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(短編集)
蛇行する月
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蛇行する月の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全48件 1~20 1/3ページ
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女性のずるさ、繊細さを飲み込みながら匠に表現しています。特に最後の作品は感動が押し寄せてきて、長い余韻があります。人生のすべてを肯定していくような包容力を感じる読後感です。読みやすいのでおすすめ。 | ||||
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薄い文庫で連作短編集なので早く読めた。最終章で少年ジャンプのギャグ漫画に出てきそうな名前の人がいた。この話で名前と性格が一致していることって必要か?駆け落ち女の余命のくだりで、あざとくて開いた口がふさがらないと思っていたら、角膜云々の続きがあって。無駄にするところが無いですね。「駆け落ちして2~3年で醒めて、挙げ句子供を棄ててまた別の男について行った」ならなるほど、と思うのだけど。彼女は後先や周りに与える迷惑を考えずに自分の欲求を優先して行動する、ということが2つのエピソードに渡って描かれている。それが何の説得力もなく、いつの間にか自己犠牲のひとになっている。「申し訳ない」という気持ちと、「とっても幸せ」という気持ちは両立しないだろう | ||||
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オムニバス風の小説。 文章が読みやすく、情景がスッと入って来て、私は好きです。 | ||||
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大好きな桜木紫乃さんの作品。釧路の高校を卒業してからの各々。見えなかった事が見えてくる。友情と嫉妬。事実とは⁉️幸せとは⁉️青春を生きた友人達は元気だろうか?久し振りに、あの時代に戻りました。 | ||||
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どの話にも、どの女性にも、親近感を覚える部分がある。または、理解できない部分もある。あとがきもなかなか素晴らしかった。個人的に(「似てる似てない」ではなく)今の自分が好きな話は「弥生」と「静江」だった。 「しあわせ」と言い切る順子には、誰もが何故か嫉妬や憧憬に似た感情を覚えるのかもしれない。「ラブレス」も近しいテーマかも知れない。それは「足るを知る」ということなのかも知れない、とも思う。 作者はどんでん返し的に読み手を最後に気持ち良く裏切ってくれるところが、愛があって好きです。 | ||||
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きれいでした | ||||
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桜木紫乃さんの本です。この作家さんの本ははじめてですね。 最初、名前が「紫乃」とか、バブル臭のする80年代ふうのヤンキーっぽい香りのする名前でしたので、奥付にある経歴をみたら、1965年生まれですね。 なんとなく「あー、そういう世代かぁ」という臭いを感じるんですが、 意外と良い作品だったと思います。やはり、人を字面で判断したらあかんね。 1984年から2009年までの物語で、 それぞれ同級生たちの一人称で話がすすんでいく感じですね。 微妙にそれぞれがリンクしていて、一つの物語を形作る、というタイプの物語形式です。 主人公たちは、多くが北海道に住んでいるのですが、どれもが生活が苦しい感じです。 そういうなかで、物語が展開していくのですが、 すごく違和感があったのが二点。 一点目は、1984年の物語の、清美の話なんですが、この当時、不動産関係でバブル時代だったわけで、イケイケの好景気で、職業はたくさんあった気がするんですが、 清美は劣悪な職業環境で、若いのに就職できねー、みたいな話なんですけど、 これって、時代がなんか90年代以後、バブル後の感覚のように思えました。 時代の齟齬があるように感じないではないです。 あるいは、北海道という地方だから、バブルの時代でも不景気だったかも、と思わないでもないですが、 でも、それにしても、あのバブル時代に、こんなことってあったかいなぁ。 まあ、こういう人は、いつの時代でもいるんでしょうけど。 二点目は、手紙の書き方が一律なんですよね。そこが違和感があります。 手紙って、人によっては、「拝啓」とか、バチッと文語体でキメる場合もありうるのに、 みんな同じような書き方の手紙ばかりなんですよね。 だから、リアリティがないというか。 つか、北海道では、手紙の書き方も教育してねえのかよ、とか思っちゃいましてね。 一人くらい「拝啓 春暖の候いかがお過ごしでしょうか」みたいにバキッときめた手紙を書くヤツくらい、いてもいいように思えます。 とはいえ、各人のキャラや生き方、考え方がよく描かれていて、それが各章でコントラストを形作っていて、面白かったですね。 最後、角膜ネタのところ、185㌻あたりは、うるっときてしまいました。 人々は、みんな、一生懸命に生きているんだなぁ、と、人間のはかなさと愛おしさを感じさせる小説でした。 | ||||
