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(短編集)
蛇行する月
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蛇行する月の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全48件 21~40 2/3ページ
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1984年頃に高校生だった女性 清美・桃子・弥生・美菜恵・静江・直子の同級生(図書部)の生き様を2009年くらいまで追いかけていくお話。高校三年の夏に担当の先生に愛を告白したが断られたことで人生が狂っていった女性を中心に、女性特有の(こう書くとまずいのかもしれないが)エゴ・妬み・プライドがおり混ぜられて、ドロドロに進んでいく。見栄で幸せを演じ続けるメンバーが最終的にどこに行き着くのか…。 本当に生活感と年をとっていく様子がリアルで、本当にこんなことが起こっていたのかも…と思わせるところがさすが直木賞の桜木さん。でもこの人の話ってなんとなく、ホテルとか色恋沙汰の話が多い気がする。(だからファンが多いのか?) なんでこんな馬鹿に人生を送るのだ…という一人の女性が最後の最後にますます悲しいことになるのだが、そこまでどうしても一気に読んでしまう。 時代背景が私と同じような環境なのでとても感情移入してしまいます。旅行や出張の移動中にどうぞ。 | ||||
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女性の名前を冠した連作短編小説集。 どこか満たされない、どこか人生がうなくいかない人女性の名前を冠した連作短編小説集。 すべての小説に出てくる人が、高校の恋愛で失敗し、不倫の末駆け落ちし、流行らないラーメン屋を東京の片隅で細々と営みながら、家族三人でひっそりと暮らす順子。傍からみれば、とても幸せそうに見えない順子は、いつも幸せだと語る。そして、順子に会いに行き、それぞれの幸せを考える。 抜群の構成と、文章力。そして、人生を語るメッセージ。 是非、お読みあれ。 | ||||
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目新しくはないのかもしれないけれど、この連作のアイディアはとてもいいとおもいました。もしかしたら桜木さんの小説の中でいちばん好きかもしれない。女性が女性性を丸出しにしていなくて(つまり現実に即している)、すべての登場人物に素直に感情移入できました。読み終えて10日ほど経ちますが毎日一回ぐらい心の中で反芻しています。 | ||||
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『 娘が自分の想像を 超えて 幸せではありませんように』 須賀静江 そういう文章の 一か所に 作者の ネガチィヴな 哀しみの 連鎖 展開を 観る 読むノデス。 | ||||
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清美、桃子、弥生、美菜恵、静江、直子 25年の時間軸の中で、6人の女性の視点から、日々の悩みと「しあわせ」の価値を問う。 解説に「川の蛇行は、引き受けねばならない水流の激しさや、あらがい難い自然の厳しさの中で起きる」とあり、まさに、そういった中で蛇行していく女性を描いているなぁと感じた。 心にある、誰かと比較して安心したい気持ちや、今の現状にどこか満足してない自分を掘り起こされる、という意味では、複雑な読了感。 | ||||
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あなたにとっての幸せを改めて考えることが出来ると思います ページ数もあまり多くなく読みやすいです | ||||
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評価が高かったので期待して読んだのですが、あまりに世界観が自分からはかけ離れていたため、うまく理解できませんでした。皆さまほど作品の良さが分からず、順子という登場人物のあまりの悲惨さに心がふさぎました。実際にこのような状況で幸せと感じられる女性が存在するのだろうか・・・。 | ||||
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ちょっとひど過ぎないかと思わせるような職場環境が妙にリアリティーがあり、 こんな冷めきった性愛をするものなのだろうかという場面にもやはり妙にリアリティーを 感じてしまう。 しかし、そのリアリティーあるその世界は惰性に流されるだけの寂しく切ない空間と なっている。 一方、あまりにも素朴で実直すぎる主人公は貧乏をもろともしない。 少しメルヘンチックさを漂わせてはいるが他人と比較しないまっすぐな生き方の中に 幸せを見出す。幸せの青い鳥はやはりそこにいるのかと心が温かくなる。 | ||||
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この物語は、札幌の和菓子店に就職した須賀順子の、すでに老境にさしかかった菓子職人との駆け落ちを軸にして、道立湿原高校の順子の同級生6人の生きざまを、エピソーディックに配置した様式を取っております。著者が得意とする短編を、順子という軸に経年的に配置することで長編の形にしたものです。須賀順子は決してこの小説の主人公ではなく、彼女を軸に、経年的(25年間)に配置された級友6人が物語の中心となっており、それぞれのエピソードには説得力があり、読者を引き込む筆力は相当なものです。この小説の中の登場人物は、だれ一人として幸せなひとはなく、また、これから幸せになる可能性のある人も出てこない。まるで、すべてが固定化されたような、日本社会そのものを表現している。湿原高校の同級生6人は、それぞれある年齢になり、ふとした時に、自分の社会における、あるいは高校のクラスにおける相対的位置や順位を確かめたくなり (クラス会に出席するかのように) 須賀順子に合い、そしてまた、自分の日常に帰って行く・・・・。 誰もどこへも行けない、現代日本の (偽)階級社会の固定化を具象化したような、哀しく切ないお話なのかもしれません。 ・・・・ただそれだけの物語。 だからこそ、多くの読者が、多かれ少なかれ “蛇行する月” のように現在の地点で虚しく漂っている自分を、この物語の中にみてしまうのかもしれません。 著者と編集者の能力に?を付けたくなるのが主人公達の高校名、「道立湿原高校」。いくらなんでもこの名前は興覚めでしょう・・・・・。 | ||||
