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誰か Somebody
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【この小説が収録されている参考書籍】
誰か Somebodyの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全170件 41~60 3/9ページ
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企業グループの会長お抱え運転手が、自転車に撥ねられて死んでしまう。その姉妹が犯人を追及すべく、父の自伝を 書きたいと会長に頼み込み、その会長の娘婿である杉村三郎が真相追求に乗り出す。自転車に撥ねられて運悪く 死んだということで、この事件そのものが事件と呼べるかどうか分からぬ中で、さすが、宮部、事態は思わぬ方向に 展開していく。450ページほどのこの作品で、最初の350ページほどはある意味事件は動かない。ちょっと退屈なくらいだ。 ただ、色々と後で真相が分かる事態の布石は打たれていく。今日本の女流作家の中で3人をあげろと言われれば、 私は、高村薫、桐野夏生、そしてこの宮部みゆきをあげる。前者2者が男勝りの文章力とある意味、読者に迎合しない 戦う姿勢を見せる作家ということに対して、宮部はどちらかというと娯楽性の高い、ある意味、読者に迎合する面も 感じられる作家であった。だが、「理由」「模倣犯」でその印象は大きく変わった。極めて客観的、かつ冷静な視点で 作品が描かれるように変わってきたように思う。この「誰か」においても、杉村はある意味、極めて冷静なストーリーテラーに 徹している。そして、作品の流れは、無垢で被害者に思えた姉妹の嫌な性格をあぶり出し、そして、決してそれを弁護せぬまま 終わっていく。全く何の落ち度もないように思えた、姉でさえ、ひどい言葉を杉村に浴びせて、それで終わりだ。何か 救われない感じが残るのは私だけか。だが、その冷酷さにこの作者の進歩が見られるのではなかろうか。 | ||||
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小説というのはすべてが必然で構成されているものだと思うが、この小説の場合、主人公が大会社の会長の妾の娘婿という設定にどんな必然性があるのだろうか。 その会長の個人運転手をしていた男の事故の話なのだが、それとてもあまり会社とは関係ない。 運転手と会長が過去に何かあって雇い入れたのでもなければ、主人公の家庭と事件も何の関係もない。 その何も関係がない主人公の話が延々と続く。初めはミステリーではなく、ホームドラマか恋愛小説家と思ったくらいだ。 運転手の事故も何か事件かと思ったら単なる事故。 どこにも伏線がない。 結局何も大した事件がなく、あれれと思うままに終わってしまった。 続編を書くことが目的で、主人公やその背景を細かく描写したとしたら、この本だけを読んだ読者には失礼だ。 最後の姉妹のいさかいはほんとに後味が悪い。 時間つぶしにもならなかったが、最後まで読ませたのは、さすが筆力なのか。 | ||||
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はっきり言って、話の本筋が全然分からないというか途中から完全に脱線している。 最初はタクシー運転手死亡事故の犯人捜しだったのが、いつの間にか新婚夫婦の浮気調査 に話が変わっている。 読んでいて貴重な時間を無駄にしてしまった。 | ||||
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主人公は社内報の編集者。事故でなくなった運転手。二人の娘が犯人捜しのために本を出すという。途中でなくなった人の過去の犯罪の影がただよう。推理小説としてはできがよい。副題がいくつか。美空ひばりの「車屋さん」の歌が出てくる。「小さなスプーン」という物語が読み聞かせとして出てくる。道具立てが細かい。 | ||||
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想像した通りとてもよかった。また次の商品も購入したいと考えている。 | ||||
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宮部みゆきさんの作品は軽快かつ滑らかな筆致で読みやすく、豊かな表現が魅力なのですが、今作もその例に漏れず素晴らしく、無理のない展開から感情の機微、人物の自然なキャラ立ちと基本的な部分でのポテンシャルは非常に高いです。 しかし今作は本筋であるストーリーが微妙。大仰に店ていた割に謎の解決やオチがあっけないうえ、本筋とは強く絡まない部分の描写も多く、起伏のゆるさもあって、全体的に冗長さが目立つのです。450近いページを使っているわりに、物語としてはあまりにも他愛ない(あくまでも比較して見た場合ですが)ので、面白さよりも肩透かしのほうが勝ってしまう。 濃いストーリーを所望する人はオススメしません。宮部作品でほかに読むものが無くなって、どうしても宮部作品を読みたい! という方でもない限りは、ほかの宮部作品を読んだほうがいいでしょう。 | ||||
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宮部ミユキ4作品目にして、しまった!と初めて、思ったが、さすが読み進むうちに、ページをめくる手が、止まらなくなってくる、そして終盤、あ!と驚くストリーやはり、旨い。 | ||||