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とにかくきれいでした | ||||
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いつどこで読んでも寒いです。(笑) それが嫌と言ったらウソで不思議とページを めくる手が止まらず独特な読後感は 病みつきになります。 最後の直子の章のVシネ鑑賞のくだりは とても共感できて印象に残りました。 | ||||
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人は成長するにつれて何かが弱くなってしまう。 でも順子のブレない芯の部分にある種、女性ならではの気高さを感じました☆ | ||||
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桜木紫乃女史は著名な直木賞作家なので、一度読んでみたいと思っていたのですが、何故か今までチャンスがありませんでした。 この人は不器用でも一生懸命生きている女性を本当にうまく切り取る人だなぁ、という印象を受けました。本作は高校の同級生のグループを中心とした女性達の生き様を赤裸々に語っているのですが、見事なまでに表裏を描き切っていると思います。代官山蔦屋書店の文学担当の間室道子さんと言う方が解説の中で面白いことをおっしゃっています。 男性を中心にした小説は目的を同じくした時に登場人物の男性達はグループになり、友情→裏切り→和解→団結と話は進むのに対し、女性のグループ小説はぐちゃぐちゃで、陰口を言いながらも一緒にいることを望み、同じ目的に向かう時も思いはバラバラ、友情と裏切りと団結が常時混沌としている。(あくまで、こういうのが小説のネタになるという話で、現実もそうだとは自分は考えておりませんので、悪しからず・・・。) まさに、本作はその後段的な作品だと思います。 「清美」、「桃子」、「美菜恵」、「直子」、順子はかつて道立湿原高校の図書部に所属した同級生。現在は、「清美」は酌からコンパニオンもどきまでさせられる場末の宴会ホテルの営業職。「桃子」はカーフェリーの乗務員で不倫中。「美菜恵」は学校の教師で嘗ての担任と結婚予定。順子は和菓子屋に勤務したものの、その店の女主人の夫である20歳近く年上の餡練り職人との間に不義の子ができてしまい駆け落ち。 彼女達に加え、順子の母の「静江」。駆け落ちされた女主人の「弥生」。彼女達「6名」が、それぞれ年代を追って、順子との関係を通し、各自の人生を語ります。 人生とは何なのか?男とはなんなのか?幸せとはなんなのか? 決して明るい内容ではありませんが、読了後、一筋の光が見えるような、そんな作品でした。 そのうち女史の代表作、「雪虫」と「ラブレス」「ホテルローヤル」あたりも読んでみたいと思います。 でも題名は何故、蛇行する川じゃないんですかね・・・?月イコール女性ってことなのでしょうか? | ||||
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女性名を各章のタイトルにした構成が誠に上手い。加えて、登場人物の人間性がよく描かれています。文章も時として純文学と言っても良いくらいの素晴らしい日本語です。それが相まって一気に読ませます。小説はこうでなければいけません。各女性像の造形も見事で、各人物の性格とその背負った悲しみと個性が読む者に伝わってきます。「ホテルローヤル」とほぼ同時期に「小説推理」に書かれた作品群のようですが、個人的にはこちらの方がはるかに傑作であると思うのですが・・・・・。久し振りに小説を堪能しました。しばらく桜木さんの作品を読みづづけるつもりです。 | ||||
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人がどう思おうとも思われるようとも誰でも、幸せの価値観が違い。いいんだと。 思わせてくれる。けれど、人として、人を敬う気持ちを持ち続けるのは大切。いつか報われる。涙がでた本ははじめてでした。 | ||||
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自分にとっての幸せ、生きるということを考える作品だなぁって、素直に感動する。 | ||||
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登場人物の女性一人一人の人生を蛇行する川にたとえ、曲がりくねりながらも皆それぞれに目的地である海に向かって流れていく。作者の登場人物に対する温かい共感が感じられる。 | ||||
