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誰か Somebody
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【この小説が収録されている参考書籍】
誰か Somebodyの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全85件 1~20 1/5ページ
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ミステリと思って読むと、展開は遅く感じるかもしれないが、作者は人間の細かな心情の動きも描きたかったのだろう。ミステリになれた自分には伏線が次々とわかる感じであったが、小説にミステリが入ってると思えばスピード感はちょうどいいのではないか。 | ||||
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「持たざるもの」からの激しい嫉妬、理解されない自分の立場、一番安らげる家族の中においても「本音が出せない苦しさ」。 これらが杉村三郎の心に「毒」として少しずつ残っていく。 人の心を踏みにじってまで、感情を優先させてしまう人間の愚かさを描きたかったのだろう。 その愚かさを暴いた杉村自身も(深層心理では)深い傷を負ってしまう。 それらを踏まえたラスト、杉村の母親の言葉が印象的で考えさせられた。 | ||||
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宮部みゆきさんらしい、丁寧に細かく書き込まれた人間模様で読ませる作品。きっかけとなった現代の事件は、小学生による自転車轢き逃げ事件で、特にひねりもなく、アッサリ解決するのだが、この事件の犯人捜しによって、被害者の過去に起こった事件がクローズアップされ、どんどん謎が深まる描き方。残された被害者の2人の姉妹が、対照的なキャラをしており、それが過去の事件に起因しているらしい事が判明すると、なるほど、と混迷に光が差した感じ。展開が遅く長い話を、じっくりと読ませるのは、さすがの筆力である。スリリングで飽かずに読まされ、この姉妹を含めた人間模様を深く考えさせられた。又、探偵役の杉村三郎は、大富豪の娘と結婚した、逆玉キャラで、愛妻家で子煩悩と言う、平凡な男。彼の妻や娘のエピソードは、事件と関係はないが、緊張感をほぐす、恰好のスパイスとして、利いている。 ただ、事件が解決した後の、最終盤、この姉妹と婚約者を巡るトラブルは、味が悪かった。作者なりに必然性はあるのだろうが、個人的には波風立てずに終わって欲しかった。 | ||||
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早く着いたし梱包も完璧 良い買い物しました | ||||
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杉村三郎さんはここからスタートします。実は出た当時に一度読んで、正直「まあそこそこの出来」と思って本棚に。 最近コロナで家にいる時間があるから、5冊の杉村三郎シリーズの単行本を読んで、原点に戻って再読。 意外と緻密な構成で、新しいジャンルを開拓しようとされていたことが分かってくる。警察とかはほとんど出てこないし、日常生活の中の市井の事件を取り扱う方針(とはいえこれは殺人事件ですけど)なんでしょうね。 そういう意味では4冊目、5冊目のほうがその路線がはっきり出ていて、この1作目はまだまだ当時の大作の片鱗が窺えます。それは本人の思惑とはかけ離れているだと思いますけど。 着メロね、懐かしい。最近はマナーモードが常識で聞くことがなくなったですね。 作品自体の出来はいいですよ。 | ||||
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杉村三郎シリーズはやはり面白い。人間の感情が良く書かれていて共感できると思う。 | ||||
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有名な『杉村三郎シリーズ』一作目です(^-^*)/ 存在は知ってましたが今まで未読でした。 読んでみると、主人公の杉村さんのキャラクター性が素晴らしく、まずは心優しく真っ当な一般人でありながら、大企業社長の娘=奥さんの義父の会社に勤めているマスオさん状態であり、 奥さんや娘とは仲良しで、義父との関係も良いものの、育ちの違いや立場上に於いて、少しだけ居心地の悪さを伺わせる箇所があり、 それらの要素が、読者が共感しやすかったり、同情しやすかったり、心温めて読めたりというプラスに作用する点が、非常に素晴らしく感じました(^-^*)/ 事件の真相に関しては後味悪い部分もありますが、 人の優しさや良さも弱さも醜さも備えた多面性を備えているという点で、見事だなと思います。 1作目としては素晴らしい作品であり、今後の方向性を如何に紡いでいくのか?が楽しみですし、シリーズを続けて読んでいきたいと思います(^^) | ||||