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個人読書履歴。一般文学通算297作品目の読書完。2008/03/30 | ||||
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宮部みゆきさんによる小説。 自転車事故によって亡くなった人に関して調べると・・・という大まかな流れです。 自転車事故が頻発し社会問題化しています。しかしこの本の登場自体は2003年。 あの時以上に悪化している今ではこの小説で亡くなった梶田さんの例は現実にももっとあるかも。 小説そのものは宮部みゆきさんの作品らしく謎や疑問、好奇心などが絡まりあい最終的に 実態や真実が見えてきます。 ただ今回は自転車事故そのものを起こしてしまったのは中学生だったし依頼主である姉妹の 間に起こる不倫問題などこれまでの作風と違うのかなと感じた。 何だか妙に現実感のある終わり方が印象的でした。 その代わり主人公を取り巻く環境(逆玉の輿・超大企業の関連会社勤務)などの設定の方が よっぽど小説、フィクションらしいと思えた。 | ||||
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「名もなき毒」を読んだ後に戻ってきて読みました。 義父の運転手が自転車事故で亡くなった事をきっかけにして その家族を中心にして明らかになっていく人間模様を描いた 小説です。 主人公の三郎は,絵に描いた様な幸せな人生を生きているという感じで キレイ過ぎる存在です。彼が探偵の様な役割を果たしていきます。 事故で亡くなった遺族の娘2人が生前の父の人生を本にしたいということで 過去を調べていくうちに明らかになっていく疑問の数々。 ラストは,あまりに予想外な展開でびっくりしました。 あーでも人間ってこんなものかなって楽しかったです。 途中,ちょくちょく三郎と義父とのやり取りが出てきますが 緊張感があり義父の解説が人間味があっていい感じで好きです。 通勤電車で読んでいたらあっという間に駅に着いていました。 内容はブラックですが楽しい小説です。 | ||||
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宮部さんであるからには、やはり一定のクオリティーは保ってはいます。でも最後の結末が早い段階で簡単に読めてしまい、何ともお粗末に感じました。全体を通して、主人公の清廉潔白ぶりと老成ぶりが設定年齢とどうにも噛み合わず、わたしには60才くらいの人に感じました。もともとそういう作風が好きだったはずですが、この作品においては少々行きすぎのような気がしました。登場する機器やシステムは最近のものですが、話し言葉とものの考え方があまりにも現代っぽくないので、これは時代設定はいつだ?とも思いました。時代小説も好きですが、書きすぎて俗世離れしてしまったのかと思いました。ただ、相変わらず人物描写や最近増えてる自転車事故など社会問題の目の付け所はお見事。筆力もまったく衰えてはいません。もう一度火車のような作品が読みたい。 あえて星2つ。 | ||||
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他の宮部みゆき作品にも書いていますが、 今、近所の古本屋さんで宮部みゆき高価買取中だそうで、 手持ちの宮部みゆきを再読しては売ってます。 これは1回目を読んだのが割と最近だったので、なんとなく内容も覚えていました。 他の全ての作品に言えると思うのですが、 ちょっとずつ結末が見えていくスタイル、 途中はワクワクと楽しみに読み進めるのに、 ラストがなあんだ、これだけ?という結末、 そして、読後には何も自分の中に糧としては残らない(娯楽としては当然?)ところが、 個人的には結局好みではないのだと思います。 どの作品も、ラスト間際まで、特に前半はとても楽しくどんどん読めるのに、 いつも肩すかしというか、ただ話が終わっただけという結末が詰まらない。 だから、毎回、全く記憶に残っていなくて。 見ているときは楽しくても、1年もすると全く覚えていないアクション映画のようです。 これを、だから気楽で簡単で面白いんじゃんとも言えるし、 なんだかなあ、と思うこともできると思います。私は後者。 電車や飛行機に乗る前に、オール読み切りの漫画を買う感覚で買うならおススメです。 雑誌と違って一応古本屋さんに売れますし。 今回は、買取は130円でした。 | ||||
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この先、姉妹がどうなってしまうのかばかりが気になるラスト。 何でこんな結末にしちゃったんだょぉぉ!と悲しくなった。 杉村氏もおせっかいというかそれは暴かなくていいじゃないかとも思った。 読んだ後に悶々としてしまう。 でも全部読まされてしまう…。 一定の面白さはある作品。 | ||||
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あまりに有名な著者なので宮部みゆき作品に抵抗があったのですが、 たまたま「火車」を読み、あまりの面白さにビックリ。 噂に違わず、宮部みゆきって凄い!と心を入れ替え、期待しながら手に取った「誰か」。 これは正直がっかりでした。 さすがに読みやすいことは読みやすいです。 しかし後半の真実が分かってくるあたり、展開がチープなのに拍子抜け。 最初から最後までどの登場人物にも惹かれず、魅力が感じられなかった。読んでいて、退屈な作品でした。 事件や人物たちの関係性が明らかになってくる中盤でも、ワクワクドキドキしたりせず「ふ〜む…。」ぐらいの感覚で 結局読後感のスッキリもなく、「別の作品読めばよかった〜」と思いました。 宮部みゆきを読んだことない方が、いちばん最初にこの作品を手に取ったら「他のも読んでみたい!」とはなりにくいでしょうね。 | ||||
