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誰か Somebody
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【この小説が収録されている参考書籍】
誰か Somebodyの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全170件 121~140 7/9ページ
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著者の言葉に「幸せな人生をおくっている探偵役」が「追いかける事件は、とてもささやかなものになりました」とあります。事件そのものがささやかであっても、そこに生身の人間が何人か関わっている以上、内容はどうにも重いものになっています。前半は「ふーん」くらいのノリで読んでいたのですが、後半俄然目が離せなくなりました。探偵役の主人公は、傍目にも何不自由ない裕福な身分。妻は一流財界人の娘。かわいい子にも恵まれている。でも、そこに安閑と乗っかっていられるほどの度胸はないし、自分なりに捨ててきたものもあれば痛みを感じていることもいっぱいある。人の痛みを他人事にできない心根も持っている。でも追いつめられた人はなぜか皆「あなたなんかには分からないでしょうよ、私の気持ちはね。私はこんなに傷ついてきたのに!」と、刃を向ける。自分は弱いんだという気持ちを武器にして。主人公は「自分はいつまで、何不自由ないことを責められなければならないのか」と心の底で泣いているでしょう。おそらく、生涯背負わなければならないのだ、と知っていても。ささやかな事件だったけど、登場人物が背負っていた来し方は、とびきり重かったです。 | ||||
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大財閥会長の運転手を真面目に勤めてきた梶田氏が、縁もゆかりもない土地で自転車に轢き逃げされ帰らぬ人になってしまった。残された歳の離れた家族想いだが、性格は両極端な美人姉妹。父の無念を晴らすため本を出版することを計画。その手助けを頼まれた財閥の婿養子。梶田氏の過去を探していくうちに家族の汚点があぶりだされて、最後は予想通りだった。細かい矛盾がいくつかはありますが、一気に読ませてくれるのはさすがに宮部ワールドならでは。ただ登場人物に共感できない部分が多々あり、しつこいくらいの表現が後味をくどくしている。 | ||||
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この作品では、今多コンツェルン会長の腹違いの娘婿、杉村三郎が会長の運転手だった梶田の死の原因を突き止めていく。犯人と被害者の娘たち。それぞれの心の葛藤がきめ細かく描かれています。でも、姉妹の心の中に潜んでいた本当の犯人は別のところに隠れていた。またしても宮部トリックにはまりました。 生活環境といい、職場のポジションといいこの杉村氏、探偵家業に向いているんじゃない?と思った僕は考え過ぎでしょうか。次の登場を期待しています。 | ||||
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これ本当に宮部作品と思うほど切れ味が悪い。作者の作品で始めて途中で止めようかと思うほどでした。本屋さんに新作で並んでいたときには、イラストの哀愁がなんともいい味を出していてそそられましたがそれだけでした。いつまでたっても進展がない中盤にはいらいらしたし、結果期待していたエンディングがまた納得がいかない。残念。良かったら私のHPもご覧になってください。 | ||||
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登場人物のほとんどがじみ~な設定で話の展開も意外性がない。主人公は財界大物の孫と結婚してるから全くのパンピーじゃないけど、見所があれば閑職に置かれるわけ無いからやっぱり凡人なんだろう。そんなひどく言えばどうでもいい人たちのどうでも話なんかお金払って読みたく無かったって人は低い評価つけると思う。ここまで丹念にそれぞれの葛藤や事情や言い訳が描かれていても結局「つまんない話」。地味な人間が地味であることを思い知らされる残酷な小説です。こういう身も蓋もないこともきっちり書いてくれる作者は偉いと思う。 | ||||
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登場人物のほとんどがじみ~な設定で話の展開も意外性がない。主人公は財界大物の孫と結婚してるから全くのパンピーじゃないけど、見所があれば閑職に置かれるわけ無いからやっぱり凡人なんだろう。そんなひどく言えばどうでもいい人たちのどうでもいい話なんかお金払って読みたく無かったって人は低い評価つけると思う。ここまで丹念にそれぞれの葛藤や事情や言い訳が描かれていても結局「つまんない話」。地味な人間が地味であることを思い知らされる残酷な小説です。こういう身も蓋もないこともきっちり書いてくれる作者は偉いと思う。 | ||||