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宮部さんの作品は火車と模倣犯だけ読んだことがあって、この作品はその2作と違って物語の後半まで単調に進んでいき、今までとテイストが違うな、という印象でした。心理描写が細かいですし表現がすてきなんですがこのまま単調に終わるのだろうか、、と不安でした。ところが後半、想像を超える展開で、めちゃくちゃ面白くなって、どんどん読み進めちゃいました。 途中の話は物語を深くするための重要なお話だったんですね。特に感心したのが、主人公の心の声とか、周囲の情景で人となり、悩みなどがわかってしまうことです。さすが有名作家さんです。久しぶりに小説を読んだのですが、本当に読みやすかったです。次の作品もぜひ読んでみようと思います。 | ||||
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途中まで読んで投げたした過去がある。このたび、本を読みたくなって、再読しました。そして、読了。我々は、杉村三郎になってこの物語を歩いていく。杉村と同じように、読んでいるうちに多少訳がわからなくなりつつ、謎のようなものを探索する。名もなき毒もそうだが、たいした驚きもない展開なのに、読んでいるのは杉村三郎になって読んでいるからなのだろう。だよねーだよねーと、流行語大賞のように、杉村に同調してしまうので、ページをめくる手が早くなる。この手の本は、早く読了するに限る。今回も二日で読み終わった。 本を読むと、頭の回転が良くなる気がしている。最近は、資格試験の本ばかり読んでいるので、本に心がこもっていない。もう、小説は読むこともないのかと思っていた。私の興味がある本に出合えたので、感謝。 | ||||
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犯人にたどり着くまでに張られた伏線が最後まで面白いように回収されて行く。 ほぼほぼ事件が解決しているのに、ページ数が大量に残っているのは、その後の 小説の中の人物が息づいているようで、読んでいてとても楽しい。 それがハッピーエンドで終わらなくとも、構わない。 いつまでも終わらないでほしいと読みながら願ってしまった。 ところで 「名もなき毒」を先に読んでしまった。この後は「ペテロ葬列」に行くしかない。 | ||||
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派手な設定や残酷な出来事は起こらないけれど、人間は心の中に誰もが影を持っていて、それがとても恐ろしいのだという話。結局この世を生きていく上で、一番怖いのはそういう外から見えない心の中の闇だということ。追い詰められてそれを吐き出す時、思いがけない「誰か」が目の前に現れるシーンがそれぞれの登場人物にあり、それが圧巻でした。 | ||||
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このシリーズを読んだことが無かったと思い込んでいて、半分過ぎたあたりでデジャブ。大昔に読んだから杉村三郎シリーズって知っていたと思い出す。 再読にもかかわらず、読者をひきつける描写は素晴らしいと思う。著者の作品は心底善い人が多く描かれ、好印象を持つ反面、相乗効果で悪意が際立ち、悪意そのものの印象を際立たせていると感じる。本作も、3/4くらいまでは杉村三郎の善良さ、周りの人の良さに救われるが、読了に向け悪意にさらされてしまう。 本当、3/4までの流れでスッキリなら、それはそれで良かったのかもしれない。しかし、悪意にさらされて終わる流れであっても、後味が悪いと捉えることなく、深く考えて読み終える事ができたのは、著者の描写のうまさが際立つからではないだろうか。 | ||||
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価格に対して、きれいだったので、とても満足しています。ありがとうございました。 | ||||
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杉村三郎シリーズ。ミステリー。 奥さんとの馴れ初めとかも。 読みやすいお話。 最後はけっこうドロドロねー。 | ||||
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後味が悪い、とか書いてる人は、どこにでもありそうなハッピーエンドのラブストーリーでも読んでればいいのにと思う。 なぜわざわざ宮部みゆきや湊かなえを選んで読もうとするのか、永遠の謎であるw こちらも後味の悪さでは代表作、「ペテロの葬列」も、あの後味の悪さ自体がテーマだったんだと思う。 それこそが書きたかったんだと思っている。 強烈なキャラクター、ゲンダイズミが登場する「名もなき毒」には一歩劣るが、 ここでの登場人物たちの理不尽さ、表に裏に揺れる感情の交錯、「後味の悪さ」も、格別に面白い。 | ||||
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第一作これからファンになりました もう何回も読み返しています 気になる杉村三郎のその後です | ||||
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今年、新刊が発行されたのを気に逆順に読んでいます。新しい作品の方が、漢方的に、じわ~と効くので良いのですが、こちらも一発アイディアのわりには、深い表現で、楽しめます。 幽霊とかが出てくる話よりも、普通の人間の話の方が、ずっ~っと面白いし、怖いです。 | ||||
