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ナラタージュ
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ナラタージュの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全195件 181~195 10/10ページ
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一見過去の栄光にすがる未練たらたらな女性の物語と思いがちだが、多かれ少なかれ、またその想いの深さの違いはあれど、皆同様に過去を背負って生きているのではないかと思う。大切なのはそれ(過去)を自身で今とちゃんと区別しているか否かだろう。結局過去の成し得なかった事実はいつしかどんどん美化される。でもそれは自身が勝手に作り上げた虚像に過ぎず、愛するべき対象は今身近に在る存在であるという事に気付かなきゃいけない。泉がそれを区別できているとは思えないが、葉山の最期の決断はそれを区別できているように思った。そして過去に対するそういった考えを改めて教えてもらったという意味では良い作品だった。個性豊かな登場人物に照らして、自身の恋愛観について改めて考えたくなるような作品だと思います。 | ||||
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確かに、結婚が決まった主人公が二十歳の頃を回想するという形式をとってはいるのだが、実質的にはその二十歳の頃がリアルタイムで、更に高校の頃を回想する部分が多い。そのほかにも、細かい回想が随所に入っていて、言わば種明かし的にストーリーは進むが、そのあたりの構成にメリハリがちょっと不足していて、注意深く読まないと、あれっ、いつの間にか時間が戻っていたという部分がちらほら。 人間は全ての記憶を消し去れない、というか、記憶をどんどん蓄積していくのが人間だと思うので、この結末はすっきりしないとしても現実をとらえたものとして評価できる。しかし、主人公とこの教師がどうしてここまで心を通わせるようになったのかについての描写が足りないせいか、何故ここまで引きずることになったのかもう一つ納得できないという憾みはある。 しかし、全体的には楽しく読ませてもらいました。 | ||||
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読みやすく、気取った感じでは無いけれど透明感のある文に好感を持てました。 けれど固有名詞の多さ、変なタイミングで入る食事メニューに読んでいる途中度々目を止められてしまいそこだけは減点対象として星の数を減らしました。 お互いがお互いを思いあっているのに触れ合えない、その感情の描き方が上手くて、その切なさに胸が苦しくなりました。 “片思い”なんてこの世の中、殆ど誰もが一度は経験したことがある筈。“叶わないのに”っていう諦め、ふとした瞬間の淡い期待や喜び、その次に訪れる繰り返されるそういった出来事の虚しさ、悲しさ、悔しさ、そんなことの積み重なりだと思います。 この小説にはそれらがぎゅっと詰まっていて、それでいて押し付けがましくなく、自分のかつて経験した気持ちを呼び覚まされました。 蛇足ですが、雰囲気がどことなく市川拓司さんの「恋愛写真」に似ているなと感じました。どちらも好きな小説ですが主人公が同性ということもあって私はこちらの方が好みかな。 | ||||
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本屋に入ってから、その本屋のランキングの上位にあった「ナラタージュ」に興味がわき、買って読むことにしました。「魂を焼き尽くすほどの恋」との紹介文に大きく期待していたこともあり、一週間ほどで一気に読んだのですが、私の感想としては、「こんな恋は絶対にしたくない」でした。読み終わっても、物語の結末にすっきりせず、なんか期待はずれだったな〜と思ってしまいました。自分の好みの問題だと思うのですが、、、 | ||||
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主人公の回想で始まるので、恋の結末は始めからわかっていました。 それなのに読んでいると引き込まれてついつい違う結果になると 思ってしまいます。最近読んだ恋愛小説では一番引き込まれました。 切なくて涙が出るほど激しい恋を自分もしたくなるような小説です。 | ||||
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新聞ですごく絶賛されていたため、読んでみた。 最初は登場人物に感情移入できなかった。 それで、リアイアしようと思ったが頑張って持ちこたえた。 するとだんだんと面白くなって気付いた時には最後のページを読み終えていた。 先生のことがが忘れられなかった主人公だが、ずっと心にその気持ちを隠していた。しかしある電話をきっかけに再びその気持ちがよみがえる・・・。というなんだかよくありそうな展開だが、このストーリーをあの若さで上手く感情などを表現できた島本さんはすごいと思った。 ラストスパートをかける最後の展開は自分的には好き。 是非とも読んで欲しい。 | ||||
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一生にこんなにも、人を愛することができ、素敵な思い出にもなりながら、生きていこうと思うことがすごく素敵ですばらしいと思います。涙が何度もでてきて、繰り返し読みました。ぜひ、恋人がいる人もいない人もよでみてはいかがでしょうか? | ||||
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初めて人を愛した時って、きっとこんな気持ちだったのかなぁ?と若かりし頃を思いました。「付き合おう!」って言葉にどきどきしていた頃がありましたね。確かに。付き合い始めたものの、些細な嫉妬や価値観の違いから、急速に冷めていく気持ち、別れ、やっぱり心にずっと居続ける人に気づかされたり、。まさに青春!でしたね。 ストーリーや設定は使い古された感じですが、若さゆえのみずみずしい気持ちや、ぎこちない精神状態はとてもうまく表現されていて、一気に読めました。 「ナラタージュ」とは主人公が回想の形で過去を語ることだそうですが、こんな素敵な恋が、一生主人公の中で生き続けていくことは、幸せだと思いました。二度と会うことはなくとも、「葉山先生」は彼女のそばにずっときれいなままの姿で、寄り添っていることでしょう。 | ||||