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宮部みゆきは多方面のジャンルで優れた作品がありますが私は現代の経済社会に直結した風俗をとらえ、社会との関わりの中で犯罪に巻き込まれていく一般庶民を丁寧に描く作品が彼女の真骨頂だと思います。『火車』『理由』『模倣犯』がそうです。しかし、今回の作品はこの人間の背負う十字架というべき「社会性」が表れていません。主人公の男性はコンツェルンのオーナーの娘と結婚し、家族共々淡い水彩画ような透明な暮らしに満足しています。オーナーの仕事ぶり、日常生活はわかりませんがともかくお金持ちの好々爺です。オーナーの雇った実直な運転手が自転車にぶつけられ死亡する事件が発生します。運転手には二人の年頃の娘がいて、妹から父の思い出を本にしたいと依頼された主人公は事件の真相究明に乗り出すことになります。もしかしたら殺人かもしれない。父の過去になにか暗いものがありそうだと姉はこの出版には乗り気がありません………。後半になってこの年頃の姉妹がフォーカスされますが、我が家にも同じ年頃の二人のじゃじゃ馬娘がいるものですから、比べてしまいます。こういう自己喪失の女性が今でも存在するのだろうか、居たとしても読者として共感するところはないし………。『火車』に登場した主人公と比較すれば、同じ作者の描いた女性像とはまるで思えません。古くさいタイプに退行しているのです。宮部みゆき、最近は時代小説の方が光っているようです。 | ||||
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今多コンツェルンの会長の婿・杉村三郎は、会長の運転手・梶田の事故死の調査をすることになる。梶田は自分の車に轢かれて死亡しており、いまだに当て逃げした人物は捕まっていない。梶田の娘たちが、事故を風化させないため、父の伝記を作りたいと言ってきたのだ。伝記の製作に意欲的な妹梨子と反対に、姉聡美は父の過去を調査することにためらいをみせる。聡美は梨子が生まれる前の「色合いの違った」父の人生を知っており、4才に誘拐をされた記憶があるのだ。犯人の「お父さんが悪いんだ」という言葉が彼女の記憶に残り、過去をこじあけることで婚約者や妹にまで害悪が及ぶことをおそれる聡美だが・・・。登場人物の造型、作品のプロット、一文一文が作者らしく丁寧に作り込まれたミステリーである。しかし、「火車」や「模倣犯」でうけた衝撃をもとめる読者には、いささか物足りないかもしれない。他の作品と比べると十分星5つに値する作品で、楽しむことはできたが、作者の作品のなかでは必ずしもベストではないという印象を受けた。これからもどんどんミステリー作品を発表して頂きたい。 | ||||
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この作品を、好きだという方がいたら申し訳ないが、これは宮部さんの作品の中では、ちょっと駄作の部類ではないだろうか。彼女の作品としては珍しく、何度か途中で読むのをやめようかと思ってしまったほど、退屈だった。ストーリー展開は平板だし、登場人物も、他の作品のような、個性的魅力のある人物が見当たらない。そもそも主人公の杉村と、亡くなった梶田という人物との縁が薄すぎて、事件がとても第三者的、傍観者的な描かれ方になってしまっている。結局、最初から最後まで、マイホームパパ・杉村の「女房は良妻賢母だし、娘はかわいいし、あー僕、幸せでよかった」というメッセージを受け取っているだけのような気がして、釈然としなかった。あと、最後の方の不倫うんぬんは、蛇足のような気がした。 | ||||
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宮部みゆきの人間にたいする描写力というのは定評あるところ。この作品も存分にその魅力が味わえる。それぞれのキャラクターのたっていること!しぐさやセリフで、キャラクターの人柄をあらわすのが本当に上手い作家。しかし上手すぎて、ちょっと鼻につく印象を受けてしまう。作者が、自分の人間描写力にちょっと酔っているといおうか。技巧が目立ちすぎるというのかな。自然にこの人物はこういうキャラなのだなと感じるのではなく、こういうキャラだと読者に感じさせるために、この文があるのだなというのが先にきてしまう。しかもミステリとしては弱い。弱すぎ。文章の上手さでひっぱっているだけという感じで、だから物語を楽しむよりも、レトリックのほうに関心がいってしまう。そしてまたそのレトリックが、ちょっとくどいんだよなあ。1つの文章に”おかず”が多すぎるんだよね。 | ||||
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犯人に意外性がない。主人公が幸せ過ぎるっていうかもっと裏表があってもよかった気がする。でも文はおもしろかった。 | ||||
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ひとつの事故から浮かび上がってくる様々な人間模様。犯人あてのサスペンスというより、犯人にたどりつくまで、各登場人物の絡み合った人間模様、結局皆それぞれ内面に悩みを抱えているものだと思った。少し悲しくなったりするが、殺伐とした中に、主人公の暖かい家庭模様、特に子供の無邪気さがほっとさせてくれる。 | ||||
