伊坂の締めの作品です。 おなじみの仙台を舞台に繰り広げられる,ちょっとの謎かけ,ちょっとの超常能力のそしてたくさんの青春。 読後さわやか,伊坂マジック有り,と楽しい作品です。 いまどきのチャーミングさってこのような人々の中にあるのでしょうね。 | ||||
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おもしろい。とにかくおもしろい。 読み終わるのがもったいないとおもいながら読みきってしまった。 一気呵成に読みきって・・・ あれ? 井坂本特有のザラザラ感やじゃりじゃり感がないぞ。 不条理感というか浮遊感というか それがなくてなんだか喉越しまろやか。 たしかに非現実的な能力はでてくるけど現実の許容範囲。 う〜む。これは変化球か? それともその気になれば、160キロだせるんですよ、なのか? どっちにしてもやっぱり凄いぞ。脱帽。 さて老骨に鞭打って砂漠に雪をふらせるべく いっちょがんばってみますか。 | ||||
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大学に戻りたい、こんな感情って大学を卒業して時間が経過しないと甘美な思い出にはならない。 社会という砂漠でへとへとになって、戻れない大学の時が甘美になる。 大学の仲間とぐだぐだする、あの時間の流れ方を鮮やかに甦らせる。 いつもつるむ仲間、挨拶は交わす同級生、バイト先の仲間・・・ 読みながら自分の大学時を思い出し、懐かしい顔がどんどん浮かんだ。 「俺は恵まれないことに慣れてますけどね。大学に入って、友達に恵まれましたよって」西嶋が最後の方で言う言葉は、 読中気が付けばこの仲間に入っていた自分をも感じ入る台詞になった。 大学で友達なんて大仰な話ではなく、気がつけばいつもつるんでた仲間 その仲間との春夏秋冬 大学は振りかえった時甘美になる、人生の大切な時間。 その時間が鮮やかに甦る1冊だった。 | ||||
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彼らをとりまく「大学生活」、さらにその先に漠然と広がる社会という名の「砂漠」。それら幾重にもおりかさなった殻の中で、彼らは彼らなりに、仲間の身を案じたりだとか、色恋沙汰に頭抱えたりだとか、将来のあれこれについて言い合ったりだとか、種種の諸事情に呻吟する。しかしその中にあって「自分」、あるいは「自己」といった些か不明瞭な――けれど誰でも一度は慮るであろう――「形態」を漸次見出してゆく。 そういった意味で、本書は昨今の大学生活のもようを鮮やかにきりとった「傑作青春小説」であると同時に、昨今の悩める大学生活のもようを鮮やかきりとった「傑作成長譚」であるともいえよう。 | ||||
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伊坂の青春小説ということで、今までにない感じの作品です。「チルドレン」もミステリー要素の低い作品ではあったんですが、これはもう真っ向から青春小説に向かっている感じで、「チルドレン」のときの実験的な雰囲気がありません。 「砂漠」というキーワードをもとにして、展開する物語は現役大学生ににとってはものすごい説得力を持っていたりします。それを踏まえても「砂漠」なんてどこにでもあるものなのかなぁと思ったりもします。大切なのはイメージというか、「魔王」でも言及されていた「想像力」のであって、「どう思うか」というのが人間の人生にとって最も大きな意味をもたらすものなんだと思いました。 この作品hは意外と「魔王」と合わせて読むのがいいのかもしれないと思っていたりもします。 | ||||
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初めての伊坂作品。 連作短編風に春、夏、秋、冬、そして再びエピローグに当たる春が巡ってきます。 事件は出てきますが、謎解きの要素はほとんどありません。 登場人物に役割分担的に明確な個性が与えられ、冗長になるところを割り切って省略した物語はテンポ良く読むことが出来ます。 どこかで読んだような懐かしい感じがする物語ですが、類型化しそうになるところを微妙にはずしていくところは、作者の物語作りの巧みさを垣間見せていたと思います。 | ||||
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最近の「魔王」とはまた違った、いわゆる青春大学生ものです。 主人公の友人西嶋は「チルドレン」の陣内を思い出させます(私だけでしょうか?)。 今作では、たくさんの伏線が一つにまとまって…という感はあまりしませんが、相変わらずの伊坂ワールドです。「ラッシュライフ」や「グラスホッパー」といった感じではなく、やっぱり「チルドレン」っぽいです。 伊坂作品には不思議な人(?)がよく登場します。「オーデュボンの祈り」の優午や「魔王」の兄弟などなど。今回も登場しますが、非現実敵な彼らの能力も、伊坂作品ではさらりと日常に溶け込ませます。 | ||||
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ここ最近の伊坂さんの作品はミステリーから離れ、作風に幅を広げてきている。「砂漠」はど真ん中の青春小説であり、自分の十数年前の学生時代を懐かしく思い出した。主人公は伊坂作品おなじみのいつもながらクールなキャラで、最初から安心して感情移入が出来る。脇を固めるキャラも個性豊かで、思わず自分の友人達を重ね合わせながら読み進んだ。恩田陸の「夜のピクニック」にも通じる何か懐かしい思いを感じられる一冊だ。 | ||||