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きれいな文章を書く人という認識はあったので、冒頭の3Pで「これはいける!」と確信、購入に至りました。しかし、読み進めていくと、どうも恋愛部分がは薄いように感じられてなりません。かなりつっこんで恋愛で壊れていく部分をもっと書き込んで欲しかったように思います。また、主人公、ならびに先生の人間的な欠陥について言及がないようにも感じました。 「生まれる森」を読んで、文学的な成長の期待が高まっていただけに少々残念です。 | ||||
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全体的には綺麗な恋愛小説だ。 しかし、読んでいて物語にいまいちのめり込むことができなかった。 高校の時から好きだった先生を忘れられない、という筋はそれでいいと思う。 だが、それにまつわるエピソードが、いまひとつ作り物の臭いがした。 元々小説なんて、作り物なのだが、それを感じさせないのが、いい小説だと思う。 本作は私を物語にどっぷり漬からせることはできなかった。 恋愛小説としてはまとまっているとは思うが、そのあたりが不満が残るので おまけの★4つ。 | ||||
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言ってもらえるはずはないと思いながら、でももし言われたら途方もなくうれしいだろう、と思う言葉を好きな人が投げかけてくれたときの、喜びと切なさの感覚を思い出し、胸が熱くなる瞬間が何度かありました。 | ||||
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「この恋愛小説がすごい 第1位」 というコピーに惹かれ購入しました。 読みはじめ部分の印象は少々がっかり。 主人公は男性だと思っていたのですが、 5ページも過ぎると女性と判明。 今回は失敗だったかなぁ、といささか負のイメージのまま読み進めました。 でも、そんな失敗感はすぐさま払拭。 気づいたら奥付 (一番最後のページ) まで読んでいました。 久々の良作。 3時間全く休み無しで最後まで。 ぐんぐん物語に引き込まれていきましたね。 幸せな話でもなければ不幸せな話でもない。 でも、そんな話が流れるように心を打つ。 切なく、さらに昔の良き思い出を彷彿とさせられます。 心地よい余韻の残った面白い作品でした。 私は恋愛小説をあまり読まないのですが、 この著者の作品はもっと読んでみたいと素直に感じさせてくれました。 切なくそしてすごく感情移入できる作品です。 一度読んでみてください! | ||||
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実は、私現代恋愛小説はあんまり好きじゃないのです。 私はどちらかというと歴史物や社会派推理小説・ノンフィクション等を好むような女なのですが、これは久々に読んでよかったと思いました。 当初は友人から借りたのですが、自分でも後ほど購入してしまいました。 話の筋は、女子高生(途中から女子大生)と先生の恋愛。 なんとなく内容が予想できそうな感じと思って読み始めたのですが、少女漫画とかにありがちな設定でありながら、新鮮で軽すぎず全く飽きさせないストーリー。そして、とにかく文章が上手いと感じました。一見普通の文章なのに、とても読み易い。繊細な心理描写がリアルで、せつなくて、なんだか泣けてきました。セックス描写も変に形式ばってなくて作品中での違和感なかったし、ちょっとした例えとかも共感できるもので、10代の子が書いている作品とは思えませんでした。 主人公の女の子は、特にスレてもいる訳でもない普通の子。先生も問題を抱えながらも誠実に対応しようとしている人。ずるい所もあるかもしれない、それを主人公も気づいているけれど好きでいることをやめられない・・・。でも、この子はすごい大人な考え方をしてるなと思わされたり。 主人公だけでなく、周りの人も身近にいるような人達。気づいていても、無意識のうちに気づかないフリをしていたり、誰にでも身に覚えがあるようなことを意識させられるような作品でした。 人間を美化しすぎず、かといって汚いものとしても描いておらず、ただそこにいる人達のことを淡々と書いたような語り口で読後も爽やか。島本さんの他の作品も読みたい。(比べるのもあれですが、私は綿矢さん・金谷さんの受賞作より好きです。) 気合を入れて読むものではなく、日常のちょっとした合間にセンチメンタルな気分にさせてくれるような作品でした。 | ||||
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一人の女性、工藤泉が高校生から社会人になるまでの、苦しく、切なく、哀しく、そして人生に深く、深く刻まれることなった恋愛遍歴を「ナラタージュ」する物語である。(ナラタージュ:映画などで、主人公が回想の形で、過去の出来事を物語ること。(『ナラタージュ』表紙裏より)) 彼女の作品を読むのはこれで3作目になる。主要な登場人物の心の機微を著者が丁寧に観察し吟味し、細心を以て文章化している。その濃い内容はとても22歳の若い女性が著わしたとは思えないほどだ。 泉が高校時代から思いを寄せ、違う人と結婚した今でも心に留まり続けている葉山先生。この二人の厳かなまでの繊細さで語られる恋、そして愛を中心に物語は回ってゆく。泉が何かを思うとき、たとえ親しい人の死に面したとき、他の誰かと体を重ねているときでさえ、葉山先生は彼女の脳裡に現れてくる。彼女の喜怒哀楽は葉山先生に絡めとられている。一度は彼への思いに身を投げる泉であったが、最後には凛然としてそこから這い上がる。過去との訣別である。そして新しい人生を歩み始める。 女性の情念とはかくも熱きものなのか、男性である僕にとっては畏れにも似た感情を覚えた。前半の人物紹介を兼ねた演劇の部分をもう少し短くして、後半の物語を厚くして欲しかったかなという感想はあったものの、この作品は島本理生の代表作のひとつに数えられることになるだろうと確信した。 | ||||
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誰かのことを忘れられない苦しさと幸せが、 とても身近な感じで書かれていて、感動しました。 これって書くの、結構難しいと思うのに、島本さんてスゴイ。 葉山先生に対する主人公の思いに、最後は本気で泣けて、 私の目の前にも、最後の廊下の情景が広がりました。 いいんです。葉山先生はズルイ男かもしれないけど、好きだから。 ずっと心の中に居続ける大切な人がいるなら、このお話は 読むといいかもしれないです。共感できそう。 そして、心の中の人が、ますます大切になりそうです。 | ||||
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