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一つの事件がきっかけとなって、一つの家庭の秘密が暴かれていく。梶田を死なせたのは誰か?そのことを追えば追うほど、梶田の秘密につながっていく。読者をひっぱっていく力は、さすが宮部みゆきだ。「誰か」、それは犯人をさすだけの言葉ではない。人は決して一人では生きていけない。生きていくためには、自分以外の「誰か」が必要なのだ。そういう作者の思いがひしひしと伝わってくる。残念だったのは、話の途中で先が見えてしまったことだ。意外性のあるラストを望みたかった。 | ||||
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自転車にひき逃げされたというちょっと変わった事件から始まる。しかし、その真相を探っていくうちに過去の色々なものが見え隠れしてくる。その見えてくるもの、見えそうで見えないものが実にうまい具合に書かれていて、引き込まれてしまい一気に読んでしまいました。私は男兄弟しかいないので、姉妹の関係というのがよく分かりませんが、なさそうであるのではないかと思わせる最後の話には少し恐いものを感じました。 | ||||
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読了後に探偵小説を読んだ後のようなすっきり感はまったくなし。かといって面白くないわけではない。人物のそれぞれの微妙な関係の表現力は宮部みゆきならでは。主人公の杉村三郎の妻の父親が大財閥「今多コンツェルン」会長だったりと微妙な人間設定はあるものの、主人公と会長との会話もよかったりします。自転車で轢き逃げされた運転手・梶田の思い出の本を出版したいと言う姉妹。本を作ることにより犯人をつきとめたいという妹と本を出すこと自体実は反対しているという姉。この微妙な温度差が本当の事件の解決に繋がったりしているような気がします。「自転車の轢き逃げ」なんて地味なミステリーかと思いきや、真実は違うところにあったという感じがしました。 | ||||
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主人公の義父が財界の超大物、ただし結婚相手の妻はその大物の正妻の子ではない。妻と出会ったシチュエーションも華々しさとは全くかけ離れおり子供は幼い娘がひとり。仕事も義父の今多コンツェルンの社内報を発行するグループ会社。でも生活には全く不自由しない。この主人公は何だか凄いのか凄くないのかよく判らない。そんな主人公杉村三郎が義父の専属運転手梶田の死を機に残された梶田姉妹に関わってゆく。梶田の死も自転車による轢き逃げ、というものであり物語の内容も『火車』や『模倣犯』『クロスファイア』の様に凄みもなければ大どんでん返しもない。ただ、この物語にはやっぱり宮部みゆき特有の人間関係が溢れている。主人公含めの周りに存在する人たちの人間性が凄い。全体的には何と表現すれば適当かかなり迷うところではあるが違った意味での読み応えがいつもの宮部ワールドで非常に好感の持てる一冊と言えます。 | ||||
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事件の発端は、自転車に轢かれて死んだ、という地味なもの。劇的な展開があるわけでもない。大どんでん返しがあるわけでもない。結末はある程度予測がついてしまう。しかし、さすがに宮部みゆき。小さな事件の裏に潜む人間模様の絶妙な描写は見度の一言に尽きる。文章も上手い。 | ||||
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宮部みゆき、待望の長編書き下ろし。半年以上の図書館の予約待ちを乗り越え(?)やっと手にすることができた。わくわくしながらページをめくっていったが、正直いって大どんでん返しは、ない。この私でも、ある程度の結末の予測はかなり早い段階でついてしまった。しかし、さすが宮部みゆき!というべきか、人生の哀しみ、人間の愛しさ、残酷さが読後にじわじわとしみてきて、息苦しくなるほどだった。ただ、もう少しページ数を減らすことも可能だったのではないだろうか。やや文章の饒舌さが気になった部分もあった。 | ||||
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登場人物も物語全体も平凡そのもので(それを狙ったかもしれませんが)、個人的にあまり気に入りませんでした。結末もあまり・・・。着メロのあたりから何となく予想できたし、いつもの「え~~!そうだったの?!」という結末ではなかったあたりがすごく残念!次回作に期待。 | ||||
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この作品を見て思ったことは、あそこまで、長く書かなくてももう少し簡潔にできたのではないだろうか。と思うこと。 姉妹を書くのにあれだけのことが関係している姉妹がいるのだろうか。と考える。聡美の気の弱い所を利用していただけの梨子は最低と思う。しかし、あれだけ長くなくても、話の内容は分かる、長編2年ぶりと聞いて楽しく読もうとはしたが、飽きる。結末もいまいち。 | ||||
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