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読んでいて、あーこんな人生ありそうだな。と友達の実話や相談を隣でただ実直に意見もせず聞いてる時に似ていました。 | ||||
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釧路の高校の同級生女子たちと、彼女らと縁のある女性たちの20年余にわたる軌跡が描かれた作品。 主役を変えながらの連作短編集の形式で、それぞれ人生の残酷さを感じさせる重い始まりだ。不倫の挙句失踪してしまった女性が、全編を通しての象徴的な役割なのだろう。彼女の母親、同級生たち、夫を奪われた女性の日々が、彼女への様々な思いとかさなっていく。 各短編のラストが微かな光りさす物語となっているのが良い。女性の逞しさを感じる作品となっている。一方、男性はというとダメなヤツしか出てこないけど・・・ | ||||
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この作者の表現力はどうであろう。引き込まれてしまう。 さまざまな年齢の女たちがオムニバスのように登場するが、まずその背景となる場所の雰囲気の伝え方が秀逸。例えば「1984 清美」。不景気な割烹ホテルのささくれ立った職場を描くのにメニューを持ってくる。このメニューを見ると、ああそれねと、うらぶれ感に納得してしまう。 細かい所に作者の腕が光る。 女たちはそれぞれの事情を抱えている。登場する場面での年齢もそれぞれ。 ただ皆生きるのに必死だ。自分で自分を養わなければならない。自分を幸せに一歩でも近づかせるため懸命だ。 その女たちの向こうにいつも見えるのが順子。 東京のはずれの寂れたラーメン屋で、かつて駆け落ちした男と、その男との間に出来た息子とで暮らしている。そのラーメン屋の描写が余りに鮮やかで、本当に自分が訪れたことがあるのではないかと思うほどリアル。 最初の章でちらりと見えていた順子は章を追うごとにしだいに生き生きとした存在になっていく。 最後には順子のシワだらけの笑顔が私自身に向けられているように思えてくる。 最後の章「直子」。 直子は自分は確かに一生懸命に生きてはきたが、結局は自分が一番可愛かったにすぎないという思いが消えない。けれど直子は順子に会い、「自分は許されているのだと思った。誰でもない、須賀順子という天使に」。この「許されている」という感覚を小説の中で描くのは難しいのではないか。だがその感覚が決してウソではないと、難しいところで支えているのが順子の描き方の素晴らしさだ。 順子やその他の登場した女たちに出会えて良かったと思える本。 お勧めです。 | ||||
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高校を卒業後に駆け落ちし、全国を転々とした順子を様々な女性たちからみた短編小説集。 「お金」と「幸せ」は密接に関連する。しかし、順子はそんなものとは関係なく自分は幸せだと言ってくる。みんなそれぞれに苦労しているし、順子はもっと大変なはずなのに、幸せであることを信じて疑わない。 最後の展開は読む人にしかわからない感動がある。生きるという幸せを感じることができる。 桜木紫乃の作品を何作も読んでいると、相当波瀾万丈でワケありな人生を歩んできたのかな?と思わせるが、本人の想像力がとても強いのだとわかった。 2017.5.5 読了36冊目 | ||||
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主人公、須賀順子の生き方を各章毎の登場人物を通して描かれている連接短編小説。 高校卒業後、割烹ホテルに就職した同級生は理不尽な仕事環境に嫌気がさし、新たな就職先を見つけて幸せを探る1984年 高校卒業後、国内フェリーの搭乗員になった同級生は上向き景気の最中から、着飾る豊かさで幸福感を満たしている1990年。 老舗和菓子屋の女将は幸せな人生を再構築するため、長く失踪している旦那との話し合いに重かった腰を上げる1993年。 ある思いから教師になった同級生は、学生時代から焦がれていた高校教師との結婚を間近に控えるも、それが真の幸せなのかの自己疑念に陥る2000年 いつも男の存在があった主人公の母は、幸せの本質を考える賢さを持たずに人生半ばを過ぎ、今もただひたすらに日常を生きている2005年。 看護師になった同級生は、結婚に対する過度の願望なく今に至り、独身のまま淡々とした毎日を過ごす2009年。 お金に不自由のない幸せ、一人気ままに暮らせる幸せなど、個々の幸せの物差しで幸福度を推し量っているが、そのことが本当の幸福なのかはいつの時代も多くの人が自問している。 そのなか、主人公は病気に蝕まれている今も、今の生活が幸せだと目を輝かせて断言する。 本当の幸福とは何なのかを再考させられる作品。 | ||||
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