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大会社の会長のお抱え運転手、梶田がある日自転車に追突され命を落とした。逃げた犯人を捜す助けになるかと、梶田の娘姉妹は梶田の人生を記録した本を出したいと願う。そんな姉妹の思いに協調した会長は、自分の娘婿で社内広報部に勤める杉村に本の出版を助けるように命じる。杉村はさっそく調査を開始するが、彼はすぐに姉妹の思いに大きな違いがあること、そして梶田の過去に触れてはいけないものがありそうなことを聞かされる。 あとがきにあったが、宮部みゆきは、故美空ひばりの「車屋さん」の歌が小説のきっかけになったという。信頼する運転手に恋文を託すといった陽気で洒落た歌だが、口の固い運転手、梶田が娘達にも語らなかった秘密の過去を、まるで「博物館を逆に回るように」現在から過去へと調べていくのが作品の主な流れになっている。 4歳のころに誘拐された記憶を持つが父親の梶田からは何も聞かされなかった姉は、過剰とも言える心配性で人に気を遣うばかりな一方、妹は大胆でわがまま。父親の過去をつまびらかにすることで、不名誉な事実が自分の婚約者と家族に迷惑をかけることを心配する姉に、犯人を捕まえることを第一優先に考える妹とは決して噛み合わない。そんな姉妹の間に挟まれながらも杉村は少しずつ、梶田を死なせた犯人、そして梶田の過去に近づいていく…というストーリー。 もはやミステリーの大家となった宮部みゆきの文章は、豊かな描写の反面ムダがなく、数多くの登場人物のキャラをしっかりと描き出す。起承転結の後半はほとんど最後の100ページに凝縮されていて、それまではこれといった大きな動きはないけれど、義父である会長の貫禄、女編集長のマイペースな言動、自己現場にいた管理人や理事長、また近くのおばあちゃんやエプロンおばさんに、玩具店の家族など、とても現実的で生き生きしているので退屈することなくどんどん読めてしまう。 ただ結末はどうもしゅっと腹落ちしない感じだ。なぜそこまで傷つけるようなことをする必要があるのかよく分からない。性悪女でした、と納得するしかないよう結論。また、主人公の杉村はまだ若いはずなのに非常に冷静で辛抱強く、落ち着いた初老の人物であるかのキャラなのが若干妙な感じだ。 | ||||
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面白かった。さすが宮部みゆきさん。裏切りませんね。 主人公が、優しく我慢強くいい感じです。 本書のなかで主人公の母親が言っていること、 「男と女はね、くっついていると、そのうち品性まで似てくるもんだよ。だから、付き合う相手はよく選ばなきゃいけないんだ。」 本当だねぇ。と思う。 | ||||
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『模倣犯』では、 最後の最後でのタイトルの使い方に、うならされた。 本作でも(ずっと穏やかだが)、趣向が凝らされている。 主人公は、愛する人と幸せな家庭を築くことを願った、普通の男。 しかし、愛した相手がたまたま「somebody=一角(ひとかど)の人物」の娘だった。 親族の反対や、周囲の冷ややかな視線にもめげず結婚に踏み切り、 結果、妻とは些細なことも相談できる、理想的な夫婦関係にある。 そして、(おそらく愛娘の選んだ相手を徹底的に調べたであろう)舅にも気に入られ、信頼されてもいる。 そうして得た、かけがえのない生活。 だが、一歩家庭の外に出れば、生暖かい視線に囲まれる孤独な日々。 全編を通して主人公の、 「普通の幸せが良かったんだけどな」 というボヤキが聞こえてくるようだ。 物語は、そんな結婚の経緯を知る ある人物――彼は主人公の良き理解者でもあるのだが――の「事故」死、ひき逃げ「事件」から始まる。 主人公は、ひょんなことから「事」の真相と、同時に彼の過去をも調べることになるが、知りたくなかった秘密に行き着いてしまう。 故人も男気に溢れる、一角の人物ではあった。 だが、 不幸な事故を起こした同僚をかばうために一線を越え、 結果的に当事者のみならず、幼い娘の心にも、長く暗い影を落とす。 そして、この秘密が自身に降りかかった厄災=「事故が事件になる」がきっかけで露見する皮肉… そんな、宮部氏 一流のヒューマンドラマが、 ミステリーとしては 「ささやかな犯罪」 であるが故に際だち、 堪能できる作品になっている。 予想できるよう作者に誘導されるラストは、 だから、 あっと驚く展開とも、強烈なカタルシスとも無縁だ。 だが、 主人公を奥さんが送り出す場面で描かれる信頼関係と、 不幸な姉妹が繰り返した愚行、 そのコントラスト。 そこに、 主人公が焼いた「お節介」の重みを感じ取って欲しい。 「必死で、あなたの大切な『誰か』を見つけて、きっと幸せになって欲しい」 そして、 「あなたの幸せは、その『誰か』の幸せでもあるのですよ」 とも… 宮部みゆきの作品からは、人物を見つめる視線に、ボサノバのような暖かみを感じる。 そして僕はいつも、 「人間の幸せ」について、思いをめぐらすことになる。 『誰か Somebody』は、 彼女の「描きたい」ことがギュッと詰まった小説なのではないか。 ファンからの評価が高くないことも含め、伊坂幸太郎『あるキング』を連想した。 どちらも、 当代きっての売れっ子作家の本質を語る貴重な一冊であると、私は思う。 | ||||
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