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前作『魔王』が出たばかりだが、著者1年半ぶりの書き下ろし長編ということで、ファンとしては見逃せず、読んだ。 今回はミステリーではなく、ひとりの大学生、“僕”こと北村の視点で描かれた青春小説。舞台は著者の作品ではフランチャイズとも言うべき仙台である。 長編とはいうが、入学時の「春」から始まって、「夏」「秋」「冬」と四季の移り変わりのなかでの“僕”たちのそれぞれのエピソードを綴った4つの連作中編+掌編・卒業式の「春」で終わるという趣を持った作品のように私は感じた。 “僕”たちは、麻雀、バイト、合コン、恋愛などモラトリアムなふつうのキャンパスライフを送りながら、「ホストとのボウリング事件」や「連続空き巣事件」、「大学祭超能力対決」、「連続強盗事件(通称‘プレジデントマン’の事件)」などとかかわってゆく。よくこんなにいろいろ事件が起こるなあと思って読んでゆくと、“僕”たちの四季には伊坂幸太郎らしいある仕掛けが施されていた。 著者のいつものミステリー作品のように、摩訶不思議な設定や、いかにも人を喰ったようなキャラクター設定・ストーリー進行や、物語の終末にはすべての謎が収束する、というお話ではないので、アクロバティックな展開に対しての「やられた」という驚きは味わえない。 けれども、“僕”を始め、彼を取り巻く登場人物たちの造形には「伊坂幸太郎らしさ」が十分生かされており(特に私は西嶋くんのキャラが気に入った)、それぞれの事件とのかかわりも興味深く、浮世離れした浮遊感とでもいうのか、独特の「伊坂テイスト」を味わうことができた。 | ||||
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今回は、青春小説ということで(しかも私と同じ大学生の設定)とても期待して読んだ。キャラクターの良さや独特の言い回しなどさすが伊坂作品と思う部分は多々あったが、少し物足りない気がした。色々な伏線が繋がり最後に「やられた」と感じる感覚が今回は弱かった気がする。しかし、全体的に爽やかな感じで後味も良い。今までの伊坂作品の構成とは少し違うが、内容はとても面白い。是非、一読をお勧めする。 | ||||
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衝撃作にして問題作(?)だった前作、「魔王」の余韻、というか不穏な空気を若干残しつつも、今作は、きっと伊坂ファンにとっては「待ってました!!」と快哉を叫びたくなるような作品なのではないでしょうか? 軽妙な語り口(含む、会話)と、さりげない、しかし読み手の心に妙に引っかかる引用文、魅力的な造型の登場人物、ラストへと向けパズルのように様々な事象が収斂されていく、いつもの語り口。どこをどう切り取っても、満開の伊坂ワールドが零れ落ちて来ます。つまり、これこそが作家の個性という奴で、彼にしか書けない世界だと思います。 勿論、そこに若干の不満もない訳ではないですが、そんなのは瑣末な問題だと言えるでしょう。 個人的には、繰り返されるフレーズ「そんな事は、きっとないだろう。と思う。」(うろ覚えなので、違っていたらすみません)が、村上龍の「69」に多用される「と、いうのは嘘で」というフレーズに対応しているようで、面白く読みました。もっと言えば、ズバッと全否定、もとい断言してしまう村上龍と、曖昧に柔らかくぼかしてしまう伊坂幸太郎。これが、二人の資質に関係するのか、それとも時代の空気とやらを敏感に反映しているのか、なんなのか。 そんな事を考えさせられました。まあ、つまりは「青春小説」として、非常に気に入ったという事です。 | ||||
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伊坂氏の書く人間というのは本当に魅力的で、おもしろく 自分というモノを持っている気がします 感情移入して、こいつは嫌いだ、とかこいつは好きだ、とか思ってしまいます 今回出てくる人たちも個性的で魅力的でした そして話としての流れもスムーズで、春から冬までの四季の流れをちゃんと描き、大学生活という限られた時間の青春の物語はおもしろかったです しかし、普通の小説としてはおもしろいと思うのですが、伊坂作品としては少し微妙でした 今回は青春物語だったためか、事件などがほとんどなく、一気に謎が解けていく爽快感がありませんでした。これはただの個人の趣味だと思いますが 重力ピエロや陽気なギャングなどが好きな人にとっては私と同じような印象を受けるかもしれません | ||||
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一気に読み終えました。 さすが、伊坂幸太郎といった感じでしょうか。 後味良く読めました。 伊坂作品ではお約束?となっている、他の本の登場人物が 今回も出ていた気がします。 もろに、名前が出てくるのではなく、あれっと言った感じに。 この『砂漠』 とってもオススメです。 | ||||
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