(短編集)
一千一秒の日々
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主人公たちが、ぶきっちょで、 本当〜にじれったくなる連作短編集です。(これは良い意味でですが。) 個人的には『青い夜、緑のフェンス』がドストライクでした。 最近の島本理生さんの描く世界観の原点が、この小説には詰まっています。何年か経ったら、また読んでみたい作品ですね(♡˙︶˙♡) | ||||
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これは、20歳前後のある一時期を取り出したところのお話です。 確かに、重みはないのかもしれませんが、隙間時間に読むにはぴったりの物語(連作)です。 誰もが自分の暗く柔らかい部分に気付き、そこへの対処方法を覚えていく、それが恋愛の中で失敗しつつ顕著になっていくさまが描かれているような気がしました。 特に、針谷くん。彼の自己評価の冷静さと低さには切ないものを感じますが、そこがまた魅力的なのです。 「ナラタージュ」でクローズアップされましたが、島本さんは筆の力を持っています。年齢を重ねて、重い作品も読める日が来ることを望んでいます。 | ||||
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「べつにいいじゃない。だいたい衝動的で感情的なんて、そんなの加納君じゃないよ。 もともとの性格っていうものがあるんだから、なにも感情を剥き出しにすることばかりが人間的なわけじゃないよ」 『七月の通り雨』での、遠山さんが瑛子に花束を渡して求愛をするシーンがたまらなく好きです。 そして『屋根裏から海へ』での、加納君のきちんとした性格に物凄く魅力を感じます。 この作品の感想を読むと、『青い夜、緑のフェンス』での針谷と一紗について触れられていることが多いですが、私はこの二つのお話が好きです。 こんな男の子(男の人?)が現実にいたら、世の中の女の子たちにとって、どれほど救いになるだろう。 また、私も『野性時代』での作者本人の解説を読んで気付きましたが、最後の『夏めく日』は瑛子の妹のお話らしいです。 意外と瑛子本人だと思っている人が多い気がする…。 余談ですが、文庫本版で、 「すごい、じゃなくて、すごく。入試の小論文で減点されるよ」 「……おじいちゃんみたい」 という加納君と弥生ちゃんのやり取りが省略されていたことが物凄く不満です。 こういう細々としたシーンが良いのに!! | ||||
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気持ちとしては★4.5です。 以前からしつこく言っているのだが 大きなお世話を百も承知で、 またこの比較の本質的な無意味さをも百も承知で繰り返すと、 綿矢りさと金原ひとみが芥川賞を受賞した時に 「Why not 島本理生?」と腹が立ったのだ、私は! (個人的には、あの回の彼女の候補作「生まれる森」は特に内省的な感じが強くて、痛いけれど大好きなのだ。) 別に、残る二人をこきおろすつもりなんじゃなくて。 でも単純に、この三人だったら、明らかに島本理生が頭ひとつ抜きんでてると思うんだよね。 この人の小説って特に大がかりな仕掛けやプロットは何もないけれど、「細部にこそ神が宿る」の典型例だと思う。ディテールの映し出し方のこまやかさ。感受性の解像度の高さと言おうか。読んでいて、ふとした拍子に背筋をざわっとさせる場面に一度や二度は絶対に行き当たる。描かれているのは退屈になりかねないほど平凡なモノなのに、絶対にそうはならない作品をコンスタントに書き続けているという時点で、この人の実力は証明されていると思う。 本作は連作短編集なのだが、最後の2編がすごく好き!「新しい旅の終わりに」の加納くんは、どこか「リトル・バイ・リトル」のキックボクシングをしている男の子を彷彿とさせる人物設定で、ああ、こういう男の子好きだなぁ、としみじみ(「男性」じゃなくて「男の子」なんだよね、この種の人間を形容する言葉は)。また、最後にこんなモン持ってくるなんて反則だよ、と思った「夏めく日」。最後に明かされる真実の切なさに身悶えしてしまった。 この人の小説、やっぱり大好きです。 よしもとばななに通じる瑞々しさがある。 この感性は、非凡だ。 | ||||
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ある話では脇役だった登場人物が別の話では主人公になり、主役を入れ替えて話が進んでいく小説でした。 特に気に入ったのは3話目の「青い夜、緑のフェンス」です。 太っていることがコンプレックスで、自信が持てず、自分のような男を女の子が好きになるはずがないと思い込んでいる針谷君と元気でかわいい今時の女の子の一紗ちゃんが歩み寄っていく姿を描いた話です。 この針谷君は何か俺みたいだった。 俺に近いものを感じる登場人物だっただけにこの話が気に入っているんだと思う。 この話だけではなくこの話の登場人物はみんな不器用で、完成された登場人物という感じがなく、身近に感じられるのが特徴です。 皆さんに近い登場人物もこの作品の中に登場しているかもしれません。 機会があれば手にとって読んでみていただければと思います。 | ||||
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