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やっと文庫本が出たので二晩でいっき読み。 起点となる釧路は深い霧に包まれ、女たちの人生は湿原をうねり流れる川のようだ。 湿原駅から釧路町に貫ける細い林道をドライブしたことがある。 おすすめ出来るものではないがその砂利道は後悔と希望が交差していた。 解説を書いている蔦屋書店の間室道子さんのことばで「新しい一歩を踏み出すには新しい自分になること」。 そしてしあわせの定義も人それぞれだが「自分の核を持つこと」とある。 生きること、しあわせの意味を考えさせられる作品、200ページと読み易い(短編集ではない)。 | ||||
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逆境にめげず明日に向かって明るく生きる」作品? ご冗談を。 この作品「群」はそんな薄っぺらい物ではない。 確かに「言葉としては」「明日に向かって明るく」なんだけど、 それは同時に途方も無く暗い現実と抱き合わせであることくらい、 小説好きの諸兄にはお分かりだろうと思う。 六つの物語+1はとても「創作」とは思えない、ノンフィクションのような 緻密な迫力を持っていて、20以上の苦しい職を転々とした小生の 現実の人生を振りかえずにはいられなかった。 名作映画では主人公は泣かない。静かに微笑んでいる。 それなのに観客は号泣せざるをえないのだ。 この本はそのような名作映画と肩を並べるものである。 最初の清美の章のイントロが暗すぎて、そこで本を放り出したひとは 大損をしたことになる。 第三章の弥生の人生に、ある曲が挿入されるのだが それがまた(個人的な趣味で申し訳ないが) 小生の人生でベスト3に入る曲だった。 このような優れた作品に出会えた運命に感謝している。 | ||||
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北海道と東京を舞台にして、六人の女性が互いに傷付け合いながら、自分なりの『しあわせ』の形を探していくといった物語。 『しあわせ』とは一体何なのか、著者が読者に優しく問いかけているような小説だった。著者の作品の中でも三本の指に入るような素晴らしい作品だと思う。 清美、桃子、弥生、美菜恵、静江、直子の六人の女性の名前をタイトルにした6章から構成され、六人の視点で1984年から2009年までの物語が綴られる。しかし、物語の中心人物は、あくまでも六人に何らかの関わりがある順子であり、順子の『しあわせ』と六人が置かれた今の境遇と彼女たちの思う『しあわせ』の形が対比されるかのように描かれていくのだ。 どの章も読み応えがあり、考えさせられるのだが、中でも第2章の『1990 桃子』が良かった。 | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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空いた時間に少しずつ読めるから嬉です。人生は考え方で変わりますが、共感できる事ができます。淡々としたした流れを自分で色々な事を想像しながら楽しい時間を過ごせます。 | ||||
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彼女の作品は、「終着駅(ターミナル)」「ホテルローヤル」「ラブレス」といろいろ読んで来たが、この作品も、期待を裏切らない読後の満足感。 高校の仲良し同級生やその家族などの、それぞれの人生が短編形式に綴られていくが、全体を貫き、この作品にテーマのようなものを与えているのは須賀順子の生きざまである。それは、六つの章に付けられた女性の名前の中に、「順子」自身が無いことでも分かる。 順子の生き方こそが、作者の作品に共通して流れる “逆境の中でも明るく前向きに生きる人生” そのものであり、読む者の心を震わせるのである。 読み終えて本を閉じ、またもじんわりと溢れ出る涙を拭わざるを得ない世界の余韻に浸っている。 | ||||
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どの章にもどこか醒めた悲壮感が漂う作品です。この作家の特徴がそのまま描かれている小説です。読後、心の中にそこはかとない虚無感のようなものが残り、それがまた独特の味わいを醸し出しています。 | ||||
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とてもきれいで良かったです。また機会があれば購入したいです。 | ||||
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安心して読ませて頂けます。とても希望が持て、自分も頑張らなくちゃ!って気になれます | ||||
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映画鑑賞が好きです。 サイレントから現在まで名作と呼ばれている数多くの作品を鑑賞しています。 たまたまこの作品を手にとりました。 出だしはちょっとなと思っていましたが 彼女たちと時間の経過がオーバーラップして 小説よりも映画なのか映像なのか ふと著者の構成描写にうなりました。 | ||||
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ありがちな感じの構成ですが、楽しみました。好みから言えば、1、2編に顕著に漂う「部屋着スリップ感(←「キャミ」ではダメ。深い意味はないです。イメージ的な個人用語です)」は余り好みませんがw 多少引っ掛かったトコが「しゃべらない子」の病が「眼病」だという部分でした。もうてっきり脳障害だとばかり思い込んで読み進んでたんで「角膜」で治る病ってトコで「へ?」って感じがしてしまいました。 順子は「息子の手術成功を見る」のは意識が向かないんじゃなくて、「無理な事は選択肢に含まない」人なんだと思った。だから「しあわせ」でいられるんだろうと。息子が治ればそれで良いんであって。自分が動けなくなる前に、息子の手術手配しっかりしておきなよ、と声を掛けたくなった。 | ||||
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