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ネタバレになるからあまり詳しく書かないけど、引っ張るだけ引っ張っておいてラストの種明かしが身内の痴話喧嘩じゃなぁ・・・。 梶田氏の過去の秘密に行き着くまでの過程も冗長で非常に退屈だった。 正直、最後まで読むのが疲れた上に、読後感に何も残らなかった。 | ||||
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手放しで喜べない、重厚な人間模様とうす味のミステリでした。 むしろ事件事故の方が香辛料で、登場人物達の関わりの方が本題なんでしょう。 初め、なぜこうも余分な描写が多いのか、ちょいとイライラしましたが、結末 に至ってようやく本題が別の所にあると気付きました。いや、薄々は気付いて いるのですが、期待して読んでますんで(笑) まあ、主人公が着信音を聞いて前にも同じような事があったと思うあたりで、 登場人物達の関係は気付けてしまいます。それが、まさか、主人公がイヤな思 いをさせられて何の慰めもなく終わるとは……。人間模様に救いが無いだけに 重かった。 それと、主人公の人の良さ、優しさ、気遣い。性格設定自体、なんというか現 実感に乏しい。もちろんこう言う男もいない訳ではないですが、加えて行動力 もあるとなると希少ですね。なんども主人公の男に女性らしさを感じてしまっ た。義父が男らしいだけに、わざとこうしているのかも知れませんが。 ただ、トモノ玩具代表の老翁の雰囲気は宮部ならではですね。 こう言った生き生きとした人物描写はやはり素晴らしいものがあった。 ☆の数は、結末付近の出来の良さで1つ増やしました。 | ||||
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推理って「暴く」ことなわけで、要らんお節介な部分があるわけで、皆がハッピーというわけにはいかなくて…主人公はあまり感謝されない。 それどころか、時には相手を追い詰めてしまい、そうして自分も傷つけられる…。 「人間てのは、誰だってね、相手がいちばん言われたくないと思っていることを言う口を持ってるんだ。どんなバカでも、その狙いだけは、そりゃあもうせいかくなもんなんだから」 でも、それはもしかしたら、必要悪のようなものなのかもしれない。 「心では知っていた。それでも、誰かの口からそう言ってほしかったのだ。 …だから、人は一人では生きていけない。どうしようもないほどに、自分以外の誰かが必要なのだ。」 主人公は、色々な人と同様に、関わりをもつ人びとにとっての「誰か」なのだと思う。 傷つき、傷つけられ、後味の悪い思いをすることもある。ほんの少しだけある人を助けてあげられた、そういうすばらしい経験をすることもある。 日常生活で色々な人との関わりを持ち、自分が「誰か」であることを考えさせられた。 この本は食べ物に例えると、ほろ苦さが口に残る、でも季節を感じられる、春野菜のようなイメージ…かな。 | ||||
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主人公(=探偵役)は、新興財閥の創業者の妾の娘 と結婚してその傘下の企業に務めているという、変わっ た立場です。 話の途中途中に、いわゆる逆玉の輿である男の辛い 立場の記述が出てきます。 ストーリーは、自転車が絡む死亡事故(事故の相手 方は逃亡)の犯人探しが軸になるのですが、被害者の 娘達の希望(本にまとめたい)で被害者の過去を調べ るうちに・・・、と別の方向に展開して行きます。 意外と他の方の評価が低いですが、決して読後感が 良い作品ではないからかも知れません。しかし、読む 価値はあると思います。 主人公の娘(4歳の無邪気な幼稚園児)と妻(驕り たかぶった所のない)の存在や会話が、この作品のや りきれなさを救っています。 | ||||
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理由 や模倣犯 といった代表作があるなかで、実はこの作品が私の宮部みゆきデビュー作でした。 読後の印象としてはこれといった仕掛けも意外なラストもないのですが微妙な人間関係・家族関係、 心の動きといったものが丁寧に描かれている良書といったところで、実を言うとそれほど インパクトは感じなかったのが事実です。 ところが後で前述の模倣犯や理由を読み、ようやくこの本の真価がどういうものに 気付かされました。本来(と簡単に言って良いのかわかりませんが)の宮部さんの作風は 普通の人が些細なきっかけで堕ちてしまう、そうした日常や世間に潜む罠をセンセーショナルに時代背景を織り交ぜながら語っていくという物でした。 そうした前提でこの「誰か」を読めばファンは恐らく「裏切られた」という気持ちに なるのではないでしょうか? 「どんな人にも心の闇がある」という部分でつながっている と言えなくもないですが、他の作品と比べれば退屈な感じがする事は否めません。 ですが確信犯的に平凡に終始し、それを書き切ってしまう事で自らの守備範囲と 可能性を示そうとする彼女の大胆さ、奥深さを感じずにはいられませんでした。 | ||||
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サスペンスファンには申し訳ないけれど、謎解きを楽しむ作品ではありません。事件を通じて最も傷ついたのは「誰」かという、ある意味凡庸なサスペンス以上の残酷な結末が用意されています。 | ||||
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